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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

8月9日の木星

2024年08月17日 | 木星
250hPa/10km上空風速が5m/sというこの夏イチバンの好気流がやって来た8月9日の惑星撮影会の大トリは木星です。その撮影記録です。

 木星の撮影を始めたのは火星の撮影を終えた03時15分過ぎからでしたが8月9日の薄明開始は03時05分なので空はまだ真っ暗です。1か月前の薄明開始は02時27分だったので約40分も遅くなっています。

 日中の暑さは相変わらずエンドレスサマーですが季節は秋に向かって確実に進んでいるんですね~。早く涼しくなってほしいものです。

 さて、撮影は雲で中断することもありましたが03時26分から03時34分まで60秒露出で9回連続撮影することできました。その動画を50%スタックしてDe-rotationした画像がこちらです。

8月9日03時30分の木星(撮影時高度37°、視直径36.2″、輝面比0.99)
CMI=150.4° CMII=321.6° CMIII=73.6°

2024/8/9 03h30m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=30.09ms Gain=300 (50%) 60s × 50% × 9times   De-rotation


こちらは9ショットをGIFアニメにした9分間の自転の様子です。

 木星の自転は9時間55分26秒なので約5時間連続撮影すれば全周撮影できる計算になりますがそれって300ショット連続撮影を保存するだけのハードディスク容量が必要と言うことですよね~。それはちょっとムリ~ですがやってみたい気持ちはありますよね。(^^ゞ


8月9日のシーイング(3h31m34s)

火星と木星の大接近

2024年08月15日 | 火星
02時ジャストのアラームがなった時はノンレム睡眠中だったのか、起きたときの記憶が曖昧でなんだかよく覚えてないのだが、カラダは目的に向かって行動していたらしく…

 02時13分には火星と木星の大接近ファーストショットを撮影していたようです。 昨日から大気が不安定で変わりやすい天気だったので望遠鏡の準備もカメラの準備もまったくしていませんでした。

 そもそも02時台は庭木がじゃまで赤道儀の位置からは木星と火星が見えません。どうやらブドウ糖不足の脳に変わって目的意識高めのカラダが状況を判断して600mmレンズの固定撮影がベストと決めて撮影を行ったようです…

こちらが本日のファーストショットです。

2024/8/15 2h13m21s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f450mm ISO3200 F6.3 1/4sec(トリミング)

 ふう、ようやく脳が活動を開始して状況が分かりました。空は雲量9~10です。奇跡的に火星と木星の部分がぽっかり晴れていますが薄雲がうごめいています。こりゃ~、早く撮影しないと雲で見えなくなる可能性大です!

東の空はこんな感じでした~。

2024/7/25 2h19m54s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO6400 F5 4sec(トリミング)

 さて、この後の撮影機材は何にしようか?と考え始めた時… なんと、あっという間に木星が暗くなって見えなくなってしまいました。SCW観測情報で衛星画像と雲量を見ると雲のスキマがあることになっているのですが…

 それなのに、空はベタ曇り…どういうこと? そのナゾは近くの街灯を見て解明しました。霧です。街灯から地面に向かってレンブラント光線が出ています。しかもかなりの濃霧です。確かに息苦しいほどの湿度だなぁとは思ったのですが、これは確実に湿度100%に達していますね。

 …ということで半ばあきらめていたのですが、1時間後に急激に霧が晴れてクリアな星空が見えてきました。うそでしょう~と思いながら赤道儀のカバーを外して望遠鏡の準備です。

 始めは準備が簡単なMAK90にデジカメを装着して、次に20cm反射に惑星カメラを取り付けて拡大撮影を行います。撮影の前にMAK90で接近の様子を見ましたがクリアと思った空は透明度が著しく悪くて木星の模様もイマイチでした。

マクストフ・カセグレン90mmで撮影した火星と木星の大接近(離角18′55″)

2024/8/15 3h31m49s D810A CELESTRON C90 MAK(f1,250mm) D810A ISO3200 1/3sec

 では、ここで20cm反射にチェンジして拡大撮影だ~! と意気込んで準備をしている間にまたしても全曇りになってしまい、その後は姿を見せないまま朝になってしまいました、トホホ…

 ま、時間は短かったですがこの天気なので、眼視と望遠鏡で見られたのは超ラッキーでした。以上で撮影会は終了となりました。で、こちらが本日のまとめのフォトです。


火星と木星の大接近2024(photo


8月9日の火星

2024年08月13日 | 火星
8月9日に撮影した火星の記録です。


2024/8/9 3h02m42s μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)
Shutter=9.034ms Gain=350 (58%) Duration=60s AS!3 25% of 5642 Drizzle1.5×



 撮影を開始したときの火星高度は34°、光度は0.9等、視直径は6秒です。中央経度は287°でちょうど中央に大シルチスが来ていました。中央緯度は-4.2°なので南半球は南極点まで、北半球は北緯70°付近まで見えているようです。



 撮影は露出60秒で11ショット連続で撮ることができたのでその11ショットをDe-rotationした画像がこちらです。今回もリンギングが発生したのでRegiStaxのウエーブレットは弱めにかけて画像処理もシャープ処理を控えめにしています。大シルチスの南にあるヘラス盆地が目立ってますね。

2024/8/9 3h06m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)
Shutter=9.034ms Gain=350 (58%) 1min×11 25% Drizzle1.5× De-rotation 11min



本日のまとめフォトで~す。WinJUPOSのグラフィックで比較してみました。


 撮影終了後に倍率270倍で覗いてみたのですが今回は中央にある大シルチスがはっきり見えました。もう少し高度があがるともっと見やすくなるのですが、火星は現在のおうし座から9月~10月はふたご座、11月にはかに座に移動するのでなかなか高度が上がらないですよね~。

 それに比べて木星はずっとおうし座にいるのでこれからどんどん見やすくなって存在感マシマシになります。さすが惑星の王者!自己アピールが強いですね。2024年は12月8日が木星衝です。


撮影時のシーイング(03h12m28s)


〈関連ブログ〉
8月3日の火星と木星
2024年初撮影の火星(7/23)
火星と土星の大接近(4/11)
明け方の金星と火星 観望記録(2/9)
水星と火星の大接近(1/28)

8月9日の土星(中央緯度3.29°)

2024年08月12日 | 土星
ここ最近の土星撮影パターンとなっている「早寝早起き」をして外に出て望遠鏡カバーをはずしたのは02時を過ぎた頃… 空の様子は雲量7~8で土星はかろうじて見えている状態です。

 うむ、想定どおりです。Windy情報で8月9日未明に250hPa/10km上空風速が5m/sとなっていましたが晴れる予報ではありません。なので本日の撮影は「雲間からの必殺スナイパーショット」作戦です。

 雲が切れるのを期待して待つこと十数分、雲のスキマが大きくなって土星がはっきり見えてきました。チャンス到来です。さっそく連続撮影を開始しましょう!

 ふう、撮影は60秒露出で18回ほど撮ることができました。8ショットまでは薄雲がある状態、9ショット以降は快星の状態で撮影できましたが、せっかくなので18ショット全てをDe-rotationしてみたらなかなかの高解像度の土星となりました。

総露出時間18分の土星(撮影時高度 43°、光度 0.8等、視直径18".9)

2024/8/9 02h42m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=82.93ms Gain=350 (58%) 1min × 18times Autostakkert3 50%  De-rotation



土星と衛星タイタン

2024/8/9 02h46m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=82.93ms Gain=350 (58%) 1min × 11times Autostakkert3 50%  De-rotation


 
 動画撮影時に衛星タイタン(8.3等)は見えていましたがレジスタックス処理をしたらテチス(10.2等)が写っていたので撮影した動画を厳選して De-rotation したところ、エンケラドス(11.7等)も写っていました。わぉ!


土星の衛星、タイタン、テチス、エンケラドス

2024/8/9 02h42m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=82.93ms Gain=350 (58%) 1min × 4times Autostakkert3 50%  De-rotation


 う~む、アップした画像ではエンケラドスが暗くてよく分かりませんね~。Xにもポストしているのでそちらの画像の方が分かるかな…と思ったのですが、あまり変わりありませんでした~。(^^ゞ

 今回の土星は今シーズンのベストショットとなりましたが、これ以上の好気流はこの夏やってくるのでしょうか? もはや好気流ハンターとなった晴れスタ惑星撮影班が次なる好気流の到来を鋭意捜索中です。8月9日は火星と木星も撮影しているのでその様子は次回のブログで~。


8月9日のシーイング

8月3日の火星と木星

2024年08月11日 | 火星
8月3日に撮影した火星と木星の記録です。

 撮影時の火星中央経度は351°、ほぼ正面に子午線弯が見えています。今回は顕著なリンギングが発生したため左側に円弧状の疑似模様(The Mars Edge-Rind Artefact)が出てしまいました。

 視直径は5.89秒、撮影時の高度は約40°、地球からの距離は2億3800万kmです。2025年1月12日の最接近時は9600万kmまで近づくのでまだまだ遠いですね。


2024/8/3 3h30m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)
Shutter=15.52ms Gain=350 (58%) Duration=90s AS!3 50% of 6026 Drizzle1.5×

火星撮影時のシーイング



 で、こちらが木星のファーストショット、露出90秒の1枚画像です。

木星、3時40分、撮影時高度35°、光度-2.1等、視直径35”.7

2024/8/3 3h40m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)
Duration=90s  Shutter=68.14ms Gain=350 (58%) 50% of 1322frames ap34


こちらは6ショットをDe-rotationした画像ですが、うまく重ならずイマイチでした。



2024/8/3 3h44m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)
6shot De-rotation Duration=420s Shutter=68.14ms Gain=350 (58%)

 木星と火星は見かけ上の距離がだいぶ近づいてきました。8月3日の離角は約 6°ですが、最も接近する8月15日未明の離角は約0.3°です。ぜひ見たいところですが台風がダブルで日本に近づいているので天気が心配です。

8月3日の土星(中央緯度3.07°)

2024年08月04日 | 土星
8月3日に撮影した土星の記録です。

 スマホのスヌーズが鳴る前には起きるぞ~という強い意志(←最初のアラームで起きる気持ちは無いのかい!)を貫いて起床したのが02時を少し過ぎた頃…

 すでに土星の南中時刻、02時10分は過ぎていますが望遠鏡は昨日の日没直後からセットしてあるので撮影はすぐ始められます。さて、気流はどうでしょう?

 昨日の宵の口にアンタレスやアルビレオを観望したときは気流が良くなかったのですが、ふむ、気流は落ち着いています。かなりいいようです。

 本日の土星は、中央緯度3.07°、光度0.8等、視直径18".8 で、撮影開始時の高度は45°です。

で、こちらが本日のファーストショットです。なかなかいい感じです。

2024/8/3 02h35m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=85.78ms Gain=350 (58%) De-rotation 240s+120s Autostakkert3 50%


 お~っと、2ショットを撮ったところで、まさかの雲発生です! 海霧のような雲がサーッとやって来て土星の光度が急激に低下してしまいました。あちゃ~、もっと早い時間から撮影すべきだった…と後悔しても後の祭りです。トホホ…

 え、うそでしょ… と言いたくなるほどのどん曇りになって空の星はあっという間に見えなくなりました。東の空では次のターゲットの火星と木星がアルデバランと並んでキレイな正三角形を作っていたのですがそれも見えません。

 こりゃ~、望遠鏡撤収かな…とも思ったのですが撤収は明るくなってからでいいかな…とそのままにしていると、03時15分頃から雲間に星が見えるようになりました。

 そのタイミングで撮影した3ショットをDe-rotationした土星がこちらの2画像です。さすがに薄明が進んでいるので背景が明るくなっていますが気流の良さが分かる画像ですね。



2024/8/3 03h17m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=74.97ms Gain=370 (61%) De-rotation 120s×3  Autostakkert3 50%





2024/8/3 03h18m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=74.97ms Gain=370 (61%) De-rotation 120s×2  Autostakkert3 50%



シーイングはこんな感じでした~

 今回の気流はWindy情報によると250hPa/10kmで風速が5m/sという驚異的なそよかぜ気流でしたが、Windy情報を見るとこの先の2週間は長時間続く晴天はなし!気流は風速9m/s前後の時もありますがそれはごく短時間で、風速20m/s前後の日が多いようです。

 この夏の惑星撮影は、気流の良い時間に待ち構えて雲間から惑星が見えた瞬間を狙って撮影するというスタイルになりそうです。

 さてさて、本日の惑星撮影会ですが、薄明は進んでましたが 03時20分~03時50分に火星と木星を撮影することができました。現在、画像処理中なのでその様子は次回のブログで~

東北南部 梅雨明け!

2024年08月01日 | お天気
仙台管区気象台が「東北南部は8月1日ごろ、梅雨明けしたと見られます」と発表しました。

  東北南部としては平年(7/24)より8日遅い、昨年より10日遅い梅雨明けとなりました。8月に入ってからの梅雨明けは2020年(8/2梅雨明け)以来の4年ぶりです。

 本日の天気図(仙台管区気象台 報道発表

さて「ニイニイゼミの梅雨明け発表予報」ですが、今年は大ハズレですね~。初鳴き13日後の予想に対して23日後の発表でした。今年はニイニイゼミの初鳴きが早かったわりには梅雨明けが遅くなったわけですが、これは2017年の梅雨明けパターンとよく似ています。

 その2017年は梅雨明け発表翌日から雨模様の天気が続き、梅雨明けの時期が特定できなかった年になったので今後の天気が心配ですが、明日以降の天気予報を見ると雲は多めですが晴れ間はあるようです。ペルセウス座流星群の夜は快星になってほしいのですが…今年の天気はどうでしょうかね~。

〈これまでの観測記録〉
観測年  初鳴き  晴れスタ予報  発表日(初鳴きから)  梅雨明け(確定値)
2007年  7月20日→  予報なし →  8月 1日(11日後)→ 8月 1日ごろ  
2008年  7月11日→  7月23日 → 7月19日( 8日後)→ 8月 6日ごろ
2009年  7月 6日→7月13日~16日→ 梅雨明け発表なし →   -
2010年  7月 7日→  7月18日 → 7月18日(11日後)→ 7月18日ごろ
2011年  7月 9日→  7月20日 → 7月11日( 2日後)→ 7月 9日ごろ
2012年  7月16日→  7月27日 → 7月26日(10日後)→ 7月26日ごろ
2013年  7月15日→  7月25日 → 8月 3日(19日後)→ 8月 7日ごろ
2014年  7月12日→  7月23日 → 7月28日(16日後)→ 7月25日ごろ
2015年  7月12日→  7月23日 → 7月26日(14日後)→ 7月26日ごろ  
2016年  7月10日→  7月21日 → 7月29日(19日後)→ 7月29日ごろ
2017年  7月 9日→  7月20日 → 8月 2日(24日後)→  特定せず
2018年  7月 2日→  7月14日 → 7月14日(12日後)→ 7月14日ごろ 
2019年  7月25日→  8月 1日 → 7月30日( 5日後)→ 7月25日ごろ
2020年  7月23日→  8月 4日 → 8月 2日(10日後)→ 8月2日ごろ 
2021年  7月 6日→  7月17日 → 7月16日(10日後)→ 7月16日ごろ
2022年  7月 1日→    -   → 6月29日( 2日前)→  特定せず
2023年  7月12日→  7月23日 → 7月22日(10日後)→ 7月22日ごろ 
2024年  7月 9日→  7月22日 →  8月 1日(23日後) →   ?

 さてさて、今年は大ハズレとなりましたが、エルニーニョ/ラニーニャ現象を考慮した予報パターンはデータ収集のために来年も継続しま~す。(^^ゞ

〈ニイニイゼミの初鳴きから東北南部梅雨明けが発表されるまでの予報パターン〉
・「エルニーニョ現象発生時→ニイニイゼミの初鳴きから13日後」
・「ラニーニャ現象発生時→ニイニイゼミの初鳴きから10日後」
・「どちらでもない時→ニイニイゼミの初鳴きから11日後」


エルニーニョ監視海域における海面水温の基準値との差(℃)(月日はその年の梅雨明け確定日)

(赤)エルニーニョ現象発生、(青)ラニーニャ現象発生