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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

月出帯食(11/19)

2021年11月20日 | 月食
天気に恵まれて月出から部分月食を見ることができました~。

 仙台の月出時刻は16時18分。日没時刻が16時23分です。部分食の始まりは16時18.4分
なので仙台では月出と同時に部分食が始まります。

 月を確認した時刻は月出から5分後の16時23分、部分食開始5分後ですが予想以上に欠け
て見えました。厚い大気の層で減光されているため半影食部分が強調されたのかもしれま
せん。ちょっと意外でした~。

月出帯食 食分0.07 撮影時高度0.389° 日没0分後

2021/11/19 16h23m50s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO200 f6.3 1/20sec


食分0.13 撮影時高度1.220° 日没5分後

2021/11/19 16h28m32s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f500mm ISO1000 f6.3 1/250sec



食分0.17 撮影時高度1.658° 日没8分後

2021/11/19 16h31m00s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f440mm ISO1000 f10 1/50sec


食分0.28 撮影時高度3.230° 日没16分後

2021/11/19 16h39m48s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO3200 f11 1/125sec トリミング


食分0.53 撮影時高度6.883° 日没36分後

2021/11/19 16h59m58s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO3200 f11 1/320sec トリミング


食分0.70 撮影時高度9.714° 日没52分

2021/11/19 17h15m22s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1600 f10 1/400sec トリミング


食分0.95 撮影時高度16°


2021/11/19 17h49m42s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO2000 f6.3 1/100sec トリミング

食分が最大になる頃、北西から近づいていた雲がついに到達して、あっという間に月を隠してしまいました。なので、まともに撮れたプレアデス星団とのコラボ写真はこの1枚のみでした~。

プレアデス星団と最大食分の月

2021/11/19 18h00m36s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f200mm ISO10000 f5.3 1/3sec

最大食分0.98 撮影時高度18°

2021/11/19 18h01m55s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO3200 f6.3 1/4sec トリミング

 月食中は双眼鏡で月を観察していましたが、今回の月食は地球の影の部分の色合いがとてもきれいに見えました。ターコイズフリンジも見えるのではと思い、注視していましたが肉眼では確認できませんでした。最大食分時の高度が20°と低かったことが影響しているのかと思います。

部分月食中の17時6分過ぎにISSが通過していきました。遠めのパスでしたが対角魚眼で連続撮影してありますのでその様子は次回のブログで~。

スーパームーン皆既月食 観望記録(皆既後 編)

2021年05月31日 | 月食
皆既後の観望記録で~す。

 さて、最近話題になっている「ターコイズフリンジ」は今回見えたのでしょうか?
ターコイズフリンジはその名の通り皆既の前後に月縁がターコイズ色に染まる現象ですが
過去の観測を振り返ると、いつでも見える現象というわけではないように感じます。

2014年4月4日皆既月食、確認できず(blog→4月4日皆既月食
2014年10月8日皆既月食、眼視確認(blog→10月8日皆既月食:観望会記録
2011年12月10日皆既月食、眼視確認・写真撮影(blog→12月10日皆既月食 ~観測編~
2011年12月10日皆既月食、ターコイズフリンジ動画撮影(blog→TOTAL LUNAR ECLIPSE

※ターコイズフリンジは2008年2月13日のNASA SCIENCE(→Web)で報じられてから広く
知られるようになった現象です。

 今回の皆既月食では雲があったのでターコイズフリンジは確認できませんでした。望遠鏡で見て
も(カメラ越しですが)月縁が青くなることは無かったので発生しなかったのかもしれません。


 では、ここからは皆既後の部分食の様子です。撮った写真を時系列で並べただけの記録で~す。
どんどん雲が厚くなっていくなか意地で撮影している雰囲気がにじみ出た写真になってます。(笑)

皆既終了後のイベントデータ
 皆既終り=20:28
 天文薄明終り=20:41
 食分0.9=20:54、食分0.8=20:54、食分0.7=21:03、食分0.6=21:11、食分0.5=21:19、
 食分0.4=21:26、食分0.3=21:32、食分0.2=21:39、食分0.1=21:46、
 部分食の終り=21:52:48


皆既終り10分後


2021/5/26 20h38m15s D810A  SE200N ISO6400 1/25sec


皆既終り14分後


2021/5/26 20h42m09s D810A  SE200N ISO4000 1/13sec


食分0.9


2021/5/26 20h42m38s D810A  SE200N ISO4000 1/60sec


食分0.8


2021/5/26 20h54m22s D810A  SE200N ISO4000 1/250sec



食分0.7


2021/5/26 21h02m05s D810A  SE200N ISO1600 1/640sec


この頃まではまだ星が見えていたのだが…

2021/5/26 21h02m03s D90 VR24-70mm f/2.8E f24mm ISO1250 f2.8 1/1.3sec

その3分後には急速に雲が厚くなり…

2021/5/26 21h05m53s D90 VR24-70mm f/2.8E f24mm ISO1250 f2.8 1sec


食分0.6


2021/5/26 21h10m49s D810A  SE200N ISO1600 1/400sec


21時15分過ぎにはほぼ星が見えなくなった。

2021/5/26 21h16m15s D90 VR24-70mm f/2.8E f24mm ISO1250 f2.8 1sec


食分0.5


2021/5/26 21h19m10s D810A  SE200N ISO1600 1/500sec


食分0.4


2021/5/26 21h26m31s D810A  SE200N ISO1600 1/400sec


食分0.3


2021/5/26 21h34m27s D810A  SE200N ISO1600 1/320sec


食分0.2


2021/5/26 21h39m22s D810A  SE200N ISO1600 1/200sec


食分0.1


2021/5/26 21h45m17s D810A  SE200N ISO1600 1/80sec


部分食の終り

2021/5/26 21h51m30s D810A  SE200N ISO1600 1/30sec


半影食?

2021/5/26 21h56m45s D810A  SE200N ISO1600 1/60sec


スーパームーン皆既月食 観望記録(皆既中の星空編)

2021年05月28日 | 月食
さて、皆既の時間が近づいてきました。
ここでイベントのおさらいをしておきましょう。

本日のメインイベント
 皆既始め=20:09:24   
 皆既最大=20:18:42(食分1.015)
 皆既終り=20:28:00

 皆既月食中は月が暗くなるので赤銅色の満月の周りにお星様がたくさん見えるようになりますね。
楽しみ~、ワクワク… とならないところが皆既月食の不思議で面白いところです。

〈解説:国立天文台HPより〉
 皆既月食のときの月がいつも同じように赤黒く見えるわけではありません。地球の大気中のチリが少ないときには、大気を通り抜けられる光の量が多くなるため、オレンジ色のような明るい色の月が見られます。 一方で、大気中にチリが多いと、大気を通り抜けられる光の量が少なくなるため、影は暗くなり、灰色に見えたり、あるいは本当に真っ暗で月が見えなくなったりします
 このように皆既月食のときの月の色が異なることは、フランスの天文学者ダンジョンが20世紀初頭にすでに気づいていました。彼は独自に「ダンジョンの尺度(スケール)」という色の目安を用いて、月食の色を調べました。この尺度を表にまとめます。






 この解説にあるように「赤さ具合」が月食によって異なるので星がたくさん見えるときとそうでないときがあります。今回は食分が浅いので明るくなるパターンですが、高度が低いのでその分暗くなるだろうと国立天文台では説明しています。なので今回はスケール3くらいかなぁ~と個人的には思っていましたが、実際は薄雲があったので正確な明るさは分かりませんでした。

 皆既中の月の色がスケール0の黒になると新月と同じ満天の星空になりますが、過去に1度だけありました。1982年12月30日に起こった皆既月食では月が真っ黒になり月が見えなくなりました。これはその年の春に噴火したメキシコのエルチチョン火山の火山灰等が成層圏に達しためと言われていますがとても希有な出来事でした。

 その日は年末だったため特番のテレビを見ていて皆既になった22時30分頃に外に出たところ月がどこにも無くて見つけることが出来ませんでした。目をこらして有るべき場所をじっと見ましたが、あれかな? たぶんあれだろう… と自分に思い込ませるレベルの今まで見たことの無い初めて見る見えない月でした。


 前置きが長くなりましたが、今回の皆既月食では雲が移動しているので写真を撮るたびに写る星の数が変化しました。皆既前はご覧のようにアンタレスも見えない状態でした。

食分0.93 月高度11° 

2021/5/26 19h57m30s D90 VR24-70mm f/2.8E f40mm ISO2000 f2.8 3sec


食分0.99 月高度12° 

2021/5/26 20h07m20s D90 VR24-70mm f/2.8E f35mm ISO2000 f2.8 2sec

ここからは皆既中の写真です。願いが通じたのか雲が薄くなってきました。アンタレスが見えてきました!! 月の周りにも星が写っています! 満月と星空! 神秘的です。

食分1.00 皆既開始 2分42秒後 月高度13° 

2021/5/26 20h12m06s D90 VR24-70mm f/2.8E f24mm ISO2000 f2.8 3sec


食分1.01 皆既最大 1分5秒前 月高度14° 

2021/5/26 20h17m37s D810A VR24-70mm f/2.8E f26mm ISO3200 f4 2sec


食分1.01 皆既最大 48秒前 月高度14° 

2021/5/26 20h17m54s D810A VR24-70mm f/2.8E f26mm ISO3200 f4 2sec


食分1.01 皆既最大 7秒前 月高度14° 

2021/5/26 20h18m49s D810A VR24-70mm f/2.8E f26mm ISO8000 f4 1sec


食分1.01 皆既最大 39秒後 月高度14° 

2021/5/26 20h19m21s D810A VR24-70mm f/2.8E f50mm ISO8000 f4 1sec


食分1.01 皆既最大 57秒後 月高度14°  今回のベストフォトです! 

2021/5/26 20h19m39s D810A VR24-70mm f/2.8E f70mm ISO8000 f4 1/1.3sec
 

食分1.00 皆既終了 1分17秒前 月高度15° 対角魚眼で撮影した皆既中の星空 

2021/5/26 20h26m43s D810A 10.5mm f/2.8G f10.5mm ISO6400 f2.8 2.5sec

 この時間、防潮堤の上では20~30人(もっといたかも)の人たちがカメラや望遠鏡で皆既月食を楽しんでいました。おとなりのムーンウオッチャーさんが写ってしまいましたが個人を特定できるものではないのでこのまま掲載させてもらいます。

 こちらは、おもな星座名や恒星名を入れた写真です。

2021/5/26 20h26m43s D810A 10.5mm f/2.8G f10.5mm ISO6400 f2.8 2.5sec


皆既終了時刻( 20時28分00秒)に撮影したスーパームーン

2021/5/26 20h28m00s D810A  SE200N ISO6400 1sec

残念なことに皆既が終わった途端に雲が厚くなってきました。

食分0.96 月高度16° 

2021/5/26 20h34m58s D810A  SE200N ISO6400 1/1.6sec


食分0.96 月高度16° 

2021/5/26 20h35m47s D90 VR24-70mm f/2.8E f24mm ISO1250 f2.8 2sec


皆既月食の後半は次回のブログで~

スーパームーン皆既月食 観望記録

2021年05月27日 | 月食
 今回の皆既月食は月出直後から欠け始めて、皆既が始まる20時10分の高度がわずかに13°です。
観望場所は山か海かで悩みましたが、結局、仙台新港の近くにある蒲生海岸にしました。
 ここには日本一低い山「日和山(標高3m)」もあるので山と海の両方が楽しめます。

 午後から夕方の天気をこまめにチェックしましたが、天気は予想に反してどーも良くないようです。
案の定、海岸に着くと西の空は雲が切れていますが、東の空はSCW予報で言うところの半透明上層雲(巻雲、巻積雲、巻層雲が混在した雲で半透明になっている状態)で覆い尽くされています。

 まー、仕方ありません。天気は空の神様に任せることにして、晴れることを期待して待機です。

本日の基本データ
  月の出 18:39:30 東南東116°
  欠け始め18:44:36、日の入り18:50、
    市民薄明終了19:21、航海薄明終了19:59、天文薄明終了20:41
  食分0.1 =18:51、食分0.2=18:58、食分0.3=19:05、食分0.4 =19:12、食分0.5=19:19、
  食分0.6=19:26、食分0.7 =19:34、食分0.8=19:43、食分0.9=19:53、皆既始め=20:09:24
    2021年最も近い満月の瞬間=20:14(地心距離35万7000km)
  皆既食最大=20:18:42(食分1.015)、皆既終り=20:28、食の終り=21:52:48

 上記のデータを見て最も注目すべきは、2021年で最も近い満月の瞬間が皆既中に起きるということです。スーパームーン皆既月食と言われるゆえんがここにあります。


 さて、19時を過ぎても月がまったく見えません。刻一刻と時間だけが過ぎていきます。

2021/5/26 19h10m21s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f165mm ISO1250 f6.3 1/25sec


マジでだめか~と思った瞬間、雲を通して月明かりが見えてきました。(月高度4.3°)

2021/5/26 19h11m19s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f150mm ISO1250 f6.3 1/25sec

月明かりが明るく見えてきましたが、相変わらず空は半透明上層雲でカバーされています。

2021/5/26 19h12m19s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f150mm ISO1250 f6.3 1/15sec


 やがて見えてきた月はすでに大きく欠けていました。(食分0.42、撮影時高度4.5°)

2021/5/26 19h13m42s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f600mm ISO1250 f6.3 1/80sec

 いまだに雲越しですが、雲がかかった月はこれはこれで趣があってキレイです。

2021/5/26 19h17m57s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f600mm ISO1250 f6.3 1/80sec


 スッキリしない空の中で無情にも食は時間どおりに進みます。(食分0.62、撮影時高度6.8°)


2021/5/26 19h27m33s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f170mm ISO4000 f8 1/25sec


 日本一低い山「日和山」を照らすスーパームーン(食分0.67、高度7.4°)

2021/5/26 19h31m13s D810A VR24-70mm f/2.8E f70mm ISO1600 f3.2 1/15sec



 星も見えてきましたがどーもスッキリ晴れてくれません。(食分0.67、高度7.4°)

2021/5/26 19h31m18s D810A VR24-70mm f/2.8E f70mm ISO1600 f13 1/100sec(トリミング)


 さて、食分も0.7を過ぎて皆既が近づいてきたのでここで反射望遠鏡にスイッチです。


食分0.82、高度 9.384°、 視直径 33.5' 

2021/5/26 19h44m21s D810A  SE200N ISO1600 1/250sec


食分0.86、高度 9.922°

2021/5/26 19h48m00s D810A  SE200N ISO5000 1/1.3sec


食分0.96、高度 11.865°


2021/5/26 20h01m26s D810A  SE200N ISO3200 1/2sec


こちらは皆既が始まった瞬間に撮影した月です。(食分1.00 高度13.136°)

2021/5/26 20h09m24s D810A  SE200N ISO3200 1/2sec


そしてこちらが20時14分に撮影した「2021年で最も近い満月(地心距離35万7000km)」です。

2021/5/26 20h14m27s D810A  SE200N ISO3200 1/1.3sec

 今回の皆既月食は最大食分が1.015なので皆既中と言ってもそんなに暗くはなりませんが、皆既中の星空の写真も撮る事が出来ました。だいぶ長くなったので続きは次回のブログで~。

4月4日皆既月食

2015年04月05日 | 月食
天気はあまり良くありませんでしたが、仙台で皆既月食を見ることができました。
以下、その観望記録です。
昼間は快晴のお天気でしたが、日没前から雲がモクモクと出て…
こりゃ~無理かな、と思いつつ機材をセッティング…、
本日の月食は高度が低いので観測場所は北観測所(玄関前駐車場)です。

部分食開始時刻を過ぎて数分後、雲が薄くなってきました。
撮影を開始しましょう。すでに下側がかなり欠けています。

食分0.18

2015.4.4 19:28:14 SE200N D90 ISO200 1/100
高度がまだ17°しかないので月縁がゆらゆらです。

食分0.39

2015.4.4 19:44:36 SE200N D90 ISO200 1/160

ふ~む、雲間をねらって撮影してきましたが、雲が厚くなってきました。
このあとドン曇りになる可能性大です。しばし自宅で待機しましょう。

~自宅待機を利用して夕食中~

おっと、20時をすぎました。お天気チェックに出てみましょう…
わお!どうしたことでしょう、まさかの快星です!雲が一つもありません。 あわてて撮影再開です。

食分0.71

2015.4.4 20:12:34 SE200N D90 ISO200 1/100

食分0.82

2015.4.4 20:23:22 SE200N D90 ISO200 1/125

食分0.95

2015.4.4 20:42:23 SE200N D90 ISO200 1/30

食分0.95

2015.4.4 20:42:34 SE200N D90 ISO200 2sec

食分0.99(皆既1分前)

2015.4.4 20:53:20 SE200N D90 ISO200 1/2


食分1.00(最大食時刻)

2015.4.4 21:00:33 SE200N D90 ISO200 1.3sec

今回は透明度が悪かったせいか、2014年10月8日()、2011年12月10日()の時に見たようなきれいなターコイズフリンジが見えませんでした。

食分1.00


2015.4.4 21:01:11 SE200N D90 ISO200 3.0sec

今回の皆既時間はあっという間です。…というより10時方向に明るい部分が残っていて、イマイチ皆既中という実感があまりないまま光が戻ってきました。

食分0.93


2015.4.4 21:23:34 SE200N D90 ISO200 2.0sec


食分0.79


2015.4.4 21:40:01 SE200N D90 ISO200 1/80

食分0.61


2015.4.4 21:57:38 SE200N D90 ISO200 1/80

食分0.33


2015.4.4 22:20:33 SE200N D90 ISO200 1/1000

皆既後は、雲が流れる中での撮影でしたが、雲が多くなってここで撮影断念です。

美しさという点では、2014年10月8日の皆既月食にかないませんでしたが、土曜日だったことから撮影を十分楽しむことができました。次回の皆既月食は2018年1月31日です。ちょっと先ですが条件的には食分も深くて申し分ないので楽しみ待つことにしましょう。

10月8日皆既月食:観望会記録

2014年10月12日 | 月食
10月8日は仙台でも好天に恵まれ最高の条件で月食を見ることができました。
皆さんも思い思いの場所で夜空の天文ショーを楽しんだことと思います。

今回は始まりが18時14分でしたので遠征はせず、職場で残業中の同僚と
ワイワイ言いながらのプチ観望会とあいなりました。

〈イベント時刻〉
部分食の始まり:18時14.5分
皆既食の始まり:19時24.6分
食の最大    :19時54.6分
皆既食の終わり:20時24.5分
部分食の終わり:21時34.7分

今回使用した望遠鏡
〈CELESTRON C90 MAK 90mm Spotting Scope〉
光学系:マクストフカセグレン
口径:90mm 焦点距離:1250mm  F値:13.9 
アイピースPL32mm(39倍) 45°正立プリズム

ちょい見用のお気軽望遠鏡ですが、正立プリズム入りで
見た目の月と同じ向きで見られるのがメリットです。

おっと、時刻は18時30分を過ぎました。ここからはビルにじゃまされ
見えないのでちょっと移動してみましょう…。

ほひょ、すでに地球の影にかなり食われています。
18時30分過ぎは食分でいうと0.3ほどですが左下がかなり欠けています。

さっそく、みんなを呼んで観望会です。まずはアイピースを覗いてもらい
月が見えるか確認です。これは観望会での大事なファーストステップです。

どうやら皆さんクリアーです。まだ食分が小さいので欠けた月を確認できた方
から残業再開モードです。次の観望は皆既20分前の19時頃にしましょう。

~カチャカチャ~みなさん残業中

そろそろ時間です。次のターゲットは天王星です。
月明かりが暗くなってきたので探してみましょう。

ありました!19時過ぎに発見です。かなり月から離れていますがギリギリ
同一視野に収まっています。(月は右縁が少しだけ見えている状況ですが)

「お~い天王星が見えたよ~」
「え~、天王星って、水金地火木土天海冥の?」
「えっ、今は水金地火木土天冥海じゃなかった?」
「いや冥王星は無くなったよ~」
などと、やけにハイレベルなつぶやきを発信しながら皆が集まってきました…。

見えたと言っても、望遠鏡はF14で、現在地は仙台国分町まで徒歩2分の場所です。
望遠鏡の中でかすかに輝く、5.7等級の天王星を見つけるのは、望遠鏡を見慣れていない人にとっては至難のわざです。

「月縁が9時方向に見えるので、反対側の2時から3時方向を探すと小さな光る点が見えるので…、それを探して…、えっ見えない…、そこに必ずあるから…」とおまじないのように繰り返したところ、全員が天王星を見つけることができました。
「えっ、あの小さな光の点が天王星…」
「わぁ~初めて見た~」「うわぁ小さい!」
「へ~、天王星ってこんなに遠いの~」
「宇宙って広いねぇ~」などと、やはりハイレベルな感想を述べていました。

さぁ~て、そろそろ皆既が始まります。本日の観望会メインイベント、ターコイズフリンジの観望です。今回の皆既月食開始はちょうど月の上が明るくなって指輪のように見えます。その様子は、夜空に輝く0.01カラットのダイヤモンドリングといった感じでとてもビューティフォーです。

「ではみなさん、これからターコイズフリンジを見てもらいます。」
「今、月はまもなく皆既に入ります。てっぺんが明るく見えて、月の下はすでに赤銅色になっていますが、そのあいだが青っぽく見えます。ターコイズ色に見えるので、これをターコイズフリンジと言います。さぁ、望遠鏡を覗いて自分の目で確かめてみましょう。」

「えっ、ターコイズってトルコ石のこと?」
「月が青っぽく見えるって聞いたこと無いけど…。」
「あー、ほんとだ! 欠け際が青っぽく見えてる、不思議~」
「えっ、これって知られてることなの?」

「これは太陽光がオゾン層を通過する時、赤い光が吸収されて青い光だけが直進するからだと言われています。」

「あー、そうかー、オゾン層は高いところにあるから、欠け際だけ青くなるんだ~」
「へりがターコイズ色になるから、ターコイズフリンジって言うワケね~、納得。」
むむ…、またしてもハイレベルなつぶやきです。

さ~て、時間も遅くなってきたので、そろそろ終了です。
「天王星を初めて見たし、月食中のターコイズ…フリンジ?…も初めて見てたのしかった~」という感想を背中で聞きながら撤収開始です。

そうそう、自分の目で直接見るということが観望会の醍醐味です。たとえ小さな光の点でも、天王星から2時間30分かけて届いた光を見ているという体験が実感につながります。

観望時はカメラを持っていなかったので、帰宅してから今回の記念写真?を撮りました。

「食分0.51」

2014.10.8.21:01:47 D90 BORG60 Powermate2× ISO800 1/2000(トリミング)

「地球の影に写るウサギの耳」

2014.10.8.21:04:45 D90 BORG60 Powermate2× ISO800 1/4(トリミング)

「半影食」

2014.10.8.21:40:46 D90 BORG60 Powermate2× ISO800 1/4000(トリミング)

6月4日 部分月食

2012年06月04日 | 月食
「今日は部分月食だね…」

「でも、ただの部分月食だよ」  …と、思いのあなた 

ひょっとして「今日の月食は、取り立てて注目するほどでは…」
と思っていませんか? ところが、今日の部分月食は必見ですよ~。

なぜなら、今日の部分月食は日没時刻とほぼ同時に欠け始めます。つまり、
欠けた月と暮れかかるキレイな景色を同時に撮影できる条件が整います。

こ~れはチャンスです! ぜひお気に入りの場所で撮影しなければ、
と思っていたのですが、仕事が終わって帰宅したのが20時過ぎ…。

仙台では、すでに最大食分の時間です。トホホです。
見上げると、薄雲の中にいる満月が「帰り遅いじゃ~ん」
という顔で赤茶けていました。

まー、せっかくですから撮影することにしましょう。

最大食分0.37

2012.6.4 20:12:31 BORG60 Powermate2× ISO800 1/250(トリミング)

食分0.36

2012.6.4 20:13:13 BORG60 Powermate2× ISO800 1/125(トリミング)

食分0.30

2012.6.4 20:29:31 BORG60 Powermate2× ISO800 1/125(トリミング)

食分0.07

2012.6.4 20:59:48 BORG60 Powermate2× ISO800 1/320(トリミング)

半影食

2012.6.4 21:13:11 BORG60 Powermate2× ISO800 1/250(トリミング)

今回の部分月食は、高度が低かったからか…
どことなく異様な雰囲気の、ありえない形の月に見えました。

12月10日皆既月食 ~観測編~

2011年12月12日 | 月食
今回の皆既月食で観測に使った機材は以下の4機種

1 撮影用反射望遠鏡「SE200N」
2 月食観望用双眼鏡「NIKON 7×50」
3 月面観測用反射望遠鏡「300mmドブソニアン」
4 星野写真撮影用デジカメ「NIKON D50]

撮影用反射望遠鏡では連続写真だけでなく他にもいろいろと写真を撮りました。

こちらは地球の影の写真

2011.12.10 22:06:09 SE200N D90 ISO200 1/40

食分0.52時の地球の影の写真

2011.12.10 22:21:46 SE200N D90 ISO200 1/30

影の曲率の大きさから、地球の直径が月直径の約3倍であることを実感できます。

食分が0.5を過ぎた頃、300mmドブソニアンで月面を見ると、欠けた部分の月縁に
2つの恒星が見えました。急いで撮影して撮れた写真がこの2枚です。

「恒星GSC1294.61による星食(食分0.56)」

2011.12.10 22:25:54 SE200N D90 ISO200 1/2

拡大写真(22時25分54秒)

2011.12.10 22:25:54 SE200N D90 ISO200 1/2

拡大写真(22時26分03秒)

2011.12.10 22:26:03 SE200N D90 ISO200 1sec

わずか9秒の間に恒星GSC1294.61は月縁に沈んだようです。

赤銅色の月も撮影してみました。(食分0.82)

2011.12.10 22:47:34 SE200N D90 ISO200 1.3sec

食分0.89

2011.12.10 22:54:15 SE200N D90 ISO200 1.6sec

食分0.92

2011.12.10 22:57:18 SE200N D90 ISO200 2sec

「ターコイズ・フリンジ」

2011.12.10 23:04:45 SE200N D90 ISO200 4sec

ターコイズ・フリンジとは月食の時にしばしば見られる月縁がターコイズ色に輝く現象です。

これは太陽光が成層圏上層にあるオゾン層を通過するとき、赤色光が吸収され、青い光線
だけが直進して月面の縁を照らす現象だそうです。今回はターコイズ色がよく見えました。

「ターコイズ・フリンジ」

2011.12.10 23:02:05 SE200N D90 ISO200 2sec

なかなかきれいな現象ですね。

12月10日皆既月食

2011年12月11日 | 月食
20時45分を過ぎました。皆既月食撮影に向けて準備開始です。

空は晴れています。すでに半影食が始まっている時間です。肉眼ではわかりませんが、
デジカメでは写るかもしれません。カメラテストを兼ねて撮影して見ましょう。

ほひょ?、月の東側が暗くなっています。欠けるのは西側のはず…、はて?
…おっと、解決しました。望遠鏡の位置で見ると月が電柱とかぶっていました。

皆既月食開始時刻には電柱を通過しているので問題なしです。

食分0.00(電柱食)

2011.12.10 21:08:44 SE200N D90 ISO400 1/3200

では連続撮影開始です。今夜の皆既月食はどんな色になるのでしょう。
きれいな赤銅色か?、それとも1982年12月30日の時のようにダークグレーか?

では、その記録をご覧ください。

食分0.00(半影食)

2011.12.10 21:21:02 SE200N D90 ISO200 1/1600

食分0.03

2011.12.10 21:47:39 SE200N D90 ISO200 1/2000

食分0.14

2011.12.10 21:55:42 SE200N D90 ISO200 1/2500

食分0.20

2011.12.10 21:59:58 SE200N D90 ISO200 1/2000

食分0.28

2011.12.10 22:05:17 SE200N D90 ISO200 1/2000

食分0.34

2011.12.10 22:09:51 SE200N D90 ISO200 1/2000

食分0.42

2011.12.10 22:15:31 SE200N D90 ISO200 1/2000

食分0.49

2011.12.10 22:21:06 SE200N D90 ISO200 1/1600

食分0.54

2011.12.10 22:24:46 SE200N D90 ISO200 1/1600

食分0.63

2011.12.10 22:31:17 SE200N D90 ISO200 1/1250

食分0.72

2011.12.10 22:38:32 SE200N D90 ISO200 1/500

食分0.81

2011.12.10 22:46:18 SE200N D90 ISO200 1/250

食分0.87

2011.12.10 22:51:41 SE200N D90 ISO200 1/100

食分0.91

2011.12.10 22:56:16 SE200N D90 ISO200 1/125

食分0.96

2011.12.10 23:01:38 SE200N D90 ISO200 1/15

食分0.99

2011.12.10 23:05:21 SE200N D90 ISO200 2.5sec

食分1.00

2011.12.10 23:06:35 SE200N D90 ISO200 5sec

どっひゃ~、10時30分頃から広がった薄雲がどんどん厚くなり、
皆既になる直前、ついにどん曇りになってしまいました。

肉眼ではもう見えません。トホホです。

皆既中の月(雲越し)

2011.12.10 23:16:06 SE200N D90 ISO200 8sec

皆既中の月の色は全くわかりませんでした。楽しみにしていた「皆既中の月と冬の星座たち」
の写真も撮れませんでしたが、久々の皆既月食を星見隊全員で堪能することができました。
めでたし、めでたし