晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

金星と水星の接近

2010年03月30日 | 水星
4月9日に東方最大離角を迎える水星が西の空に見えてきました。

西の空でひときわ目立つのは宵の明星、金星です。

2010.3.30 18:38 D90 f32mm F4.2 ISO800 1/5

水星は金星の右斜め下で輝いています。

2010.3.30 18:34 D90 f200mm F6.3 ISO800 1/10

金星の明るさは-3.9等級、水星は-1.0等級です。

2010.3.30 18:40 D90 f150mm F6.3 ISO800 1/6

金星と水星の離角は現在 3°56′…明日以降さらに近づいて
最接近する4月4日には 2°59′まで近づきます。

2010.3.30 18:42 D90 f60mm F5.0 ISO800 1/3

この写真を撮影したときの水星の高度は、わずかに5.8°…
最接近の時は金星の右横に並びますが、それでも日没40分後
の高度は9°です。4月7日を過ぎると高度は急激に下がります。

水星は見えている期間が短く、高度も低いので見つけにくい惑星ですが、
今回は金星が輝いているので、水星を見つける絶好のチャンスですね。

デジカメで地球を撮影

2010年03月27日 | 地球
きれいな地球の写真…

「ああ、宇宙飛行士がISSから撮った写真だね。」と誰しも思うところだが
実はこの写真…、普通の人がコンパクトデジカメで撮影したものである。

撮影はすごく簡単らしい。気象観測用気球にデジカメとGPSをぶら下げて
自宅の庭から上げるだけ。気球は高度30km付近で破裂するので、あとは
パラシュートで落下するカメラを回収するだけ。だそうである。

「回収と言っても、どこに落ちるか分からないし、アメリカのような
広い国じゃないと無理ですよね。日本ではすぐ海ポチャですよ。」

と思ったのですが、よく見るとこの人、イギリスの人でした。おみごと!

詳しい記事はこちらにあります。→sorae.jp

ふむふむ、イギリスのIT企業に勤めているロバート・ハリソン氏…、
2008年10月から趣味でやっているということですが、これまでに
12個の気球を上げているらしい、これにはNASAもビックリですね。

高度35kmから見た地球の動画もありました。→movie
わお!地球って本当に丸いんだぁ、ほひょ、昼なのに空が黒い!

驚きです。注目すべき点は高度わずか35kmのところで見た地球が、まるで
宇宙空間から見たのと同じように見えること…、ちょっと予想外です。

で、調べてみました。

まず、大気の鉛直構造(高度)についてまとめておきましょう。

熱圏 (80km-800km)
中間圏(50km-80km)
成層圏(11km-50km)
対流圏(0km-11km)

ISSの軌道高度は350kmです。大気らしい大気があるのは中間圏までなので
一般的に高度100km以上が宇宙です。今回の写真は高度35kmなので成層圏です。

飛行機に乗ると手の届きそうなところに成層圏が見えます。

こちらは飛行機に乗るとよく見られる景色、高度1万メートル付近です。


気球はさらに上昇します。空の色が濃くなってきました。


高度は20kmくらいでしょうか。空の色がさらに濃くなってきます。

そして高度は35km、

ふ~む、成層圏でも35km付近に行くとかなり宇宙っぽいですね。


丸みをおびた地球、そして黒い空に浮かぶまぶしい太陽、
まさに宇宙ですね。あこがれます。

スペースシップ2やロシアの戦闘機体験ツアーに参加しなくても宇宙を
模擬体験できる「気球による地球撮影プロジェクト」は、これから流行り
そうですね。そのうち、お手軽キットが発売されるかも…?

中は意外とシンプルです。

でも、追跡が大変そうです。

ロバート・ハリソンさんのFlickrには追跡の様子も載っています。→作業風景

3月21日18時24分 北東の空を通過するISS

2010年03月21日 | ISS(国際宇宙ステーション)
3月19日とほぼ同じ条件でISSが通過します。

しか~し、今日はものすごい黄砂!しかも強烈な強風!!さらに
午後になると鉛色の空から雪がチラホラ…、撮影は無理でしょう。

と思いきや、太陽が沈む頃から空が急速に晴れ上がり、
17時40分現在、なんと雲量が0~1、ほぼ快晴です。

野口宇宙飛行士のツィッターには
「おはようござます。いまから1じかん20分後に東北地方を通ります。
夕方だから見えやすいかも。今日は日曜なので休み。日本は三連休中日ですね。」
とありました。

さっそく撮影準備です。
現在、晴れていますが相変わらずものすごい強風が吹き荒れています。
風速は推定…12~13m、ドブソニアン望遠鏡は支えてないと倒れそうに
なるほどです。こんな強風の中での撮影は初めてです。

果たして撮影できるのでしょうか?とりあえず月でピントを
合わせて通過を待ちます。(簡易ピントゲージ18.84mm)

来ました。高度10度付近で発見です。おっと、風で鏡筒が
振られます。何とか撮れましたがこの風ではボケボケでしょう。

確認するとやはり強風でボケボケでした。今日は比較的長い時間
撮影できたので観測記録として1枚の画像にまとめてみました。


ISSの見かけ上の大きさを月クレーターと比較してみました。


直距離が385kmではティオフィルス・クレーターとほぼ同じのようです。

さて、4月になるとISSは夜明け前の通過となります。
しかも、条件良く通過する回数はかなり少ないようです。

4月5日には山崎宇宙飛行士がリフトオフしますので何とか
撮影したいものですね。チャンスを待ちましょう。

3月19日19時10分 北の空を通過するISS

2010年03月19日 | ISS(国際宇宙ステーション)
久しぶりにISSが仙台上空を通過します。

今日は天気がいいのでISSの撮影ができそうです。

通過条件を確認しておきましょう。

最大仰角は64度、直距離385kmで地球の影に入ります。


おおぐま座付近で影にはいるようですね。最大光度は-4.5等級です。

今日の天気は日没時で、ほぼ快晴!透明度もいいようです。
こりゃ期待できますねぇ~、ピントあわせにも気合いが入ります。

四日月でピントを合わせて、おっと、そうそう簡易ピントゲージで
計測しておきましょう。ふ~む、19.09mmですね。準備完了です。

あとは通過を待つだけです。通過までおよそ30分待ちです。

~30分経過~

時間です。なんと曇りました。見たところ雲量9~10です。トホホ…
今日の撮影はISO800、露出1/500と考えていたのですが、雲による減光を
考慮して露出を1/250にしましょう。

北西の空、10度付近に見えてきました。あ~、暗いですね~、
おお、明るくなりました。あ~、暗くなります。おっと明るくなりました。
あら?予想以上に見えています。1/250では露出オーバーかな?

おっと見失ったぞ…、影に入ったようです。

さっそく確認してみましょう。

ISS 2010.03.19 19h09m52s D50 ISO800 1/250


ISS 2010.03.19 19h10m04s D50 ISO800 1/250


ISS 2010.03.19 19h10m09s D50 ISO800 1/250

やはり、シャープではありません。今日の状況では仕方ないですね。
上の写真は雲を通しているので適正露出になっていますが、雲のない
ところでは完全に露出オーバーとなっていました。

カメラに写っていたISSを時系列で並べてみました。

途中時間がぬけている所は雲で撮影できなかったところです。
雲越しの撮影は露出が不安定ですが、適正露出になる写真もあって
なかなか楽しいですね。(笑)

現在、ISSの搭乗員は野口宇宙飛行士を含めてたった3人です。

しか~し、4月4日にはTMA-18で3人の宇宙飛行士が到着します。
さらに4月7日には山崎宇宙飛行士を含む7人のアストロノーツが到着する
ので一気に総勢13人の大家族になります。わぉ!トイレが混みそう!?

運命づけられた彗星

2010年03月12日 | 彗星
まもなく小さな彗星が太陽に突入します。

以下「Spaceweather.com(20010/3/12)」の記事より

「運命づけられた彗星:DOOMED COMET」

「太陽に向かって突入している新たに発見された彗星はたぶん
生き残らない運命にあるでしょう。太陽への突入は人の目で
見ることができないくらい太陽の近くにありますが、
SOHO太陽観測衛星は、太陽のギラギラと眩しい光を妨げるのに
不透明なディスクを使用することで動作をモニターできます。

彗星が太陽に接近するアニメーションはこちら→gif←UPDATE
(17-hour time-lapse animation spanning 0042 to 1742 UT)

この運命づけられた彗星は太陽をかすめる軌道にあるクロイツ群です。
これらの彗星を研究した19世紀のドイツ人の天文学者にちなんで名付け
られています。この小さな彗星は2000年前に太陽をかすめて粉砕した
巨大な彗星の断片です。これらの断片となった小さな彗星は太陽のそば
を通ってほぼ毎日崩壊しています。 大部分は見ることができないくらい
小さいのですが、時折このような大きい断片をSOHOの画面で見ることが
できます。」

〈管理人補足説明〉
またしても彗星が太陽に突入します。今年の1月2日にも彗星の太陽
突入がありましたが→blog 今回はその時よりも大きな彗星のようです。

太陽に接近する彗星のアニメーションには、彗星の他にCME(コロナ質量放出)
と水星の速い動きも記録されており、なかなか見応えのある映像となっています。

この彗星は3月13日08時頃(JT)太陽に突入すると思われます。1月2日の
彗星は太陽をかすめるコースでしたが、今回は太陽に向かってまっしぐら
に進んでいます。この彗星が太陽の引力から逃れることは限りなく不可能
に近いと思われます。まさに、運命づけられた彗星ですね。

最新画像(2010年3月13日01時42分・日本時間)はこちら→photo
追記:拡大率の大きいLASCO C2の画面に入りました。→photo

追記:LASCO C2(3月13日02時36分JT)画像→photo
追記:LASCO C2(3月13日02時54分JT)画像→photo
追記:LASCO C2(3月13日03時06分JT)画像→photo
追記:LASCO C2(3月13日06時30分JT)画像→photo
追記:LASCO C2(3月13日06時54分JT)画像→photo
追記:LASCO C2(3月13日07時06分JT)画像→photo

追記:彗星が太陽に接近・消滅するアニメーションはこちら→gif

宵の明星

2010年03月08日 | 金星
そろそろ西の空に金星が見え始める頃です。
今日は夕方も天気が良かったので金星ウォッチングを
してみました。さて、金星は見えるでしょうか?

本日の日没は17時38分、その時の金星高度は11度…、
ふむふむ、見えない高さではありませんね。西の空が
開けている場所でウォッチングしてみましょう。

ただいまの時間は17時55分、日没から15分ほど過ぎています。
車を降りて西の空を探すと…、あ、ありました。はっきり見えます。

2010.3.8 18:05:10 D90 ISO640 F5.6 1/40 50mm 高度6.2°

高度は低いですが予想以上にはっきり見えます。

2010.3.8 18:08:51 D90 ISO640 F5.6 1/8 92mm 高度5.5°

光度は-3.9等級ですが高度6°では大気減光で-2.4等級です。

2010.3.8 18:09:16 D90 ISO640 F6.3 1/10 200mm 高度5.5°

3月17日は二日月と並ぶのでフォトジェニクな景色が見られます。→blog
3月下旬になると日没時に水星と並ぶのでこちらも見逃せませんね。
おまけの写真「金星と飛行機」photo

ハンガリーの大火球

2010年03月07日 | 隕石・小惑星
ハンガリーで大火球が目撃されたようです。

2010年2月28日23時25分頃(現地時間)ハンガリー共和国で辺りを
真昼のように照らす大火球が空を横切り、多数の人に目撃されました。

この火球はポーランド南部とスロバキアからも見えたそうです。

動画はこちら→VIDEO1
夜空がフラッシュする動画→VIDEO2

元記事→index
地元テレビニュース→NEWS

落下地点はハンガリーとスロバキアの国境付近と考えられています。


かなり高い確率で隕石が落下していると思われます。

その後の情報を待ちましょう。

3月5日18時05分 東の空を通過するISS

2010年03月05日 | ISS(国際宇宙ステーション)
本日も3月3日とほぼ同じコースでISSが通過します。



今日は地球の影にはいることがないので長時間見えます。

太陽光度は-7度、トワイライト・パスです。

天気は…、ふ~む良くないです。気象庁の天気分布予報では
晴れる予報でしたが17時45分現在、雲量7~8…。東の空だけ
かろうじて晴れています。いや、薄雲がかかっています。

今日は、無理ですね~。と一度は諦めかけたが、この先
好条件で撮影できる日がないので、撮影決行です。

おっと、時間は17時55分、通過まであと10分弱…。
急いで望遠鏡をセットして、見え始めたシリウスでピントをあわせ、
カメラはD50をチョイス、感度はISO800、露出は雲があるので1/400、

時間です。南西の空から天頂にかけて不気味な雲が広がっています。
積乱雲の底のような黒い雲…、ほひょ、その雲が赤く染まってきました。

夕焼け!?、見たことない色です。夕焼けではありません…、原因不明です。
変な雲です。おっと時間はすでに18時04分を過ぎています。ISSは最大仰角を
通過しているはずですが、どこにも見えません。ふひゃ~、見えました。

東の空、仰角50度付近で雲からぬけ出ました。おぉ、明るい!
薄雲越しに見えているので、光がにじんで大きく見えます。

撮影開始です。カシャー、カシャー、カシャ…、あら?…シャッターが切れません。
なにをやっても全く動きません。トラブル発生で撮影終了です。トホホ…

原因はバッテリー切れでした。しばらくD50を使ってなかったのできれいに
放電してしまったようです。撮れたのは数枚でしたが確認してみましょう。

ISS 2010.03.05 18h04m49s D50 ISO800 1/400

やはり薄雲を通しての撮影だったのでボケボケです。ピントも合ってませんね~。
鏡筒の温度順応もできていませんので筒内気流も発生しているはずです。

一応画像処理をかけてみました。

今回の処理はステライメージVer6.0のレベル調整とデジタル現像のみです。
その後Photoshopで黒をちょっと引き締めています。画像復元はしていません。

さて、いよいよ4月5日にSTS-131がリフトオフします。日本の宇宙開発史上
初となる、二人の日本人宇宙飛行士がISSに滞在することになります。

その瞬間をぜひ撮影したいところですが、好条件での通過はないようです。
ISSの軌道は変化していますので、条件が良くなることを期待しましょう。

3月3日18時49分 南東の空を通過するISS

2010年03月03日 | ISS(国際宇宙ステーション)
天候に恵まれずなかなか撮影できなかったISS…

本日、やっと撮影することができました。

今日の通過条件を確認しておきましょう。

最大仰角は62度、直距離392kmで地球の影に入ります。


オリオン座の前を通過して、火星付近で地球の影に入ります。
雲量は3~4、気流は良くないので、解像度の高い写真は望めませんね~。

しか~し、今日は東京上空を条件良く通過するのできっと野口宇宙飛行士が
キューポラ全開で夜景を撮影しているはずです。うまけいけば、窓から
日本を見ている野口宇宙飛行士が写るかも…!?。

時間です。ISSが南西の空に現れました。撮影システムはいつもと同じです。
カメラはD90、感度はISO1000、光度が-4.3等級もあるので露出は1/1000です。

ふう~、撮影終了です。確認してみましょう。ふ~む、やはり冬の気流です。
とても見られたものではありません。さらにD90は粒子が粗いですね。ISSには
不向きかもしれません。…そこで、今日は画像処理をガリガリやってみました。

ISS 2010.03.03 18h49m35s D90 ISO1000 1/1000

1枚画像ではこんな感じ…。


そこで、2枚コンポジットしてレベル調整、画像復元、シャープ処理、
さらにデジタル現像、トーンカーブ調整などを施したものがこれ。

こちらは上記写真より数秒前に撮影したもの…

ISS 2010.03.03 18h49m27s D90 ISO1000 1/1000

こちらも画像処理しました。

2枚コンポジットして同様の画像処理をしています。

残念ながら野口宇宙飛行士は写っていませんね。(笑)
でも、この時、野口さんはキューポラから日本を見ていたようです。

野口宇宙飛行士のツイッターにこの時写した東京と札幌の写真が載っていました。

東京の夜景

この直前に「5分後に東京通過!手振ってね!」というコメントがありました。

こちらは札幌の夜景

ふひょ~、どちらもすばらしい写真です。まさに絶景です!

直後に「すばらしい夜景でした。では仕事に戻ります。今日は
ロシアモジュールの水質検査です。」とコメントがありました。

野口さん、仕事の合間に撮影してくれたのですね、感激です。
でも仙台の写真がありませんねぇ。野口さ~ん、今度は仙台の
写真も撮って下さ~い。お願いしま~す。