
観測した日は好天の予報が出ていた5月1日、観測場所は土星が出没から見える東空が開けている場所が理想ですが、疲労対効果を考えて遠征はやめて近場の河原球場駐車場にしました。
こちらが観測準備メモです。φ(.. )
03時00分 天文薄明開始
03時01分 土星出没 0°
03時30分 土星高度 5°
03時35分 土星高度 8° 航海薄明開始
03時52分 Starlink G11-9 南西-南東77°-北東
03時55分 土星高度10°
04時11分 土星高度12° 市民薄明開始
04時39分 日の出
〈観測機材〉
・望遠鏡:μ210 焦点距離2,415mm
・撮影機材:OrthoBarlow2×、ADC、ASI290MC(UV/IRcut)
・画像処理(AS!3でスタック→RegiStax6→ステライメージ)
で、実際の観測ですが、02時にいそいそと起きて観測場所に着いたのが02時30分頃… 観測場所は高度8°付近までは木立で見えませんが、高度10°以上になってからの土星が撮影対象なのでOKです。
まずは三脚を立ててレベルを取って赤道儀の組み立てです。ピン合わせははくちょう座のデネブで行います。今のところ空に雲はありませんがSCWでは4時頃から薄雲がやってくる情報になっているのが気がかりです。
5月1日の地球-土星-太陽の位置関係ですが地球が環の南側-中央緯度-2.41°で太陽が環の北側-中央緯度+0.11°にあります。この状況は地球から土星の環の裏側(太陽光の当たっていない側)を見ることになるので理論上はカッシーニの空隙と半透明のC環だけが太陽の光を透過して明るく見えるそうです。
高度10°付近では大気減光と大気の揺らぎが大きいので土星環の透過光を捉えるのはかなり難しいですが、為せば成る為さねば成らぬ何事も…なのでチャレンジしてみましょう。
03時40分過ぎに木立を抜けた土星が見えてきました。撮影開始です。う~む、大気分散による色ずれが激しいです。おっと… ADCの調整バーをMAXまで動かしても大気分散が解消されません!
現在の土星高度は8°です。ADCも想定外の高度ということですかね~。ファーストショットはこんな感じでした。→photo これをRegiStaxでRGB Balance処理をした画像がこちらです。→photo
撮影は03時44分から04時21分まで行いましたが、03時30分からSCW予報どおりの薄雲がやってきて2等星の星は見えない空になってしまいました。ざんねん~、とりあえず撮影した16ショットを持ち帰って画像処理です。
ほとんどが雲の中の撮影でダメダメでしたが04時10分に撮影した動画がタイミングよく雲間だったらしくそれっぽい土星が写っていました。さすがに光るカッシーニの空隙と半透明のC環は写っていませんが、環の影っぽい黒いラインが写っています。


2025/5/1 04h10m µ210+ADC+ ASI290MC(UV/IRcut)Shutter=143.4ms Gain=350 (72%) Duration=120s AS!3 50% of 809frames
はたしてこの黒いラインが土星の環の影なのかはよく分かりませんが、通常の環が見えない土星の姿は捉えたようです。この時間は空が急速に明るくなっていくので04時14分(土星高度13°)でこんな感じで→(photo)、04時19分(土星高度14°)でこれでした→(photo)


季節が逆の南半球オーストラリアなどでは夜の時間が長いので条件良く撮影できるかもですが、北半球では限界がありますね。5月7日の「環の真横から太陽光が当たる環の消失日」まではまだ時間があるので天気の具合を見ながら撮影できるチャンスを狙うことにしましょう。

見事環のない土星の姿をものにされましたね。10°足らずの高度で,本体の縞模様もはっきりしないのに,色ずれせずちゃんとした姿です。環の影なのか模様なのかは今ひとつはっきりしませんが,これだけの像が得られれば素晴らしい!
さて,私はやっと車が手元に来たので,明日4日はどこかに星見に行こうと思っています。明け方,私も土星に挑戦してみたいと思います。まあ,起き続けるのは無理なので,目が覚めることを期待してですが。
こんばんは~、ご覧いただきありがとうございます。今年のGWは例年に比べて天気の悪い日が多く観望は開店休業の状態です。おまけに気流もよくならないのでテンションだだ下がりです。
車が戻ったとのこと、GW期間中の遠征に間に合ってよかったですね。GW後半で天気がいいのは4日の夜だけのようなのでこのチャンスは生かしたいですね。気流は相変わらずなので惑星観望と撮影はむずかしそうですが、とりあえずチャレンジはしてみる予定です。