晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

顕微鏡対物レンズで撮影した月面(シン・システム 月面編)

2024年02月15日 | 観測グッズ
天気が良かったので顕微鏡対物レンズによる月面テスト撮影と木星解像度比較テストを2月14日の夕刻からに行いました~。

 2月14日は月齢4.4の五日月です。顕微鏡対物レンズはPlan5×を使用、惑星カメラ装着時に16mmほど引き出して拡大率を約2.2倍にしてあります。

 投影法による撮影は光路長で画角が変わるので、倍率2.2倍で画角がどのくらいになるのか、そもそも顕微鏡対物レンズで月面がどのように写るかを確かめるのがテスト撮影の目的です。

 月面撮影後に木星のテスト撮影も控えていたので撮影は4カ所のみですがご覧ください。

アトラスクレーター(左下) エンデュミオンクレーター(中央) フンボルト海(右)(photo

2024/2/14 17h46m(JST)Duration=30s  Shutter=13ms Gain=300 (50%)  25% of 2307frames ap466
直径:アトラスクレーター(87km)、エンデュミオンクレーター(125km)、フンボルト海(273km)


スネリウスクレーター(左下) ペタヴィゥスクレーター(中央)ロッテスリークレーター(中央上)

2024/2/14 17h40m(JST)Duration=21s  Shutter=21.5ms Gain=255 (42%) 25% of 1000frames ap592(photo
直径:スネリウスクレーター(83km) ペタヴィゥスクレーター(177km) ロッテスリークレーター(57km)



ブサンゴークレーター(左下) ハゲツィウスクレーター(中央上) ビーラクレーター(右上)

2024/2/14 17h44m(JST)Duration=30s  Shutter=16ms Gain=300 (50%) 25% of 1875frames ap402(photo
直径:ブサンゴークレーター(131km) ハゲツィウスクレーター(76km) ビーラクレーター(76km)


撮影場所の大まかな位置と撮像画角(注:背景の月は月面X撮影時のもので2/14の月ではありません)photo



 ↓ そしてこちらが本日のラストフォト、ヘラクレスクレーター と アトラスクレーター の夜明けです。ヘラクレスクレーターにはまだ朝日が差し込んでいませんが、アトラスクレーターには朝日が当たって底面にある複雑な細溝群がよく見えますね。

ヘラクレスクレーター(中央左) アトラスクレーター(中央右)エルステッドクレーター(右下)

2024/2/14 17h48m(JST)Duration=24s  Shutter=24ms Gain=300 (50%) 50% of 1000frames ap345
直径:ヘラクレスクレーター(69km) アトラスクレーター(87km) エルステッドクレーター(42km)

 いや~、顕微鏡の対物レンズで月面を撮影するとはなんとも不思議な感じがしますが、思った以上に解像度が良くてビックリです。2/15以降はSLIMが着陸したSHIOLIクレータに日が当たるようになるので天気の具合を見て撮影を試みることにしましょう。

顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(PLAN 5× テスト撮影 編)

2024年02月08日 | 観測グッズ
2月7日の夕方から急激に天気が回復したので、前回の撮影で拡大率が大きすぎたレイマ-PLAN 5倍の拡大率を下げるためのテスト撮影を木星で行った。

 レイマ-PLAN 5× は有限補正光学系レンズなので顕微鏡筒長160mmで5倍の拡大率になるよう設計されているが、前回撮影したシステムは全長が245mm、光路長が約200mmもあったため実質の拡大率は約6.3倍になっていた。そのため木星像が惑星カメラの画角からはみ出す結果となった。

〈WRAYMER PLAN 5× 1st撮影システム図〉

 そこで、今回はマウントチューブを使わない(光路長が短い)システムを構築して撮影を試みることにした。レイマ-PLAN 5×を取り付けるネジ変換アダプターはカメラ側がCマウントになっているのでネジ径が20.32mmの場合はマウントチューブをそっくり外しても結合することができる。

〈マウントチューブを使わない撮影システム チャート図〉

 
〈A.マウントチューブを使わない撮影システム 完成図〉

 正確な光路長は計ってないが概算ではこのシステムの拡大率は約1.6倍になると思われる。最低でも2倍はほしいところなので1.6倍ではやや物足りなさを感じる拡大率である。


〈B.基本形+ZWO 大気分散補正プリズム+惑星カメラ〉

 こちらは対物レンズと惑星カメラの間に大気分散補正プリズムを入れて光路長を少し伸ばしたものだが、この場合の拡大率は約3.7倍になると思われる。拡大率がやや大きめだが高度60°以下の撮影では大気分散補正プリズムが効果を発揮するので実用的なシステムではある。


〈C.基本形+フリップミラー+惑星カメラ〉

 こちらはフリップミラーを間に入れたものだが全長が230mmもあるのでマウントチューブを入れたシステムの全長245mmとたいした差はない。ざっくり計算では拡大率が6.0倍なので木星は無理、気流がとても良い時の視直径小さめ惑星を撮影するときに使えるかもしれない。

〈撮影データ 〉
・撮影日時:2024年2月8日17時54分~18時36分
・撮影機材:TAKAHASHI μ210+WREYMER PLAN 5× +ASI290MC(UV/IRcut)
・合成焦点距離:比較図に記載
・露出:比較図に記載
・画像処理(AS!3→レジスタックス6→ステライメージ)

〈考察〉
 撮影した2月7日は気流がかなり悪くピントの追い込みはできなかったので画角の違いに重点を置いて比較してみた。基本システムのAタイプはさすがに拡大率が小さすぎるので惑星ではなく月面を撮影するときには使い勝手がいいかと思われる。システムBはやや拡大率が大きいがこの中では実用的なレベルと言える。システムCは木星には過剰倍率だがフィリップミラーを活かして火星のLRGB撮影用としては活用できるかもしれない。今回のシステムでは2倍~2.5倍の拡大率を得ることができなかったので適正な光路長になるよう新たなシステムを考えたい。



〈システムA:FireCapture スクショ画像〉


〈sシステムB:FireCapture スクショ画像〉


 次回のテストとしては気流の良い時に顕微鏡対物レンズ、望遠鏡アイピース、パワーメイトの三つ巴による解像度決戦をする予定です。はたして結果はいかに~。


〈関連ブログ〉
顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(無限遠補正光学系レンズ編) 2024.2.2
顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(撮影システム 備忘録 編) 2024.2.5

顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(撮影システム 備忘録 編)

2024年02月05日 | 観測グッズ
顕微鏡対物レンズ NIKON PLAN 4× による撮影システムの備忘録です。

〈撮影システムチャート図〉

 顕微鏡対物レンズ用のマウントチューブ(エドモンド・オプティクス)のカメラ接続部がCマウントになっているので、Cマウント→M42変換アダプター、M42→36.4mmアダプターを装着して惑星カメラと接続。


〈NIKON PLAN 4× 接続完了図〉

 顕微鏡対物レンズを装着したマウントチューブは最大径で30mmしかないので、これをどうやって望遠鏡接眼部に取り付けるかが問題だったが… ここでTAKAHASHIの拡大アダプターTCA-4登場です!


〈TCA-4の接続体にマウントチューブを合体!〉

 TAKAHASHIはアイピース接眼部がスクリュー方式になっているので、ひょっとしたらMAXまで締め付ければ固定されるのでは…と思って装着すると、


〈撮影システム完成図〉

なんと、余裕でしっかり固定されました。これをμ210に装着して撮影した木星が下記の写真です。



 上記のつなぎ方の場合TCA-4の本体は使いませんが、TCA-4の接続体に本体を装着してアダプターを全て外した惑星カメラを挿入して使用することもできます。ただしその場合はマウントチューブのC-Mountと惑星カメラのUV/IRフォルターが干渉するので拡大チューブを引き出す必要があります。

 この場合マウントチューブCマウントと惑星カメラの間にはスキマがあって直結しているわけではないので光軸上の問題はありそうですが、拡大率を大きくすることができるので今後のテスト課題です。

 
 WRAYMER Plan5×は今回の撮影で拡大率が大きすぎて木星が惑星カメラの画角からはみ出してしまったので拡大率を下げる必要があります。すでにいくつかの案はあるので試したいところですが現在テスト撮影に耐えられる天気を待っている状態です。

 木星の高度が低くなる前に春めいた天気になってほしいですがしばらくは冬型の気圧配置が続きそうです。今年は暖冬といってもそう簡単に春はやってこないですよね。



顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(無限遠補正光学系レンズ編)

2024年02月02日 | 観測グッズ
顕微鏡対物レンズで拡大撮影するシステムがついに完成しました~。
その第1回目のテストとなる撮影を1月30日の木星で行いました。

では、早速ご紹介しましょう!
本邦初公開、こちらが顕微鏡対物レンズで撮影した木星です!(photo

 え!? どうやって顕微鏡対物レンズを望遠鏡に取り付けるの? 焦点は合うの? 肝心かなめの解像度はアイピースと比べてどうなの?…という点が気になりますよね~、その前に1分間だけ説明を聞いてください。(←おまえは複雑社会を超定義の漫画家イエナガか~?)
 
〈はじめに…〉
 今回いろいろ調べて初めて分かったことですが顕微鏡の対物レンズには「有限補正光学系」と「無限遠補正光学系」の2種類の結像方式があります。これがやっかいで… その違いをザックリ説明すると…

・有限補正光学系
 対物レンズが単独で像(中間像)を作る光学系。対物レンズを通過した光が接眼レンズの焦点位置で中間像を結ぶ光学系、中間像を結ぶ位置と接眼レンズの焦点位置を合わせる必要があるため顕微鏡筒長が一定となる。(JISで160mmと決められている)

・無限遠補正光学系
 対物レンズと接眼レンズの間に結像レンズを配置して中間像を結ぶため、対物レンズを通過した光が平行光束になるよう構成した光学系、結像レンズの位置を変えることで顕微鏡筒長を任意の長さにできるので多くの顕微鏡はこの対物レンズを使っている。

〈ということは…〉
 無限遠補正光学系は通過した光が平行光束になって像を結ばないので拡大撮影には使えない…ということになります。では、このレンズをそのまま虫眼鏡として覗いたらどのように見えるのだろう?と疑問がわきますよね。これが覗いてみると、フツーに拡大して見えます。これは有限も無限遠も凸レンズなので覗いたときは前側焦点の内側にある物体を虚像で見ているからだと思われます。

〈使用した対物レンズの紹介〉
 今回使用した対物レンズは無限遠補正光学系がNIKONの4倍、有限補正光学系がレイマ-の5倍でどちらも対物レンズの種類はプランです。(プランは2色(赤・青)の色収差と像面湾曲収差を補正したレンズ、像の平坦性に優れ視野全体の95%に焦点が合うようになっている)


〈有限補正光学系レンズ5倍で問題発生!〉
 無限遠補正光学系は結像しないので、レイマ-の5倍でテスト撮影をしたのですが、なんと木星像が大きすぎてASI290MCのセンサー画面からはみ出してしまいました。顕微鏡対物レンズで撮影するためのシステムについては次回のブログで詳しく紹介しますが、現状では5倍の拡大率を小さくすることはできないのでアウトです。

〈まさかの大逆転!無限遠補正光学系で撮影成功!?〉
 以前、対物レンズと惑星カメラの結像テストを手持ちでなんとな~くしていたところ、無限遠補正光学系は平行光束なので惑星カメラのセンサーに実像が投影されることはないのですが、バックフォーカスを長~くとると(原理は不明ですが)倍率小さめの実像が結像する現象が発生しました。

 構築した撮影システムではそこまで対物レンズと惑星カメラの間を長くすることはできませんが望遠鏡のピントをかなり前よりに押し込めば合うのでは…と思い試してみたところ見事に合焦!

 ということでまさかの大逆転!使えないと思っていた無限遠補正光学系で撮影することができました。(ということは無限遠補正光学系でも撮影は可能なのか!?すべての望遠鏡で合焦するのか?については今後のテストで明らかにしていく予定です)

〈顕微鏡対物レンズ vs 望遠鏡アイピース〉
 顕微鏡対物レンズで撮影できたと言ってもアイピースによる拡大撮影より解像度が落ちるのでは顕微鏡対物レンズを使う意味がありません。NIKON PLAN 4倍で数カット撮影した後はPL25mmアイピースに換えていよいよ顕微鏡対物レンズ と望遠鏡アイピースの解像度対決の開始です!

〈解像度対決の結果〉
 撮影した画像を比較してみると顕微鏡対物レンズ NIKON PLAN 4×が良いように見えるが合成焦点距離が違うこととピント合わせの正確さの違いも見受けられるので更にテストを重ねる必要があります。

 有限補正光学系レンズのレイマ-5倍もなんとか使えるようにしたいですね。次回のブログでは撮影システムの詳細をご紹介しま~す。

30cmドブソニアンで土星と木星を撮影

2023年11月10日 | 観測グッズ
今日のブログは自動追尾機能のない30cmドブで木星・土星を拡大撮影をするというこれまでやったことのない実験的撮影の記録で~す。

 自動追尾機能のないドブソニアンはポンセットマウントに載せなければ惑星の拡大撮影はムリだよね~と思っていたのですが、ISSの拡大撮影と同じようにすればできるのでは…という考えが浮んだので撮影システムを考えてみました。

 具体的にはISSの撮影と同じシステムで手動で惑星を導入して、ファインダーとPCモニターを見ながら惑星カメラの写野に収まるよう手動で追尾(微調整)するという方法です。しか~し、これにはひとつ問題があります。

 それは、ISSの撮影システム(30cmドブ+ Powermate2× )はF10(f 3000mm)なので焦点距離が圧倒的に足りないということです。

 そこで今回はパワーメイトは使わずアイピースによる投影法でやってみることにしました。30cmドブに18mmアイピースを装着して拡大撮影カメラアダプターで惑星カメラにつなぐと、カメラアダプターの光路長から計算して合成焦点距離は7,250mm(F24)になります。

 これで動画を撮影して、撮影後はISSの時と同じようにPIPPでセンタリングして、その後はいつもの惑星画像処理(AS!3→RegiStax6→ステライメージ)を行います。

 撮影時間は木星が60秒、土星は240秒程度としてどれだけ惑星を捕獲できるかが勝負ですが実際撮影してみると、さすが焦点距離7,250mmの狭視野です。捕獲率は全体の2割にも満たない感じでした~。


 そんなこんなで撮れ高はほんの少しでしたが、写っている画像はさすが30cmと思わせる解像度でした。撮影はROI Max(1936×1096)で行ったのですが画角はこんな感じでした。↓

 
 で、こちらがPIPPでセンタリングした画像の一部です。


 撮影データを見ると動画6816frameの中で土星が写っていたのは1039frame、その40%をスタックしたので実質のスタック数は約400枚ほど… それを画像処理したのがこちらです。スタック枚数が少ないのでこれ以上の画像処理はできませんでしたがとりあえず土星らしい姿にはなったようです。


2023/11/9 18h17m Shutter=22ms Gain=350 (58%) Duration=240s 40%of 1039/6816frames


木星でもテストをしてみました~。

 木星は84秒間(4876frames)撮影して写っていたのは842frames 、それを70%スタックしたので実質のスタック枚数は589枚(総露出時間5.3秒)です。

PIPPでセンタリングした木星動画


 さすがにスタック数が少ないのでこれが精いっぱいでしたが、気流の割にはそこそこ模様が出たように思えます。右に見える衛星はエウロパです。


2023/11/9 21h14m(JST)CMI=58.1° CMII=154.2° CMIII=193.5°
Duration=84s  Shutter=9ms Gain=312 (52%) 70% of 842/4876frames

 今回の実験的撮影ではやや拡大率が大きすぎる感があるので次回はアイピースを25mmにして撮影してみようと思います。25mmのアイピースでは焦点距離が4800mm(F16)になるのでもう少し取り回しが楽になるかな、と考えていますが、あまり変わりはないかも…

 投影法での撮影はアイピースの性能(望遠鏡との相性も含む)で写りがぜんぜん違うのでアイピース選びが大事になります。次回のテスト撮影では複数の25mmアイピースを使用してアイピースの違いによる差もテストしてみることにしましょう。

天体撮影用レーザーポインター

2015年07月14日 | 観測グッズ
望遠レンズで暗い天体を撮影するとき、対象がうまくファインダーに
入らなくてイライラすることって、誰でもよくありますよね。

そんなあなたに朗報です。これを使えば暗い天体も瞬時にファインダー内に入ります。
使い方はとっても簡単、カメラから照射されるグリーンレーザービームを天体に向けるだけ。

100%の確立で対象天体がファインダーの中央に入ります。これで、あの不快なイライラとは永遠におさらばです。さあ、あなたもストレスレスな天文ライフを手に入れてみませんか。

…とTVショッピング風にいうまでもないのですが、以前から考えていたグッズが完成したので
テストしてみました。以下、そのグッズ紹介とテスト&レポートです。

星空解説に使っていたレーザーポインターをカメラ用マイクホルダーと合体!

マイクホルダー ホットシューアダプター <約19mm> 22Фガンマイク等に装着可能
実売価格は、セール品で¥ 987でした。レーザーポインターは海外通販ものです。

カメラに装着するとこんな感じ…

このレーザーポインターは後ろに照射スイッチがついているタイプ
なので手をはなしてもレーザービームがONのままになっています。

スイッチを入れるとビームがきれいに伸びていきます。


明るい星でファインダーの中央に入るように微調整すれば準備完了です。


レーザービームONのままテスト撮影した写真がこちら…

アンタレスをゲットです。使い心地はすこぶる良好です。

金星日面通過撮影システム変更

2012年06月02日 | 観測グッズ
日食で使用したこの撮影システム…、当初から不安定感たっぷりでしたが

いざ使用してみると、太陽高度が上がるにつれて、会議中の疲れきった
サラリーマンの如く、コックリ、コックリと船を漕ぐ始末で…
結局、使い物になりませんでした。トホホです。

そこで登場!

金星日面通過撮影用マルチプレートDXウッディ調!(ウッディそのものですが…)

さあ、これを使えば、あなたの悩みはすべて解消! これで約6時間という
長丁場の天文ショーをストレスなく撮影できます。

おお、これは、す~ばらしい! 早速、望遠鏡を載せてみましょう。

ふむふむ、いい感じです。

撮影用BORG60は微動装置付きですので、微調整も楽にできます。

眼視用のP.S.Tには高橋のポタ赤を付けて追尾させましょう。
…これで、準備は完了かな?
あとは、てるてる坊主を作れば準備完了ですね!

日食観測・撮影システム テスト

2012年05月05日 | 観測グッズ
なかなか晴れない今年のゴールデン・ウイーク…
今日の午後になってやっと太陽が姿をあらわしました。

チャンスです。日食観測&日食撮影システムのテストを行いましょう。

こちらは、目にやさしい投影板による投影観測法

アイピースは望遠鏡付属のMHの25mm(24.5mmサイズ)です。

やや拡大率が低かったので、アイピースBOXをひっくり返して探したところ
ほひょ? SR20mmと刻印のある24.5mmサイズのアイピースが出てきました。

はて、どこで手に入れたアイピースでしょう?全く記憶にありませんが…、

ふむふむ、拡大率はちょうどいいようです。

ところでSRってなんじゃろ? ネットで調べてみましょう。

ふ~む、SRは「スーパー・ラムスデン」の略らしい…、

ま、ラムスデンなら、合わせレンズを使っていないので太陽観測はOKですね。

こちらは観測システムの全体像です。

太陽投影用の6cm屈折望遠鏡の上に撮影用のBORG60nを載せています。

若干、不安定ですが撮影はなんとかできそうです。

2012.5.5 15:07:432 BORG60n Powermate2 D90 ISO200 1/1600(トリミング)

このシステムは日食観測用に組み上げたものですが、とくに不具合が
なければ、金星の日面通過観測も、このシステムでよさそうですね。


マルミ光機NDフィルター・テスト

2012年04月21日 | 観測グッズ
午前中は曇っていましたが、午後になって太陽が出てきました。
5月21日の金環日食(仙台では部分日食)に備えて撮影機材のテストをしましょう。

撮影機材はいつものBORG60n+Powermate2ですが、フィルタを新調しました。
マルミ光機 製「太陽撮影用フィルター DHG ND-100000 58mm」です。
これに「マルミ STEP-DOWN RING 62mm-58mm」を装着してセット完了です。

で、早速テストしてみました。

2012.4.21 14:17:02 BORG60n Powermate2 D90 ISO200 1/1250(トリミング)



2012.4.21 14:16:56 BORG60n Powermate2 D90 ISO200 1/1600(トリミング)



2012.4.21 14:16:44 BORG60n Powermate2 D90 ISO200 1/2000(トリミング)

<テストレポート>
1/1250で撮影した写真→太陽外縁周辺に露出オーバーによる若干のにじみ発生。
1/1600で撮影した写真→3枚の中ではいちばん良さそう。
1/2000で撮影した写真→太陽外縁に周辺減光が若干見られる。

適正露出は撮影時の気象条件によっても変わりますが、とりあえず
当日は1/1600を基準として、その前後で適正露出を探すことにしましょう。

ソーラースコープ (LIGHT TEC社・FRANCE)

2012年02月05日 | 観測グッズ
金環日食と金星の日面通過に備えてLIGHT TEC社製のソーラースコープを購入しました。
発注元は(株)ジズコです。価格は¥21000(グループタイプ)、送料は無料です。

で、早速届きました。予想以上に大きな箱です。

しか~し、持ち上げてみると、拍子抜けするほど軽い箱です。

開けてみると、こんな感じ…、

ダンボール箱にはLUNT社名が…、どうやらリユースのようです。

本体は、取って付きのキャリーケースに入っているようです。

さっそく開けて組み立ててみましょう。

ダンボール製なので組立は小学生でもできるレベルです。

望遠鏡に対物レンズを入れるところと、小さな凸面鏡を入れるところは
向きを逆に入れると、やり直しが効かないので要注意です。

1時間もかからず完成です。

外は寒いので、窓越しに太陽を導入してみました。

ほひょ、いい感じです。これなら3~4人同時に観察できます。

像は倒立像です。小さな黒点しかありませんでしたが、2つ認識できました。
午前中の太陽は日周運動で左下に動いて見えます。

太陽の動きは予想以上に速いので、すぐに投影板から太陽が外れますが
導入は簡単なので修正が楽にできます。

グループタイプには太陽高度測定用のプラムライン(錘と釣り糸)と
太陽観測実習テキスト(小学生~高校生向け)が入っています。

実習テキストは教育的な内容が充実しているので感心しました。
見た目はダンボールの箱ですが、なかなか使える観測グッズです。

気になる点は価格です。¥21000という値段は割高感を否定できません。元値が
$125なので、円高還元価格の送料込みで¥16000くらいなら納得なのですが…。

図体がでかいので全体像を撮るために、結局寒い外に出ました。

使用テストは暖かくなってから、じっくりすることにして…、
今日のところはこれで、お開きとなりました~。