晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

2014年「LunarX」

2013年12月31日 | 月面X
2014年「気にな~る天体現象」の3回目は…、やっぱり気になるルナXです。

今年2回ほどルナXを見ることができましたが、来年は何回見られるのか気になったので、2014年の「LunarX-Day」を天文年鑑で調べてみました。

ふ~むふむ、2014年はあまり条件がよくないようですね。来年は6回ほど見られるようですが、11月29日が薄明時で、他はすべて日没前のピークのようです。

2014年「LunarX」
□2月7日(金)予想ピーク14:07(日没時刻17:07)月高度40°(方位 東南東)
□4月7日(月)予想ピーク17:09(日没時刻18:07)月高度67°(方位 南西)
□6月5日(木)予想ピーク16:42(日没時刻18:59)月高度55°(方位 南南西)
□8月3日(日)予想ピーク14:40(日没時刻18:47)月高度31°(方位 南東)
□10月1日(水)予想ピーク14:09(日没時刻17:22)月高度23°(方位 南東)
■11月29日(土)予想ピーク17:07(日没時刻16:19)月高度44°(方位 南南東)

注:上記予報はあくまでも独自予報ですので、若干の誤差があると思われます。

2013年3月19日のLunarX

2013.3.19 20:40:42 SE200N D90 ISO200 1/80sec




2013.3.19 20:17 SE200N PL25mm ToUcamProⅡ 1/33sec

2013年1月19日昼間のLunarX(月高度61°日没時刻 16:46)

2013.1.19 16:35:48 BORG60 Powermate2× ISO200 1/200 (トリミング)

来年はルナXのハズレ年のようですが、晴れたら撮影に挑戦してみることにしましょう。

さて、今年もあと6時間あまりとなりました。今年MAXで期待していたアイソン彗星は消えてしまいましたが、2013年もいろいろと天体現象を楽しめた1年でした。

(個人的なランキングとしては、小惑星2012 DA14リアルタイム観望成功が第1位かな…、前日にはチェリノビンスク隕石落下もあってとてもエキサイティング週末でした。***

さ~て、来年はどんな天体現象が見られるのか楽しみですね!。来年も本ブログはたま~にアップしていきますので、お時間があるときにお寄りいただければ幸いです。

今年も、このブログを見てくださった みなさん、本当にありがとうございました。
それでは皆さん、よいお年を~!

サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)

2013年12月29日 | 「見たい天体現象」
2014年「気にな~る天体現象」の第2回目は、
以前「彗星が火星に衝突!?(*)」で紹介したサイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)です。

サイディング・スプリング彗星は符号(A1)からも分かるように2013年に発見された彗星の第1号です(2013年1月3日発見)。近日点距離が約1.4AU、オールトの雲を起源とする非周期彗星と分類されているため、2014年10月25日の近日点通過後は太陽近傍に戻ってくることのない彗星です。


地球に再接近する9月上旬には6等級まで明るくなると予想されていますが、肉眼彗星になるかはビミョーなところです。最接近時は空の南極近くを動くため残念ながら日本からは見られません。絶対等級が5.0等、核の直径が約50kmもある巨大ほうき星ですが、地心距離が1AUもあるため、夕方、日本の空に現れる頃は7等級程度の明るさとなってしまいます。

さて、この彗星は火星に大接近(0.0009AU=約14万km)することで話題になっていますが、その様子が日本からも観察できます。
2014年10月19日の日没後、南西の空低いところに火星が見えてきます。


その火星の東側、角距離20分のところにサイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)があります。

上記図の白枠は20cm反射望遠鏡(焦点距離1,000mm)の写野角です。18時の高度が16°なのでかなりチャレンジングな対象ですがチャンスがあるときは、ぜひ挑戦してみたい天体現象です。

サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)が火星に衝突する可能性はほぼないようですが、最接近時は火星上から-8等級の明るさで見える予報が出されています。

▲キュリオシティから見たサイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)の予想図

余談ですが、サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)が火星に衝突したときは、火星上に直径500km、深さ2kmのクレーターができるそうです。わぉ!

209P/LINEAR周期彗星

2013年12月23日 | 「見たい天体現象」
そろそろ来年の天文現象が気になる時期となりました。

手元に2014年度版「天文年鑑」も届きましたので年末恒例となりました

「来年ぜひ見たい天体現象」を紹介していくことにしたいのですが…

 「来年ぜひ見たい!という天体現象がどーも見つからないのです…。」
 「あー、それはアイソン彗星・ロス症候群ですね。最近多いんですよ~。」

…というワケではありませんが、来年は特筆すべき大きな天体現象がないようなので、
今年は「来年気にな~る天体現象」として数回にわたって紹介していくことにしま~す。

記念すべき?第1回目は、「209P/LINEAR彗星」です。

「209P/LINEAR彗星」は2004年の発見後、2008年に再検出されて番号登録された、
周期が5.09年、近日点距離が0.97AU、絶対等級H=16.0等級の小さなほうき星です。

この彗星が2014年5月29.4日UTに地球に0.0555AUまで近づきます。

0.0555AUは約830万kmですので、百武彗星(*)再接近時の約半分の距離となります。
そのため5月下旬の日々運動量は10°にもおよぶそうです。わぉ!(参考C/2012K5*)

Copyright&COPY :吉田誠一さんのホームページより(*)

 接近時の明るさは9等級なので、肉眼彗星にはほど遠いのですが、小望遠鏡でも十分写る明るさになるようです。しかも、位置情報によると、尾の実長を0.05AUと仮定しても、5月下旬には40°近い尾が伸びることになるそうです。(天文年間2014.P179)

尾の長さ40°といっても小さな彗星なので、それが撮影できる明るさかどうかは分かりませんが、機会を見て撮影にチャレンジすることにしましょう。

209P/LINEAR彗星の最接近は5月29日ですが、その5日前の5月24日に地球が209P周期彗星のトレイルに突入します。そうです。突発予報が出ている「5月きりん座流星群」です。

極大予想は5月24日16時、出現規模はHR=100以上という予報が出ていますので
出現時刻が後ろにずれることを期待して、5月24日20時頃は要チェックですね。
「来年気にな~る天体現象」の第2回目は「C/2013 A1(Siding Spring)彗星」で~す。

12月2日水星食(出現)

2013年12月02日 | 
今日は水星食です。

本来なら遠征してアイソン彗星とのコラボ撮影となるはずでしたが…
かくして、自宅2Fベランダから出現のみの撮影とあいなりました。ふぅ、

現在時刻は、6時です。すでに水星は月のムコウガワです。

2013.12.2 6:01:21 BORG60 Powermate2× ISO400 1/2

撮影時の月齢は28.4、輝面比は0.02です。

2013.12.2 6:01:21 BORG60 Powermate2× ISO400 1/2(トリミング)

本日の日出時刻は6時33分、水星出現は6時29-30分です。

ふ~む、日出3分前の月齢28を撮影することはかなり難関です。以前撮影した
「月と水星の接近()」では日の出10分前に月が見えなくなりました。

…ということは、水星出現時に月は眼視では見えてないことになりまーす。今日の
撮影は、赤道儀アンプラグなので手動で追尾です。よって、ファインダーで月が確認できなく
なった時点で撮影終了となってしまいます。

2013.12.2 6:08:53 BORG60 Powermate2× ISO200 1/13

こ~れは、チャレンジングな撮影です。出勤直前で時間もありませんが
とりあえず、だめもとで挑戦してみましょう。

わぉ!さっそく問題発生です。月が電線過密地帯に突入しました。

2013.12.2 6:17:57 BORG60 Powermate2× ISO200 1/50

ここで三脚を移動したら月の再導入はまず無理です。ここはエレベーターの上下で
ファインダーを死守してしのぎましょう。

…時刻は6時30分になりました。すでに眼視での確認はできません。双眼鏡でも?です。
ファインダーでは目のコントラストを脳内強調して、月がかろうじて見えてる?状態です。

2013.12.2 6:30:25 BORG60 Powermate2× ISO200 1/160

水星は、まったく見えません…でした。が、パソコンで確認すると写っていました。

12月2日水星食(出現)

2013.12.2 6:30:35 BORG60 Powermate2× ISO200 1/200(トリミング)

ふぅ、以上で水星食(出現)の撮影会は終了です。それにしても月齢28.4の月は
究極の細さですね。日の出直後でも撮影できることを確認できたのは収穫でした。

2013.12.2 6:35:09 BORG60 Powermate2× ISO200 1/400(トリミング)

アイソン彗星(C2012/S1)11/21~12/1

2013年12月01日 | 彗星
 すでに多数のメディアが報じているようにアイソン彗星は太陽の熱と潮汐力に耐えることができなかったようです。非常に残念ですが北半球の12月グレートコメットは幻となりました。

NASA Science Newsには3つのシナリオが載っていましたが…
#1「近日点通過前の自己崩壊」
#2「近日点通過時のサンバーン熱による消滅」
#3「太陽熱と太陽引力に耐えてみごと生き残る」

実際は…
#1「近日点通過前の部分的自己崩壊」
#2「近日点通過時のサンバーン熱によるほぼ消滅」
#3「太陽熱と太陽引力に耐えて生き残った(?)尾の残骸」

…と、ナンバリングのとおりのシナリオを進んだようです。

アイソン彗星に何が起きていたのか、分かる範囲でまとめてみました。

11月21日~11月26日に撮影されたSTEREO衛星の動画には、この段階で何度となく崩壊を繰り返していたと思われる映像が随所に見られます。11月22日に大きな断片が剥がれ落ちるように見えます。

11月21日(木)17時39分01秒(JT)


11月22日(金)04時19分01秒(JT)


11月23日(土)05時39分01秒(JT)→photo


11月24日には、さらに大きな断片が剥がれ落ちていく様子が見られます。

11月24日(日)08時19分01秒(JT)

11月21日(木)9:39:01から11月26日(火)0:19:01までのムービーはこちら→movie(14M)

それでも、SOHO衛星LASCO C3画像からは、アイソン彗星の頭部にブルーミングが発生し、順調に増光していく様子が見られたが、11月28日に急激に減光が始まり…


わずか5時間後にはブルーミングが消えてしまった。


そして、SOHO衛星LASCO C2画像に映し出されたアイソン彗星を見た瞬間、これは消滅する!という絶望感を感じざるをえなかった。なぜなら、そこで見た彗星の様子が2010年1月3日のブログ「SUNGRAZING COMET()」にある「彗星が太陽に接近・消滅するアニメーション()」と全く同じだったからである。1月3日の小彗星はその後、遮蔽板の裏から出てくることはなく、文字通り消滅してしまった。ああ、アイソン彗星も消えてしまったのか…、



と思っていたので…、

アイソン彗星が再び飛び出した映像を見たときは、生き残ったー! と小躍りして喜び、


これで、本体を消滅させながらも2010年12月に素晴らしい姿を見せたラヴジョイ彗星
(C/2011 W3)(*)のようになるかもしれないぞー、と一縷の望みを持ったのですが…

太陽から離れるに従いブルーミングを増したラヴジョイ彗星のようにはならず、アイソン彗星は本当に力尽きてしまったようです。う~ん、残念、この明るさでは20cm反射望遠鏡で写るか微妙なところですが、チャンスがあるときは撮影にチャレンジしてみましょう。