晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

8月29日の木星

2021年08月30日 | 木星
 う~ん、見えませんね~、すでに時報が20時04分を告げています。

 今日はX-37Bが西の空を駆け上がって高度60°で地球の影に入る注目コースだったのですが、
どーもフラれてしまったようで…結局逢うことができませんでした。

 まー、X-37Bあるあるなので慣れっこでなんとも思いませんがせっかく機材をセットして何も撮影しないのはもったいないので拡大撮影システムで木星を撮影してみました。と言っても赤道儀のついていないドブソニアンなので木星が視野を通り過ぎる時間での撮影となります。撮影時間は18秒ほど… どんなもんかとレジスタックスをかけてみると… え! おどろきです! ビックリするほど模様が写っています!




 撮影時間は18秒ほどですが、F値が明るいのでShutter 8.981msで2043フレーム撮れてました~。
恐るべしザ・ドブソニアン! 口径30cmの威力をみごとに見せつけられました。IR Pass Filter(685nm)を装着しているのでガリレオ衛星も大気分散すること無くシャープに撮れています。(接近しているのがエウロパとガニメデで反対側がイオです。)


 こちらはいつも使っている惑星カメラASI290MCで撮影した画像です。ASI290MCは視野が狭いので木星通過時間はわずか10秒です。Shutter 12.83msで取得フレーム数は268コマでした。コマ数の割には良く撮れていました。



 今夜は日没後に薄雲が広がる予報でしたが空を見上げると雲ひとつ無い快星となっています。こ~れは撮らなきゃもったいないオバケが出るレベルですね。木星撮影班緊急出動要請発令です!

 で、ここからはいつものμ-210での撮影です。いつものルーティーンでは土星撮影→木星撮影ですが、今宵は脳内が木星モードになっているので即、木星にロックオンです。


本日のファーストショット(Diameter=48.90" Magnitude=-2.86 撮影時高度31°)

2021.8.29 21h21m57s CMI=220.1° CMII=315.5° CMIII=141.4°
Duration=60s Shutter=12.83ms Gain=340 (56%) Autostakkert3 50% of 4672

  21時過ぎから始めた木星撮影会は22時30分過ぎに分厚い雲が突然やってきて終了となりました。事前にチェックした気流情報では250hPaが風速25m/s、500hPaが風速21m/sで特段良いというわけではありませんでしたが、雲が襲来する直前に一瞬気流が穏やかになったようです。今回撮影した全画像のGIFアニメでも最後の5~6コマの解像度が突然良くなっているのが分かります。



本日のベストショット!
2021.8.29 12h58m35s(UT) CMI=242.5° CMII=337.6° CMIII=163.6°

µ-210+powermate2×+Imaging Flip Mirror +ADC+ UV/IRcut + ZWO ASI290MC
120sec Shutter=12.83ms Gain=340 (56%) Autostakkert3 50% of 9338frames


上記写真は単独1枚画像ですが今回も複数画像を使ってDe-rotation処理してみました。

中央時刻 12h39m36s(UT)

↑ De-rotation(6枚合成)



中央時刻 12h41m06s(UT)

↑ De-rotation(7枚合成)



中央時刻 12h56m48s(UT)

↑ De-rotation(5枚合成)



中央時刻 13h05m18s(UT)

↑ De-rotation(4枚合成)



中央時刻 13h27m48s(UT) ↓ 今回のベストフォトかな?

↑ De-rotation(2枚合成)

今回は惑星カメラ撮影中に30cmドブで眼視観望もしました~
 Powermate2×と5mmアイピースを装着して600倍で覗いたのですがこれが驚くほどよく見えました。
土星はカッシーニの空隙がぐるりと一周くっきり見えて本体の縞模様もはっきり見えました。

 赤道帯(EZ)の明るいクリーム色と北赤道縞(NEB)から北極までがモスグリーン色に見えて
北極部分の六角形模様のところが濃い緑色に見えてその存在を確認することが出来ました。

 背景にはたくさんの星々も見えて深淵の宇宙に浮かんでいるリアルな土星を感じることができました。いや~こんなによく見えたのは初めてかもしれません。雲が来襲する直前だったので気流が特に良かったのかもしれません。超ラッキーです。

 木星は雲がやってきたので短時間しか見ることが出来ませんでしたが、正面に見える大赤斑を取り巻くもじゃもじゃの南赤道縞がよく見えました。気流が落ち着いて一瞬カチッと静止して見えた時の木星は画像処理で浮かび上がったデジタル画像の木星と違ってこの瞬間のREAL LIVEの木星の模様で…しかも意外にも模様がシャープに見えたので感動すら覚えました。

 今日はX-37B撮影のために望遠鏡を出したわけですが、X-37Bが見えなかったおかげで今まで見たことのない素晴らしい木星と土星に出逢うことができました。まさに「捨てる神あれば拾う神あり」ですね。

8月27日の中国宇宙ステーション

2021年08月29日 | CSS(中国宇宙ステーション)
  8月27日に撮影した中国宇宙ステーションの記録です。
今回の通過は最大仰角78°、直距離が386kmなのでほぼベストといえる好条件パスです。

 前回の撮影ではシャッター速度0.983ms、GAIN310でかなりの露出オーバーになったので今回は
Shutter=0.882ms、GAIN300(75%)に設定して撮影してみました。システムはいつものASI174MM+IR Pass Filter(685nm)です。

本日のイベントデータ




今回のコースは天頂通過までは逆光、天頂通過後は順光となります。
対角魚眼による通過写真でも天頂通過後に順光となって光度が増していることが分かります。

19h29m29s~19h31h48s D810A 10.5mm f2.8 1.6sec × 90

 下の動画は今回撮影で記録された中国宇宙ステーションをカットすることなくつないだフルバージョン動画です。1分10秒の長丁場ですがこれを見ると天頂通過後に順光となって太陽に向いている太陽電池パドルも見えてくる様子が分かります。

 今回の気流状況ですが、Windy予報では250hPa(10km)の風速が秒速24m、500hPa(5500m)の風速が秒速21mとなっていましたが、実際のシーイングも星の瞬きと撮影した動画の様子から「極端に悪くはないが良くもない」状況でWindyの予報どおりだなと感じました。

2021年8月27日の中国宇宙ステーション(フルバージョン動画)


 天頂通過後の動画から解像度の高いコマを抽出して画像処理してみました。今回は露出が適正だったのでこれまででベストの解像度となりました。

↓ 19h30m45s



↓ 19h30m51s



↓ 19h30m54s



 さて、撮影するといつもクリオネのように写る中国宇宙ステーションはいったいどんな構造をしているのでしょう?…この疑問を解決すべくネット検索をしまくって調べてみました~。


 ふむふむ、だいたいこんな感じのようです~。


 神舟12号と天舟2号の太陽電池パドルが写れば完璧だったようですが主要なところはほぼ写っていたようですね。ちなみにコアモジュール天和の全長が6.6m、直径4.2mで天舟は全長4,2m、直径3.35m、神舟は全長7.4m、直径2.7mのようです。


8月27日の木星・土星

2021年08月28日 | 土星
8月27日に撮影した土星と木星で~す。
気流が良くなかったのでイマイチの土星と木星でした。

衝から1か月近く過ぎたので土星本体の影が輪にかかっているのが分かりますね。

本日の土星データ Diameter=18.33" Magnitude=0.32

2021/8/27 20h53m55s(JST) CMI=107.4° CMIII=241.2°
180sec Shutter=95.64ms Gain=350 (58%) Autostakkert3 50% of 2060


こちらは衝から1週間過ぎた木星です。(Diameter=48.96" Magnitude=-2.87)

2021/8/27 21h20m45s(JST)  CMI=263.4° CMII=14.0° CMIII=199.4° 
Duration=90s Shutter=14.70ms Gain=332 (55%)Autostakkert3 50% of 6125


De-rotationしてみましたが気流が良くないのであまり変わりませんでした~。(^^ゞ


中央時刻 21h20m(JST)

ISS拡大撮影(8/26)

2021年08月27日 | ISS(国際宇宙ステーション)
8月26日03時40分に通過したISS拡大撮影の記録で~す。

 8月としては記録的な長雨が続いたためISS拡大撮影は8/1以来の25日ぶりです。8月はISS拡大撮影のベストシーズンですが今年はそのチャンスがありませんでした…。

 さて、今回の通過は高度34°で地球の影から出現して最大仰角78°を通過して北東の空へと沈んでいく好条件のパスです。自宅から北西4kmの地点でISSの月面通過が見られましたが天気が不安定だったのでプチ遠征はキャンセルして拡大撮影に専念することにしました。





 こちらが現在のISSの状況です。8月12日にシグナス補給船(NG-16)がユニティーにドッキングしました。クルードラゴンは現在もハーモニーの天頂部にドッキングしていてハーモニーの船首部分には8月30日0時00分(JST)にカーゴ・ドラゴンがドッキングする予定になっています。カーゴドラゴンのリフトオフは8月28日16時37分(JST)の予定です。


 気になる天気ですが、02時までは気流も安定していて期待できたのですが03時を過ぎた頃から1等星が大きく瞬くようになり残念ながら気流は悪化してしまいました。

 下の動画はISSが地球の影から出る時刻の03時40分20秒にスタートした映像です。ご覧のように月周辺に雲があったので月をかすめるISSを見ることは出来ませんでした。 

 2021年8月26日03時40分のISS通過の様子(対角魚眼で撮影)


 さて、本日の拡大撮影ですがシステムはいつものPowermate2×+ASI174MM+IR Pass Filter(685nm)です。最近のISSは明るくなっていることとブレを軽減できるかをテストするためにシャッタースピードは0.757msまで下げて撮影してみます。GAINは300(75%)です。

 おっと、時報が03時40分20秒を告げました。ISSは雲の中を通過中のはずですが… おっ、来ました。
雲のムコウガワを通過する移動光点が見えました。拡大撮影開始です!

 ふう、撮影終了です。撮影開始時はすでに移動速度が速くなっていたので何度かロストしましたが何とか追尾できました。ファイヤーキャプチャーも今回は走ったようです。とりあえずは一安心です。

 で、こちらがその動画ですが、夏場の気流ではないですね。全然ダメです。SCWの予報で山沿いにショワルター安定指数0(ゼロ)値が出ていたので乱流があるかなーとは思っていましたが、その影響が出ているようですね。シャッタースピードの差はそれほど無いようです。


 さ~て、ここからが腕の見せどころ、究極の画像処理で解像度をアップさせていきましょう!
…と意気込んだのですが、ゆらゆらの画像でコンポジットが出来ないため本日はすべて1枚のみの画像処理です。う~ん、今回はこれが限界ですね。気流の影響でシャープさの無い画像となっています。

…ですが今回ハーモニーの天頂部にドックしているクルードラゴンを撮影できたのは収穫です。雲が無い状態で撮影できればハーモニー天頂部のクルードラゴンをもう少しクリアに撮影できたかもしれませんね。



 ↓こちらは最大仰角78°、直距離433kmを通過中のISSです。




 ↓こちらは天頂通過後の遠ざかっていくISSです。



 今回はラスベットにドッキングしているソユーズMS-18の太陽電池パドルが思いのほか良く写っていました。



 NASAが公表している写真はスゴイですね~。下記写真はオリジナルをトリミングしたものですがその解像度の高さに腰が抜けそうになりました。ナウカの太陽電池センサーのひとつひとつが手に取るように分かります。しかも撮影データの詳細も公表しているのですからその太っ腹さには頭が下がります。ISSの窓から見たらこんな風に見えるんだろうな~と疑似体験に浸ることができますね。

262 miles above the Kenya-Tanzania border on Africa's Indian Ocean coast.

2021:08:02 15:18:25
Nikon D5
16.0 mm f/2.8
ƒ/9.0 16.0 mm 1/1000 ISO250



〈撮影参考資料〉
250hPa(10km)


500hPa(5500m)


850hPa(1500m)









8月11日の中国宇宙ステーション(天和)

2021年08月12日 | CSS(中国宇宙ステーション)
8月11日午前3時過ぎに中国宇宙ステーション天和が仙台上空を好条件で通過する。
星の見えない夜が長く続いていたがSCW晴天予報と好条件通過予報がこの時…奇跡的に重なった。
千載一遇のチャンスである。しか~し、ほんとに晴れるのか~?

 半信半疑であったが午前2時に目覚ましをかけて外に出てみると…おお、見事に晴れてる…
あ~、しかし気流は最悪です。西に傾いたはくちょう座のデネブがあり得ないほど瞬いています。

 南西の空で輝いている木星も瞬いているんじゃないの? と思うほど荒れた気流です。まー
太平洋に抜けた台風の影響を強く受けているのですから無理もありません。晴れただけでOKです。

今日の天和はペガスス座で地球の影から抜けて出現します。見え始めが仰角52°で30秒後には最大仰角85°に到達します。今回の最大光度は0.9等ですが、雲が流れているので露出アンダー対策としてGAINを310に設定して撮影します。Shutterはやや長めの0.983msにしてみます。

本日のイベントデータ




今回も撮影システムはいつものASI174MM+IR Pass Filter(685nm)です。おっと、見えました。
増光する移動光点発見です! 今回は1回目の導入で追尾に成功しました~。

 ふう、撮影終了しました。天頂コースだった上に寝起きで脳内ブドウ糖が欠如していたためロストが
いつもより多めでしたが、何とか撮影できました。


2021年8月11日午前3時15分の中国宇宙ステーション(天和)その1

↑ 撮影の前半、03時15分03秒~03時15分27秒までの動画です。



2021年8月11日午前3時15分の中国宇宙ステーション(天和)その2

↑ こちらは天頂通過後の03時15分36秒~03時16分02秒までの動画です


いつものように解像度の良いコマをステライメージで画像処理してみました。
全体的に露出オーバーですが天和の両側に展開している太陽電池パドルを確認できました。
今回の気流は真冬並に荒れていたのでこの程度の解像度でもいい方かもしれません。
8月下旬には天気が回復するようですので次のチャンスを待つことにしましょう。

file.No4467

2021/8/11/ 03h15m12s Shutter=0.983ms Gain=310 (77%)


本日の気流情報(参考資料)
250hPa(10km)


500hPa(5500m)


850hPa(1500m)



↓関連過去ブログ
X-37Bと中国宇宙ステーション(天和)ほぼ同時刻パス 観望記録
長征5号Bロケット・コアボディ 目撃記録


8月3日の木星

2021年08月05日 | 木星
8月3日、土星撮影後の木星で~す。
本日の基本データ:Diameter=48.57" Magnitude=-2.84

本日のファーストショット

2021.8.3 24h23m45s CMI=182.1° CMII=114.9° CMIII=294.0° 
Duration=114s Shutter=19.06ms Gain=347 (57%) Autostakkert3 50% of 5290



木星の衛星エウロパ(上)とイオ(下)

2021.8.3 24h23m45s CMI=182.1° CMII=114.9° CMIII=294.0° 
Duration=114s Shutter=19.06ms Gain=347 (57%) Autostakkert3 50% of 5290



↓こちらは3枚をDe-rotationで重ねた画像です。なかなかいい感じです。

µ-210+powermate2×+Imaging Flip Mirror +ADC+ UV/IRcut + ZWO ASI290MC
2021.8.3 24h30.1m  CMI=186.1° CMII=118.9° CMIII=297.9°
120sec Shutter=17.81ms Gain=347 (57%) Autostakkert3 50% of 3images


気流も安定していたので快調に撮影を進めていたのですが、北西から移動してきた雲が0時40分に木星に到達して撮影会はやむなく終了となりました。

 木星の撮影は0時20分過ぎに始めたばかりだったので撮影時間がわずか20分という史上最短撮影タイムを記録しました~。仕方ないですね。天気には抗えません。天気図チェックをして次回の観測日を検討することにしましょう。


ISSの月面DayLight Passに挑戦!…その顛末記

2021年08月04日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 8月4日午後の早い時間に仙台空港の近くでISSの月面DayLight Passがあります。
今日は天気もいいので早速出かけることにしましょう!レッツゴー


気持ちのいい夏空です! 山沿いで積乱雲が発生しているのがちょっと気がかりですが…


さて、撮影地はもうすぐですが近くに「きぼうの桜」があるらしいのでちょっと寄り道です。

 きぼうの桜はISSで宇宙飛行をした種から発芽した桜の子孫です。こちらの桜は西暦24年に日本武尊(やまとたけるのみこと)が手植えしたと伝えられている「山高神代桜」(山梨県北杜市)直系の桜のようです。山高神代桜は推定樹齢2000年の日本最古で日本最大の桜と言われています。

「ここ名取市は東日本大震災で甚大な被害を受けました。ここに偉大な一本桜の直系子孫を植えることで大震災の記憶と教訓を千年風化しない方法で子孫に残します。千年に一度と言われる大津波の記憶を樹齢千年以上の桜が三十一世紀の子孫に伝えます。」…とHPのプロジェクト概要に載っていました。
きぼうの桜・ワンアース


 三十一世紀という言葉は初めて聞いたなぁ、千年後の世界はどのようになっているのだろう? 少なくとも銀河系内での異惑星人交流はあるんだろうな~などと突拍子もない考えが頭に浮かび不思議な感じがしました。1000年後の世界… 想像がつきません。

 さて、きぼうの桜を後にして5分ほどで撮影地に到着しました。今日のシステムはポタ赤にミニボーグ60を装着して惑星カメラ撮り、フルサイズデジカメには600mm望遠レンズを装着してビデオ撮りをします。


で、こちらがフルサイズデジカメでテスト撮影したビデオ映像です。

月齢25.1 テスト撮影


すべての撮影準備を終えたころ…遠くからゴロゴロと雷鳴が…発生源はこの積乱雲のようです。


おっと、この雄大積乱雲は現在仙台市西部に猛烈な雨を降らせているようです。



こっちに来ないでくれ~と心の中で叫んだが…



その言葉が届くわけもなく…どんどん近づいてきます。



ヤバイ雰囲気です。


この積乱雲はキャノンのコンデジで撮影していますが… なかなかの解像度です~。


成層圏を飛ぶジェット機がくっきりシャープに写って積乱雲のコントラストも秀逸です。


…などと考えている場合ではありません! 左側の雲が月に届いたらアウトです。


積乱雲の勢いはだいぶ弱くなりましたが雲は少しずつ広がっています。雲よ止まれ~。


雲がばらけてきました。積乱雲はピークを過ぎて終末期に入ったようですが時すでに遅し…


願いもむなしくISS通過の30分前に月は雲のベールに隠されてしまいました。


やむなく撤収です。かくしてISSの月面DayLight Passは成果を残すこと無く終了しました。


えー、映像が何も無いのはさみしいので偶然撮影に成功(?)したジェット機の太陽面通過をご覧ください。ISSの代わりにどうぞ~(笑)


ジェット旅客機の太陽面通過!?


あー、太陽面通過というよりはジェット機による太陽掩蔽ですね。失礼しました~。ちなみにこの場所は仙台空港着陸ルート真下見学スポットといってGoogleマップにも載っています。手が届きそうなところをジェット旅客機が通過するので迫力ありますよ~。


↓関連ブログ
ISS月面通過、撮影失敗! 2011年7月23日
野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗するISS撮影記録② 2021年5月20日

8月3日の土星

2021年08月03日 | 土星
 昨日8月2日が今シーズンの土星衝でしたが天気に恵まれず撮影できませんでした。残念~。
今日も曇る予報でしたが今のところ晴れているので早めの撮影スタートです!

…といっても20時40分現在の土星の高度は20°です。普段なら撮影しない高さですがとりあえずチャレンジしてみましょう。今日の観測ポイントはハイリゲンシャイン効果です。

 土星衝当日はハイリゲンシャイン効果で環がいつもより明るく光る様子が観測されます。今日は衝から1日過ぎていますがはたしてハイリゲンシャイン効果は見られるのでしょうか。早速撮影開始です。


本日のファーストショット(20時49分)Diameter=18.52" Magnitude=0.18 

2021/8/3 20h49m33s(JST)CMI=0.7° CMIII=218.8°
240sec Shutter=78.83ms Gain=350 (50%) Autostakkert3 50% of 3045

 気流が良くありませんね~。まだ高度20°なのでしょうがないですね。心なしかB環が明るい感じがしますが…もう少し待つことにしましょう。



時間は23時を過ぎました。どうでしょう? 環はいつもより明るくなっているでしょうか?

2021/8/3 23h42m01s(JST)CMI=101.9° CMIII=315.9°
240sec Shutter=38.98ms Gain=389 (50%) Autostakkert3 50% of 5950


こちらは本日のラストショットです。気流はかなり落ち着いています。

2021/8/3 24h10m15s(JST) CMI=118.4° CMIII=331.8°
240sec 43.34msGain=389 (64%) (50%) Autostakkert3 50% of 5538


単独ではハイリゲンシャイン効果がよく分からないので7月16日に撮影した土星と並べてみました。





 7月16日の土星と比べてみると8月3日の方がA環とB環の輝度差が大きいような感じがします。A環の変化は分かりにくいですがB環が明るく見えているのが分かりますね。

 以上、土星のハイリゲンシャイン効果レポートでした~。

ISS拡大撮影(8/1)

2021年08月02日 | ISS(国際宇宙ステーション)
8月1日の20時過ぎにISSが仙台上空を好条件で通過していきました。

 雨上がり直後で望遠鏡が結露してしまう悪条件でしたが、この先しばらくは好条件の通過がないので撮影を決行しました。ナウカドッキング後のISS初撮影です。以下その記録で~す。

本日のイベントデータ



 最大仰角は83°で条件的には最良ですが湿度が高く透明度は非常に悪い状態でした。
天気はかなり不安定で、額に雨粒が落ちてきたような感じがして望遠鏡を出していいのか?と一瞬迷いましたが、迷ったときは進んだ方がたとえ失敗しても後悔はしないのでレッツGO!です。

 …と意気込んで設置したものの望遠鏡の鏡筒はみるみる結露するしファインダーも5分おきに拭かないと曇ってしまう状態です。鏡面の温度順応をさせたかったのですが撮影直前までは鏡筒に蓋をして鏡面保護です。

 今日のシステムはいつものASI174MM+IR Pass Filter(685nm)です。Shutterは0.883ms、Gainは300 (75%)にセッティングしました。透明度が悪いのでやや露出アンダーになるかもしれませんが画像処理を考えるとアンダーの方が直しが効くのでこのままにします。

 時間です。ISSがゆっくりとしたスピードで北斗七星を横切っています。今日の通過は北西→天頂→北東コースなので死角となっている屋根から出たところで撮影スタートです。

 屋根から出たときにはすでにスピードが速くなっているのでスムーズに導入できるかが本日のカギとなります。ふう、呼吸を落ち着かせて… 見えました! よし、うまい具合に1回目で導入追尾に成功しました。

 今日のコースは天頂通過後から最大光度となり低空までこの明るさをキープします。とても明るいパスです。

 ふう、撮影終了です。かなり長い時間追尾することができました。いい感じです。早速動画を確認してみることにしましょう。

 …? ありゃ… わぉ! がび~ん!! なんとノートPCが走っていません! 2分以上撮影していたのに記録されたフレーム数はたったの1409コマです。うわぁ~どこで止まった? なに?フレームレートが6FPS!? 大ショックです! 6FPSは1秒間に6コマしか撮影できなかったということを表しています。こりゃ全滅だ。たぶん何も写ってないだろう。

 というのもキャプチャーをスタートさせたのはまだISSが見える前です。スタート直後に止まっていればISSはまったく写りません。絶望感満載ですがとりあえず再生してみると…

 …ほひょ!? ふ~む そうですか~ PCはところどころでキャプチャーしていたようです。コマ送りのような変な画像ですが繋いで動画にしてみました。

2021年8月1日ナウカドッキング後のISS


…以上です! PCがうまく走っていればかなりいい感じの動画が撮れたはずですが…残念!

 撮影コマ数は少なかったのですが何枚か解像度の良い画像があったのでいつものように画像処理してみました。NAUKAの太陽電池パドルは確認できますが真下からのアングルなので本体は場所の確認といった感じです。

File.No.0912


2021/8/1 20h13m19.163s Shutter=0.883ms Gain=300 (75%)


File.No.0914


2021/8/1 20h13m19.178s Shutter=0.883ms Gain=300 (75%)


File.No.0989


2021/8/1 20h13m43.095s Shutter=0.883ms Gain=300 (75%)


File.No.1040


2021/8/1 20h13m55.398s Shutter=0.883ms Gain=300 (75%)

 今回の撮影は全体的に露出オーバーになっています。NAUKAと増設した太陽電池パドルでISSの輝度が上がっているかもしれません。今回のデータを元に次回の撮影の露出を検討することにしましょう。

X-37B 撮影記録(8/1)

2021年08月01日 | X-37B
毎日天気が不安定で拡大撮影ができない日が続いています。

今日もだめかなぁ~と思いながら外に出てみると…ほひょ!? 思いのほか晴れています。見える範囲ですが雲が一つもありません。さっきまで弱い雨が降っていたはずですが急速に晴れたようです。これなら拡大撮影が十分できます。現在時刻は02時30分…今朝の通過時刻は03時18分ですので十分間に合います。急いで準備をすることにしましょう。

 撮影終了後にwindyで確認したところこの時間だけ晴れていたようです。ラッキー!


 さて、本日のターゲットは直距離461kmのX-37Bです。拡大撮影するにはやや遠いパスですが、今回のミッションはまだ成功していないX-37Bを動画で撮影することなので条件としては十分です。

 最大予報光度は0.8等級ですがX-37Bの場合この数値は当てになりません。予報より暗いことが何度もありましたので眼視で補足することが撮影成功のカギとなります。

 さて、そろそろ時間です。時報が03時17分を告げました。ふ~む、木星の下を見てますが…見えませんね~。時報が03時18分を告げましたが…まだ見えません。今日も見えないままで終わるのか~と思った瞬間、見えました! うお座で発見です!

 う~む、かなり暗いですね~。月明りの影響があるのかもしれませんが、どーみても2等級です。2回目の導入でファインダー捕捉成功です。撮影システムは30cm(F5)+Powermate2×+ASI174MM+UV/IR cut filterです。本日の露出は前回の教訓を生かしてShutter=0.994ms、Gain=300 (75%)にセッティングしてトライです。

 ふう、撮影終了です。暗かったので露出不足かと思いましたが十分写っていました。X-37Bの動画撮影成功です!

2021年8月1日03時18分のX-37B(↓飛翔体が小さいので全画面表示でご覧ください。)


 動画を再生してみるとグニャグニャしていて形がよく分かりません。動画から画質の良いフレームをセレクトして画像処理をしてみましたが、なぜこれほど形が変化しているのか、X-37Bをどの角度から見ればこのような形になるのかがが全くもって分かりません。

↓frame.№3839 03h18m47.860s Shutter=0.994ms



↓frame.№3944 03h18m51.219s Shutter=0.994ms



↓frame.№4072 03h18m54.667s Shutter=0.994ms



↓frame.№4076 03h18m54.698s Shutter=0.994ms



↓frame.№4078 03h18m54.713s Shutter=0.994ms



↓frame.№4079 03h18m54.713s Shutter=0.994ms



 今回の撮影では、形をはっきり捉えることはできませんでしたが貴重なデータを得ることができました。今後、気流の良いときに適正露出で撮影できれば形を特定できるかもしれません。次回のチャンスを待つことにしましょう。



↓過去ブログ
X-37B 観望記録  2021年6月25日
X-37B 観望記録  2021年5月14日
X-37B 観望記録  2020年12月9日
X-37B (OTV-6)  2020年5月29日&5月31日
X-37B (OTV-5)  2019年9月15日
X-37B (OTV-2)  2011年11月3日
X-37B (OTV-1)  2010年5月30日
The military space shuttle X-37B