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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

ISS拡大撮影 Apollo-Cカメラ 4thテスト 編(3/30)

2025年04月03日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ニュー惑星カメラ(Apollo-C)による4回目のISS拡大テスト撮影の記録です。

 今年初となるテスト撮影を実施したのは3月30日… 日中は曇っていたのですが夕方から晴れる予報が出ていたので日没後にいそいそと準備をしてカペラでピントを合わせて準備完了です。

 通過時刻の19時01分までは30分ほど時間があるので部屋に入ってISSのLIVE映像を見てみると…おー、現在エジプト上空を通過中です。いいですね~、ずっと見たいところですがそろそろ準備タイムです。

 で、外に出て望遠鏡の蓋をはずそうとしたら白い粉のようなものが着いています… な、なぬ~、なんと雪です!小雪が舞っています!まじか~、天頂から北西方向は雲で覆われて星が見えません。

 天頂から南西方向も薄雲があるようです。ま、雪は舞っている程度で1等星は見えているので撮影は続行です。今日は天頂通過の好条件パスだったのですが仕方ありません…

 今日の通過は夕方の北西→天頂→南西コースなので天頂までは逆光で暗くなるパスですが北西方向に雲があるのでは前半はほぼ写らないでしょう。ゲインは260の予定でしたが265に変更です。

 さて、時間です! お、さすが天頂コースです。-3.8等級のISSは薄雲越しでもハッキリ見えます。ISSが撮影開始ポイントのカペラを通過しました!撮影開始です。

 う~む、最大高度84°は完全に真上です。天頂付近での追尾はかなりキツイですね~。で、なんとか追尾を続けて撮影は南西の25度付近で地球の影に入って終了です。ふう~

 で、撮影した動画を再生したところ… なんと、天頂通過前通過後もすべて露出アンダーです!どして… う~む、薄雲による減光は想像していたより大だったのか…?

 ま、それでも画像処理をがんばって、なんとか見られるようにしました。(←えらい!頑張った!)

直距離418km、仰角83°のISS

2025/3/30 19h01m58s DOB30 + Or18mm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8400mm (F/28)
Shutter=0.964ms Gain=265 (55%) Limit Frames 14765-14783 Autostakkert3 80% of 19images Drizzle1.5×


直距離465km、仰角67°のISS

2025/3/30 19h02m24s DOB30 + Or18mm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8400mm (F/28)
Shutter=0.964ms Gain=265 (55%) Limit Frames 19658-19770 Autostakkert3 80% of 48images Drizzle1.5×

 直前のWindy高層気流情報では仙台上空の250hPa/10km風速が竜巻級の70m/秒だったので、これがホントだったらボケボケになること必至と思ったのですが思いのほか写ってました。気流はよく分かりませんね~。

 さて、現在ISSには大西宇宙飛行士が滞在中ですが、今年の7月~には油井宇宙飛行士の長期滞在が始まる予定なので大西宇宙飛行士が帰還するまでは日本人二人がISSに滞在することになります。こ~れは楽しみですね。それまでにさらにテスト撮影を重ねていくことにしましょう


φ(.. )〈ニュー惑星カメラ ISS拡大撮影 4thトライアル・メモ 〉
・撮影日時:2025年3月30日19時01分
・撮影機材:ドブ30cm+アイピース・谷オルソ18mm+拡大撮影アダプター+Apollo-C(UV/IRcut)
・合成焦点距離:f 8,400mm(F28、倍率5.6倍)
・露出:Shutter=0.964ms、Gain=265 (55%)
・イベントデータ:最大仰角84°、距離420km、光度 -3.8等
・画像処理(PIPPでセンタリング→AS!3でスタック→ステライメージで画像処理)

〈SERスクショと画像処理後のISS-高度83°〉


〈SERスクショと画像処理後のISS-高度67°〉


〈通過図とイベントデータ〉




ISS拡大撮影とスターリンク衛星(12/2)

2024年12月04日 | ISS(国際宇宙ステーション)
12月2日の日没後に行ったISS拡大テスト撮影の記録です。

 12月2日のパスは、最大仰角が50°、直距離は540kmなので拡大撮影しても細部まで写すことはできない通過ですが天気が良かったので25mmアイピース+Apollo-cカメラでテスト撮影してみました~。

〈ニュー惑星カメラ ISS拡大撮影 3rdトライアル 〉
・撮影日時:2024年12月2日18時07分
・撮影機材:ドブ30cm+アイピースPL25mm+拡大撮影アダプター+Apollo-C(UV/IRcut)
・合成焦点距離:f 4,860mm(F16.2、倍率3.24倍)
・露出:Shutter=0.903ms、Gain=260 (54%)
・イベントデータ:最大仰角50°、距離560km、光度 -3.0等
・画像処理(PIPPでセンタリング→AS!3でスタック→レジスタックス6→ステライメージ)

 ピント合わせはいつものバーティノフマスクを使ってベガで行いましたが、ピントは望遠鏡の温度順応が進むにつれて徐々にズレるので直前での再確認が重要なポイントです。

 さて、時刻は通過30分前になりました。撮影開始ポイントのベガとアルタイルの中間地点を目視で確認していると、撮影ポイントから天頂方向に飛行する暗めの人工衛星が見えました。

 と、同時に視野の端っこ(天頂付近)で同じコースを飛行する人工衛星が見えた気がしてふと見上げると、おおー!いっぱい飛んでいます。いや、いっぱいではありません。等間隔に、離角で表すと20°は離れているので視野全体で見えている数は5~6ほどです。

 おー、これはばらけたスターリンク衛星です!天頂付近西から東に次々と通過して行きます。こ~れは千載一遇のチャンスです!スターリンク衛星を拡大撮影できます!

 しかし、拡大撮影で写るのだろうか?スターリンク衛星の光度は北斗七星よりやや暗めです… となると露出は?…と迷っているヒマはありません!ゲインの感度をテキトーに上げて撮影開始です!

 アルビレオ付近で捉えて、東の空まで追いかけて、望遠鏡を西に戻すと次のスターリンクがこっちも撮影してくれ~と言わんばかりのタイミングで現れます。考えるより先に体が反応して再び追尾開始…

 それを5~6回繰り返したところできりがないのでやめました。(笑) 望遠鏡を西に戻したタイミングでゲイン感度を少しずつあげたので適正露出のショットが入っていることを願いつつ、急いでISS撮影の設定に戻して再度バーティノフマスクでピン確認です。

 ふう、ISS通過10分前には準備完了しましたが、通過コースが雲でおおわれています。トホホ… 細い雲がベガからアルタイルにかけて、つまり飛行コースに沿ってそこだけあります。

 結局ファインダーでISSを追尾することはできましたが、クリアな空にならないまま地球の影に入って終了~となりました。ま、しかたないですね。そんな日もあります…

 で、スターリンク衛星ですが、写っていました!
Starlink G6-68 2024年11月14日13時21分(UT) ケープカナベラル空軍基地リフトオフ

2024/12/2 DOB30 + PL25mmmm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength= 4,860mm(F/16.2)
Shutter=0.950ms Gain=379 (78%) 4imageコンポジット


 みごとなブルー色です! これまでもスターリンク衛星を撮影するとスターリンク・ブルーと言われる独特の青色に写ることがありましたが、これが発光源なんですね~。なんとも美しく妖しい輝きです。

2024/5/4 19h53m22s D810A NIKON VR24-70mm f/2.8 ISO2500 f24mm F2.8 5sec(トリミング)

 で、このスターリンク衛星ですが、かなりデカく写っていました。もちろん軌道高度も直距離も違うのでこの日に撮影したISSと比べても正確なことは分かりませんが、かなり大きめに感じます。



さてさて、本命のISS拡大撮影ですがこちらは雲越しの撮影だったこともあってダメダメでした。

2024/12/2 DOB30 + PL25mm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength= 4,860mm (F/16.2)
Shutter=0.950ms Gain=260 (54%) Limit Frames 19235-19294 Autostakkert3 25% Drizzle1.5×


 ま、今回はスターリンク衛星という思わぬ収穫もあったのでよしとして、ISSは次の機会を待つことにしましょう。そうそう、結論としてアイピースとApollo-Cの組合せでISSを撮影するときは18mmがベストと考えて良さそうですね。

ISS通過図とイベントデータ




〈追記〉
スターリンク衛星・撮影動画

ISS拡大撮影 Apollo-Cカメラ 2ndテスト 編(11/14)

2024年11月22日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ニュー惑星カメラ(Apollo-C)によるISS拡大撮影いよいよ本格始動で~す。


2024/11/14 DOB30 + Or18mm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8400mm (F/28)
Shutter=0.832ms Gain=230 (57%) Limit Frames 19593-21484 Autostakkert3 25% Drizzle1.5×

 
〈ニュー惑星カメラ ISS拡大撮影 2ndトライアル 〉
・撮影日時:2024年11月14日18時04分
・撮影機材:ドブ30cm+アイピース・谷オルソ18mm+拡大撮影アダプター+Apollo-C(UV/IRcut)
・合成焦点距離:f 8,400mm(F28、倍率5.6倍)
・露出:Shutter=0.832ms、Gain=230 (47%)
・イベントデータ:最大仰角82°、距離444km、光度 -3.8等
・画像処理(AS!3でスタック→レジスタックス6→ステライメージで画像処理)
 *Apollo-CとASI290MCのちがいについてはこちらを参照→φ(.. )メモ

 今回は拡大率を上げるため18mmアイピースで撮影です。Apollo-Cは感度が高いので露出はゲインを230 (47%)まで落として撮影します。ゲイン230 では露出不足になる可能性もありますが、今回のコースは天頂通過の-3.8等級なのでこれで行きましょう!

 で、結果ですが… 完全に攻めすぎました。超露出アンダーです…トホホ

 とりあえずスタックしてレジタックスと画像処理をかけてみると、ふむ、太陽電池パドルは出てこなかったので太陽光の当たり具合は良くなかったようですね。ま、いつもは露出オーバーになるラジエターが適正露出になっているのでそれはそれで貴重なデータですね。(^^ゞ 


 さて、今回のテスト撮影の主目的である拡大率ですが SER Player の切り出し画像を見ると、太陽電池パドルが写っていないので分かりにくいですがほぼイメージ通りの拡大率となっていました。

  ニュー惑星カメラ(Apollo-C)のISS拡大撮影は18mmアイピースを基準として良さそうですね。今後は25mmアイピースでも撮影して拡大率のチェックと気流が悪いときのシステムとして有効かをテストしていくことにしましょう。

通過図とイベントデータ




11月4日のISS

2024年11月10日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)テスト第4弾:その4~ISS撮影の記録です。

 今回の撮影システムはDOB30cmにOrtho Barlow 2×を装着したベーシック・スタイルです。 Apollo-CはASI290MCに比べて画角が広く、感度も高いので適正露出を探るのが今回の主目的です。

 本日のISSは高度29°で地球の影を抜けて出現します。しかも、太陽に向かって進む早朝北天コースなので天頂通過前は極端に明るくて後半は急激に暗くなるパターンです。

 適正露出を探るには難しいコースですが、とりあえずGainは 275 (57%) で撮影してみました。 案の定、前半は露出オーバーでしたが今後の撮影に向けての参考データは取得できました。

 広画角が奏効して長時間撮影できたのはいいのですが取得フレーム数が多いのでコンポジットをする良質画像のセレクトは AS!3(AutoStakkert)におまかせしました。(^^ゞ   *参照→(AS!3でスタック編

60フレームを25%スタックして画像処理したISS

2024/11/4 DOB30 + Ortho Barlow 2× + Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=3000mm (F/10)
Shutter=0.901ms Gain=275 (57%) Limit Frames 8556-8616 Autostakkert3 25% Drizzle1.5×


57フレームを25%スタックして画像処理したISS

2024/11/4 DOB30 + Ortho Barlow 2× + Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=3000mm (F/10)
Shutter=0.901ms Gain=275 (57%) Limit Frames 8937-8994 Autostakkert3 25% Drizzle1.5×



2024年11月4日のISS


 カメラ画角が広いので動画をみて分かるように捕獲率はいいのですが、この拡大率ではぜんぜん拡大撮影になっていませんね。今後のステップとしては、顕微鏡対物レンズを使用したシステムでの適正拡大率を探る…ですね。

 ゴールまでの道のりは遠いですがひとつずつ課題をクリアしていくことにしましょう。

軌道図とイベントデータ




 そうそう、甘酒はISS撮影後に飲みました~。サーモマグに入れていたのですが、さすがに飲み頃温度はすぎてビミョーにぬる~い甘酒になっていました。笑

ISS 太陽面通過 撮影記録(3/24)

2024年03月25日 | ISS(国際宇宙ステーション)
日曜日の午後、いつものように山下達郎のサンソンを聞いてまったりしていると…

 ピロリ~ん!とスマホにグーグル・カレンダーの通知が来たので見てみると、ふむ、数週間前に撮影予定に入れていたISSの太陽面通過ですね~。

 めずらしく自宅庭で見られる通過だったので一応入れておいたものですが、ま、いつものように軌道がずれて結局見られないのがオチだよな~と思いながらHEAVENS ABOVEを見ると…

 わお!ビンゴです!まだ自宅庭でISS太陽面通過が見られます。しか~し、通知が30分前設定になっていたので通過まであと25分です。これじゃ~撮影はムリなので観望だけでも、と太陽観察用双眼鏡で覗いてみると、わぉ! 黒点がたくさんあります。

 う~む、これはぜひ撮影したいところですが、さすがにこれから大型望遠鏡を準備してもぜったい間に合いません。ミニマムシステムのボーグ60なら短時間でセットできるので…ひょっとしたら間に合う可能性はなきにしもあらずですが…

 と悩んでいる時間がもったいないので残り20分で準備開始です! 庭の赤道儀にサン・フィルターを付けたボーグ60をセットして惑星カメラはASI174MM、ノートPCを立ち上げて惑星カメラを接続… ピントは画面上でさっくり合わせてピン合わせ終了です。準備開始からイヤホンの中で感情の無い冷たい声が時報を知らせ続けていますが…

 ふむ、通過まであと30秒、ふ~、間に合いました。 で、ポチッとカメラをスタートさせてモニターを凝視していると…おー、通過しました。直距離が約800kmとかなり遠いので機影は小さく、スピードはゆっくりめですが確かに通過していきました。



予報通過図


 で、こちらが撮影した動画です。開始10秒後に小さな虫?と思える物体が左下から上に移動していきます。遠すぎて言われなければISSと分からないですね。



今回の通過図とイベントデータです。



 それにしてもこんなにたくさんの黒点が出ていたとは知りませんでした。3月23日01:30UT頃に黒点AR3614と3615がタンデムでフレアを起こしたのですが、その時にX1クラスの大規模フレアを起こしたのは広範囲に広がっているAR3615ではなく右側にあるAR3614だったようです。


 踏みつけられて粉々になったようなAR3615(左側)ではX1クラスのフレアは今のところ発生していませんがAR3615には潜在的な危険があるそうです。

 ほとんどの黒点は2つの支配的な磁極(+と-)のみを持つ双極性ですが、AR3615は多くの極が一緒に押しつぶされているように存在しており、1つの黒点群内で複数のプラス(+)とマイナス(-)が近接すると、磁気リコネクション(膨大な量の荷電粒子エネルギーが爆発的に放出される現象でメカニズムはまだ分かっていない)が発生する可能性があるとSpaceweather.comで報じています。

 3月23日01:30UTに放出されたCMEは3月24日14:37UTに地球の磁場に到達したようですが、その際に地球の磁気圏に亀裂が入り2017年9月以来の強烈なG4クラスの地磁気嵐が発生したため、満月に近い月明かりでも色がはっきり見えるオーロラが各地で目撃されたようです。

 今回初めて知ったことですが、オーロラが一年間で最も美しく見える時期が3月だということは研究者の間では広く知られていることのようです。これは75年間の研究で春分の前後の数週間に地球の磁気圏に亀裂が形成される(ラッセル・マクフェロン効果という)ことが分かっており、その隙間から太陽風が流れ込むため3月は明るいオーロラが多いというメカニズムのようです。

 地磁気活動には半年の周期があるので10月にも磁気圏に亀裂が入るようですが頻度としては僅差で3月が第1位となるようです。「オーロラは春分の日がお気に入り」だったとはオドロキですね。宇宙にはまだまだ知らないことがたくさんありますね。



ISS拡大撮影 シン・システム構築 3rdテスト編(3/16)

2024年03月17日 | ISS(国際宇宙ステーション)
3月16日に撮影したISSの記録です。

 今回の撮影システムは2月3日の2ndトライアルと同じですがゲインは露光オーバー対策として240まで下げています。今日の通過は北天逆光コースなので露出アンダー気味になる可能性はありますがそれも含めてのテスト撮影です。

〈シン・システム ISS 3rdトライアル 〉
・撮影日時:2024年3月16日18時27分
・撮影機材:ドブ30cm+アイピースPL25mm+拡大撮影アダプター+ASI290MC(UV/IRcut)
・合成焦点距離:f 4,860mm(F16.2、倍率3.24倍)
・露出:Shutter=0.885ms、Gain=240 (40%)
・イベントデータ:最大仰角66°、距離459km、光度 -3.4等
・画像処理(AS!3でスタック→レジスタックス6→ステライメージで画像処理)

 さて、気になるシーイングですが3月になったといっても基本的には冬の気流なので前回の2月3日とほぼ同じの良くも悪くもないフツーの気流でした。

 なので今回はこれまで行っていた良質画像を選んでからのコンポジットではなく、AS!3のLimit framesにスタックするファイルナンバーを入力して、その後は惑星処理のようにをスタックのパーセントを指示する方法でやってみました。

 で、結果ですが、なかなかいい感じでした。ISSは短い時間で姿勢が変わるので何百枚もスタックさせることはできませんが手動でコンポジットさせるより解像度の高いスタック画像ができたと思います。

 ま、最終的にはスタック画像をどのように画像処理するかで画質は決まるのですが、画像処理に耐えられるベース画像を作るという意味ではこれが一番タイパがいいかなと思いました。 

直距離457km 仰角62° 

2024/3/16 18h26m55s Shutter=0.885ms、Gain=240 (40%) 70% of 32frames


直距離451km 仰角64° 

2024/3/16 18h27m02s Shutter=0.885ms、Gain=240 (40%) 30% of 83frames


直距離451km 仰角65° 

2024/3/16 18h27m11s Shutter=0.885ms、Gain=240 (40%) 20% of 9frames


直距離459km 仰角64° 


2024/3/16 18h27m19s Shutter=0.885ms、Gain=240 (40%) 100% of 2frames


 こちらが今回のスクショ画像、予想どおり露出アンダーでしたが今回の最大仰角は66°と低かったので天頂通過コースではこの露出で適正になると思われます。



3月16日の通過図

イベントデータ




ISS拡大撮影 シン・システム構築 編(2/3)

2024年02月04日 | ISS(国際宇宙ステーション)
久々のISS拡大撮影です。というより2024年最初のISS拡大撮影で~す。

 拡大撮影シン・システムでは中国宇宙ステーションを3回ほど撮影していますが、ISSは今回で2回目です。前回はシン・システムのファーストテイクでかなりの露出オーバーだったので今回はGAINを260(43%)まで落として適正露出を探ってみます。

 本日のISSの最大仰角は86°、最大光度は-3.8等級です。天候は晴れてはいますが風が強く地上で4~5m/s、250hPa/10km上空では70m/sという悪条件です。季節風による波状雲も見られます。

 〈シン・システム5thトライアル 〉
・撮影日時:2024年2月3日17時40分
・撮影機材:ドブ30cm+アイピースPL25mm+拡大撮影アダプター+ASI290MC(UV/IRcut)
・合成焦点距離:f 4,860mm(F16.2、倍率3.24倍)
・露出:Shutter=0.885ms、Gain=260 (43%)
・イベントデータ:最大仰角86°、距離422km、光度 -3.8等
・画像処理(ステライメージ:コンポジット→レジスタックス6→レベル調整→シャープ処理)

で、こちらが本日のスクショ画像、露出はだいたい合っているようですね。

太陽高度が-8°の航海薄明のため見える星は木星とカペラとリゲル、ベテルギウスのみでした。


8枚コンポジット



7枚コンポジット



7枚コンポジット



6枚コンポジット



2枚コンポジット


〈考察〉
 今回の課題である露出は完ぺきではないがほぼ適正だったと言えるだろう。薄い高層雲があったので若干透明度が悪かったが今後は露出Gain260を基準として考えて大丈夫だと思われる。

 画像はボケボケだったが冬期間で250hPa/10km風速が70m/sだったことを考えるとかなり評価できる写りだと言える。顕微鏡対物レンズを30cmドブに転用するシステムはまだ完成していないのでそれまでは25mmアイピースで撮影を続けることになる。

 ISSの好条件パスは2月19日までないのでISSの撮影はしばらくお休みとなる。CSSは2月7日頃から好条件パスが続くが、ISSもCSSも通過時間が早朝となるのでいろいろな意味で厳しい条件だ。本格的なテスト撮影は2月下旬以降からとなりそうだ。
 
〈本日の通過図〉

〈イベントデータ〉

〈地上軌跡〉


2024年2月3日17時42分のISS動画


2024年2月3日17時42分のISS(ATOM Cam)

ISS・天舟6号・CSSの近接通過  観望記録(1/18)

2024年01月19日 | ISS(国際宇宙ステーション)
1月18日夕方の出来事です。

 AX-3のリフトオフが1月19日早朝に延期になったためISSとのランデブー飛行は見られませんでしたが、約10分間の間にISS-天舟6号-CSSが通過して行くという豪華なパスが見られました~。

 ISSとCSSは軌道傾斜角が違うので通過コースが平行することはないのですが今回はカシオペヤ座で通過コースが交差したので固定カメラの同一画角という定置網でみごと捕獲することができました~。笑

 ISS比較明コンポジット画像

2024/1/18 17h32m35-17h33m47s D810A f28mm f/2.8 ISO3200 F5.6 5sec
 ISS通過図とイベントデータ


 天舟6号 比較明コンポジット画像

2024/1/18 17h33m53-17h34m41s D810A f28mm f/2.8 ISO3200 F5.6 5sec
 天舟6号 通過図とイベントデータ


 CSS比較明コンポジット画像

2024/1/18 17h41m51-17h42m51s D810A f28mm f/2.8 ISO3200 F5.6 5sec
 CSS通過図とイベントデータ


 今回の撮影は月面X撮影中の片手間というやっつけ的に撮っていたので拡大撮影する予定はなかったのですが、何もせずただ眼視で眺めるのはもったいないので伝家の宝刀-ベラルーシ製の反射式30倍双眼鏡-を持ち出してプチ拡大眼視ミッションを行いました~。

 最初にやって来たISSの光度は-3.3等級です。やはりまぶしすぎます。30倍で見るとISSは点像ではなく面積を持った光体に見えますが明るすぎてハレーションを起こしています。ムーンフィルター等を接眼部に装着して減光すれば形が分かるかもですね。

 2番目にやって来た天舟6号は光度が1等級程度だったのでハレーションは起きてませんが視直径が小さすぎるのと手ぶれが激しいのでよく分かりませんでした。ISSと天舟6号は時間差無くやって来たので東の空では遠ざかるISSと天舟6号が同時に見えてその様子を肉眼で見たときがプチ感動でした。

 3番目のCSSは光度がほどほどなので期待したのですがやはり手ぶれが大きくて形があるようには見えませんでした。ハレーションは起こしてないのでなんとか形を見ようと雨樋に双眼鏡を固定して見ましたが、分解能が追いついていないという感じでした。

 CSSと天舟6号はムリとしてもISSは減光してスムーズな追尾ができれば光る下駄のように捉えることはできそうな気がします。機会を見てチャレンジしてみることにしましょう。


〈1月20日追記〉
 天舟6号は搭載していた12Uキューブサット大連1号連里(大連理工大学が開発した17kgの衛星)を1月18日15:43(JST)に放出させた後、1月19日21:37(JST)に制御下で大気圏に再突入させたようです。 宇宙船のほとんどの部品は再突入中にアブレーションにより破壊されたが、少量の破片が所定の安全水域に落下したと発表しています。落下水域についての公表はないようです。

ISS拡大撮影 シン・システム構築 編

2023年11月24日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 2008年から始めたISS拡大撮影は今年で16年目、来年はシーズン17を迎えることになります。

 拡大撮影は2021年に撮影機材をデジカメから惑星カメラに変えたことで解像度が格段にアップしたのですが、3年を過ぎて早くも頭打ちになった感がありこれ以上の解像度アップは好気流が来るのを待つのみ…という運まかせになってしまってます。

 そこで、これでは、いか~んということでシン・システムを考案しました。それはズバリ! パワーメイトを使わない拡大撮影法、アイピースを使った拡大撮影法です!

 そもそも望遠鏡は焦点距離で拡大率が決まっており、30cmドブの焦点距離(f1500mm)では視直径約60″のISSは焦点で0.44mmの大きさに結像することになってます。

 それをパワーメイト2×という色消し凹レンズで0.88mmの大きさに拡大して惑星カメラのセンサー(ASI290MCの場合は 縦5.6mm×横3.2mm)で撮像するのがこれまでのパワーメイトによる撮影法です。

 それに対しアイピースという凸レンズで拡大してその像をセンサーで撮像するのがアイピースによる拡大法です。アイピースには種類があり望遠鏡との相性もあるので使うアイピースで見かけ上の違いがあります。そこに掛けてみようというのが今回のシン・システムです。

 結果的にパワーメイトの方が優れていたということは十分考えられますが、アイピースによる拡大法はアイピースの焦点距離と光路長で合成焦点距離が決まるので拡大率を変えられるというメリットがあります。

 これまでアイピースによる拡大法でISSを撮影したことはないのでクリアする課題はたくさんありますがテストを重ねて来シーズンへの準備を進めることにしましょう。

 で、記念すべき第1回テスト撮影の機会は11月19日にやって来ました。システムとしては、ドブ30cm+アイピースPL25mm+拡大撮影アダプター+ASI290MC(UV/IRcut)で、計算上の合成焦点距離は f4860mm、F16.2、倍率3.24倍です。

 適正露出はまったく分からないのでとりあえず、Shutter=0.935ms、Gain=430 (71%) で撮影してみました。で、こちらがその動画です。

 ご覧のように完全な露出オーバーだったので解像度等は不明ですがこれまでのシステムと同じように撮影できたことは収穫です。


 ↓ こちらは動画再生時の画像をスクショしたもの…

 ROI Max(1936×1096)でこの大きさに写っているのでパワーメイト2倍より若干大きく写っていますが計算上の倍率3.24倍の大きさはないようにも感じます。そこは今後精査することにしましょう。

 この日は天頂通過コースでしたが雲量が6~7だったのでISSが見え始めたのは天頂を過ぎた東の空(とかげ座付近)からで、そこからの撮影となりました。

 イベントデータ

 地上軌跡

 ここ最近はISSの好条件通過がないのでテスト撮影はCSS(中国宇宙ステーション)でも行っていて、すでに第2回・第3回テスト撮影を終えています。それと並行にアイピースの違いによる解像度の変化を見るための撮影を木星で行いました。その様子は順次アップしていきま~す。


8/24 8/25 のISS

2023年08月26日 | ISS(国際宇宙ステーション)
8月23日10時08分(日本時間)にリフトオフしたプログレスMS-85が8月25日11時45分(日本時間)にISSへドッキングするのでランデブー飛行が見えるかウオッチングしてみました。

 プログレスMS-85がドッキングするまでに日本上空を通過するISSを2回ほど確認できましたが、残念ながらランデブー飛行は確認することができませんでした。


 1回目の観望はリフトオフから17時間後の8月24日03時17分頃、プログレスMS-85まだそれほどISSに近づいていないと思われるのでISS通過後も撮影を続けたが確認できなかった。

通過図とイベントデータ



 ATOMcam2でもプログレスMS-85は確認できませんでしたが流星が3個写っていたのでその部分だけ編集してみました~。

 ISS撮影時に写った流星



  2回目の観望は8月25日02時31分頃、ドッキングまであと11時間というタイミングだったがこちらもプログレスMS-85を確認することはできなかった。

通過図とイベントデータ


 ランデブー飛行はドッキングの直前でないと見えないようですね。NASAのドッキングライブ中継が始まっていれば間違いなくランデブー飛行が見えるはずですがそのタイミングで上空を通過することは確率的にかなり少ないですよね~。

 プログレスMS-85ドッキング後のISSはこんな感じ…

古川宇宙飛行士が搭乗するCrew-7は、船首ハーモニーのzenith(天頂部)にドッキングする予定です。