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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

ニイニイゼミの梅雨明け発表予報!

2020年07月23日 | お天気
今年は東北地方の梅雨明けはないのでは…とご心配のみなさん、お待たせしました!

本日(7/23)、ニイニイゼミが一斉に大合唱を始めました。ニイニイゼミの初鳴きから気象台の梅雨明け発表日を勝手に予想する「ニイニイゼミの梅雨明け発表予報(令和2年度版)」の始まりで~す。


ふぅ~、今年は7月中旬を過ぎてもまったくせみの声が聞こえなかったので、こりゃ~初鳴き8月入りの異常事態発生か~と心配していたのですが、やっとニイニイゼミの初鳴きを観測しました。

早速これまでの観測データを確認してみましょう。

観測年  初鳴き  晴れスタ予報  発表日(初鳴から)  梅雨明け(確定値)
2007年  7月20日→  予報なし →  8月 1日(11日後)→ 8月 1日ごろ  
2008年  7月11日→  7月23日 → 7月19日( 8日後)→ 8月 6日ごろ
2009年  7月 6日→7月13日~16日→ 梅雨明け発表なし →  -
2010年  7月 7日→  7月18日 → 7月18日(11日後)→ 7月18日ごろ
2011年  7月 9日→  7月20日 → 7月11日( 2日後)→ 7月 9日ごろ
2012年  7月16日→  7月27日 → 7月26日(10日後)→ 7月26日ごろ
2013年  7月15日→  7月25日 → 8月 3日(19日後)→ 8月 7日ごろ
2014年  7月12日→  7月23日 → 7月28日(16日後)→ 7月25日ごろ
2015年  7月12日→  7月23日 → 7月26日(14日後)→ 7月26日ごろ  
2016年  7月10日→  7月21日 → 7月29日(19日後)→ 7月29日ごろ
2017年  7月 9日→  7月20日 → 8月 2日(24日後)→  特定せず
2018年  7月 2日→  7月14日 → 7月14日(12日後)→ 7月14日ごろ 
2019年  7月25日→  8月 1日 → 7月30日( 5日後)→ 7月25日ごろ
2020年  7月23日→  

ふ~むふむ、今年の初鳴き7月23日は観測史上2番目に遅い記録となりますね。昨年度は、初鳴きが13年間で一番遅かったことと初鳴き日と梅雨明け日(確定値)が同日だったという特徴がありました。

昨年2019年7月25日の天気図(初鳴き日&梅雨明け確定日)



本日の天気図を見ると昨年とは違って梅雨前線がまだ本州南部にあります。

この天気図を見ると今年はすぐに梅雨が明けるという感じではないですね~。

このあと太平洋高気圧の勢力が強くなって梅雨前線を押し上げたところで梅雨明け発表となるパターンだと思われますが、今日現在で梅雨明けしているのは沖縄と奄美だけです。

ということは東北地方の梅雨明けはまだまだ先で、ひょっとしたら梅雨明け発表がないまま立秋に突入なの? とご心配の皆さん…お待たせしました。

それでは、2020年東北南部の梅雨明け発表日を予想します。


今年の梅雨明け発表日はズバリ、8月4日の火曜日です!

単純にこれまでの平均値12日後にしてみました~。これで当たったら、ニイニイゼミ予報の信頼度アップですね。はたして結果はいかに~。

ネオワイズ彗星(C/2020 F3) 7/17観望記録

2020年07月18日 | 彗星
5回目のネオワイズ彗星観望に行ってきました。場所は日本海のとある海岸です。

今回の観望場所の選定は、晴れていることはもちろんですが、それに加えて空が暗い場所を条件として探しました。淡い彗星の尾を見るに光害のない暗いところが絶対条件です。

…といっても訪れたことのない場所のソラノクラサなんて行ってみないと分からないのではと思うかもしれませんが心配はご無用です。世界中のソラノクラサが分かる便利なサイトがあります。興味のあるかたは「Light pollution map」を検索してみてください。

同じ彗星でも空が明るい場所で見ると小さく見えますが、暗い空では大きく見えます。下記写真の3枚目と4枚目は同じ焦点距離(f70mm)で撮影していますが、空が暗くなるとこれほど違います。これから彗星を見る機会がある方はご参考ください。

私が今回訪れた場所は、Light pollution map上ではソラノクラサを示すSQM(スカイクオリティーメーター)の数値が21.76magとなっていました。実際に現地で実測した数値は、21.36magでした。夏は天の川の明るさで数値が低下するのでLight pollution mapは正確な数値だなと実感しました。

さて、今回は日没後の観望なので徐々に暗くなる空でいつ彗星が見えるかじっくり観察しました。

観測地の日没時刻は19時08分。
市民薄明終了が19時38分。
航海薄明終了は20時18分。
天文薄明終了が21時02分です。

個人差があるとは思いますが私が眼視で彗星を確認した(気付いた?)のは20時15分でした。

本日のファーストショット

2020.7.17 20:20:06 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED VR
ISO1600  F4.0 4sec ( f45mm)

目には見えませんがデジカメにはたくさんの星が写っています。

2020.7.17 20:25:13 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED VR
ISO1600  F4.0 10sec ( f58mm)

実にキレイなほうき星です。

2020.7.17 20:26:47 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED VR
ISO1600  F4.0 15sec ( f70mm)

気象条件が違うので単純比較はできませんが14日の時より明るくはっきり見えてます。

2020.7.17 20:35:57 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED VR
ISO2000  F4.0 60sec ( f70mm)

あと20分で天文薄明が終わります。夜空がやってきます。

2020.7.17 20:42:36 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED VR
ISO8000  F2.8 8sec ( f52mm)


ネオワイズ彗星は1853年に見えたドナチ彗星によく似てるなーと思ってましたが、見えている場所もドナチ彗星と同じ北斗七星の近くなので、天文図版(→図版1図版2)にあるドナチ彗星をイメージして写真を撮ってみました。

北斗七星の下で輝くネオワイズ彗星

2020.7.17 20:49:32 NIKON D90 TAMRON XR DiⅡ 18mm-200mm
ISO3200 F4.5 30sec ( f 18mm)

天文薄明が終わった21時02分以降は低層にもやが発生したためシャープな写真は撮れませんでした。はっきりしませんが尾はかなり大きく広がっているように見えます。

2020.7.17 21:20:29 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED VR
ISO3200  F2.8 60sec ( f55mm)




2020.7.17 21:29:51 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED VR
ISO6400  F2.8 30sec ( f50mm)


本日もISSが通過していきました。20時20分過ぎに北斗七星を横切って行くのを目撃しましたが、地球を一周して戻ってきたわけですね。見事に尾の中を通過していきました。
2020.7.17 21:57:48~22:00:56 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED VR
ISO6400  F2.8 30sec×6 ( f70mm)



大海原に光を落とすネオワイズ彗星

2020.7.17 21:47:46 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED VR
ISO4000  F2.8 15sec ( f29mm)

波打ち際で青く光るのは夜光虫です。原始地球に生命の源となる有機物を運んだのは彗星だったという仮説があります。波打ち際で青く光る夜光虫と1億キロメートル彼方にあるほうき星がつながっているかもしれないと考えるととても神秘的ですね。


ネオワイズ彗星(C/2020 F3) 7/14観望記録

2020年07月15日 | 彗星
ふ~む、SCWの最新情報に7/14早朝の晴天域が現れました。秋田県北部と岩手県中部沿岸です。これは、ビフォー・サンライズのネオワイズ彗星を見るラストチャンスかもしれません。

しか~し、晴天になる確率は100%ではありません。遠方であることも悩みどころです。まずは観望に耐えられる天気なのかを分析してみましょう。

天気図では日本海に発生した小さな高気圧が東に進みながら消滅する動きが現れています。SCW局地モデルでも秋田県北部は0時から3時まで晴れて4時以降に曇る予測になっています。

一方、岩手県沿岸部は同時刻晴れが続く天気になっていますが、沿岸の東部海上にある雲の動きがありません。ということは、頭上は晴れていても北東の空低いところにある雲で見えない可能性があります。

う~ん、悩みます。選択肢としては、「秋田県北部に遠征する」「晴れる可能性はあるが絶対ではないので遠征をやめる」の二択です。尾が立ち上がるネオワイズ彗星が肉眼で見えるかをこの目で確かめたいところですが…

決めました。遠征です。最後のチャンスに賭けましょう。遠征計画としては早めに現地に入り、直近の雲観測マップを参考にして観測地を変えることもアリとする。ネオワイズ彗星が昇ってくる時刻の01時53分はまだ天文薄明が始まっていない時間なので、天文薄明が始まる02時31分(彗星高度は3°)までの暗い夜空で写真撮影と眼視で明るさを確認する…です。

では、いざ出発で~す。

東北自動車道は交通量が少なく雨も降っていないのでとてもスムーズでした。

ふう、着きました。場所は秋田県北部のとある展望台です。時刻は0時過ぎです。天候はなんと…濃霧です。何も見えません。街灯の光がレンブラント光線のように直下に降り注いでいます。

SCW局地モデルと直近の雲観測マップでは晴れを示す黒がはっきり広域で出ているので、霧の上は快星が広がっていると思われます。まとわりついている霧は生き物のようにうごめいており、晴れ上がった瞬間はきれいな星空が見えます。よし、今日はこの場所に決定です。SCWでは霧も1時30分頃には晴れる予測が出てるので、タイマーをかけて仮眠です。

みなさん、おやすみなさい。

やばい、やばい、熟睡してしまった。タイマーの音がなぜ鳴っているのか理解できない自分がいた…。時刻は01時20分、外は相変わらず濃霧です。晴れてくれ~と待つこと10分、とつぜん空が晴れ上がり満天の星になりました。しかも、短時間で…

いや、そんなに急に晴れ上がっても困るんですが、と思いつつ急ピッチで赤道儀の準備です。極軸望遠鏡で北極星をのぞくと…おっ、大きくずれてます。そうだーここは北緯40°超えでした。なんか感動…と感慨に浸っている暇はありません。猛スピードで赤道儀を設置してカメラをセットするまで20分、完成です。落ち着いたところで空を見上げると…

わぉ、星が見えません。濃霧復活です。周りを見るといつの間にか街灯のレンブラント光線と自分の二人ぼっちになっています。ふむ、どーもこの天気は周期があるようですね~。確証はありませんが…そう思いたいところです。

困りました。いくら待ってもレンブラント光線1本と自分一人の世界です。時間はすでに02時20分です。まもなく天文薄明が始まります。ネオワイズ彗星の高度は3°に達している頃です。


さらに待つこと10分…
星が見えてきました! 霧が消えていきます。チャンス到来です。


ついにネオワイズ彗星がその姿を現しました。

2020.7.14 02:33:40 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO1600  F2.8 5sec ( f70mm)

おおっー、美しい! なんと肉眼で尾が見えます。鳥が羽を広げたようなダストテイルがはっきり見えます。デジカメで撮った写真とほぼ同じに見えてます。凄すぎます… 肉眼で見た尾の長さは7~8°はあります。

肉眼ではこんな感じに見えました。

2020.7.14 02:34:58 NIKON D90 TAMRON XR DiⅡ 18mm-200mm
ISO1600 F4.8 10sec ( f 48mm)

ダストテールが大きく広がっています。

2020.7.14 02:36:34 NIKON D90 TAMRON XR DiⅡ 18mm-200mm
ISO1600 F4.8 30sec ( f 48mm)

残念ながら空はクリアではありませんが、姿を見せてくれたことに感謝です。

2020.7.14 02:38:34 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO800  F3.2 30sec ( f52mm)

強調処理をしたところイオンテールも浮かび上がりました。

2020.7.14 02:40:26 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO800  F3.2 30sec ( f60mm) 



2020.7.14 02:41:02 NIKON D90 TAMRON XR DiⅡ 18mm-200mm
ISO2000 F4.5 30sec ( f 35mm)

ぎょしゃ座と並ぶネオワイズ彗星

2020.7.14 02:48:30 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO1600  F3.2 10sec ( f38mm)

金星とアルデバランの接近もきれいに見えました

2020.7.14 02:49:20 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO1600  F3.2 10sec ( f38mm)

薄明が進み人工衛星が見える時間です。(写真上部)

2020.7.14 02:50:10 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO1600  F3.2 10sec ( f27mm)

なんとネオワイズ彗星の上空をISSが通過していきました。まったくのノーマークでした。
2020.7.14 02:50:42~02:52:40 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO1600  F3.2 15sec×4 ( f27mm)

このあと雲が流れてきてネオワイズ彗星は3時過ぎに見えなくなりました。

2020.7.14 03:03:46 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO1600  F3.2 5sec ( f48mm)

ネオワイズ彗星が見えていた時間は約30分ほどでした。

あの美しい姿を見せられるとさすがに冷静ではいられませんでした。多くの写真が凡ミスで没となりましたが、目にはしっかり焼き付けました。双眼鏡で見たネオワイズ彗星は微細な様子が手に取るように分かり、立体感さえ感じました。(あくまでも個人的な感想です)

日食を見るともう一度みたいという衝動に駆られる日食病になると言われていますが、ネオワイズ彗星もまったく同じだと思いました。

ネオワイズ彗星は見るたびに姿が変わる美しいほうき星です。しかも西の空に移動してからもしばらくは見ることができます。この後どのような姿を見せてくれるのかを考えるとワクワクします。アフター・サンセットのネオワイズ彗星を見るために今後の観測計画を練ることにしましょう。

ネオワイズ彗星(C/2020 F3) 7/13観望記録

2020年07月13日 | 彗星
7月12日の夜にネオワイズ彗星観望・積極的遠征の第3回目を決行しました。

場所は1回目と同じ岩手県沿岸です。今回もSCWの局地モデルで晴れ区域になっていたので遠征先としましたが、陸地部分は晴れているが海上に雲があるということに一抹の不安を持ったままの遠征となりました。

それでも陸地部分は広く晴れているので大丈夫だろうと思って決行したのですが、結論として結果は惨敗でした。SCWの予測は更新のたびに曇る予報になり、あたり一体ベタ曇りでした。

それでもあきらめきれず、SCWの黒い地域(晴れ区域)に移動したのですが、どこにいっても星は全く見えませんでした。

今日は無理と判断して、帰り際に7月9日に撮影した場所に車を止めて自分をあきらめさせるために双眼鏡で東の空を見たところ、突然雲が切れてカペラが目に飛び込んできました。

ひょっとしたら雲間から撮影できるかも…と思い、急いで機材をセットして撮影したところ、なんとネオワイズ彗星が雲間から顔を出していました。

2020.7.13 02:44:10 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO1600 F4.5 f70mm 8sec 


1台はポタ赤を使って撮影、急いでセットしたので極軸あわせはテキトーです。

2020.7.13 02:53:15 NIKON D90 TAMRON XR DiⅡ(f50mm)
ISO1600 F4.8 15sec ポタ赤


明るさが9日より増しているように見えます。

2020.7.13 02:53:47 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO2000 F4.5 f70mm 8sec 


カペラとかくれんぼをするネオワイズ彗星

2020.7.13 02:54:16 NIKON D90 TAMRON XR DiⅡ(f50mm)
ISO1600 F4.8 15sec ポタ赤


またしてもネオワイズ彗星だけが見えている写真

2020.7.13 03:07:50 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO2000 F4.5 f70mm 8sec 


ネオワイズの核はとても明るくシャープです。

2020.7.13 03:08:53 NIKON D90 TAMRON XR DiⅡ(f 150mm)
ISO1600 F6.3 15sec ポタ赤


雲のすきまから見えるネオワイズ彗星

2020.7.13 03:09:55 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO1000 F4.5 f70mm 6sec 


航海薄明の中で輝くネオワイズ彗星

2020.7.13 03:14:46 NIKON D90 TAMRON XR DiⅡ(f 150mm)
ISO1600 F6.3 15sec ポタ赤

・天文薄明02:31~03:14(太陽高度-12°~-18°)
・航海薄明03:14~03:53(太陽高度 -6°~-12°)
・市民薄明03:53~04:23(太陽高度 -0~ -6°)

本日のラストショット

2020.7.13 03:21:14 D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8E ED VR
ISO1000 F4.5 f70mm 2.5sec 


今日撮影できたのはカペラの輝きがあったからで、カペラが「あきらめるのはまだ早いよ」と教えてくれたように感じました。





ネオワイズ彗星観望 7/11遠征記 

2020年07月12日 | 彗星
世界各地からネオワイズ彗星の写真が続々と届いていますが…
天気が一向に良くなりません。

明け方の空でネオワイズ彗星が見られるのもあとわずかです。来週以降は日没後に見ることができますが、彗星の尾が立ち上がっている姿は明け方の空限定ですのでぜひ見たいところです。

…ということで、第2回目の遠征を7月11日に決行しました。

今回もSCWで7月12日の02時に晴れる場所を探したところ、宮城・福島県境西部と山形県中部に晴れ区域がありました。宮城と福島の県境は山地で北東の空がどの程度開けているかは不明なので、今回は緑サークルの地点にいくことにしました。


ナビ上の目的地は長谷堂城址公園駐車場にして、23時30分に出発です。

山形自動車道は濃い霧で50km制限が出ていました。笹谷峠付近で雲の切れ間が見えましたが、山形に入るとベタ曇りです。はて? 最新のSCWでも長谷堂城址付近は晴れ区域になってますが、とりあえず行ってみることにしましょう。

ふう、01時に到着しましたが、なんとザーザー降りの本格的な雨です。駐車場の中を走り回っているイタチが立ち止まって、おまえ誰?といった顔でこちらを見て目が合いましたが、お互いに興味が無いので無視です。

さ~て、困りました。ここでの観望は100%無理です。まだ時間はあります。帰りがてらに山形側から蔵王エコーラインを昇って蔵王山の駐車場に行ってみることにしましょう。

蔵王のお釜まであと10km、標高約1000m付近で雲に入りました。果たして山頂は雲抜けしているでしょうか? う~む、残念です。宮城側に入って雲は抜けましたが星は見えません。さらに高いところに雲があります。

こまくさ駐車場や賽の磧駐車場にはたくさんの星屋さんがいました。みなさん晴れることを期待して待っているようです。私もしばらく車中で待っていましたが、天気が回復する見込みがないと判断して02時30分に降りることにしました。



さて、ここからが本題です。以前から思っていたSCWの信頼性はどの程度あるのか検証してみました。下記図は帰宅後に確認した最新のSCW局地モデルと雲観測マップです。


ここで注意すべきは緑色の曇天域(不透明上層雲)です。説明によると「不透明上層雲は十種雲形に対応していない雲で、厚みのある中層雲が上層に達しているものと考えられる。」とあります。雲混じり域を表す「黒ドット」もあるためかなり厚めの雲に覆われている状態と言えます。さらに、大気不安定(ショワルター指数=0以下)を示す黄色の線で囲まれた中にあるため、「雨量・雲量図で雲量や雨量が予測されていない場合でも、対流性の雲(積雲・積乱雲)が発達し、局所的に、短時間強雨、局所的な雲、突風が発生する場合のあることが予測されます。」とあります。

今回はまさにそれを表す天気だったようです。SCWの雲観測マップを見ると直近時刻(1~2時間前)の雲の様子が分かるのでこれと照らし合わせて局所モデルを活用すると天気予測ができると思います。

以上の結果からSCWはかなり信頼できるツールだと思います。あとはその情報をどれだけ正しく読み取れるかですね。

今回のネオワイズ彗星はデジタルカメラ時代になって初めてのグレートコメットですので、たくさんの人に見てもらって、より多くの人に写真を撮ってほしいですね。

太平洋高気圧よ~。勢力を増して梅雨前線を雲散霧消してくれ~!

ネオワイズ彗星(C/2020 F3) 7/9観望記録

2020年07月09日 | 彗星
ネオワイズ彗星が東の空で見え始めているのに一向に天気が良くなりません。

向こう1週間の天気予報を見ても、天気が良くなる気配がありません。こ~れでは三度目の正直でやってきた北半球の肉眼彗星を見逃してしまいます。

…ということで、待っていても首が長くなるだけなので、02時30分から3時30分に北東の空が晴れる場所に積極的に遠征することに作戦を変更しました。

1回目のチャンスは7月8日の夜にやってきました。

SCWを見ると宮城県栗駒近辺、岩手県南沿岸付近が晴れるようです。

予報図を見ると帯状の雲ラインは北上するようなので観測地は岩手県南沿岸に決定です。遠征計画としてはとりあえず気仙沼に行き、雲の様子を見て雲ラインの北側、晴天ラインまで三陸道を北上することにします。ネオワイズは02時20分過ぎに昇ってくるので、02時までに観測地を決定できなければタイムアウトです。

グーグルマップで観測候補地の目星をつけていざ出発です。出発時刻は22時30分過ぎで~す。

ふぅ~、三陸自動車道の利府・松島近辺はパラパラ雨が降っています。東松島を過ぎたところで雲を通して月明かりが見えて喜んだのもつかの間,急激に霧が出てきました。ふひゃ~、石巻・桃生付近は濃霧でスピードダウンです。

2時間弱で気仙沼に着きました。なんとドン曇りです。迷わず岩手県に向けて即出発です。雲ラインの北上が早まっているのかもしれません。いやな予感です。

結局、大船渡も通過して釜石に来てしまいました。さらに北上したいところですが時間です。候補地の海岸は高い防潮堤があって視界を遮られていたので、国道に戻って探したところ国道沿いの駐車場でいい場所があったのでここで決定です。

南の空から雲が流れて北東に向かっています。北極星も見えないので今日は赤道儀ではなく経緯台での撮影です。

ファーストショット(ネオワイズ彗星はまだ水平線の下です)

2020.7.9 02:18:50 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO1600 8sec F4.5

後で気付いたことですがカメラテストで撮影した画像にネオワイズ彗星が写っていました。
このときのネオワイズ彗星の高度は1.4°です。薄雲で透明度は悪かったのでオドロキです。

2020.7.9 02:26:24 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO1600 15sec F4.5

急速に雲が東の空に流れてきました。そんな中でカメラテストをしているときにモニターに彗星の尾が写っていることに気付きました。

2020.7.9 02:26:58 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO1600 15sec F4.5

なんということでしょう。雲が無ければ彗星の尾から昇ってくるというグレートコメットにだけに与えられた姿を見せてくれる可能性があるようです。これはすごいことです。

雲越しですが全体の姿を見せてくれました。いやまだ全貌ではありません。

2020.7.9 02:28:46 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO1600 10sec F4.5

これは薄明の中での姿です。夜空で見たらどのような姿になるのか想像しただけで心が躍ります。

彗星の高度はわずかに2.6°です。

2020.7.9 02:36:40 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO2000 13sec F4.5

美しい姿に大満足です。

2020.7.9 02:38:24 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO2500 13sec F4.5

300mmで撮影

2020.7.9 02:39:58 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO6400 3sec F4.5

1970年のベネット彗星(1969Y1)を彷彿とさせます。

2020.7.9 02:40:12 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO12800 3sec F4.5

残念なことに雲はどんどん増えていきます。

2020.7.9 02:47:58 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO6400 4sec F4.5

ネオワイズ彗星だけがどの星よりも輝いている不思議な写真

2020.7.9 02:48:36 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO6400 4sec F4.5

本日のラストショット

2020.7.9 02:54:30 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO6400 4sec F4.5

この直後に、ネオワイズ彗星は雲の中に入ってしまいました。ラストショット時の彗星高度は5°、大気減光がある高度でこれほど明るいということは、今後に期待が持てます。

ネオワイズ彗星の地球最接近日は7月23日、距離は0.69auで~す。

本日の観望で確信しました。 北半球についに、グレートコメットがキター!!!!!!

月齢11.1

2020年07月02日 | 青空の中の月
夕方、雲間から白い月が見えました。

今日は旧暦5月12日なので本日の月は十二夜月です(まだ夜ではないですが…)。

2020.7.2 18:52:18 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO200 1/320sec F5.6


こちらは西の空に広がる雲… 微細な模様がとても美しい。

2020.7.2 18:53:22 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm  ISO200 1/320sec F5.6


月齢11の月は日没前の青空によく映えますね~。

2020.7.2 18:53:50 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm  ISO200 1/320sec F5.6


この時間の雲はあっという間に茜色に染まっていきます。

2020.7.2 18:55:48 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm  ISO200 1/250sec F5.6


今日の日没時刻は19:05です。

2020.7.2 19:04:48 D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm  ISO200 1/160sec F5.6

ここ2週間は日没時刻が19時05分でしたが来週から日没時刻が少しずつ早くなっていきます。夏の土用入りは7月19日、立秋は8月7日。ちなみに今年の土用の丑の日は2回あります。1回目が7月21日、2回目の二の丑は8月2日です。おいしいうなぎを食べに行きたいですね~。

そうそう、東京上空を流れた大火球のニュースには驚きました。

深夜だったため目撃数こそ少ないが、衝撃音をあれほど多数の人が聞いたということは近年にない希有な出来事だと言えます。Webで汐留ライブカメラと新宿ライブカメラに記録されている衝撃音を聞きましたが、音は小さいがチェリヤビンスク隕石落下時とよく似た音だと思いました。

汐留ライブカメラでは火球による空の発光から17秒後にドドーンという音が3秒ほど続き、27秒後から遠雷のようなドドドドーという音が3~4秒聞こえて、1分9秒後にドン、ドン、という大きな音が記録されていました。この一連の音がチェリヤビンスクの時とよく似ていました。

今回の火球は大きさが10m未満の小さな小惑星の衝突(たぶん)によるものだったため被害はありませんでしたが、これがチェリヤビンスク隕石落下時の規模(小惑星の大きさ直径17m)だったらと思うとゾッとします。今回の飛行コースがよりによって東京ど真ん中ですので、窓が割れるなどの被害が多数発生したはずです。

これだけの衝撃波が発生しているので確実に隕石は落下してます。ぜひ見つかってほしいな~。