晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

スーパームーン皆既月食 観望記録(皆既後 編)

2021年05月31日 | 月食
皆既後の観望記録で~す。

 さて、最近話題になっている「ターコイズフリンジ」は今回見えたのでしょうか?
ターコイズフリンジはその名の通り皆既の前後に月縁がターコイズ色に染まる現象ですが
過去の観測を振り返ると、いつでも見える現象というわけではないように感じます。

2014年4月4日皆既月食、確認できず(blog→4月4日皆既月食
2014年10月8日皆既月食、眼視確認(blog→10月8日皆既月食:観望会記録
2011年12月10日皆既月食、眼視確認・写真撮影(blog→12月10日皆既月食 ~観測編~
2011年12月10日皆既月食、ターコイズフリンジ動画撮影(blog→TOTAL LUNAR ECLIPSE

※ターコイズフリンジは2008年2月13日のNASA SCIENCE(→Web)で報じられてから広く
知られるようになった現象です。

 今回の皆既月食では雲があったのでターコイズフリンジは確認できませんでした。望遠鏡で見て
も(カメラ越しですが)月縁が青くなることは無かったので発生しなかったのかもしれません。


 では、ここからは皆既後の部分食の様子です。撮った写真を時系列で並べただけの記録で~す。
どんどん雲が厚くなっていくなか意地で撮影している雰囲気がにじみ出た写真になってます。(笑)

皆既終了後のイベントデータ
 皆既終り=20:28
 天文薄明終り=20:41
 食分0.9=20:54、食分0.8=20:54、食分0.7=21:03、食分0.6=21:11、食分0.5=21:19、
 食分0.4=21:26、食分0.3=21:32、食分0.2=21:39、食分0.1=21:46、
 部分食の終り=21:52:48


皆既終り10分後


2021/5/26 20h38m15s D810A  SE200N ISO6400 1/25sec


皆既終り14分後


2021/5/26 20h42m09s D810A  SE200N ISO4000 1/13sec


食分0.9


2021/5/26 20h42m38s D810A  SE200N ISO4000 1/60sec


食分0.8


2021/5/26 20h54m22s D810A  SE200N ISO4000 1/250sec



食分0.7


2021/5/26 21h02m05s D810A  SE200N ISO1600 1/640sec


この頃まではまだ星が見えていたのだが…

2021/5/26 21h02m03s D90 VR24-70mm f/2.8E f24mm ISO1250 f2.8 1/1.3sec

その3分後には急速に雲が厚くなり…

2021/5/26 21h05m53s D90 VR24-70mm f/2.8E f24mm ISO1250 f2.8 1sec


食分0.6


2021/5/26 21h10m49s D810A  SE200N ISO1600 1/400sec


21時15分過ぎにはほぼ星が見えなくなった。

2021/5/26 21h16m15s D90 VR24-70mm f/2.8E f24mm ISO1250 f2.8 1sec


食分0.5


2021/5/26 21h19m10s D810A  SE200N ISO1600 1/500sec


食分0.4


2021/5/26 21h26m31s D810A  SE200N ISO1600 1/400sec


食分0.3


2021/5/26 21h34m27s D810A  SE200N ISO1600 1/320sec


食分0.2


2021/5/26 21h39m22s D810A  SE200N ISO1600 1/200sec


食分0.1


2021/5/26 21h45m17s D810A  SE200N ISO1600 1/80sec


部分食の終り

2021/5/26 21h51m30s D810A  SE200N ISO1600 1/30sec


半影食?

2021/5/26 21h56m45s D810A  SE200N ISO1600 1/60sec


スーパームーン皆既月食 観望記録(皆既中の星空編)

2021年05月28日 | 月食
さて、皆既の時間が近づいてきました。
ここでイベントのおさらいをしておきましょう。

本日のメインイベント
 皆既始め=20:09:24   
 皆既最大=20:18:42(食分1.015)
 皆既終り=20:28:00

 皆既月食中は月が暗くなるので赤銅色の満月の周りにお星様がたくさん見えるようになりますね。
楽しみ~、ワクワク… とならないところが皆既月食の不思議で面白いところです。

〈解説:国立天文台HPより〉
 皆既月食のときの月がいつも同じように赤黒く見えるわけではありません。地球の大気中のチリが少ないときには、大気を通り抜けられる光の量が多くなるため、オレンジ色のような明るい色の月が見られます。 一方で、大気中にチリが多いと、大気を通り抜けられる光の量が少なくなるため、影は暗くなり、灰色に見えたり、あるいは本当に真っ暗で月が見えなくなったりします
 このように皆既月食のときの月の色が異なることは、フランスの天文学者ダンジョンが20世紀初頭にすでに気づいていました。彼は独自に「ダンジョンの尺度(スケール)」という色の目安を用いて、月食の色を調べました。この尺度を表にまとめます。






 この解説にあるように「赤さ具合」が月食によって異なるので星がたくさん見えるときとそうでないときがあります。今回は食分が浅いので明るくなるパターンですが、高度が低いのでその分暗くなるだろうと国立天文台では説明しています。なので今回はスケール3くらいかなぁ~と個人的には思っていましたが、実際は薄雲があったので正確な明るさは分かりませんでした。

 皆既中の月の色がスケール0の黒になると新月と同じ満天の星空になりますが、過去に1度だけありました。1982年12月30日に起こった皆既月食では月が真っ黒になり月が見えなくなりました。これはその年の春に噴火したメキシコのエルチチョン火山の火山灰等が成層圏に達しためと言われていますがとても希有な出来事でした。

 その日は年末だったため特番のテレビを見ていて皆既になった22時30分頃に外に出たところ月がどこにも無くて見つけることが出来ませんでした。目をこらして有るべき場所をじっと見ましたが、あれかな? たぶんあれだろう… と自分に思い込ませるレベルの今まで見たことの無い初めて見る見えない月でした。


 前置きが長くなりましたが、今回の皆既月食では雲が移動しているので写真を撮るたびに写る星の数が変化しました。皆既前はご覧のようにアンタレスも見えない状態でした。

食分0.93 月高度11° 

2021/5/26 19h57m30s D90 VR24-70mm f/2.8E f40mm ISO2000 f2.8 3sec


食分0.99 月高度12° 

2021/5/26 20h07m20s D90 VR24-70mm f/2.8E f35mm ISO2000 f2.8 2sec

ここからは皆既中の写真です。願いが通じたのか雲が薄くなってきました。アンタレスが見えてきました!! 月の周りにも星が写っています! 満月と星空! 神秘的です。

食分1.00 皆既開始 2分42秒後 月高度13° 

2021/5/26 20h12m06s D90 VR24-70mm f/2.8E f24mm ISO2000 f2.8 3sec


食分1.01 皆既最大 1分5秒前 月高度14° 

2021/5/26 20h17m37s D810A VR24-70mm f/2.8E f26mm ISO3200 f4 2sec


食分1.01 皆既最大 48秒前 月高度14° 

2021/5/26 20h17m54s D810A VR24-70mm f/2.8E f26mm ISO3200 f4 2sec


食分1.01 皆既最大 7秒前 月高度14° 

2021/5/26 20h18m49s D810A VR24-70mm f/2.8E f26mm ISO8000 f4 1sec


食分1.01 皆既最大 39秒後 月高度14° 

2021/5/26 20h19m21s D810A VR24-70mm f/2.8E f50mm ISO8000 f4 1sec


食分1.01 皆既最大 57秒後 月高度14°  今回のベストフォトです! 

2021/5/26 20h19m39s D810A VR24-70mm f/2.8E f70mm ISO8000 f4 1/1.3sec
 

食分1.00 皆既終了 1分17秒前 月高度15° 対角魚眼で撮影した皆既中の星空 

2021/5/26 20h26m43s D810A 10.5mm f/2.8G f10.5mm ISO6400 f2.8 2.5sec

 この時間、防潮堤の上では20~30人(もっといたかも)の人たちがカメラや望遠鏡で皆既月食を楽しんでいました。おとなりのムーンウオッチャーさんが写ってしまいましたが個人を特定できるものではないのでこのまま掲載させてもらいます。

 こちらは、おもな星座名や恒星名を入れた写真です。

2021/5/26 20h26m43s D810A 10.5mm f/2.8G f10.5mm ISO6400 f2.8 2.5sec


皆既終了時刻( 20時28分00秒)に撮影したスーパームーン

2021/5/26 20h28m00s D810A  SE200N ISO6400 1sec

残念なことに皆既が終わった途端に雲が厚くなってきました。

食分0.96 月高度16° 

2021/5/26 20h34m58s D810A  SE200N ISO6400 1/1.6sec


食分0.96 月高度16° 

2021/5/26 20h35m47s D90 VR24-70mm f/2.8E f24mm ISO1250 f2.8 2sec


皆既月食の後半は次回のブログで~

スーパームーン皆既月食 観望記録

2021年05月27日 | 月食
 今回の皆既月食は月出直後から欠け始めて、皆既が始まる20時10分の高度がわずかに13°です。
観望場所は山か海かで悩みましたが、結局、仙台新港の近くにある蒲生海岸にしました。
 ここには日本一低い山「日和山(標高3m)」もあるので山と海の両方が楽しめます。

 午後から夕方の天気をこまめにチェックしましたが、天気は予想に反してどーも良くないようです。
案の定、海岸に着くと西の空は雲が切れていますが、東の空はSCW予報で言うところの半透明上層雲(巻雲、巻積雲、巻層雲が混在した雲で半透明になっている状態)で覆い尽くされています。

 まー、仕方ありません。天気は空の神様に任せることにして、晴れることを期待して待機です。

本日の基本データ
  月の出 18:39:30 東南東116°
  欠け始め18:44:36、日の入り18:50、
    市民薄明終了19:21、航海薄明終了19:59、天文薄明終了20:41
  食分0.1 =18:51、食分0.2=18:58、食分0.3=19:05、食分0.4 =19:12、食分0.5=19:19、
  食分0.6=19:26、食分0.7 =19:34、食分0.8=19:43、食分0.9=19:53、皆既始め=20:09:24
    2021年最も近い満月の瞬間=20:14(地心距離35万7000km)
  皆既食最大=20:18:42(食分1.015)、皆既終り=20:28、食の終り=21:52:48

 上記のデータを見て最も注目すべきは、2021年で最も近い満月の瞬間が皆既中に起きるということです。スーパームーン皆既月食と言われるゆえんがここにあります。


 さて、19時を過ぎても月がまったく見えません。刻一刻と時間だけが過ぎていきます。

2021/5/26 19h10m21s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f165mm ISO1250 f6.3 1/25sec


マジでだめか~と思った瞬間、雲を通して月明かりが見えてきました。(月高度4.3°)

2021/5/26 19h11m19s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f150mm ISO1250 f6.3 1/25sec

月明かりが明るく見えてきましたが、相変わらず空は半透明上層雲でカバーされています。

2021/5/26 19h12m19s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f150mm ISO1250 f6.3 1/15sec


 やがて見えてきた月はすでに大きく欠けていました。(食分0.42、撮影時高度4.5°)

2021/5/26 19h13m42s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f600mm ISO1250 f6.3 1/80sec

 いまだに雲越しですが、雲がかかった月はこれはこれで趣があってキレイです。

2021/5/26 19h17m57s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f600mm ISO1250 f6.3 1/80sec


 スッキリしない空の中で無情にも食は時間どおりに進みます。(食分0.62、撮影時高度6.8°)


2021/5/26 19h27m33s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f170mm ISO4000 f8 1/25sec


 日本一低い山「日和山」を照らすスーパームーン(食分0.67、高度7.4°)

2021/5/26 19h31m13s D810A VR24-70mm f/2.8E f70mm ISO1600 f3.2 1/15sec



 星も見えてきましたがどーもスッキリ晴れてくれません。(食分0.67、高度7.4°)

2021/5/26 19h31m18s D810A VR24-70mm f/2.8E f70mm ISO1600 f13 1/100sec(トリミング)


 さて、食分も0.7を過ぎて皆既が近づいてきたのでここで反射望遠鏡にスイッチです。


食分0.82、高度 9.384°、 視直径 33.5' 

2021/5/26 19h44m21s D810A  SE200N ISO1600 1/250sec


食分0.86、高度 9.922°

2021/5/26 19h48m00s D810A  SE200N ISO5000 1/1.3sec


食分0.96、高度 11.865°


2021/5/26 20h01m26s D810A  SE200N ISO3200 1/2sec


こちらは皆既が始まった瞬間に撮影した月です。(食分1.00 高度13.136°)

2021/5/26 20h09m24s D810A  SE200N ISO3200 1/2sec


そしてこちらが20時14分に撮影した「2021年で最も近い満月(地心距離35万7000km)」です。

2021/5/26 20h14m27s D810A  SE200N ISO3200 1/1.3sec

 今回の皆既月食は最大食分が1.015なので皆既中と言ってもそんなに暗くはなりませんが、皆既中の星空の写真も撮る事が出来ました。だいぶ長くなったので続きは次回のブログで~。

青空の中の月(月齢11.3)

2021年05月23日 | 青空の中の月
 2021年4月23日に撮影した青空の中の月です。月齢11前後の月は太陽の光を真っ向に受
けて青空の中でとても明るく見えます。

 西の空に傾いた太陽の直射を浴びた月面は,時として視力が良くなったのではと思える
ほどクレーター群がはっきり見えることがあります。この日はティコクレーターとコペル
ニクスクレーターがキレイに見えていました。

下弦3日後の月(月齢11.3 視直径 32.4' 輝面比 0.81) 

2021/4/23 17h40m0s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f600mm ISO125 f14 1/250sec

 撮影時高度は43°です。白道が立ち上がっているので明暗境界線が水平に近い傾きになっ
ていますね。

青空の中の月(月齢3.3)

2021年05月22日 | 青空の中の月
デジカメ本体の記録カードに入ったまま出力されていない写真を発掘するブログ六日目は
2021年4月15日に撮影した青空の中で輝く月齢3.3の四日月です。

まもなく日没を迎えようとする頃、赤く染まった薄い雲のムコウに細い月が見えました。

2021/4/15 18h06m4s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f150mm ISO1250 f18 1/200sec


日没時刻は18時14分、夕日が届かなくなると雲はあっという間に元の色に戻ります。
ベールのような薄い雲はまるで存在しなかったかのように見えなくなりました。

2021/4/15 18h08m20s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f150mm ISO1250 f16 1/200sec


青空の中で見る四日月はとてもシャープです。

2021/4/15 18h20m13s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG f600mm ISO1250 f16 1/50sec


春の四日月(月齢 3.3 視直径 29.7' 輝面比 0.09 撮影時高度32°)

2021/4/15 18h24m24s D810A 150-600mm f/5-6.3 DG ISO1250 f11 1/50sec(トリミング)


この写真の四日月… どことなく映画「ペーパー・ムーン」の月を彷彿とさせますね。

野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗するISS撮影記録③

2021年05月21日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ISS 11 ミッション 撮影記録③ 〈ラストチャンス編〉

プロジェクト4日目の朝に巡ってきたフルサイズデジカメで拡大撮影を
行う最後のチャンス! イベントデータはこんな感じですが…

残念ながら天気が良くありません。
見える星は1等星のみ、アークトゥルスでピン合わせはしたものの
通過5分前には1等星も見えなくなりました。

しか~し、ISSの明るさは-3.5等級もあります。薄雲を通して撮影
できる可能性は十分あるのでセッティングして待機です。


…時間です。すでにアークトゥルス付近を-3等級の明るさで通過し
ているはずですが全く見えません。その時です…

キター!!! なんと最大仰角付近で突然見え始めました。

急いでドブソニアンのファインダーを覗いて追尾しようとしたとき…
わぉ!!! 大問題発生です! なんと屋根でISSが見えません…

痛恨のミスです…驚愕の大ショックです。敗因は、少しでも長い時間撮影できるように
と望遠鏡のセッティング場所を変更したのですが、曇っていて星が見えなかったため設
置場所をミスったことによります。 

最大仰角を過ぎたころに屋根の死角から脱出したISSが見えたので撮影を試みましたが、
雲で減光したISSはカメラに写っていませんでした。残念~。

こちらは記録用に設置していたカメラが捉えた野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗
するISSのラストショットです。見えていたのは最大仰角の前後だけ…

2021/4/28 03h33m03s D90 f28mm f/2.8 ISO1600 f6.3 3sec

かくして ISS 11 ミッションは、以上を持って終了となりました。
野口宇宙飛行士の帰還が延期となったことで4/28午前中に宮城県内で見られる太陽面通過も
ISS 11 ミッションのオプションとして入ったのですが、天気が本曇りとなり撮影は出来ません
でした。

今回のプロジェクトは4/25~4/28の4日間という短い期間でこれだけ撮れたのはラッキー以外の
何物でも無いですが、撮れなかった3回が全て好条件のパスだったことはちょっと残念です。

野口宇宙飛行士は3度目の宇宙滞在を終えて無事帰還しましたが、ぜひこれまでの経験を
生かしてベテランアストロノーツとして月軌道周回宇宙船ゲートウェイに日本人初滞在を
してほしいですね。

宇宙飛行士のレジェンド、ジョン・ハーシェル・グレン宇宙飛行士は77歳で宇宙に行って
ますから、野口宇宙飛行士はこの最高齢宇宙飛行士77歳の記録を破って伝説の宇宙飛行士
になってほしいなーと個人的には思っています。

多くのアストロノーツは早々と宇宙飛行士をリタイヤして経験を生かしたビジネスに転職
していますが、野口宇宙飛行士はリタイヤすることなく次の目標に向けてすぐ訓練を始める
ところが素晴らしいなぁといつも思います。これからも野口さんの言葉で地球の美しさと
宇宙のことを教えてもらいたいと切に願うところです。

野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗するISS撮影記録②

2021年05月20日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ISS 11 ミッション 撮影記録② 〈Lunar transit 編〉

 ここは宮城県北部の登米市。登米市は有数の米所でとにかく空が広くて…星がとてもキレイに
見えるところです。えー、現在時刻は02時15分、野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗するISS
が満月前面を通過するのは04時15分ですが、今の時期は深夜でもISSのパスが見えるので、今宵は
ISSの連続ウオッチングです。

4月27日 02時45分のイベントデータ




 最大仰角は23°で距離も遠いパスですが高度が低いので地上の景色と一緒に写すことが
出来ます。しかも、地球の影から出現して地平線に沈んでいくという美しいパスで、ISS
の下では木星と土星が輝いているというおまけ付きです。

 ISSが地球の影から出て朝日を浴び始めました。いつも思うことですが、あの光の中に
人がいることが不思議で…人類はスゴイモノを作ったなぁと感動です。

2021/4/27 02h43m38s~02h46m56s D90 18-200mm f/3.5-6.3 f18mm ISO400 f3.5 4sec × 48

GIFアニメ(クリックで拡大)


 ISSは地平線に沈む前に地球大気の中に溶け込んで見えなくなりました。今見送ったISSが
地球を1周して戻ってきたときに満月を通過します。それまでにISSが満月の中心を通るピン
ポイントの場所に移動して機材をセッティングしなければなりません。


現地に赴いてのロケハンはしてませんがグーグルマップで目星は付けてきました。

場所は迫川の北にある用水路の土手、石越有機センターの東側です。ここで赤道儀
を設置して待機です。

満月通過時のイベントデータ

満月通過時はISSは地球の影の中なのでシルエットで満月を通過します。
満月通過時のISSまでの正確な距離は1847.99kmです。


 ここまでの準備は順調だったのですが予想外だったのは… 太陽高度-6°は思った以上に
夜明けだったわけで、そして最大の誤算は距離1847.99kmがとんでもなく遠距離でした。

 録画した動画を確認すると黒ごま粒状のISSが左下から右上に向かって5秒かけて通過する
姿が映っていました。これがオリジナル動画では見えるのですがYouTubeに落とした動画で
は残念ながらほとんど見えません。ISSの視直径は15秒なので限界かと思います。





YouTube上で見るためには全画面表示にして5回くらい繰り返し再生すると右上付近を
通過する様子が見られるかもしれません。

 画質はともかく、この3日間で拡大撮影(惑星カメラ)、比較明合成写真(GIFアニメ)、満月面通過(ビデオ)を撮影できたことは奇跡に近いことです。残るはフルサイズデジカメでの拡大撮影だけなのですが、なんとプロジェクト4日目の朝にそのチャンスが再度巡ってきます。直距離は483km、最大仰角は60°です。条件としては悪くありません。4日目に巡ってきたラストチャンス! 果たして結果はいかに、続きは次回のブログで…





野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗するISS撮影記録①

2021年05月19日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 デジカメ本体の記録カードに入ったまま出力されていない写真を発掘するブログ週間三日目は、
11年ぶりに日本人宇宙飛行士2人が搭乗しているISSを激写するミッション「ISS 11(イレブン)プロジェクト」の撮影記録です。

 ISS 11(イレブン)は、ISSに滞在する宇宙飛行士がスペースシャトル退役後としては最多人数の11名になったことも意味しています。

 野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が軌道上で同時滞在したのは4月24日から5月2日までの9日間。もっとも野口宇宙飛行士の帰還が天候不良で4日遅れての9日間ですので当初の予定では同時滞在はたったの5日間でした。

 わずか5日間の間にISSを撮影することは全てが天候に左右されるので1回も撮れないことが容易に想像されます。そこで、撮影計画としては、とにかく眼視で見えるパスはISSまでの距離が遠くても必ず撮影を試みるとしました。

星出宇宙飛行士が到着した翌日、4月25日に最大仰角75°、直距離438km、-3.6等級という絶好のチャンスがあったのですが、天空の女神は微笑んではくれませんでした。

 その翌日、4月26日の通過は最大仰角40°、直距離633km、-2.8等級と条件は良くありませんが、天気が何とか持ちそうだったので惑星カメラでの拡大撮影にチャレンジすることにしました。距離的にも気象条件的にも無理があることは分かっていましたが、撮れるときに撮っておこう!の精神でチャレンジしました。

イベントデータ




 しか~し、撮れた映像はとても満足のいくものではありませんでした。距離的にも気象条件的にも無理があったのですが、もう一つのマイナス要因として惑星カメラ撮影の不慣れがあったわけで… テスト中のシステムを実践で使うとほころびが出る結果になることを痛感させられました。

 

撮影データ
 D300mm f1500mm + ASI290MC + UV/IR Cut Filter
 Shutter=0.882ms Gain=275 (45%) FPS (avg.)=13

 ご覧のとおりボケボケの動画ですが、野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗するISSの動画を撮影するという目的は一応果たせたので惑星カメラ部門はクリアです。残るは比較明合成部門とビデオ部門と拡大撮影デジカメ部門です。ファイト~

 さて、次回のブログは本日の続き、ISS 11 ミッション の撮影記録② で~す。

次回の予告:4月の満月ピンクムーンの日に宮城県北部でISSの月面通過の予報が… 天気は快晴! 日本人2人が搭乗するISSが満月の前面を通過するという千載一遇のチャンス… はたして撮影は成功したのか? 満月の中心通過ラインを目指した遠征記録です。
  
ISS 11 ミッション 撮影記録② 〈Lunar transit 編〉



水星と三日月の接近(5/14)

2021年05月18日 | 水星
 デジカメ本体の記録カードに入ったままの写真発掘&大放出ブログ週間二日目、
本日の発掘photoは、5月14日撮影の「水星と三日月の接近」で~す。

2021/5/14 19h30m D810A SIGMA 18-200mm f/3.5-6.3 f70mm ISO1600 f10 1/1.3sec

撮影時の水星の高度は10°、明るさは0.2等級です。昨日、東方最大離角を迎えましたが日没時の高度が最大になったのは5月16日(高度20°)でした。この高度は今年最大で、今が2021年一番の観測好機です。


 2021年の東方最大離角は3回あります。1回目は1月24日で日没時の最大高度は16°でした。

2021/1/22 17h35m PowerShot G7 X MarkⅡ f36.8mm f2.8 1/20sec


 3回目の東方最大離角は9月14日ですが、日没時の最大高度は約10°です。日没20分後には高度が5°まで低くなるので観望は難しいかもしれませんね。



 さて、おまけの写真コーナーですが、本日は新緑の写真です。

 仙台の5月は新緑がとっても美しい時期なので、昨年に引き続き今年も青葉祭りが中止に
なったことは仙台市民にとってとても残念なことです。この写真はとあるキャンプ場で撮影
した針葉樹の新緑です。


 新緑に関する宇宙ネタをひとつ…

 宇宙飛行士の野口さんがISSでバジルを育てたYouTubeをご覧になった方も多いと思いますが、
野口宇宙飛行士さんの本「スイート・スイート・ホーム」にこんな記述がありました。

 以前、JAXAがISSでスペースアグリ(宇宙農業)実験の一環として植物を育てたときに、ISSの電力量を節約するために植物栽培用の人工灯を「赤・青・緑」を合わせた白色光ではなく「赤・青」のみにしたそうです。その理由として、植物は葉と同色の緑色は反射して吸収されにくく非効率なのでカットしたそうです。

 なるほど、植物の葉が緑色をしているのは可視光の中の緑の波長だけを跳ね返すからなんですよね~。人間は物体が反射する波長の光を目に受けて色を感じているということをあらためて知りました。

 新緑の中でも芽吹きの時の萌葱色と生まれたての葉っぱがそろう時期の緑色がいいですよね~。その時期をねらって写真に撮っても完璧な色再現ができないのはなぜだろう…といつも思うのですが、その時期にしか見ることができないから毎年感動するんですね。


青空の中の月(月齢24.0)

2021年05月17日 | 青空の中の月
 各地で記録的に早い梅雨入りがニュースになっているのを見ると、気候的にこれまで経験の無いことが起きているのでは…と思う今日この頃です。

 今年の梅雨はひょっとしたら記録的な長梅雨か、史上最も早い梅雨明けになるのではと思ってしまいます。あ、日本人は将来をネガティブに感じやすい人種だとテレビで見たことがあるのでダメですね。

 今年は梅雨入りが早かったが、梅雨の中休み(五月晴れ)が多く爽やかな6月になって、梅雨明けは平年より1週間早く、梅雨明け10日の夏らしい晴天の後は、周期的に変わる天気になる可能性は十分あるということにしましょう。

 さて、前置きが長くなりましたが今週は天気が悪いようなので、その間、デジカメ本体の記録カードに入ったままの写真発掘&大放出ブログ週間としま~す。

 で、本日の発掘フォトは5月6日に撮影した月齢24.0の月で~す。

この日は雲一つ無い快晴で下弦を二日過ぎた月が青空の中でくっきり見えました。

2021/5/6 9h35m D810A SIGMA 150-600mm f/5-6.3 DG ISO200 f8 1/800sec


 今日は透明度が良いので白い月がキレイに見えるぞ~と思いながら撮影していると…
真っ白に輝いたジェット機がこれまた白いコントレールを曳いて近づいてきました。

2021/5/6 9h39m39s D810A SIGMA 150-600mm f/5-6.3 DG ISO200 f8 1/500sec


 今日の空はジェット機もクリアに見せてくれます。超感激です。

2021/5/6 9h39m41s D810A SIGMA 150-600mm f/5-6.3 DG ISO200 f8 1/500sec

 飛行機雲がすぐに消えていくことから、空気中の水蒸気が少ないことが分かります。

2021/5/6 9h39m45s D810A SIGMA 150-600mm f/5-6.3 DG ISO200 f8 1/500sec


 フライトレーダーで調べたところ札幌発ー東京行きのJAL502便でした。



今回使用したレンズは普段おもにブルーインパルスを撮影するときに使っているレンズです。


 …ということで、本日のおまけの写真 


 ファン・ブレーク(機体の間隔が90cm、時速700kmという超神業です)

 パイロットは1番機(隊長機)を見ながら操縦するので常に脇見運転です。わぉ!


 ダイヤモンド・ループ(宙返りを終えて水平飛行になる直前の写真です)

 翼端から伸びるペーパーがGの強さを感じさせますね!

 以上、本日の発掘写真でした~。