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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

青い惑星・海王星(11/13)

2024年11月16日 | 海王星
顕微鏡対物レンズによる海王星撮影チャレンジ記録です。

 さて、望遠鏡を海王星に向ける前に基本データの確認です。
〈海王星・Neptune〉φ(.. )
・太陽系第8惑星
・光度=7.7等級(反射能:アルベド=0.65)
・視直径=2.3秒
・地球からの距離=約30au(約45億km)

 ふむ、視直径2.3秒で光度7.7等ですか… 導入が難しいですね~。とりあえず土星を撮影した惑星カメラをつないだまま自動導入してみましょう。カメラ画角はかなり狭いですが運良く入るかも…です。

 ウィーンと動いた望遠鏡が止まりましたが、PC画面には何も写っていません。感度を上げて確認してもお星さまはひとつも入っていません。そりゃそうですよね、考えが甘かったです…

 で、望遠鏡のファインダーで確認すると、あちゃ~、月明かりで暗い星が見えません。う~む、まずは海王星探しですね。ここで惑星カメラを外してアイピースを挿入です。

 3スターアライメントをとれば一発で導入できそうですが、手間がかかるので土星で1スターアライメントをとって海王星を導入します。それを2回繰り返したところで望遠鏡の視野のはじに惑星状の星が入ってきました。海王星ゲットです!

 挿入しているアイピースは暗視野照明付きレチクル十字線入りアイピースです。これで海王星を中心に持ってくれば視野の狭い惑星カメラに切り替えてもPC画面に写るはずです。

 そろ~りとアイピースを抜いて惑星カメラを入れると…おっと、写りました。海王星導入完了です。しか~し、ここで問題発生です。ピントの山が分かりません… ボケているのかジャスピンなのかピントリングを回しても確信がもてません。

 う~む、仕方ないです。惑星を相手にバーティノフマスクをかぶせるのは反則技ですが背に腹は代えられません。感度を最大にしてピント合わせをしましょう。

 ふう、なんとか3本の光条が見えたのでピントはきっちり合わせることができました。で、こちらが 顕微鏡対物レンズで撮影した海王星のファーストショットです。

顕微鏡対物レンズで撮影した海王星

2024/11/13 18h25m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=625.9ms Gain=480 (100%) Duration=60s  Autostakkert3 50% Drizzle1.5×


 カメラ感度はMAX100%のゲイン480です。視直径が小さいのでスタックするときに1.5倍のドリズル処理をしています。2枚目の写真は露出時間は同じですがシャッタースピードを遅くした画像です。↓

2024/11/13 18h29m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=875.3ms Gain=480 (100%) Duration=60s  Autostakkert3 50% Drizzle1.5×


↓ こちらは露出時間を3分にして撮影した画像をトリミングしたものです。

2024/11/13 18h41m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=907.8ms Gain=480 (100%) Duration=180s  Autostakkert3 50% Drizzle1.5×

 とりあえず撮影は成功しましたが月明かりがかなり明るかったので影響のない日を探して再度チャレンジしてみることにしましょう。

 さて、この海王星ですが12月9日の17時過ぎに上弦の月が海王星を隠す「海王星食」が起きます。

 月齢は8.1、暗縁潜入の明縁出現となりますが海王星の光度が7.7等なので暗縁潜入が観望のチャンスです。薄明中の現象なので観望はきびしいですが、視直径2.3秒の海王星が月縁にかかってから潜入するまで約6秒かかるそうなのでその様子は見てみたいですね。

 天気の具合を見てチャンスがあるときはウオッチングしてみることにしましょう!

 あ、海王星食の前日・12月8日には土星食がありますね。そちらも見逃せないですね。(^^ゞ


〈コメント返信添付写真〉
アカボシゴマダラ(中国大陸亜種)の飛翔


温暖化で仙台に定着したツマグロヒョウモン

三日月と海王星の接近 撮影記録(2/12)

2024年02月13日 | 海王星
「三日月と海王星の接近」の撮影記録で~す。

 今月の三日月はやや太めだったので日没前の青空で眼視で確認することができました。

青空の中の三日月

2024/2/12 17h15m16s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1600 F7.1 1/640sec

 さて、本日の対象天体「海王星」は言わずと知れた太陽系の最外縁惑星で、地球からの距離は30au(45億km)もあります。光度は7.9等級で肉眼では見えない天体です。しかも日没直後の時間なので今日は20cm反射望遠鏡も撮影機材としてスタンバイさせています。


20cm反射で撮影した月齢2.4 輝面比0.08、新月57時間16分後の月

2024/2/12 17h31m49s SE200N ISO1600 1/320sec

 おっと、問題発生です。月の高度は現在20°ほどですが赤道儀の位置からは庭木が干渉してまもなく撮影不可となってしまいます。それまでに海王星が写ってくれればいいのですが…

 ざんねんながら20cm反射望遠鏡では写すことができませんでした。航海薄明が終わって天文薄明になる時間は18時12分でその時の海王星高度は18°です。なので20cm反射はきっぱりあきらめてここからは600mm望遠で撮影です。

20cm反射望遠鏡のラストフォト

2024/2/12 17h42m30s SE200N ISO3200 1/25sec

 カメラが海王星を捉えたのは18時を少し過ぎた時… 高度は20°を切って山越えの雲がどんどん近づいてきました。う~む、ここからはいつもの雲間を待ちながらの撮影です。

海王星ファーストショット

2024/2/12 18h04m56s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO6400 F7.1 1.3sec

 雲間を待って撮影しても薄雲があるらしく地球照がどうも霞んでしまいます。三脚固定撮影なので星が流れないようにシャッタースピードは1秒以下に押さえているのでISO感度で露出を調整中です。

2024/2/12 18h12m59s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO6400 F7.1 1/5sec

 どれもダメダメ写真でしたが1枚だけ地球照と海王星がキレイに写った画像がありました。こちらは画像処理を一切していないオリジナル元画像です。海王星の色味がもう少し出ればさらに良かったのですがこの気象条件では文句は言えませんね。

本日のベストフォト

2024/2/12 18h15m15s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO8000 F7.1 1/2sec

 眼視では確認していませんが昨日は月面を通過する人工天体がたくさんあったようで複数の写真にその痕跡が残っていました。日没後の西空なのでこれもスターリンク衛星なのでしょうかね~?

人工天体月面通過中~

2024/2/12 18h13m10s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO6400 F7.1 1/4sec

人工天体月面通過コース~その2(通過直後の写真です)

2024/2/12 18h31m35s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO8000 F7.1 1.3sec

人工天体月面通過コース~その3

2024/2/12 18h54m37s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO12800 F6.3 1sec

 そうそう。撮影中にふと空を見上げたら木星が2つ並んでいて、なんじゃこりゃ~と思ったら極軌道の衛星がフレアを起こしていたようでした。急に明るい衛星を見ると、わっ、今日はISSの好条件通過の日だっけ?忘れてたか?と焦ってしまうことがこれまでも何回もありました。笑



やぎ座の木星と土星

2021年09月07日 | 海王星
 やばい、やばい、テレビを見ていたはずなのにいつの間にか寝てしまった。

 ここ最近は秋の長雨が続いていましたが   ~今夜は晴れる予報が出ています。
晴れたら木星と土星の撮影をしようと狙っていたので早速外に出てお天気チェックです!

おおー、見事に晴れています。 雨上がりで湿度はかなり高いようですが、
雲はまったくありません。グッドです!しか~し、今夜の撮影はいつもの木星と土星の
拡大撮影ではありません。秋の星座、やぎ座で並んでいる木星と土星の撮影です。

 やぎ座は暗い星ばかりなので肉眼でたどるのは難しい星座ですが、笑ったときの口の
ような形をしているので空が暗いところに行けば意外と見つけやすい星座です。

やぎ座で並ぶ木星と土星(↓クリックで拡大)

 2021年の木星と土星はやぎ座で並んで輝いていますが、次回木星と土星がやぎ座で並ぶの
は59年後の2080年です。その時は火星も加わって三惑星が並ぶようです。

 さて、今夜はもう一つ、いや、もう二つ撮影対象があります。それは海王星と天王星の
位置確認のための撮影です。

 はじめに、すでに西の空に傾いている海王星から確認することにしましょう。
海王星は7.8等級です。当然肉眼では見えませんので双眼鏡で捜索です。

 星図と見比べること十数分…ありました! うお座とみずがめ座とくじら座に挟まれた
場所にあります。暗いですが双眼鏡を使えば光害のある仙台市郊外でも十分見えます。



 では、次は天王星です。天王星は5.7等星なのでギリ肉眼惑星ですが光害のある空では
当然見えません。こちらも双眼鏡で捜索です。

 ありました。おひつじ座のすぐ下にいます。天王星は明るいので位置さえ分かれば
3倍の双眼鏡でも見つけることが出来ました。

 これで今宵のミッションはコンプリートです。秋が深まって天気が落ち着いたら
天王星と海王星の拡大撮影をすることにしましょう。


こちらはおまけの写真、アンドロメダ星雲で~す。

 地球からの距離が250万光年のアンドロメダ星雲は、見かけの等級が4.3等級もあるので
肉眼で見える最も遠い天体と言われていますが、街明かりの中では確認できませんでした~。

火星と海王星の大接近

2017年01月01日 | 海王星
新年あけましておめでとうございます。

いつも、このブログを見てくださっているみなさん、ありがとうございます。
今年もたま~にアップしていきますので、本年もよろしくお願いします。

さ~て、2017年最初の天文現象である火星と海王星の大接近!、予報では曇りだったので
あきらめムードだったのですが、なんと天気に恵まれて大晦日&元日の連日撮影が
できたのでメモしておくことにしましょう。

12月31日は接近といっても角距離で39分(満月1個分以上)も離れているので
並んでいる…と言った感じです。

火星と海王星の接近(大晦日) 撮影時 角距離 39′36″

2016.12.31 18:18:58 CELESTRON C90 MAK(f1,250mm) D90 ISO3200 1.3sec

1月1日の最接近時刻は16時55分頃、角距離 1分11秒だったので、撮影時はやや離れた感は
ありますが、日没後にこの角距離で火星と海王星が接近する様子を見ることは2100年まで
ないので貴重な現象だったと言えます。

火星と海王星の大接近(元旦) 撮影時 角距離 6′11″

2017.1.1 19:14:36 CELESTRON C90 MAK(f1,250mm) D90 ISO3200 1.6sec

余談ですが、地球から海王星までの距離は30天文単位あります。
ということは、写真に写っている海王星は4時間前の姿となります。わぉ!

レインボー・スター

2008年09月23日 | 海王星
昨日は午前中は、午後は、そして夜は…
なんと快星になりました。まったくの予想外です。

透明度はまあまあですが、とにかく雲が全くありません…。久々です。
月出までは星見ができます。なので「海王星を見つけよう」ミッション開始です。

「ご安心ください! 口径が4センチもあれば見ることはできます。」
と以前、豪語したもののそれは理論上の話で、光害のある仙台市郊外で
果たして見えるのか、実測はしていなかったのです。

そこで登場!バリ君愛用の「組立望遠鏡」です。

口径4cm、倍率は15倍の望遠鏡では果たして見えるのでしょうか。

やぎ座のシッポの星→42番 44番星 45番星、ここまでは楽勝です。
7等級の3つの星は、ややきびしいですね。ここは眼の瞳孔が十分開くのを
待ちましょう…、ふむふむ見えてきました。海王星ゲットです!
おそるべし組立望遠鏡、「惑星全部見ようよミッション」コンプリートです。
↓こんな感じで見えました(ステラナビで作成)

↓実際はこちらの倒立像


さて、今日の本題です。
みなさんは、南の一つ星「フォーマルハウト」を見たことがあるでしょうか?
この星を双眼鏡や望遠鏡で見ると色が青、赤、紫、黄色…と次々変わっていきます。
色が虹色に変わるこの星、実に不思議です。バリ君は今日初めて見たようで
一目で気に入ったようです。名付けるとしたら「レインボー・スター」か
「カメレオン・スター」と言ったところでしょうか。

この様子を何とか写真に撮れないものか…と考えた末、
焦点外像にして撮影してみました。

何となく雰囲気の分かる写真が撮れました。

「フォーマルハウト」WHITEY DOB30 NIKON D50 1/30 ISO800

比較のためデネブも撮影してみました。

「デネブ」WHITEY DOB30 NIKON D50 1/30 ISO800

なぜ色変わりするのか?そのメカニズムは「気流のせいでできた密度の違う空気の層が分光器の働きをするからだろう。」と山田卓さんが著書「秋の星座博物館」(知人書館)で述べています。

ということは理論的には高度の低い1等星は全てこのように見えるはずですが、フォーマルハウトほどきれいに見える星は他にないように思います…。なにか、理由があるのでしょうか?
秋の夜長の観望会はフォーマルハウトの七変化も見逃せないですね。

海王星の見つけ方

2008年09月18日 | 海王星
太陽系最遠の惑星「海王星」が見頃です。

「でも、海王星は天文台に行かないと見ることができないよね~」と
思っている方、今なら手持ちの望遠鏡でも見えますよ!

「でも~、私の望遠鏡は小さいから~」とお嘆きのあなた…、
ご安心ください! 口径が4センチもあれば見ることはできます。

現在、海王星の明るさは7.8等級です。
口径50mmの望遠鏡の眼視限界等級は11.8等級、口径25mmでも9.8等級です。

ですから、見るだけなら天文台に行かなくても見られま~す。

しか~し、海王星を見るためには位置を知らなければ見られません。
惑星はその名の通り「惑う星」です。刻一刻と位置が変わります。

そこで、今日は海王星の見つけ方を紹介します。

ステップ1「やぎ座を見つけよう」

*海王星は現在やぎ座のしっぽ付近をうろついています。
ベガ→アルタイルのラインを伸ばしていくと南の空低いところに縦に並んだ2つの星が見えます。それがヤギの角です。そこから東(左)へ視界を移すと、横に並んだ2つの星が見えます。それがヤギのしっぽです。ヤギのしっぽはペガススの四辺形からたどる方法もあります。街の中でやぎ座を肉眼で見るのは無理なので双眼鏡でさがしましょう。

ステップ2「望遠鏡でしっぽの星を見つけよう」
*今度は望遠鏡でしっぽの星「デネブ・アルゲティ」を見つけましょう。
望遠鏡は視野がせまいので頑張って見つけましょう。
視野にδ星(3.0等級)とγ星(3.8等級)が見えたら次のステップです。

ステップ3「42番星、44番星、45番星を確認しよう」

*デネブ・アルゲティの北に6等級の星が等間隔で3つ並んでいます。
それを確認しましょう。
(↑上図は正立像です。望遠鏡で見たときは↓倒立像になります。)


ステップ4「7等級の星を3つ見つけて四角形を作ろう」
*よく見ると42番星、44番星、45番星より暗い星が3つ見えます。
図のようにつなぐと、42番星44番星45番星を1辺とする四角形ができます。
すると、すぐそばにさらに暗い星が1つ見えます。それが海王星です。
海王星の移動速度はけっこう速いので、1週間で矢印のように動きます。

観望好機は月明かりがなくなる9月22日(火)頃から10月3日(金)頃までです。
時間は21頃が良いでしょう。
海王星の公転周期は約165年です。1846年の9月に発見された海王星は太陽を1周して発見されたときの星座「やぎ座」に戻ってきています。

発見者ガレはパリ天文台のルベリエから未知の惑星の位置予報を聞いた夜に海王星をみごと発見したそうです。予報位置から50分(満月約1.5個分)しか離れていなかったそうです。ルベリエの計算もすごいけど、それをすぐ発見したガレもすごいですね。
10月10日には海王星食もあるので、今が海王星の旬ですね。