晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

2018年に見える細~い月(月齢1未満)

2017年12月31日 | 「見たい天体現象」
早いもので、2017年大晦日となりました。
2018年見たい天体現象の第2弾は「来年見える細~い月」です。

新月から25時間03分後の月(月齢1.0)

2016.12.30 16:55:58 SE200N D90 ISO400 1/40

新月から21時間17分後の月(月齢0.9)

2010.4.15 18:46:58 f100mm F6.0 D50 ISO800 1/4(トリミング)

新月翌日の日没時刻(仙台市)・日没時月齢・日没時月高度は下記のとおりです。

 2018年新月翌日   日没時刻   日没時月齢  日没時月高度
 1月18日(木) 16時44分   1.2    9.970° 
 2月17日(土) 17時17分   1.5   13.058°
 3月18日(日) 17時47分   0.8    6.595°
 4月17日(火) 18時15分   1.3   12.439°
 5月16日(水) 18時42分   0.9    7.016°
 6月15日(金) 19時03分   1.6   13.795°
 7月14日(土) 19時01分   1.3    9.811°
 8月12日(日) 18時36分   1.0    7.409°
 9月11日(火) 17時53分   1.6   12.573°
10月10日(水) 17時08分   1.2    9.920°
11月 9日(金) 16時30分   1.6   12.041°
12月 8日(土) 16時17分   1.0    7.772°

来年、月齢1未満の月が見られるのは3/18と5/16の2回だけのようです。
3月18日は日曜日なので、ぜひチャレンジしたいところですね。


  新月      日没時刻   日没時月齢  日没時月高度
 9月10日(月) 17時54分   0.6    5.710° 
11月 8日(木) 16時31分   0.6    6.349°

*上記は番外企画編「新月の日に月を撮影しよう!」コーナーの基礎情報です。
細い月を見た世界記録は、新月12時間7分後の月(月齢0.5)なので条件によっては撮影可能な月です。かなりチャレンジングな企画ですが今後可能性を探ってみることにしましょう。

さ~て、2017年もあと6時間となりました。
今年もこのブログを見てくださった みなさん、本当にありがとうございました。

来年もたま~にアップしていきますので、時間があるときにご覧いただければ幸いです。
それでは皆さん、よいお年を~!

こくま座流星群観望記

2017年12月23日 | ☆星見隊
12月23日はこぐま座流星群の極大日です。
今回の極大時刻は12月22日の日付が変わる頃、夜中の0時です。

ということで、極大時間に合わせてプチ観望会に出かけました。
自宅から車で5分のところなので空の状態はベストではありませんが観望には十分です。

ふ~む、北の空、低いところに雲がありますが問題ないでしょう。

…ん、すでにチェアーに座っているのはだれ?(その正体はこちら→写真

こぐま座流星群は1時間あたりの出現数が数個の小規模流星群です。

母天体は8P/Tuttle彗星(13.6年周期)
写真は2007年回帰時の8Pタットル彗星。このほうき星のかけらが今夜降ってきます。

2007.12.30 23:25 NIKON D90 NIKKOR ED 50-300mm F4.5 ISO800 72秒

こぐま座流星群の対地速度は 33km/sで、ほぼふたご座流星群と同じ速度です。派手さはありませんがピンと引き締まった12月の冬空で流れる姿はこぐま座流星群ならではの趣があります。

さて、時刻は23時です。ここからはじっくり空を眺めることにしましょう。

カメラは連続撮影モードです。ターゲット領域はペルセウス座周辺です。

2017.12.22 23:26:39 NIKON D90 NIKKOR ISO400 28mm F3.5 30sec

…30分が過ぎました。一つも流れません。さすがのこぐま座流星群です。

さらに30分が過ぎ、まもなく0時を迎えようとしたそのとき…、

おおっ!、流れました!こぐま座流星群ではありませんが、ペルセからこぐま座流星群の放射点に向かって、超スローな流星が流れました。橙色の光点がゆっくりと増光し、最後は1等星の明るさに輝いて消えた姿は神秘的な美しさがありました。私の好きな「ふわっと流星」です。→ブログ

いいもの見たな~と思ったそのとき、おっと!、ついに流れました!こぐま座流星群です!
カシオペヤ座のど真ん中を3等級の明るさで突き抜けていきました。

とっさに、カメラをカシオペヤ座に向けるが、当然写るはずもなく…

2017.12.23 0:00:33 NIKON D90 NIKKOR ISO400 28mm F3.5 30sec

寒さも身にしみてきたので、以上を持ちましてこぐま座流星群観望会はおひらきとなりました。

落下までのカウントダウン…天宮1号

2017年12月20日 | 宇宙開発
中国の宇宙ステーション天宮1号の軌道高度が280kmまで下がってきました。

その天宮1号が12月20日に仙台上空を好条件で通過した。

以下、その撮影記録と観望レポートである。

本日の通過経路


イベントデータ


高度が下がってきているので直距離は293kmしかない。長さ10mほどの飛翔体の明るさが0等級というのも驚きである。

通過時の太陽高度が-7°であるため、撮影時の空はかなり明るく、また薄雲が広がっているため2等級がやっと見える程度の状態であった。そのため固定撮影の写真は露出オーバーになり軌跡がかすかに写っている程度であったが、C90MAK(f1,250mm)を使用した拡大撮影ではなんとか飛翔体を捉えることができた。

天頂通過時撮影

2017.12.20 06:14:41. CELESTRON C90MAK D90 ISO3200 1/400sec

明るさはアークトゥルス(-0.05等級)とほぼ同じ

2017.12.20 06:14:47. CELESTRON C90MAK D90 ISO3200 1/400sec

低軌道のためか移動速度はかなり速く感じた。

2017.12.20 06:14:48. CELESTRON C90MAK D90 ISO3200 1/400sec

天宮1号は遅くとも3月までには落下するものと考えられているが、実際のところはどうなのだろう? 過去に起きた人工衛星落下のケースから考えてみよう。

<ケース1・サリュート7号>
 1991年2月7日に制御できない状態のままアルゼンチン上空で大気圏再突入 燃え尽きなかった一部の残骸は地上に飛散。質量19.7t 、サイズ16m×4.15m 落下直前の軌道高度 219km×278km

<ケース2・UARS>
 2011年9月24日に大気圏に再突入 26個の破片、500kg程度の落下物(高度が150kmを下回った直後に大気圏へ突入) 質量 5.9t  サイズ12m×3.7m (大型バス12m×3,7m 程度)

<ケース3・ROSAT >
 2011年10月23日に大気圏に再突入 質量 2.6t サイズ4m×2.6m 軌道高度が、177 x 185 kmまで低下した頃に大気圏に突入したもよう

<天宮1号のデータ>
質量 8.5t サイズ10.4m×3.35m ( 中型バス9m×3.5m程度)

以上のデータから天宮1号はサイズ的にはUARSに近いものの、重量が8.5tと重いため200kmを切った時点で落下するものと考えられる。現在の軌道高度は273km×300kmなので、2月中旬以降はかなり危険な状態になるだろう。今後の推移を見守ることにしましょう。

2018年見たい天体現象「Lunar X」

2017年12月17日 | 「見たい天体現象」
「来年見たい天体現象」シリーズの第1回目は、今年も出ました!
いつもの、な~ぜか気になる「ルナX」です。

えっ、まだやるんですか~、今や天文年間の「毎月の空」でも予報時刻を紹介してますよ。

…という声が聞こえてきそうですが、晴れスター的にはまだまだ観測したい部分があるので今後も独自予報を載せていきま~す。

今年、2017年5月3日のLunarX(
「earliest X 余経度357.7(±0.2)時間(-0:35)」

2017.5.3 19:13:05 CELESTRON C90 MAK D90 ISO400 1/30sec


…で、今回も月面余経度が358.0°になる日時をまとめてみました。

月面余経度358.0°の日時   日没 月高度(ピーク時)   b値
× 1月24日(水)13時15分 16:50   38°
○ 3月24日(土)17時03分 17:53   70°       -1.16
× 4月23日(月)05時44分 19:57  -33°       
○ 5月22日(火)17時28分 18:47   62°       -1.42
△ 7月20日(金)15時28分 18:58   32°       -0.23
○ 9月17日(月)14時17分 17:43   30°       +1.21
○11月15日(木)16時27分 16:25   32°       +1.45
×12月15日(土)06時49分 16:18  -54°

(注:上記日時はあくまでも晴れスター的独自予報です。)

 b値:月面上で太陽が真上から照らす地点の月面緯度

ふ~む、2018年はLunarXのはずれ年ですね~。好条件で見られるのは11月15日だけですが、
観望可能日としては4回ほどあるので、機会をみてチャレンジしてみることにしましょう。