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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

5月1日の土星(中央緯度 地球>-2.41° 太陽>0.11°)

2025年05月03日 | 土星
環のない土星の観測レポートです。(正しくは環の見えない土星です)(^^ゞ

 観測した日は好天の予報が出ていた5月1日、観測場所は土星が出没から見える東空が開けている場所が理想ですが、疲労対効果を考えて遠征はやめて近場の河原球場駐車場にしました。

こちらが観測準備メモです。φ(.. )
 03時00分 天文薄明開始
 03時01分 土星出没 0° 
 03時30分 土星高度 5°
 03時35分 土星高度 8°  航海薄明開始
 03時52分 Starlink G11-9 南西-南東77°-北東
 03時55分 土星高度10°
 04時11分 土星高度12° 市民薄明開始
 04時39分 日の出
〈観測機材〉
・望遠鏡:μ210 焦点距離2,415mm
・撮影機材:OrthoBarlow2×、ADC、ASI290MC(UV/IRcut)
・画像処理(AS!3でスタック→RegiStax6→ステライメージ)

 で、実際の観測ですが、02時にいそいそと起きて観測場所に着いたのが02時30分頃… 観測場所は高度8°付近までは木立で見えませんが、高度10°以上になってからの土星が撮影対象なのでOKです。

 まずは三脚を立ててレベルを取って赤道儀の組み立てです。ピン合わせははくちょう座のデネブで行います。今のところ空に雲はありませんがSCWでは4時頃から薄雲がやってくる情報になっているのが気がかりです。

 5月1日の地球-土星-太陽の位置関係ですが地球が環の南側-中央緯度-2.41°で太陽が環の北側-中央緯度+0.11°にあります。この状況は地球から土星の環の裏側(太陽光の当たっていない側)を見ることになるので理論上はカッシーニの空隙と半透明のC環だけが太陽の光を透過して明るく見えるそうです。

 高度10°付近では大気減光と大気の揺らぎが大きいので土星環の透過光を捉えるのはかなり難しいですが、為せば成る為さねば成らぬ何事も…なのでチャレンジしてみましょう。

 03時40分過ぎに木立を抜けた土星が見えてきました。撮影開始です。う~む、大気分散による色ずれが激しいです。おっと… ADCの調整バーをMAXまで動かしても大気分散が解消されません!

 現在の土星高度は8°です。ADCも想定外の高度ということですかね~。ファーストショットはこんな感じでした。→photo これをRegiStaxでRGB Balance処理をした画像がこちらです。→photo

 撮影は03時44分から04時21分まで行いましたが、03時30分からSCW予報どおりの薄雲がやってきて2等星の星は見えない空になってしまいました。ざんねん~、とりあえず撮影した16ショットを持ち帰って画像処理です。

 ほとんどが雲の中の撮影でダメダメでしたが04時10分に撮影した動画がタイミングよく雲間だったらしくそれっぽい土星が写っていました。さすがに光るカッシーニの空隙と半透明のC環は写っていませんが、環の影っぽい黒いラインが写っています。

環のない土星(撮影時高度12°、撮影時刻04時10分)

2025/5/1 04h10m µ210+ADC+ ASI290MC(UV/IRcut)Shutter=143.4ms Gain=350 (72%) Duration=120s AS!3 50% of 809frames

 はたしてこの黒いラインが土星の環の影なのかはよく分かりませんが、通常の環が見えない土星の姿は捉えたようです。この時間は空が急速に明るくなっていくので04時14分(土星高度13°)でこんな感じで→(photo)、04時19分(土星高度14°)でこれでした→(photo)

↓ 04時07分の空の様子(金星の右下にある土星は雲の中ですね)

 季節が逆の南半球オーストラリアなどでは夜の時間が長いので条件良く撮影できるかもですが、北半球では限界がありますね。5月7日の「環の真横から太陽光が当たる環の消失日」まではまだ時間があるので天気の具合を見ながら撮影できるチャンスを狙うことにしましょう。

4月27日の土星(中央緯度 地球>-2.24° 太陽>0.16°)

2025年04月27日 | 土星
2025年土星の環の消失シーズン初観望記録です。

 地球から見て環が真横に位置するホントの環の消失日(2025.3.24)は太陽の近傍だったので観望はできませんでしたが、セカンドチャンスの「環の真横から太陽光が当たる環の消失(2025.5.7)」は条件的にはキビシイですが観望できる高度になります。

 で、観測対象の本丸ですが、2025.3.24から2025.5.7までは太陽光が当たっている土星の環の反対側が地球から見える超~レアな期間になるのでこれが本命です。はたしてこの期間は土星の環が見えるのか見えないのか、はたまた拡大撮影で環を確認できるのかぜひ確認したいところです。

 まだ土星の高度が低いので条件はかなりキビシイですが、タイムリミットが5月7日なので時間がありません。すぐにでも東の低空が見える場所に遠征して拡大撮影をしたいところですが、まずは望遠鏡でどのように見えるのかを確認するために自宅2F東窓からミニ望遠鏡で観望してみました。

 本日の観測メモφ(.. )
 03時07分 天文薄明開始
 03時15分 土星出没 0° 金星高度2.8°
 03時30分 土星高度2.6°
 03時40分 土星高度4.4°
 03時43分 土星高度4.9°  航海薄明開始
 03時50分 土星高度6.2°
 04時00分 土星高度8.1°
 04時16分 土星高度11.1° 市民薄明開始
〈観測機材〉
・望遠鏡:CERESTRIN MAK90 口径90mm 焦点距離1,250mm
・眼視アイピース:PLOSSL32mm、TPL18mm、Kasai HC Or-12mm
・拡大撮影:ASI174MM、ASI290MM、Apollo-C(UV/IRcut)
・画像処理(PIPPでセンタリング→AS!3でスタック→RegiStax6)

 観測方法は、土星の高度が低い時間は感度の高いモノクロ惑星カメラで撮影して、後半はカラーカメラにチェンジして撮影します。眼視では倍率39倍、69倍、104倍で土星面と環の観望を行います。

 で、結果ですが、眼視では土星面が円盤像に見えましたが環らしきものはまったく見えませんでした。土星光度が1.2等で低空による大気減光もあるので逆光で暗い環の存在は確認できませんでした。

 惑星カメラでの撮影は、モノクロ惑星カメラは感度を上げても環らしきものを検出できなかったのでカラーカメラで金星と土星の撮影を行いました。今回はADCやパワーメイト等を使用していない直焦点での撮影です。

 そのため大気分散による色ズレも見られますが気流が落ち着いていたので金星との視直径の違いと輝面比の確認はできたように思います。(↓ 同サイズ400pxで切り出し)


4月27日の金星と土星の比較画像

金星:2025/4/27 04h30m MAK90+Apollo-C(UV/IRcut)Shutter=4.470ms Gain=179 (37%) Duration=30s AS!3 25% of 6660frames
土星:2025/4/27 04h20m MAK90+Apollo-C(UV/IRcut)Shutter=295.2ms Gain=350 (72%) Duration=60s AS!3 100% of 204frames


 土星の撮影時刻は4時20分なので市民薄明開始4分後の青空です。空が暗い時間の撮影が理想ですが、高度10°以下はかなりキビシイので痛し痒しですね。

 本日の観測でだいたい目星は付いたので次回は東の空が開けている場所に遠征してμ210で拡大撮影と観望をすることにしましょう。タイムリミットは5月7日です。それまでに好天気&好気流が来るといいのですが…はたして結果はいかに~

白昼の土星食 & 四日月と土星の接近 観望記録 2/1

2025年02月01日 | 土星
雲の多い天気でしたが一縷の望みを賭けて白昼の土星食ウオッチングをしてみました~。

 アライメントを金星で行ってから自動導入で望遠鏡を土星に向けたのですが、何度トライしても土星を確認することができず13時2分~13時5分の潜入はタイムアウト…

 出現は月縁が画角に入るのでPCモニターを見ながら出現時間になるのを待っていたのですが出現開始時刻の13時18分30秒を過ぎても土星らしきものはまったく見えません。

 やはり光度1.1等ではムリなのかなぁ~と思った直後、突然PC画面上に土星が現れました! 時刻は13時21分です。出現終了時刻が13時21分24秒だったので、土星が月から完全に出現したところで画面上で確認できる明るさになったのかもですね。

2025/2/1 13h21m59s μ210+Apollo-C(UV/IRcut)Shutter=3.114ms Gain=136 (28%) Duration=20s AS!3 25% of 3000frames

 雲の通過を待っての撮影だったのでクリアに撮れたのはこのショットだけでした。↓

2025/2/1 13h27m40s μ210+Apollo-C(UV/IRcut)Shutter=1.922ms Gain=121 (25%) Duration=20s AS!3 25% of 3000frames

 この直後に大きな雲がやって来たので白昼の土星食ウオッチング&撮影会は終了となりました。
で、ここからは夕方の四日月と土星の接近ウオッチングの様子です。空全体に薄雲が広がっている状態だったので土星は肉眼では見えませんでした。

2025/2/1 17h35m24s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO640 f/6.3 1/10sec

金星も薄雲で滲んで見えましたがそれはそれでフォトジェニックで
とてもきれいな星景でした~。

2025/2/1 17h27m06s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO400 f/5 1/8sec

1月19日の土星(中央緯度4.27°)

2025年01月28日 | 土星
気流が良かった1月19日に撮影した土星の記録です。

 土星に望遠鏡を向けたのは12月18日以来なので約1か月ぶりです。1か月前の土星は中央緯度が5.78°でしたが1月19日の中央緯度は4.27°まで小さくなっていました。これから土星は3月24日の環の消失(中央緯度0°)に向かって環の傾きが小さくなっていきます。

1月19日の土星(光度1.1等 視直径16.2″ 輝面比 k=0.999 撮影時高度28°)

2025/1/19 17h53m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8650mm (F/36)
Shutter=60.64ms Gain=380 (79%) Duration=90s  Autostakkert3 Drizzle1.5× 50% of 1484frame

〈撮影時のシーイング〉

↓ こちらは90秒露出を3枚 デ・ローテーションした画像ですが解像度は1枚画像より劣ってダメダメでした。

2025/1/19 17h52m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8650mm (F/36)
Shutter=60.64ms Gain=380 (79%) Duration=90s  Autostakkert3 Drizzle1.5× 50% De-rotation 270sec


 今後の土星は2月9日に中央緯度 2°台に突入しますが、日没1時間後の高度が約10°なので拡大撮影は今月末が限界ですね~。

 拡大撮影はできませんが2月25日には西の空低いところで水星と土星が離角1.4°まで接近するので天気が良かったらウオッチングして見ることにしましょう。


12月18日の土星(中央緯度5.78°)

2024年12月20日 | 土星
12月18日に撮影した土星の記録です。

 撮影を開始したのは17時30分からでしたが、16時50分に南中だった土星はやや西寄りの空の高度42°のところにありました。ステラナビで調べたら視直径は17秒を切って16.9秒でした。8~9月は19秒台だったのでだいぶ遠ざかった感がありますね。

 2024年11月13日に環の傾きが本年最大(中央緯度6.42°)になった土星は2025年3月24日の環の消失に向かって環の傾きが徐々に小さくなっています。撮影日の中央緯度は5.78°でしたが1月6日には4°台に、1月24日には3°台になります。

12月18日の土星(光度1.0等、視直径16.9秒、輝面比1.00)

2024/12/18 17h30m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=7150mm (F/30)
Shutter=33.80ms Gain=402 (82%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×5image


↓ こちらはAutostakkert3の Drizzle1.5×でスタックした画像です。

2024/12/18 17h30m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=7150mm (F/30)
Shutter=33.80ms Gain=402 (82%) Duration=60s  Autostakkert3 Drizzle 1.5× 50% De-rotation 60s×5image


 さてさて、地球から見た環の傾きは5.78°ですが、土星の環を照らしている太陽の入射角(太陽から見た中央緯度-赤点の位置 ↓)は 2.53°です。なので環の上に立って太陽を見ると太陽高度が2.53°で、だいたい地球の夕方の日没20分前の太陽と同じ位置に見えるということになります。




 日没後に見える土星は1月に入ると南西の空でを徐々に高度下げていきますが、1月17日~1月19日は金星に大接近するのでもうしばらくウオッチングしていくことにしましょう。

11月25日の土星(中央緯度 6.34°)

2024年11月27日 | 土星
予報どおり11月25日に好気流が仙台上空にやって来ました~。

 天気図を見ると明朝まで高気圧に覆われて快星になること確実です!こ~れはチャンスです。宵の口から明朝まで見える惑星を全部撮影しちゃいましょう。ホンキです!

 …と、意気込んで土星を撮影したのですが… 思ったほど気流が良くありません!なぜなの~

17時18分 - 中央緯度6.34°の土星 光度:0.9等 視直径17.6秒 撮影時高度41° (1枚画像)

2024/11/25 17h18m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8500mm (F/36)
Shutter=48.71ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 50% of 1232frames


↓ WinJUPOSで再現した11/25の土星、赤丸は太陽から見た土星の中点(中央緯度2.95°)


 今年の6月に環の傾き(中央緯度)が2.39°にまで小さくなった土星ですが、11月になってだいぶ環の傾きが大きくなりました。2024年で環の傾きが最も大きくなるのはいつなのか調べたら前回撮影した11/13が2024年環の傾き最大(中央緯度6.42°)の土星でした。まったく気付きませんでした~。(^^ゞ 

2024年環の傾きが最大の土星(中央緯度6.42°)

2024/11/13 17h51m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=9300mm (F/39)
Shutter=67.20ms Gain=380 (79%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×20image



2024年環の傾きがほぼ最小の土星(中央緯度2.40°)

2024/6/20 03h47m μ210+Powermate2×+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)CMI=165.2° CMIII=78.7°
Shutter=42.97ms Gain=350 (58%) Duration=240s Autostakkert3 25% of 5586frames


 さて、今宵の気流ですが高気圧の中心がこれから仙台上空を通過するので気流は良くなると思ったのですが… シーイングは悪くなる一方で、7枚コンポジット(De-rotation)してもこの程度です。

2024/11/25 17h23m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8500mm (F/36)
Shutter=63.16ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×7image


↓ 18時を過ぎるとさらに悪くなったので、やむなく撮影は中断です。

2024/11/25 18h11m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8500mm (F/36)
Shutter=68.99ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×7image


 土星撮影後に予定していた海王星はさすがにこの気流では無理なのでしかたなくキャンセルです。夜半の明星・木星を撮影するのは23時過ぎですがはたして気流は良くなるのか?…

 続きは次回のブログで~

〈おまけの画像〉
土星を撮影する前に写した金星(光度:-4.1等 視直径17.3″ 輝面比0.70)

2024/11/25 15h18m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8500mm (F/36)
Shutter=0.641ms Gain=315 (65%) Duration=23s  Autostakkert3 25% 





11月13日の土星

2024年11月15日 | 土星
13日に撮影した土星の記録です。 

 今回の撮影は顕微鏡対物レンズと大気補正プリズム(ADC)を組合わせたシステム「μ210+ WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut)」ですが、拡大率を大きくするため接続部2カ所を引き出すという反則技を使っています。(^^ゞ

 撮影は、17時38分~17時48分まで60秒露出で10ショットと17時55分~18時05分を60秒露出で10ショットを撮ってそれぞれをWinJUPOSでDe-rotaitionします。

で、こちらが17時38分-17時48分の60秒露出画像10枚をDe-rotaitionした土星です。

2024/11/13 17h43m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=9300mm (F/39)
Shutter=67.20ms Gain=380 (79%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×10image


こちらは17時55分-18時05分の10ショットをDe-rotaitionした土星です。


2024/11/13 18h00m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=9300mm (F/39)
Shutter=67.20ms Gain=380 (79%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×10image


こちらは撮影したが画像をすべてDe-rotaitionした土星ですがこちらの方が画質はいいですね。

2024/11/13 17h51m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=9300mm (F/39)
Shutter=67.20ms Gain=380 (79%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×20image


さて、今日は土星のすぐそばに衛星がたくさん見えたのでそちらも撮影してみました~。

2024/11/13 18h08m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=1.00ms Gain=480 (100%) Duration=20s  Autostakkert3 50% 


 土星の衛星についてはよく知らないのでWikiで調べてみました。
メモメモ φ(.. ) 番号.直径.平均等級.アルベド.発見年.発見者.特徴
Ⅰ ミマス     396km 12.8等級  0.77 1789年 ウィリアム・ハーシェル 氷岩石衛星? 
Ⅱ エンケラドゥス 504km 11.8等級  1.04 1789年 ウィリアム・ハーシェル 氷衛星 
Ⅲ テティス    1062km 10.2等級 0.80 1684年 ジョヴァンニ・カッシーニ 氷衛星 
Ⅳ デイオーネ   1123km 10.4等級 0.55 1684年 ジョヴァンニ・カッシーニ 氷岩石衛星 
Ⅴ レア      1527km 9.6等級  0.65 1672年 ジョヴァンニ・カッシーニ 氷衛星
Ⅵ ティタン    5149km 8.4等級  0.2 1655年 クリスティアン・ホイヘンス 大気・液体の川海
Ⅶ イアペトゥス  1470km 10.2~11.9等級 0.5/0.04 1671年 ジョヴァンニ・カッシーニ 氷衛星・半黒半白


 ふむ、撮影した画像を見ると衛星の色のちがいが分かりますね。テティスとレアは氷衛星なので不透明な大気を持つティタンとは明らかに色が違います。テティスの反射率が高いのはエンケラドゥスから吹き上げられた氷がその表面に降着しているからだと考えられているようです。

 土星の左側にはエンケラドゥスが写っています。エンケラドゥスは反射率が極めて高く、太陽系の中で最も白い星らしいので直径がわずか504kmでも写ったということですかね~。エンケラドゥスは熱源を持っているため表面の氷が氷火山となって水蒸気を噴出している生命の可能性を持つ衛星です。


2024/11/13 18h08m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=1.00ms Gain=480 (100%) Duration=20s  Autostakkert3 50% 


 さて、今宵は夜半に曇る予報なので木星撮影は難しそうです。18時過ぎの夜空には月齢11の明るい月が南東にありますが土星の東20°のところには海王星がいます。ということで海王星に望遠鏡を向けてみました。はたして太陽系最遠の惑星・海王星を顕微鏡対物レンズは捉えることができるのか!?

 その様子は次回のブログで~

11月3日の土星

2024年11月06日 | 土星
ニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)テスト第4弾の記録です。

 今回のテスト撮影では共通システムとして大気補正プリズムZWOを装着して、アイピース・顕微鏡対物レンズ・バローレンズによる違いを比較しました。

 タイミング良く仙台上空に移動性高気圧が来たので期待したのですが、1等星の瞬きがはっきり分かるほどで好気流といえるレベルではありませんでした。(WINDY高層気流予報、250hPa/10km=66m/s)
 

↓〈18mmアイピース〉


2024/11/4 20h09m μ210+TPL-18mm + TCA-4 + ADC +Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=9450mm (F/40)
Shutter=58.98ms Gain=450 (93%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 


↓〈25mmアイピース〉


2024/11/3 20h17m μ210+TPL-25mm + TCA-4 +ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=6300mm (F/26)
Shutter=56.98ms Gain=378 (78%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 


↓〈顕微鏡対物レンズ〉


2024/11/3 20h31m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=5450mm (F/23)
Shutter=55.21ms Gain=361 (75%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 


↓〈バローレンズ〉


2024/11/3 20h44m μ210 +Ortho Barlow 2×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=4500mm (F/19)
Shutter=48.14ms Gain=352 (73%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 


〈考察〉
・18mmアイピースは拡大率としては理想だと思うのだが今回の気流では過剰倍率だったようでボケボケだった。好気流では期待できるシステムではある。
・25mmアイピースは18mmアイピースより解像度が良くなると予想したが思うほど向上しなかった。たまたま気流が悪かったのだろうか。ポテンシャルは高いと思うのだが…
・顕微鏡対物レンズPLAN5は今回の撮影ではダントツで解像度が良かった。あまりにも良かったので3ショットほど撮影してみたがいずれもシャープで安定した画像だった。
・バローレンズは拡大率が他のシステムより小さいが解像度は悪くなかった。こちらも2ショット撮影してみたが2枚とも同じ解像度だった。

 みずがめ座にある土星は南中高度が40°を少し超えた程度なので大気補正プリズムは必須だが光学的な減衰を考えると使わないで撮影したいところではある。
 大気補正プリズムを必要としない高度は60°以上と言われているので今後の土星の南中高度を調べたところ、南中高度が60°を超えるのは2028年以降であった。しばらくは大気補正プリズムのお世話になる日が続くようだ。

10月25日の土星(テスト撮影)

2024年11月05日 | 土星
ニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)のテスト撮影第3弾の記録です。
 撮影日は10月25日、テスト内容は「望遠鏡用アイピースTPL18mm」と「顕微鏡対物レンズWREYMER PLAN 5×」を使用しての 解像度比較です。

〈顕微鏡対物レンズWREYMER PLAN 5×で撮影した土星〉


2024/10/25 20h49m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8700mm (F/37)
Shutter=75.95ms Gain=367 (76%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 



〈望遠鏡用アイピースTPL18mmで撮影した土星〉


2024/10/25 21h18m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=9000mm (F/38)
Shutter=77.34ms Gain=353 (73%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 



〈確認のために再度WREYMER PLAN 5×で撮影した土星〉


2024/10/25 21h22m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8700mm (F/37)
Shutter=83.90ms Gain=353 (73%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 



〈TPL18mmとWREYMER PLAN 5×の比較図〉


〈考察〉
・パラメーターに記録されている合成焦点距離は、望遠鏡用アイピースTPL18mmが9000mm (F/38)で、顕微鏡対物レンズWREYMER PLAN 5×は8700mm (F/37)だったので、PLAN 5×の方が拡大率としてはやや小さいが画像上ではほぼ同じ大きさであった。
・解像度は顕微鏡対物レンズWREYMER PLAN 5の方がややキレがあって精細な感じに見えるが気流の違いも考えられるので解像度についてはさらにテストを重ねて判断したい。

 さてさて、これまでも顕微鏡対物レンズで土星を撮影したことはあったよなぁ~と思っていたのですが、確認したところ今回が初撮影だったようで…まさかの記念すべき顕微鏡対物レンズで撮影した土星のファースト画像となりました~。(気付くのが遅すぎる!)

 11/3-11/4は天気が良かったので、顕微鏡対物レンズWREYMER PLAN 5 + Apollo-Cのカメラテストを土星・木星・火星で行うことができました。その様子は次回のブログで~。

10月12日の土星(中央緯度5.94°)

2024年10月19日 | 土星
10月12日に撮影した土星(光度 0.7等、視直径18".8)です。

 秋の移動性高気圧通過中の予報が出ていたので期待したのですが気流は思ったほど良くありませんでした。ざ~んねん、気象庁の過去天気図を見ると移動性高気圧の狭間に入っていたのでその影響かもしれません。3分露出で25%スタックした画像を5枚デ・ローテーションした画像がこちらです。


2024/10/12 21h54m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=70.45ms Gain=350 (58%) 3min ×5times Autostakkert3 25%  De-rotation


 今回撮影した土星をよく見ると6月頃に撮影した土星より環の傾きが大きくなっていることが分かります。環の傾きが6月下旬に一番小さくなった土星はそれ以降少しずつ傾きを大きくして11月中旬に中央緯度6.41°(今年最大)になります。


2024年「土星・環の傾きの変化」

 11月を過ぎると環の傾きは再び小さくなって来年の3月24日に中央緯度0°になって土星環の消失となります。残念ながらその日は土星が太陽の近く(離角10°)にあるので観望はできませんが、11月下旬に環の傾き(中央緯度)が-0.46°まで小さくなるので究極に細くなる環は見られそうです。

 さて、10月12日の夜は新しく購入した惑星カメラのテスト撮影も行いました。NEWカメラはPlayer One Apollo-Cです。このカメラはセンサーがIMX174でFPSが164のいわゆるASI174MMのカラー版です。ISS拡大撮影用に購入したカメラですが、まずは惑星で基本性能をチェックです。

 Apollo-CのセンサーサイズはASI290MCより大きいのでTakahashi 2× Ortho Barlowだけでは撮像サイズがかなり小さくなってしまいます。↓

2024/10/12 22h18m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=41.55ms Gain=350 (58%) 3min ×3times Autostakkert3 25%  De-rotation


 そこでTakahashi 2× Ortho Barlowを外してTPL-18mmで撮影した土星がこちらです。Ortho Barlow+ASI290MCのシステムよりは撮像サイズが小さいですが解像度はASI290MCよりいい感じがします。

2024/10/12 22h18m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=57.06ms Gain=370 (77%) 3min ×3times Autostakkert3 25%  De-rotation


土星撮影後は木星でもテスト撮影をしてみました。その様子は次回のブログで~