晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その2

2021年03月31日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 40年ぶりの寒波が終わりISSの拡大撮影を再開できたのは寒さが緩んだ2月… 意気込んで再開したのはいいのですが、そこからは失敗の連続で成果と言えるほどの結果は得られませんでした。なので、以下ブログは何の参考にもならないただの備忘録で~す。(^^ゞ

〈2月19日の2ndトライアルから3月12日の6thトライアルまでの記録と考察。〉

2nd トライアル
日時:2021年2月19日 天候:晴れ イベントデータ:431km、-3.8mag
撮影データ:ASI290MC、0.857ms、Gain = 100(16%)
結果:失敗(画像取得できず)
考察:アークトゥルスでピン合わせ、0等級のアークトゥルスはGain200で適正露出となった。ISSの光度は-3.8等級なのでGainを100まで落としたところなぜか全く写らなかった。撮影時の取り回しをよくするためカメラとPCを繋ぐケーブルを延長コードで接続したためFPSも極端に落ちた。金星でのピン合わせと露出調整が理想。望遠鏡の向きとファインダーを直前に確認して完璧に一致させることが必須。

3rd トライアル
日時:2021年2月21日 天候:晴れ イベントデータ(不明)
撮影データ:ASI290MC、685nmフィルター、0.8ms、Gain = 35
結果:失敗(撮影時にファイヤーキャプチャーが走らなかった)
考察:シーイング対策のためIR Passフィルターを装着して撮影を試みたがファイヤーキャプチャーが走らず動画取得失敗。ISS通過後に再度撮影を行ったときは通常どおり動いたが不具合の原因は不明。

4th トライアル
日時:2021年3月9日 5時20分12秒、天候:晴れ 
イベントデータ:北西→北→北東、最大44°、588km、-2.7mag、太陽-8.1°
撮影データ:ASI290MC、UV/IR Cut Filter、バーティノフマスクでピン合わせ
テスト撮影:ベガ0.03mag、Shutter0.850ms、Gain=181(30%)→テスト撮影成功
ISS撮影:-2.7mag、Shutter0.850ms、Gain=45(7%)、撮影時間147秒、10439frames.Fps(avg)=70
結果:失敗(何も写らなかった)
考察:ファイヤーキャプチャーDSO、Gain=45では露出不足? Gain=181でベガの撮像ができたので全く写らなかったことは謎。今回は順調にファイヤーキャプチャーが走ったので一安心だが、次回はキャプチャー開始後にヘッドランプで受光させて露光を確認すること。ファインダーの調整を確実にすること。

5th トライアル
日時:2021年3月11日 、天候:晴れ 
イベントデータ:最大58°、492km、-3.6mag、
撮影データ:ASI290MC、UV/IR Cut Filter、(図1
ISS撮影:-3.6mag、Shutter0.883ms、Gain=150(25%)、
結果:失敗(撮影できたが十分な保存ができなかった)
考察:PC画面上のカメラ映像が乱れる不具合が発生したため、旧ノートPC(Windows8)を使用したところFPSが7FPSまで落ちて十分な保存ができなかった。撮影画像はかなりの露出アンダー。ASI290MCは感度が良くない。Gain200は必要。ファインダーのガタツキを調整、光軸も直前に修正。明日は購入したASI174MM、0.8ms、Gain40でトライ。

6th トライアル
日時:2021年3月12日 、天候:薄曇り(眼視で見える星は無し、ファインダーでベガがうすく見える状態) 
イベントデータ:最大77°、430km、-3.7mag、
撮影データ:ASI174MM、UV/IR Cut Filter、(図2
テスト撮影:ベガ0.03mag、Shutter=3.282ms、Gain=400 (100%)、FPS (avg.)=56
ISS撮影:-3.7mag、Shutter=3.282ms、Gain=400 (100%)、FPS (avg.)=56、撮像105秒、5152frames.
結果:成功(画像取得、PIPPにてAVI動画作成)
考察:薄雲で見え隠れするベガでピン合わせ、ベガにてテスト撮影成功。薄雲のためISSの見かけ上の光度は1等星程度、かなり減光しているのでベガと同じ露出で撮影、ベガの近くで導入し高度30度付近まで追尾する。結果は露出オーバーだったが画像取得に成功する。焦点距離1500mmでのASI174MM画角は0.43°×0.27°(25.8'×16.2')、PIPPでAVI動画を作成するときのクロップサイズを 300pixel×300pixel、しきい値40、フレームレート20にする。しきい値40では1分24秒動画に、しきい値100では1分13秒の動画になる。しきい値を大きくすると暗い(不鮮明な)画像はカットされるため同じフレームレート(20FPS)でも完成する動画は短くなる。(図3


しきい値100 20FPSの動画はこちら→(AVI動画



↓300pixel切り出し画像 

D300mm f1500mm ASI174MM Shutter=3.282ms、Gain=400 (100%)


次回までの撮影準備として、174MMにIR-Pass Filter(685nm)を装着して月でテスト撮影を行い露出合わせと画角チェックをする。


ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その1

2021年03月30日 | ISS(国際宇宙ステーション)
昨年の秋からISSを惑星カメラで撮影することにチャレンジしていますが、これがなかなかうまくいきません。いまだ暗中模索といった感じですが、これまでの経過をメモしておくことにしましょう。

 ファーストショットは昨年の10月5日。システムはいつもの30cm(f1500mm)ドブに惑星撮影用のZWO ASI290MCを装着して撮影を試みた。55秒間追尾したが取得したフレーム数はわずかに856flameだった。記録を見るとアベレージFPSは7FPS。なぜフレームレートが低下したかは原因不明。下記画像はその時の動画のスクショ。


 フレームレートが極端に小さかったことの原因究明は急務ですが、ここで意外だったのは動画に映りこんでいるISSの大きさです。予想よりかなり大きく写っています。初めての撮影ということでパワーメイトを付けずに撮影したのでISSは小さく写るだろうと思っていたのですが予想外でした。調べてみるとASI290MCの画角は焦点距離1500mmでは、水平0.21°×垂直0.12°、対角0.25°ということです。ISSが大きく写るのはいいのですが、これだけ狭いと手動追尾で導入するのは至難の業です。

 さて、それはさておき、ご覧のように今回の画像は完全に露出オーバーです。今回のシャッタースピードは1.000ms、GAIN300(50%)です。シャッタースピードは最低でも1ms、できれば0.8msは欲しいので、GAINを調整して適正露出を探ることになります。

 下記写真は300pixel ✕ 300pixel で切り出した画像です。ピント合わせと露出を適正にすればなんとかなりそうな感じです。下記画像は撮って出しなので画像処理はしていません。


 動画の最後で雲の通過による減光?で適度な露出になる瞬間がありました。これを見ると1枚画像での画質はとても良いとは言えませんが速いフレームレートで撮影できれば複数枚をスタックできるので、そこが惑星カメラで撮影するメリットで強みだと思います。


撮影に使用した惑星カメラ ZWO ASI290MC の基本スペック。
センサー 出力イメージサイズ      FPS   有効画素        ピクセルサイズ
1/2.8型 対角6.46nm(5.6nm×3.2nm)  170FPS   1936×1096(210万画素)  2.9μm

 今回の撮影をしてみてカラーカメラは感度が劣ることと大気分散を受けて色ずれが発生するのでISS拡大撮影はモノクロの方が良いのかなと思いました。イメージセンサーは大きいほうが画角が広くなりますがFPSが遅くなるので不利になります。ZWOのカメラをいろいろと比較してみましたが総合的にみるとASI174MMが適していると思いましたした。ASI174MMの有効画像は230万画素ですがセンサーが1/1.2型でピクセルサイズが5.86μmあるので画角がASI290MCの約2倍になります。2倍になると導入も楽ですし、パワーメイトを付けて解像度の高い撮影もできます。


…ということでASI174MMの購入も検討しつつ、テスト撮影を再開したのは年が明けて2月のこと。ISS拡大撮影は2008年2月3日(→blog)から始めましたが、いよいよシーズン2のスタートです。果たして惑星カメラでISSにどこまで迫れるのか? その進捗状況はブログで紹介していきます。



下記動画はPIPPで作成した撮り始めから撮り終わりまでの記録です。ISSが写っている276frame/856frameを28秒にまとめたものです。




3月24日 ISS Daylight pass

2021年03月24日 | ISS(国際宇宙ステーション)
3月24日 ISS Daylight pass


予報どおり天気が良かったので昨日に続き今日も撮影を行いました。

条件は昨日とほぼ同じ、明るさは昨日より明るく-3.5等級です。


イベントデータ



本日の空、高層に薄雲があります。ピン合わせは今日も月で行いました。



待ち伏せポイントは最大仰角にセットして待機です。


時報が16時38分30秒を告げました。まもなくです。そろそろ… 来るはずです。
…来ませんね~、どうしたんでしょう? 見えません… おっ! いた!! 

うゎ! 明るくないぞ~、薄雲といえども雲は雲でした。予想を遙かに下回る明るさです。
昨日あまりにも明るく見えたので楽観視していました。ミスリードです。初心忘れるべからず!

見え隠れしているのでかなりキビシイですが、手動追尾開始です。
今日は5倍パワーメイトなのでファインダーのセンターサークルに入れることが絶対条件です。

雲でロストした後も全集中で再導入できました。よし、昨日よりはかなり長く追尾できたようです。
時間を確認するとファーストショットからラストショットまで32秒… え!? 昨日より2秒長いだけ…

極度の緊張の中で作業を行うときに発生する?スローモーション現象が起きたようです…。笑

今回はISO3200 1/2000秒で撮影しましたが、全体的に露出アンダーだったようです。


では、撮影した写真を見てみましょう。

こちらの写真は、RAW現像するときに露出補正をかなりしています。

2021/3/24 16:38:39  D300mm Powermate5× F25 D810A ISO3200 1/2000


オリジナルの明るさはこんな感じです。

2021/3/24 16:38:40  D300mm Powermate5× F25 D810A ISO3200 1/2000


画像処理はCaptuerNX-Dで現像してからステライメージでシャープ処理を行っています。

2021/3/24 16:38:57  D300mm Powermate5× F25 D810A ISO3200 1/2000


解像度が良くないのは焦点距離7500mmという過剰倍率か露出設定か、要検討です。

2021/3/24 16:39:07  D300mm Powermate5× F25 D810A ISO3200 1/2000


こちらは写野確認用の元画像です。焦点距離7500mmはかなりの狭視野です。




パワーメイト2倍で撮影した画像と比べるとISSがとても大きく写っていることが分かります。

データ入りの写真はこちら→photo

これで解像度良く写せれば申し分ないので、さらにテストを行うことにしましょう。
と、言いたいところですが、今週の土日は天気が悪いようなので、しばらくお休みです。

次回、条件が良いDaylight passは4月12日ですが、軌道要素は変わるので様子見ですね。

3月23日 ISS Daylight pass

2021年03月23日 | ISS(国際宇宙ステーション)
3月23日ISS Daylight pass


今週は好条件のISS Daylight passが4回もあります。チャンスです。
3月23日(-3.4等、447km、71°)3月24日(-3.5等、466km、64°)
3月27日(-3.1等、450km、69°)3月28日(-3.2等、463km、65°)
4回もあるので天気の具合を見てチャレンジしてみることにしましょう。

…とのんびり構えていたら、いきなり初日に高気圧がやってきました。

3月23日は日没30分前で太陽高度は4.1°です。条件としては最良です。


イベントデータ


待ち伏せポイントは方位角322°、最大仰角71°の北西の空にしましょう。先ほどまであった雲はだいぶ消えてきましたが北東方面に残っています。撮影は北西→真北ねらいなので問題ないでしょう。今日のピント合わせは月齢9の月です。バーティノフマスクは使わず目視で行いました。

時間です。待っていると時間どおりに正立ファインダーにISSが飛び込んで来ました。今回は30秒追尾したところでロストしました。前回よりは追えましたが習熟が必要です。


最大仰角通過2秒後のISS、直距離446km、理想的なアングルとライティングです。

2021/3/23 17:25:58  D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1600 1/1250


青空の中で白色に光るISSはとてもキレイです。

2021/3/23 17:26:00  D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1600 1/1250


最大仰角通過8秒後のISS、直距離453km、ラジエターパネルの反射が目立ちます。

2021/3/23 17:26:06  D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1600 1/1250


こちらはトリミング無しの元画像です。フルサイズはAPS-Cより画角が広いので焦点距離が3000mmでも半月が写野に入ります。画角が広くなった分、当然ですがAPS-Cで撮影したときよりISSは小さく写っています。もう少し拡大率がほしいところですね。チャンスをみてPowermate5倍でトライしてみましょう。




ISS Daylight passの撮影にだいぶ慣れてきました。これまで4回チャレンジして撮影できたのは2回ですので、2勝2敗といったところです。透明度にもよりますがISSの明るさが-3等級を切るとかなり難しいようです。太陽からの離角も大きい方がいいので正午前後のpassは最大仰角が大きくても難しいように思います。天気予報では明日3月24日も天気がいいらしいので空の具合を見てチャレンジしてみることにしましょう。


3月19日 ISS & HTV-9 EP Battery Pallet

2021年03月20日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 3月19日は楽しみにしていた空に浮かぶスマイルフェイス&ISS日本縦断イベント・デーです。
ラッキーなことに天気は上々です。予定どおり拡大撮影ミッション開始です。

 イベントはたくさんありますが今回のメインターゲットはISSではなくHTV-9 EP Battery Pallet です。
一昨日の観測でBattery Pallet が想像以上に明るいことが分かったので30cmドブで拡大撮影にチャレンジです。

イベント情報


…で、本日の作戦です。
 HTV-9 EP Battery Palletは肉眼で見えるほどは明るくはならないので、おうし座のプリマヒヤドゥム(3.65等級)を待ち伏せポイントとします。通過時刻は18時56分30秒です。

 さて、撮影のカギとなる露出ですが、高速で通過する衛星をぶれずに撮影するためには最低でも1/1600secはほしいところです。このシャッタースピードで、暗い高速衛星を撮影するためには… 
そうですね、ISO感度はMAXの12800にしましょう。ここまで上げればBattery Palletの反射光を感知
するでしょう。

 時間です。スマホの時報が18時56分20秒を告げました。まもなくです。
…来ました~! 正立ファインダーの下からほぼ真上にものすごいスピードで駆け上がっていきます。明るさは3~4等級ほどでしょう。こうのとり9号機の暴露パレットが単体で飛行している様子を眼視で確認することができました。感動です。

 ファインダーの中のHTV-9 EP Battery Palletは、視直径はものすごく小さいのですが針で突いたようなとてもシャープな光点として見えました。それにしても、ものすごいスピードです。撮影は順調にできましたが パレットの追跡はカペラまでです。

 ここからはISO感度を800まで落としてISSの撮影にスイッチです。こちらの撮影も順調でしたが、北北東付近で終了です。後半のパスは屋根にかかって撮影できませんでした。

 以上で撮影会は終了です。では、画像処理した写真をご覧ください。

 HTV-9 EP Battery Pallet
 高度430km上空を通過するこうのとり9号機の暴露パレットです。
露出設定がドンピシャだったらしく形まで分かる解像度で撮影することができました。


2021/3/19 18h56m32s(JST) D305mm F10 D810A ISO12800 1/1600sec

こちらはリリース直後のHTV-9 EP Battery Pallet



 で、ここからはEP Battery Pallet通過後に撮影したISSの写真です。



2021/3/19 18h58m22s(JST) D305mm F10 D810A ISO800 1/1600sec





2021/3/19 18h58m44s(JST) D305mm F10 D810A ISO800 1/1600sec




2021/3/19 18h59m01s(JST) D305mm F10 D810A ISO800 1/1600sec

天気が良かったので細部まで写っていますが、夏の気流の時のようには写らないものですね。


こちらは大きさを比較するため同サイズで切り出した画像を合成した写真です。



ISSがスマイルフェイスを通過する様子も撮影しました。

2021/3/19 18h57m40s~18h58m15s(JST) D90 XR DiⅡ18-200mm(f18mm) ISO1600 f8 3sec × 7

 HTV-9 EP Battery Palletは月明かりが明るかったので写っていませんでした。



夜空でにっこりスマイルフェイス

2021/3/19 19h13m02s~18h58m15s(JST) D90 XR DiⅡ18-200mm(f78mm) ISO1600 f5.6 1/4sec

HTV-9 EP BATTERY パレット 撮影記録

2021年03月17日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 3月12日にISSからリリースされたHTV-9の暴露パレット。

 本来HTV-9の暴露パレットはHTV-9に載せて大気圏に突入させるものだが、HTV-9号機は
HTV-8の暴露パレットを載せて(写真)大気圏に突入したのでHTV-9 暴露パレットが取り
残された状態にあった。
 暴露パレットは不要になった廃棄物を積んでHTVに戻し、大気圏に突入させることに
なっているが、2018年10月11日のソユーズMS-10打ち上げ失敗でクルーがISSに到着しな
かったため、その影響を受けてHTV-7号機が暴露パレットを積まないまま大気圏に突入し
た。そこからズレが生じている。HTV-7→(写真)、HTV-8→(写真



 暴露パレットはそれほど大きい物ではないが、ISSの写真を撮ったら暴露パレットと
思われる物体が写ったという情報を耳にしたので… 早速撮影を試みることにした。

 すでにHEAVEN-ABOVEにはISSデブリとして暴露パレットの通過情報が載っている。
これを見るとISSの前方、時間にして50秒ほど前のところを飛行しているようである。


 チャンスは3月17日にやってきた。撮影場所はいつも月を撮影している家から車で5分の
ところだったのですが、なんと思わぬ渋滞に巻き込まれ20分もかかってしまい、現場に到
着したのは通過15分前! 機材設置に10分はかかるので、さすがに間に合わないかも…

 しかも、南東方面は仙台中心部の方向になり光害でターゲットポイントのうみへび座の
ハート星アルファルドが肉眼では見えません。

2021/3/17 18:48:29  D90 NIKKOR f10.5mm ISO1600 f2.8 2.5sec

 直前の露出合わせをする時間もなかったので経験則のテキトー露出です。とりあえずアルファ
ルド方面にカメラを向けてISO5000の1/3secで暴露パレットの撮影開始です。それと同時にISSと
暴露パレットの両方撮りのために対角魚眼レンズの撮影も開始です。こちらはISO1600の1/2sec
でおまかせ連続撮影撮りっぱなしです。

 撮り始めてから気付いたのですが、暴露パレット用カメラでアルファルドと思って写野の中心
に入れた星は… なんとレグルスでした。いまさら気付いても後の祭りです。トホホです。

 風は強くなるしアルファルドとレグルス方面に飛んできた謎の赤い人工衛星が目障りで暴露
パレットの確認もできず、手応えのないまま時間だけが過ぎていきました。気付くと暴露パレ
ット用レンズの写野にISSが入ってきたので、一応撮って終了です。久々に徒労感に満たされた
撮影会でした。

 家に帰ってダメ元で画像を確認したところ、なんと写っていました。予報どおりのコースに
HTV-9の暴露パレットが確かに写っています。予想以上の明るさです。反射率は高いようです。

2021/3/17 18:55:24~18:55:54 D810A VR24-70mm F2.8( f24mm) ISO5000 f3.2 1/3sec

 よく見ると、上の写真には人工衛星がたくさん写っています。下の写真は遅れてやってき
たISSの写真です。暴露パレットと同じコースだということが分かります。

2021/3/17 18:56:35~18:56:54 D810A VR24-70mm F2.8( f24mm) ISO5000 f3.2 1/3sec

 こちらは対角魚眼で撮影したISSと暴露パレットです。コントラストを上げて暴露パレットが
かろうじて見える写真にしてあります。

2021/3/17 18:53:35~18:55:41 D90 NIKKOR f10.5mm ISO1600 f3.2 1/2sec

 3月19日はISSが条件良く日本列島を縦断していくので暴露パレットが写真にはっきり写る
ことと思います。仙台ではアルデバランと火星と七日月でできるスマイル顔の真ん中をISS
が通過するので見応えアリです。天気も良さそうなので見逃せないですね。




三日月(月齢2.0)

2021年03月15日 | 
 昨日は天気に恵まれず、月齢0.9の二日月を見ることができなかったが今日は朝から太陽が
機嫌良さそうな顔を出しているので、今年2番目に細い三日月を見ることができそうです。

…ということで、三日月の観望に出かけてきました。撮影地は車で5分のいつもの場所です。

 さて、時刻は17時50分です。今日の日没時刻は17時44分なのでそろそろ月が見えるはず…
おっと、双眼鏡で探す必要もなく肉眼ではっきり見えています。急いで機材設置です。

 本日のファーストショット

2021/3/15 18h01m24s D90 TAMRON XR DiⅡ18-200mm(f48mm) ISO1600 f4.8 1/400sec

 18時00分の正確な月齢は1.94です。19時15分頃に月齢2.0になります。

2021/3/15 18h01m36s D90 TAMRON XR DiⅡ18-200mm(f48mm) ISO1600 f4.8 1/400sec


 時刻は18時16分になりました。太陽高度が-7.3°に達したので、市民薄明終了です。
理科年表では江戸時代の暮六つに相当する時間として、太陽高度が-7度21分40秒になる
時刻を日暮れとしていますので、下の写真がまさに「今日の日暮れの写真」となります。

2021/3/15 18h16m05s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO1600 f8 1/8sec


 月が見えたときから気付いてはいましたが、本日のお月様は残念ながら鉄塔突き抜け
コースです。地球照が見えていい感じになってきましたが、撮影はしばし中断です。

2021/3/15 18h27m07s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO1600 f8 1sec


 空がだいぶ暗くなってきました。航海薄明が終わる時刻は18時41分ごろです。まもなく
海と空が溶け込んで水平線が見えなくなる時刻です。

2021/3/15 18h36m50s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO1600 f8 1.3sec


 まもなく天文薄明です。地球照が明るく見えてきました。

2021/3/15 18h39m31s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO1600 f8 1.3sec


 月の高度がだいぶ低くなってきました。18時50分の高度は13°です。

2021/3/15 18h50m55s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50~300mm ISO1600 f8 2.5sec


 高度が10°もあればまだ大丈夫と思って、惑星カメラをセットしたBORG60でキャプチャー
したのですが、モニター上の月はビックリするほどグニャグニャでした。ダメ元でスタック
して見ましたが、案の定ダメダメでした。

2021/3/15 18:11 BORG60n ASI290MC Shutter=17.8ms Gain=109 (18%) WRed=57 (off) WBlue=94 (off)

 昼間は暖かかったのですが、日が落ちるとまだまだ寒いですね。体がかなり冷えてきました。
風も強くなってきたので、本日の三日月撮影会は以上でお開きで~す。

月と土星 木星 水星の接近 観望記録

2021年03月10日 | 
 今日は月と土星が接近する日です。木星と水星もすぐそばにあります。かなり厳しいとは
思いますが3惑星は見えるのか、写真には写るのかを確かめるため観望に出かけました。

 観望場所は以前、月と水星の接近を撮影した場所(自宅から車で5分ほどの所)です。
過去ブログ→月と水星の接近月と水星の接近(地球照)

観望地点に到着した時刻は5時、天気は悪くないのですが、東の空低いところに雲があります。
すでに、月の高度は5°に達しているはずですが全く見えません。雲が切れるのを待ちましょう。


朝陽を浴びたジェット機がコントレールを曳いて東へ向かって飛んでいます。

2021/3/10 5h08m28s D810A VR24-70mm F2.8E f36mm ISO1600 f2.8 1sec FX


 おっと、土星が見えました。SCWの予報どおり雲は南下しているようです。もう3時間
ほど早く雲が南下してれば、月と3惑星の接近がキレイに見えたはずですが、残念です。

2021/3/10 5h09m54s D810A VR24-70mm F2.8E f50mm ISO800 f3.5 1.3sec FX



土星の上で輝いているのは、わし座のアルタイル、彦星です。

2021/3/10 5h11m32s D810A VR24-70mm F2.8E f26mm ISO640 f3.5 1.6sec FX


この時間、月の高度はすでに8°になっていますが、まだ見えません。
本日の日の出は5時55分、薄明が刻々と進み、空が明るくなってきました。




5時17分、やっと月が見えてきました。太陽高度は-8°、日の出35分前です。

2021/3/10 5h17m23s D810A VR24-70mm F2.8E f26mm ISO640 f3.5 1sec FX


これだけ明るくなると、さすがに月以外の星は見えません。

2021/3/10 5h34m49s D810A 18-200mm F3.5 f72mm ISO1000 f11 1/30sec DX


…と思ったのですがパソコンで確認したところ木星がかろうじて写っていました。

2021/3/10 5h35m43s D810A 18-200mm F3.5 f42mm ISO1000 f11 1/30sec DX


 今日の観望から3惑星の撮影は確実なところでは5時15分頃までだと思われます。

2021/3/10 5h37m44s D810A 18-200mm F3.5 f18mm ISO1000 f11 1/50sec DX


明日は新月前々日の月と3惑星が並びますが、撮影はかなりキビシイかな。

火星と冬の星座たち

2021年03月07日 | ☆星見隊
太陽が沈んでから1時間後、西空を見上げると3つの赤い星が並んでいる。

オリオン座のベテルギウス、おうし座のアルデバラン、そして火星だ。

2021/3/7 18h55m33s D810A NIKKOR f28mm ISO1000 F4.0 4sec cokin Diffuser 1

毎年見る冬の星座ではそれほど色を感じることはなかったのだが、今年はいつもより
ベテルギウスとアルデバランの赤さが目立つ。まるで近づいた火星に対抗心を燃やして
赤さを自ら増しているようだ。

これは単に3つ並んだことによる心理的な錯覚なのだろうが、火星に対抗するベテルギウスと
アルデバランは今年限定なので、しばらくはこの抗争(アンチ・アレス)を楽しみたいと思う。


人知れず夜空でバトルを繰り広げる3つの赤星

2021/3/7 18h48m08s D90 NIKKOR f28mm ISO200 F2.8 13sec cokin Diffuser 1


冬の夜空に浮かぶ巨大な宝石、冬のダイヤモンドはいつ見てもキレイだが、今年は火星を
頂点の一つに見立てるといつもよりゴージャスなダイヤモンドに見える。

2021/3/7 19h10m36s D90 NIKKOR f10.5mm ISO200 F2.8 15sec cokin Diffuser 1(トリミング)

そろそろ冬のダイヤモンドも見納めだが、4月17日にダイヤモンドの中心で四日月と火星が
大接近(角距離、1゚33')するので 、それはなんとしても目に焼き付けておきたい。

日本人宇宙旅行者 第1号はユーミン!?

2021年03月05日 | 宇宙開発
ビッグニュースが飛び込んできました!

2021年12月に打ち上げられるソユーズMS20に搭乗して日本人初の宇宙旅行者となる
Japanese female Pop star は、ユーミンこと松任谷由実さんのようです。

2021/2/13ブログ→日本人宇宙旅行者 第1号は女性ミュージシャン!?
2021/2/6ブログ→2021年は宇宙旅行元年!

ソユーズMS20: Tourlist 2 Japanese female Pop star


この情報をツイッターで発信したのは、宇宙飛行に関するリサーチをしているTony Quineさん。

*Tony Quineさんがツイッターにアップしてある写真

ツイッターによるとモスクワからの情報筋としてソユーズMS20に搭乗する2番目の旅行客として
Japanese singer Yumi Matsutoya と確認されているが、ユーミン本人および松任谷由実 Official、
roscosmos、SpaceAdventures、glavkosmosJSCから正式な発表はないので正式なコメントが出さ
れるのを待っているとのこと。

注:roscosmosはロシア宇宙開発全般を担当する国営企業。SpaceAdventuresとglavkosmosJSCは
米と露の宇宙旅行会社。

いや~これはスゴイことです。ユーミンが宇宙に行く! ユーミンがISSに乗る! ユーミンがISSから
地球を眺めて、宇宙から地球に向かってメッセージを送る! 考えただけでワクワクします!

ユーミンは1990年8月にソ連のバイコヌール基地に行ってソユーズの打ち上げを見ています。そのドキュメンタリー番組のテーマソングがアルバム「天国のドア」のラストナンバーである「SAVE OUR SHIP」です。*TBS-TV宇宙プロジェクト「宇宙の風・ロシアの風・ユーミン」1990年11月23日O.A.

ソユーズのリフトオフを間近で見たユーミンは、その瞬間に地球の質量全体を感じてしまうかのような、地鳴りのような音を感じてその場に座り込んでしまったのですが、その映像がとても印象深く記憶に残っています。あれから30年、ユーミンがあのソユーズに乗って宇宙に行くとは…、感無量です。

…と、ユーミンの宇宙旅行が決まったかのように話していますが、今年のソユーズ打ち上げは他にも宇宙旅行者が搭乗する予定もあり、過密スケジュールの中でかなり混乱しています。MS20の前に打ち上げられるMS19では女優が搭乗して宇宙で映画を撮影する計画もあるようです。今後計画が変更になることもあるかと思われますが、ぜひユーミンさんには宇宙に行って日本をそして世界を元気づけてほしいですね。

そして、宇宙船地球号をユーミンさんの力で

「SAVE OUR SHIP」

してくれることを願っています。



更新されたスケジュール表


もしユーミンさんの宇宙旅行が確実となったら…その時はTBSで「宇宙の風・ロシアの風・ユーミン」を再放送してほしいなぁ~ 番組の中でユーミンは宇宙服を着てソユーズに体験搭乗しています。


ソコル宇宙服を試着するユーミン


ソユーズのコックピットに着座するユーミン
*TBS-TV宇宙プロジェクト「宇宙の風・ロシアの風・ユーミン」より