晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

7/18の木星(De-rotation処理, MAP作成)

2021年07月24日 | 木星
7月18日に作成した木星をWinJUPOSでDe-rotation処理してみました。

 こちらは24時14分から24時39分までの25分間に撮影した画像24枚をWinJUPOSで読み込ませた時の画面です。木星の自転で生じた位相のずれを中央時刻(15h26m)に合わせて自動で重ねてくれます。


 で、こちらが24枚重ねた画像です。WinJUPOSはシーイングが良いときに効果を発揮しますが、解像度が劇的に良くなるわけではないので期待しすぎは禁物です。

Diameter=47.27" Magnitude=-2.76
2021.7.18 15h26.5m  CMI=175.3° CMII=230.1° CMIII=44.1°


µ-210+powermate2×+Imaging Flip Mirror +ADC+ UV/IRcut + ZWO ASI290MC
60sec Shutter=31.51ms Gain=279 (46%) Autostakkert3 50% of 24images


 こちらは02時55分から03時37分に撮影した14枚を重ねた画像です。大赤斑付近は細かい模様まで浮かび上がりましたがリムがやや不鮮明になっています。

2021.7.18 18h20.0m  CMI=269.1° CMII=323.1° CMIII=137.9°


µ-210+powermate2×+Imaging Flip Mirror +ADC+ UV/IRcut + ZWO ASI290MC
60sec Shutter=33.38ms Gain=279 (46%) Autostakkert3 50% of 14images

 こちらは上記写真と同じ時に撮影した画像から良質な画像を6枚セレクトして重ねたものですが、枚数が少ないと当然ながら解像度は悪くなりますね。

2021.7.18 18h25.7m  CMI=284.7° CMII=338.6° CMIII=153.5°


µ-210+powermate2×+Imaging Flip Mirror +ADC+ UV/IRcut + ZWO ASI290MC
60sec Shutter=25.28ms Gain=336 (56%) Autostakkert3 50% of 6mages

今回初めての試みとしてWinJUPOSのMAP作成機能を使って展開図を作成してみました。位相の違う3枚の画像をセレクトして重ねてみたのですが、イマイチ使い方が分からなかったので試行錯誤の連続でした。完璧ではありませんがとりあえず備忘録として画像を貼り付けておくことにします。


 今回の撮影時間はトータルで3時間半だったので木星の3/4周分の画像を取得できました。



 こちらは南極と北極から見た展開図を拡大した画像です。


 今後天気の良い日に空白部分の撮影ができれば全周MAPを作成できるので、チャンスを伺うことにしましょう。

7月18日の木星

2021年07月22日 | 木星
7月18日に撮影した木星の記録で~す。
本日の木星データ Diameter=47.27" Magnitude=-2.76

 この日も東北地方は高気圧に覆われていますが、二手に分かれた高気圧の間に
仙台が入っているのでちょっと心配していたのですが…


7月18日24時00分の鉛直シアー(高度ごとの風速・風向)↓クリックでGIFアニメ

 なんと驚くことに地表から対流圏界面までの風速が毎秒6m/s以内に収まっています。こんなことって今まであったかな? 東北地方としてはかなりレアケースだと思います。

 で、こちらが撮影中のPC画面。ファイヤーキャプチャー上でこんなに模様が見えることは私の経験上では初めてです。

 
 空を見上げて1等星の星々を見ると、瞬きはかすかに見えるかな…という程度でほぼベストと言って良いシーイングです。待ちきれず、撮影と平行してスタック&レジスタックスをかけてみると…


 2021/7/18 24h23m16s(JST) CMI=173.5° CMII=228.4° CMIII=43.2°
 60sec Shutter=31.51ms Gain=279 (46%) Autostakkert3 50% of 1904

 ふむふむ、いい感じです。いつ海霧がやってくるか分からないので撮影を急ぎましょう。

 …と撮影を続けていたのですが、01時30分過ぎのことです。夜空を見上げると星々の瞬きが完全に止まっていました。わぉ、さらに気流が落ち着いたようです。これはオドロキです。下記写真は01時56分に大赤斑が見えてきたところを撮影した画像です。

 露出時間を120秒に伸ばした影響はもちろんありますが、上記写真と比べると気流が落ち着いたことで細かい模様が抽出されていることが分かります。


 2021/7/18 25h56m43s(JST) CMI=230.8° CMII=285.1° CMIII=100.0°
 120sec Shutter=30.26ms Gain=279 (46%) Autostakkert3 50% of 3965


 こちらは01時48分から03時07分まで撮影した画像をつないで作成した木星の自転の様子です。

 2021/7/18 25h48m~27h01m(JST)  
 90、120sec Shutter=30.26ms Gain=279 (46%) Autostakkert3 50% of 2974、3965


本日のベストフォト(02時48分撮影)

 2021/7/18 26h48m54s(JST) CMI=262.6° CMII=316.7° CMIII=131.5°
 120sec Shutter=30.26ms Gain=279 (46%) Autostakkert3 50% of 3966

 

26:49-27:01 GIFアニメ


 2021/7/18 26h49m~27h01m(JST)  
 120sec Shutter=30.26ms Gain=279 (46%) Autostakkert3 50% of 3965


 今日は霧の発生も無く穏やかな夜空が続いていましたが、03時を過ぎた頃から透明度が悪くなり気流も乱れてきました。薄明が02時38分から始まっていますので空もほんのり明るくなっています。残念ですがそろそろ撤収の時間のようです。


 本日のラストフォト(03時37分撮影)

 2021/7/18 27h36m54s(JST)CMI=291.7° CMII=345.5° CMIII=160.4°
 90sec Shutter=24.04ms Gain=317 (52%) Autostakkert3 50% of 3745


 今年は、梅雨明け10日には届かなかったが梅雨明け後に快晴の日が続いたので早い時期に好気流の木星を撮影することが出来ました。週間天気予報を見ると7月22日以降は曇りベースの日が続くようなので惑星撮影はしばらく様子見のようです。今シーズン中に今回のような好気流が来てくれることを願うばかりですがどうでしょうか? 最近の天気は常識が通用しないので気長に待つことにしましょう。

7月18日の土星

2021年07月21日 | 土星
7月18日に撮影した土星で~す。
本日の土星データ Diameter=18.45" Magnitude=0.25

今回はカッシーニの空隙がシャープに写るように撮影&画像処理したのですが、
どーも、うまくいきません。まー、今後の継続課題ですね。


2021/7/18 23h17m44s(JST) CMI=257.5° CMIII=288.2°
240sec Shutter=60.77ms Gain=350 (58%) Autostakkert3 50% of 3949



2021/7/18 23h46m49s(JST) CMI=273.1° CMIII=303.2°
180sec Shutter=62.64ms Gain=350 (58%) Autostakkert3 50% of 2874




2021/7/18 23h52m38s(JST) CMI=278.0° CMIII=307.9°
240sec Shutter=63.26ms Gain=350 (58%) Autostakkert3 50% of 3795


今日はとても気流が良くて気持ちはすでに木星にワープしているので土星の撮影は以上です!


7月16日の木星

2021年07月20日 | 木星
いや~夏ですね~。仙台の空にも夏空がやってきました。
 海風が入る仙台の夜空は湿気が多くて星がぼてっとした感じですが
1年中で一番気流が落ち着くので悪い気はしません。

 今日の夜空は女性の人気№1と言われている、あのいるか座の3等星の星々も
見えませんがベガもアルタイルもほとんど瞬いていないので文句はありません。

 早速、木星を撮影することにしましょう。

2021年ファースト・ジュピターです!
Diameter=47.06" Magnitude=-2.75

 2021/7/16 24h11m32s(JST) CMI=210.4° CMII=280.5° CMIII=94.8°
 60sec Shutter=30.26ms Gain=279 (46%) Autostakkert3 50% of 1983

ようこそジュピター! 拡大撮影は昨年の9月28日ぶりです。お久しぶり~!

 2021/7/16 24h22m27s(JST) CMI=217.1° CMII=287.2° CMIII=101.5°
 90sec Shutter=30.26ms Gain=279 (46%) Autostakkert3 50% of 2974

左に見える衛星はエウロパですね。木星のムコウガワから出てきたようです。


 2021/7/16 24h27m44s(JST) CMI=220.2° CMII=290.3° CMIII=104.6°
 60sec Shutter=34.62ms Gain=279 (46%) Autostakkert3 50% of 1733

大赤斑が見えてきました。もう少しで大赤斑が見えてる木星の撮影ができます。


 2021/7/16 24h31m46s(JST) CMI=222.2° CMII=292.2° CMIII=106.5°
 60sec Shutter=33.38ms Gain=279 (46%) Autostakkert3 50% of 1799

 むむ、気流は変わらず安定してますがファイヤーキャプチャーのヒストグラムが木星光度の低下を表しています。ふ~む、空を見た感じ雲は見えませんが海霧が流入してきたのかもしれません。

 パソコンもテーブルもしっとりと濡れています。気温が露点に近づいているようです。湿度は95%を超えたな…と思った直後、ふと見上げるとすでに夜空にある星は木星と土星のみでした。

 あちゃ~、空はあっという間に霧で覆われて5分後には全く星が見えなくなりました。ふぅ、仕方ありません。撤収です。まー、ここ2,3日は太平洋高気圧に覆われる予報なので次のチャンスを待つことにしましょう。

 …という感じで撮影会は終了した。17日は霧が早めに出てきたので撮影できなかったが18日は霧が発生しなかったので長い時間撮影ができました。その様子は次回のブログで~。(ブログなのに日記になってないなぁ~、目指せ当日更新!)



7月16日の土星

2021年07月20日 | 土星
東北地方の梅雨が明けた7月16日に撮影した土星です。

しか~も、記念すべき今シーズン初撮影で~す。撮影システムは、µ-210+powermate2×+ADC+Imaging Flip Mirror + UV/IRcut + ZWO ASI290MC です。


2021/7/16 23h47m36s(JST) 180sec Shutter=52.68ms Gain=350 (58%)
Diameter=18.43" Magnitude=0.26 CMI=26.0° CMIII=123.0°



2021/7/16 23h51m37s(JST) 120sec Shutter=54.55ms Gain=350 (58%)
Diameter=18.43" Magnitude=0.26 CMI=28.1° CMIII=125.0°



2021/7/16 23h57m49s(JST) 180sec Shutter=46.45ms Gain=362 (60%)
Diameter=18.43" Magnitude=0.26 CMI=32.0° CMIII=128.7°

 さて、時刻は0時を過ぎました。土星の南中は0時58分ですが土星の撮影はここまでとして、
このあとはこちらも今シーズン初となる木星の撮影を行いました。

 その様子は次回のブログで~。

ISS拡大撮影(7/16)

2021年07月19日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ISS拡大撮影(7/16)



7/16のISS拡大撮影の記録です。

 梅雨明けした7月16日はISSの拡大撮影、その後は好気流の中での土星と木星の撮影を夜遅くまでやっていたので画像処理に負われてブログが滞ってしまいました。ふぅ、

 7月16日はかなりの好条件パスでした。

直距離は436kmで北の空を通過して行きます。

 距離が近いのに光度が-3.6等級しかないのは逆光コースになるからだと思われます。

 さて今回の撮影ターゲットはもちろん6月20日に設置された新しい太陽電池パドル
iROSA(ISS Roll-out Solar Array)です。これは左舷側(きぼうがある側)にある一番
外側の太陽電池パドルに設置されています。

 iROSAを写すには太陽電池パドルの向き具合によりますので今回は完全に運任せです。
撮影システムはいつもの 30cm(F5)+Powermate2×+174MM+IR Pass Filter(685nm)です。

 気になる天候ですが今回は雲の心配はありません。


 風速予報は下記のとおり。
250hPa(10km)の風速予報


500hPa(5,500m)の風速予報


 さて、時間です。見えてきました。ファインダーに導入して追尾しましょう。

 …ん!? なにかが変です。まもなく最大仰角になりますが、いつものように明るくなりません、-3.6等級にはほど遠く、-3等級に届いていない感じです。これでは完全に露出アンダーです。薄雲がややありますがそれほどではありませんので…??? う~む、消化不良を起こしたまま撮影終了です。

 早速、動画を確認してみたのですが、この動画を見たときは狐につままれたようで何が起きているのか全く理解できませんでした。通常南西-北-北東コースでは前半でISSが右上へ上昇して天頂を過ぎると右下へ下降するように飛行していきますが、今回の動画は始めから左上へに向かって飛行しています。その後は真上を向いて…いやクルードラゴンは真下にいます。なんと真下を向いています。真下を向いたままくるりと回って左上へ進んでいる? なんじゃ、こりゃ~、え、まさかの鏡像? プリズム使ってないよ~。
2021年7月16日19時52分のISS


 もう一度動画を見て理解できました。今回のISSはいつもと逆向き、つまり、ロシアモジュール棟が前方できぼう側を後方にして飛行していたのです。でも、どして? スペースシャトルがドッキングしているときはスペースシャトルの耐熱タイルを保護するためにこの向きで飛行していましたが、7月16日の逆向き飛行の理由は見当がつきません。ナウカのドッキングまたはスターライナーのドッキングに関係があるのでしょうか、謎です。




 今回も解像度の高い画像が複数枚撮れたので現在コンポジット処理中です。その写真は処理終了後にアップする予定です。




東北地方(北部・南部) 梅雨明け!

2021年07月16日 | お天気
本日、仙台管区気象台が
「東北地方は7月16日ごろ梅雨明けしたと見られます。」と発表しました。

 仙台でも朝から青空が広がり気温もどんどん上昇し30℃を超える暑さとなりました。


東北南部は平年より8日、昨年より17日早い梅雨明けです。東北北部は平年より12日早くて、昨年は梅雨明けを特定しなかったため2年ぶりの梅雨明けとなりま~す。ついに夏がキター!



 それにしても今年の梅雨明け天気図は超オドロキです。なんと太平洋高気圧が福島県沖に鎮座しています。猛暑をもたらすいわゆる「クジラの尾」の頂点が北海道を向いている天気図は見たことがありません。確認していませんがたぶん北海道は記録的な暑さになっているのではないかと思います。

 さて「ニイニイゼミの梅雨明け発表予報」ですが、今年は11日後の予想に対して10日後の発表となりました~。ニアピン賞といったところですかね~。昨年に引き続き2年連続で初鳴きから10日後の梅雨明け発表となりました。

観測年  初鳴き  晴れスタ予報  発表日(初鳴から)  梅雨明け(確定値)
2007年  7月20日→  予報なし →  8月 1日(11日後)→ 8月 1日ごろ  
2008年  7月11日→  7月23日 → 7月19日( 8日後)→ 8月 6日ごろ
2009年  7月 6日→7月13日~16日→ 梅雨明け発表なし →   -
2010年  7月 7日→  7月18日 → 7月18日(11日後)→ 7月18日ごろ
2011年  7月 9日→  7月20日 → 7月11日( 2日後)→ 7月 9日ごろ
2012年  7月16日→  7月27日 → 7月26日(10日後)→ 7月26日ごろ
2013年  7月15日→  7月25日 → 8月 3日(19日後)→ 8月 7日ごろ
2014年  7月12日→  7月23日 → 7月28日(16日後)→ 7月25日ごろ
2015年  7月12日→  7月23日 → 7月26日(14日後)→ 7月26日ごろ  
2016年  7月10日→  7月21日 → 7月29日(19日後)→ 7月29日ごろ
2017年  7月 9日→  7月20日 → 8月 2日(24日後)→  特定せず
2018年  7月 2日→  7月14日 → 7月14日(12日後)→ 7月14日ごろ 
2019年  7月25日→  8月 1日 → 7月30日( 5日後)→ 7月25日ごろ
2020年  7月23日→  8月 4日 → 8月 2日(10日後)→ 8月2日ごろ 
2021年  7月 6日→  7月17日 → 7月16日(10日後)→   ?

 天気図を見て分かるように今年の夏は偏西風がかなり北上しているので太平洋高気圧の中心が東北地方沖まで来ています。ということは、これは夢のフィリピン級の好気流を期待していい…ということでしょうか? わぉ、かなりドキドキ、ワクワクです。

 まー、そううまくはいかないとは思いますが、今年まだ撮影していない土星と木星を早速撮影することにしましょう。本日の土星の南中は0時58分、木星は02時16分です。

ブルーオリジン有人初飛行:4人目の乗客を発表!

2021年07月16日 | 宇宙開発
ブルーオリジンがツイッターで4人目の乗客を発表した。

 それによるとオークションの勝者がスケジュールの都合で2回目以降の飛行で宇宙に行くことになったためシートが空いたことをオークションで最後まで競合した2番手の入札者(すでに2回目の飛行で宇宙に行くことが決まっていたが)に連絡し最初の有料顧客としてフライトできることを伝えて今回の搭乗が決まったようだ。

 4人目の乗客は昨年高校を卒業し今年の9月からオランダのユトレイヒ大学入学予定の Oliver Daemenさん。なんと18歳である。このフライトで史上最年少宇宙飛行士となる。

credit: AFP
 ちなみにこれまでの最年少宇宙飛行士は1961年8月7日にボストーク2号で宇宙飛行をしたゲルマン・ステパノヴィチ・チトフ宇宙飛行士(25歳)である。彼はガガーリンに続く史上2番目の宇宙飛行士となった。ガガーリンは飛行中、船内に固定されていたため動けなかったが、ゲルマンは自由に動くことが出来たため、初めて宇宙船を操縦し、船内で食事をし、地球と宇宙空間を直に撮影し、宇宙酔いを初めて経験した人間として記録されている。

 18歳の Oliver Daemenさんはその記録を60年ぶりに塗り替えることになる。今回の搭乗料金は公表されていないが代金は Oliver Daemenさんの父(ヘッジファンド、サマセット・キャピトル・パートナーズのCEO兼創設者)が支払って、息子にプレゼントしたようである。

credit: Instagram.Oliver Daemen

 アメリカ人初の宇宙飛行士アラン・シェパード(弾道軌道飛行)の名前を付けたブルーオリジンのロケット「ニュー・シェパード」はアポロ11号が月面着陸した日と同じ7月20日に打ち上げられる。搭乗者はアマゾン創業者のジェフ・ベゾスさんと弟さん、最年長宇宙飛行士となる Wally Funk さんと最年少宇宙飛行士となるOliver Daemenさんの4名。リフトオフは7月20日22時00分(JST)を予定している。LIVE中継もあるようだ。

いよいよ民間商業宇宙旅行者第1号がリフトオフする。近未来の出来事と思っていた民間宇宙旅行時代の幕開けがホントにやってくる。スゴイ時代になったものだ…。


関連ブログ
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スペースシップ・ツー 4度目の宇宙圏飛行テスト成功!

2021年07月12日 | 宇宙開発
スペースシップ・ツー(VSS Unity)が4度目となる宇宙圏へのテスト飛行を成功させた。

VSS Unityの宇宙圏への飛行記録
 期日  搭乗者数 到達高度
①2018.12.13  2名 82.7km
②2019.2.22 3名 89.9km
③2021.5.22 4名 89.2km
④2021.7.11 6名 86.0km(暫定値)

 昨日の飛行はLIVE配信されてたのでその映像からスペースシップ・ツーによる宇宙飛行は
どのようなフライトだったのかメモしておくことにしましょう。

母船に吊り下げられた状態で高度15kmまで上昇!ここまでは離陸から約45分間かかります。

離陸は飛行機と同じなので45分間は成層圏までのフライトをゆっくり楽しめますね。


母船からリリース! 今回のリリース高度は46,393ft(14,140m)

ここから宇宙飛行が始まります。

ロケットモーター点火15秒後  高度は47,265ft(14,406m) 時速はマッハ1.3!

リリース直後は高度が低下しますが点火10秒後から機体は宇宙へ向けて急上昇します。

ロケットモーター点火25秒後 高度57,714ft(17.5km)時速マッハ1.7!

音速を超える速さで成層圏を上昇します。速度の増加とともにGが強くなっていきます。

ロケットモーター点火55秒後 高度117,335ft(35.7km)時速マッハ3.0!

上昇中の最大重力加速度は3.5G(体重の3.5倍)最大速度はマッハ3.3です。

ロケットモーター点火75秒後 高度174,673ft(53.7km)時速マッハ2.6!

成層圏界面(高度50km)を超えて中間圏に突入しました。宇宙はすぐそこです!

ロケット点火86秒後 メインエンジン・カットオフ! ここから無重力状態が4分間続きます。

エンジンは停止しましが、機体は最大高度(アポジ-)まで上昇を続けます。

ロケット点火2分32秒後 最大高度282,339ft(86.0km)に到達! 80kmから上は熱圏です。

アポジーを過ぎると機体は尾翼を立ててシャトルコックのような姿勢で自由落下します。

ロケット点火3分27秒後( メインエンジン・カットオフ2分後)の船内の様子

みなさん無重力と宇宙から見る地球を楽しんでいます。無重力はあと2分間続きます。

尾翼を立てて(フェザリング)で大気圏突入(Re-ENTRY)するスペースシップ・ツー

ロケット点火4分24秒後 高度114,321ft(34.8km)時速マッハ2.4、無重力体験終了です。

ロケット点火5分05秒後 高度65,672ft(20.0km)時速マッハ0.5

わずか30秒でマッハ2.4からマッハ0.6まで急減速します。帰還時は約6Gの重力加速度が
約90秒間続きます。これはつらいかも…ファイト~!

ロケット点火10分44秒後 高度18,664ft(5.7km)

高度50,000m、まもなく着陸態勢です。みなさん宇宙飛行の余韻を楽しんでいるようです。


ロケット点火12分55秒後 高度9,591ft(2,923m)

スペースポート(宇宙港)に戻ってきました。最終着陸態勢に入ります。

ロケット点火14分18秒後 タッチダウン!

着陸はとてもスムーズです。15分間の宇宙飛行終了で~す。



とても美しい機体ですね。先日ロールアウトした3号機は全体が鏡面仕上げです。



この機体のベースとなったスペースシップ・ワンはバート・ルタン氏の設計でフェザリ
ング技術を考案したのもバート・ルタン氏です。


バート・ルタン氏が設計した他に類を見ない唯一無二の宇宙往還機… 間近で見て見たい!



リチャード・ブランソン氏でなくても降りたときはこのガッツポーズが出ますよね!

今後さらに2回のテスト飛行を重ねていよいよ来年から商業宇宙飛行を始める予定だそうです。
すでに20人の日本人が予約しているそうですが、日本人第1号は誰になるのか楽しみですね。

ISS多目的実験モジュール「ナウカ(NAUKA)」

2021年07月10日 | 宇宙開発
7月21日23時54分(JST)にロシアの多目的実験モジュール「ナウカ(NAUKA)」がリフトオフする。


計画では7月29日22時26分頃ISSにドッキングする予定になっている。


 ナウカはもともとISSのロシア基幹モジュール「ザーリャ」のバックアップモジュールとして組み立てられていたものだが1998年11月にザーリャが無事リフトオフしたことでその後は完成すること無く放置されていたものである。2004年に70%完成していたこのモジュールを多目的科学実験棟に変更する案が可決され2007年の打ち上げを予定していたが次々と欠陥が見つかって修理を重ねること15年、やっと今年ISSへ向けてリフトオフすることになったいわく付きの宇宙船である。(大丈夫か~?)


こちらがロシアモジュールの現在の状況、
ナウカがドッキングするのはピアースが接続している部分だが…


 接続ポートにあるピアースは不要となるので23日にプログレスがピアースを接続したままアンドックしてそのまま大気圏に突入して廃棄されます。

 ナウカがドッキングすることでISSは最終完成形となりますがここに来て気になる情報を入手しました。なんと、ロシアのユーリ・ボリソフ副首相が2021年4月18日付けで「ロシアは2025年にISSプロジェクトから撤退する」と正式に発表していたそうです。

 その理由としては「ロシアモジュールは老朽化が進んでおり、このままでは人命に関わる大きな事故に繋がる懸念がある」とのこと。ロスコスモス最高経営責任者(CEO)は「ISSはもって7〜10年間だろう。宇宙飛行士の命を危険にさらすことはできない。」とコメントしているようです。

 え!? あと4年でISSから手を引くの?じゃあなんでナウカをドッキングさせるの?という疑問を誰しもが思うところだが、ロスコスモスによると2024年に新しい宇宙ステーションの基幹モジュールを打ち上げる予定になっていて、ナウカは2025年にISSからアンドックして新しい宇宙ステーションへ移動させる計画のようです。

 なぬ~、ロシアモジュール部はどうなるの~ 無償貸与? 賃貸? for SALE! ですか~? まさかの廃棄・焼却処分!?… それはないですよね~?

 ロシアの次世代宇宙ステーションROSS(Russian Orbital Service Station)は高度400キロメートル、傾斜角98度の極軌道を飛行する。

ROSSの第1段階構想図 2025-2030(4つのモジュールで構成されている)


ROSSの第2段階構想図 2030-2035(完成形は7つのモジュールで構成)
最大 4 人が宿泊できる宇宙観光客用商用モジュールも検討されている。

第2段階構想図ではソユーズが次世代ソユーズに変わっている。

次世代ソユーズ「フェデシア」は2024年の運用開始を目指して現在開発中です。


フェデシアは最大6人乗りでパラシュートによる軟着陸ではなく逆噴射ロケットで着陸する。


2024年以降のISS運用がどのようになるのか興味深いところですが、ロシアの2024年ISS撤退は決定事項ではないという情報もちらほら聞こえます。まだ未知数のところが多々ありますが、ISSプロジェクトの転換期であることは間違いないようですね。

 さて、ナウカとISSのランデブー飛行をぜひ撮影したいところですが、残念ながらこの期間に好条件の通過はありません。拡大撮影は無理としても並行して飛行している様子が取れるチャンスはありますので、天気の具合を見ながらチャレンジしてみることにしましょう。