晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

冬の星座の散開星団でスターウォッチング!

2024年03月31日 | ☆星見隊
3月29日は午後まで雨降りでしたが夕方から急速に晴れたので冬の星座の散開星団でスターウオッチングをしてみました。

 本日の望遠鏡はSky-WatcherのEVOSTAR 80EDです。焦点距離が600mmのF7.5ですがこれで観望と惑星カメラでの撮影を行います。

〈本日のシステム〉
・眼視システムーEVOSTAR 80ED+アイピース(LET28mm、TPL25mm、TPL18mm)
・撮影システムーEVOSTAR 80ED+ASI290MC+UV/IR Cut、SharpCap - LIVE Stack

〈観望対象リスト表〉
・おおいぬ座α星 - アライメント、ピント合わせ
・おおいぬ座M41- ピント合わせ、テスト撮影、4.9等、視直径39'.80×39'.80
・オリオン座37星団(NGC2169)6.0等、視直径5'00×5'00
・おおいぬ座τ星団(NGC2362)4.1等、視直径6'20×6`20
・とも座M46 - 6.0等、視直径25'30×25'30、NGC2438 - 10.8等、視直径1'.1×1'.1
・とも座M47 - 4.4等、視直径31'10×31'10

 撮影は天文薄明が終了する19時27分から開始です。この時刻のおおいぬ座シリウスの高度は30°で、シリウスのすぐ南にあるM41の高度は25°しかありません。

 望遠鏡をシリウスに向けて見ると、ほほう、さすがシリウスです。とてもキレイに見えますが今日のシリウスはいつにも増してキラキラ瞬いています。気流はあまり良くないようです。では早速M41を導入してみましょう。

 望遠鏡がウイ~ンと少しだけ動いてM41の導入が終わりました。ふむ、M41は視直径が39分で満月より大きいので28mmアイピースの低倍率でちょうどよく見えます。

 ではここで惑星カメラにチェンジです。EVOSTAR 80EDの焦点距離は600mmですがASI290MCの組合せでは写野角が0.5°×0.3°しかありません。この写野角ではM41は画角に収りきれませんがとりあえず撮影して見ました。→photo

 ふむ、M41の全貌は分かりませんがとりあえずは写りましたね。

 本日キャプチャーソフトとして使っているのは SharpCap - LIVE Stack ですが、実際のところ使い方がよく分かってないので本日は習熟も兼ねて撮影の全てがテキトーです。(^^ゞ

 では、テスト撮影はここまでにして早速、本撮影を行うことにしましょう。最初は37星団です。オリオン座はすでに西に傾いていますが、37星団は高く上げたオリオンの右手にあるので高度は49°もあります。まだ余裕で撮影できます。

 37星団(NGC2169)は視直径が5分しかないので低倍率の眼視ではどう見れば37に見えるのかぜんぜん分かりませんでしたが、惑星カメラで撮るとしっかり「37」に見えました。納得の37星団です。

オリオン座 37星団(NGC2169)


 では、次は前回 μ210で撮影して画角に収りきれなかったおおいぬ座τ星団(NGC2362)です。こちらの視直径は6分で37星団とほぼ同じ大きさなので眼視ではちっちゃ!って感じでしたが、惑星カメラでは τ星を中心に微星が取り囲んでいる様子がキレイに写りました。

おおいぬ座τ星団(NGC2362)


 さて次は本日のメインイベント、とも座のM46です。この散開星団は視直径が25分とやや大きめですが、散開星団の中にハーシェルが発見した惑星状星雲NGC2438があるのでとてもフォトジェニックな対象です。

 普通に撮影すれば光害のある市街地ではムリ~な対象ですがLIVE Stack すれば写るはずです。で、こちらは140秒ほどLIVE Stackさせたものですが11等級のNGC2438が淡~くですが写っています。なるほどこれがLIVE Stackですね。ナイス!です。

とも座M46とNGC2438(photo


 さて、こちらはM46のすぐ西にあるM47です。M46とM47の並びは南天の二重星団といった感じですが、M47は微星が集まったM46とは対照的で明るい星がまばらに数個あるのが特徴です。M47の撮影はなぜか露出が30秒だったので露出を十分かけてればもっと星が写ったと思われます。

とも座M47


 M47撮影後に機材を望遠鏡から望遠レンズにチェンジしてより広い視野を惑星カメラで撮影しようとしたのですが対象天体がお隣のアンテナに掛かってきたこととオールドレンズと惑星カメラの相性が良くなかったので撮影会はやむなくお開きとなりました。

 続きは次回と言いたいところですが、さすがに冬の星座ウオッチングは時期的に厳しくなったので、次回は春の星座の二重星と散開星団をウオッチングをすることにしましょう。

いっかくじゅう座 β星(ハーシェルの三重星)

2024年03月26日 | 二重星
1781年にウイリアム・ハーシェルが発見した三重星をウオッチングしました~。

 β Mon A と β Mon Bの離角が7秒で β Mon Bとβ Mon Cの離角は3秒ですが等級差が小さいのでしっかり分離して見えました。さすがハーシェルが「天空で最も美しい眺めの一つ」と書き残した星だけあって眼視で見る三重星は青白く輝いてとてもキレイでした。まさに「天空の宝石」ですね。





ISS 太陽面通過 撮影記録(3/24)

2024年03月25日 | ISS(国際宇宙ステーション)
日曜日の午後、いつものように山下達郎のサンソンを聞いてまったりしていると…

 ピロリ~ん!とスマホにグーグル・カレンダーの通知が来たので見てみると、ふむ、数週間前に撮影予定に入れていたISSの太陽面通過ですね~。

 めずらしく自宅庭で見られる通過だったので一応入れておいたものですが、ま、いつものように軌道がずれて結局見られないのがオチだよな~と思いながらHEAVENS ABOVEを見ると…

 わお!ビンゴです!まだ自宅庭でISS太陽面通過が見られます。しか~し、通知が30分前設定になっていたので通過まであと25分です。これじゃ~撮影はムリなので観望だけでも、と太陽観察用双眼鏡で覗いてみると、わぉ! 黒点がたくさんあります。

 う~む、これはぜひ撮影したいところですが、さすがにこれから大型望遠鏡を準備してもぜったい間に合いません。ミニマムシステムのボーグ60なら短時間でセットできるので…ひょっとしたら間に合う可能性はなきにしもあらずですが…

 と悩んでいる時間がもったいないので残り20分で準備開始です! 庭の赤道儀にサン・フィルターを付けたボーグ60をセットして惑星カメラはASI174MM、ノートPCを立ち上げて惑星カメラを接続… ピントは画面上でさっくり合わせてピン合わせ終了です。準備開始からイヤホンの中で感情の無い冷たい声が時報を知らせ続けていますが…

 ふむ、通過まであと30秒、ふ~、間に合いました。 で、ポチッとカメラをスタートさせてモニターを凝視していると…おー、通過しました。直距離が約800kmとかなり遠いので機影は小さく、スピードはゆっくりめですが確かに通過していきました。



予報通過図


 で、こちらが撮影した動画です。開始10秒後に小さな虫?と思える物体が左下から上に移動していきます。遠すぎて言われなければISSと分からないですね。



今回の通過図とイベントデータです。



 それにしてもこんなにたくさんの黒点が出ていたとは知りませんでした。3月23日01:30UT頃に黒点AR3614と3615がタンデムでフレアを起こしたのですが、その時にX1クラスの大規模フレアを起こしたのは広範囲に広がっているAR3615ではなく右側にあるAR3614だったようです。


 踏みつけられて粉々になったようなAR3615(左側)ではX1クラスのフレアは今のところ発生していませんがAR3615には潜在的な危険があるそうです。

 ほとんどの黒点は2つの支配的な磁極(+と-)のみを持つ双極性ですが、AR3615は多くの極が一緒に押しつぶされているように存在しており、1つの黒点群内で複数のプラス(+)とマイナス(-)が近接すると、磁気リコネクション(膨大な量の荷電粒子エネルギーが爆発的に放出される現象でメカニズムはまだ分かっていない)が発生する可能性があるとSpaceweather.comで報じています。

 3月23日01:30UTに放出されたCMEは3月24日14:37UTに地球の磁場に到達したようですが、その際に地球の磁気圏に亀裂が入り2017年9月以来の強烈なG4クラスの地磁気嵐が発生したため、満月に近い月明かりでも色がはっきり見えるオーロラが各地で目撃されたようです。

 今回初めて知ったことですが、オーロラが一年間で最も美しく見える時期が3月だということは研究者の間では広く知られていることのようです。これは75年間の研究で春分の前後の数週間に地球の磁気圏に亀裂が形成される(ラッセル・マクフェロン効果という)ことが分かっており、その隙間から太陽風が流れ込むため3月は明るいオーロラが多いというメカニズムのようです。

 地磁気活動には半年の周期があるので10月にも磁気圏に亀裂が入るようですが頻度としては僅差で3月が第1位となるようです。「オーロラは春分の日がお気に入り」だったとはオドロキですね。宇宙にはまだまだ知らないことがたくさんありますね。



おおいぬ座でスターウオッチング!

2024年03月23日 | 二重星
先日ichさんにおおいぬ座の145番星と線香花火星団がキレイだと教えていただいたのでおおいぬ座でスターウオッチングをしてみました~。

 最初のターゲットは今が観望好機となっているシリウスの伴星「シリウスB」です。離角は11.3秒ほどありますがシリウスA(-1.46等)とシリウスB(8.44等)は光度差があるのでシーイングが良くないと見ることのできない対象です。

 撮影した日はシーイングが良くなかったので眼視では見えませんでしたが、撮影した画像にはシリウスBが写っていました。ラッキー!

シリウスB、位置角67°、離角11.3秒、星図(Chart)photo



 次は「冬のアルビレオ」と呼ばれているおおいぬ座の145番星です。離角(アルビレオは34.7秒)も色の対比もはくちょう座のアルビレオによく似ていて、まさに冬のアルビレオでした。こんなキレイな二重星がおおいぬ座にあったとは知りませんでした。

おおいぬ座145番星「冬のアルビレオ」(h3945)、離角26.5秒、星図(Chart)photo


 さて、次のターゲットはν1(ニュー・ワン)です。離角は17.4秒で光度が5.8等と7.7等と見やすくとてもかわいい二重星です。色の対比もとてもキレイでした。

おおいぬ座ν1、離角17.4秒、星図(Chart)photo


 さあ、次はμ(ミュー)星です。この星は色が黄色と青色で「アルビレオのような美しさがある」と言われている二重星です。離角が2.9秒なのでかなり難易度は高いのですが、光度が5.2等と8.5等なので眼視では分離して見えました。

おおいぬ座μ、離角2.9秒、星図(Chart)photo


 最後は線香花火状星団と呼ばれているおおいぬ座τ(タウ)星団です。星団の中で明るく輝いているτ星は離角8.3秒の二重星なので惑星カメラで撮影した画像では分離して写っていました。

 撮影に使用した望遠鏡はμ210(直焦点)だったのですが惑星カメラでは画角が狭くて星団の全体像を写すことはできませんでした。散開星団は焦点距離の短い反射望遠鏡がいいですね。

おおいぬ座τ(タウ)星団、星図(Chart)photo

 最近天気が良くないこととおおいぬ座が20時を過ぎると高度が低くなるので撮影会は3月16日と3月22日の2日にわたって行いました。3月も下旬なのでもう少しシーイングが良くなると思ったのですが、撮影時の気温は氷点下になっていて真冬の撮影となんら変わりはありませんでした。トホホ…

天文年鑑を見たら3月22日は「しし座R星(4.4-11.3等、周期312日)が極大」と書いてあったので最後にしし座R星を観望して、惑星カメラで撮影を試みました。

月齢12のお月さまがすぐそばにいましたが、それに負けない明るさで真っ赤に輝いていました。


ISS拡大撮影 シン・システム構築 3rdテスト編(3/16)

2024年03月17日 | ISS(国際宇宙ステーション)
3月16日に撮影したISSの記録です。

 今回の撮影システムは2月3日の2ndトライアルと同じですがゲインは露光オーバー対策として240まで下げています。今日の通過は北天逆光コースなので露出アンダー気味になる可能性はありますがそれも含めてのテスト撮影です。

〈シン・システム ISS 3rdトライアル 〉
・撮影日時:2024年3月16日18時27分
・撮影機材:ドブ30cm+アイピースPL25mm+拡大撮影アダプター+ASI290MC(UV/IRcut)
・合成焦点距離:f 4,860mm(F16.2、倍率3.24倍)
・露出:Shutter=0.885ms、Gain=240 (40%)
・イベントデータ:最大仰角66°、距離459km、光度 -3.4等
・画像処理(AS!3でスタック→レジスタックス6→ステライメージで画像処理)

 さて、気になるシーイングですが3月になったといっても基本的には冬の気流なので前回の2月3日とほぼ同じの良くも悪くもないフツーの気流でした。

 なので今回はこれまで行っていた良質画像を選んでからのコンポジットではなく、AS!3のLimit framesにスタックするファイルナンバーを入力して、その後は惑星処理のようにをスタックのパーセントを指示する方法でやってみました。

 で、結果ですが、なかなかいい感じでした。ISSは短い時間で姿勢が変わるので何百枚もスタックさせることはできませんが手動でコンポジットさせるより解像度の高いスタック画像ができたと思います。

 ま、最終的にはスタック画像をどのように画像処理するかで画質は決まるのですが、画像処理に耐えられるベース画像を作るという意味ではこれが一番タイパがいいかなと思いました。 

直距離457km 仰角62° 

2024/3/16 18h26m55s Shutter=0.885ms、Gain=240 (40%) 70% of 32frames


直距離451km 仰角64° 

2024/3/16 18h27m02s Shutter=0.885ms、Gain=240 (40%) 30% of 83frames


直距離451km 仰角65° 

2024/3/16 18h27m11s Shutter=0.885ms、Gain=240 (40%) 20% of 9frames


直距離459km 仰角64° 


2024/3/16 18h27m19s Shutter=0.885ms、Gain=240 (40%) 100% of 2frames


 こちらが今回のスクショ画像、予想どおり露出アンダーでしたが今回の最大仰角は66°と低かったので天頂通過コースではこの露出で適正になると思われます。



3月16日の通過図

イベントデータ




ふたご座の双子星(Castor A)

2024年03月13日 | 二重星
ふたご座の双子星と言えばカストルとポルックスですが、兄のカストルは実は2.0等と2.9等の星が並んでいるホントの双子星(実視連星)です。… というコトは知っていましたがこれまで見たことがなかったのでスターウオッチングしてみました。

 カストルの主星(Castor A)は見かけ等級1.93、A型主系列星の高温(10,286K)星で、伴星(Castor B)は見かけ等級2.97、こちらも主星と同じA型主系列星の高温(8,842K)星です。望遠鏡で見るとどちらも青白色に見えます…とガイドブックには書いてあります。

 気になる角距離ですが、カストルAとカストルBの離角は1970年~1980年頃が2秒弱で一番小さくて、現在は5~6秒になっているので以前よりは見やすくなっているようです。

 カストルAとカストルBは460年の公転周期で共通重心を中心に回転していますが今は離角が離れていく時期で2040年頃の離角が一番大きくなるようです。

 で、さっそく望遠鏡(μ210)をカストルに向けてみました。最初は25mmアイピースの倍率96倍です。ほほう、光度差が少ないのでどちらもクッキリ見えます。今日のシーイングでは96倍ではくっついているお団子のように見えてますが色が青白でとってもキレイです。

 では、次は18mmのアイピースで倍率は134倍です。おおー、これはしっかり分離して見えてます。いや~とてもキレイです。カストルがこんなに美しい双子星だったとは知りませんでした。

こちらが惑星カメラで撮影したふたご座の双子星「Castor A」 と「Castor B」です。

 眼視では色の違いが分かりませんでしたが、撮影してみると伴星の方がやや青紫色で、Castor Bの温度の低さが分かりますね。

 カストルは92秒離れたところにもう一つの伴星カストルCがあって、カストルA.B.Cがそれぞれ分光連星になっているので6重連星だという話は有名ですが、望遠鏡で見る二重星としてのカストルは冬に見ておきたい天上の逸品のひとつですね。

二日月(月齢1.0) 観望記録 3/11

2024年03月12日 | 
天気はあまり良くなかったのですが月齢1.0の観望に行ってきました~。

 日没時の西空がこんな感じ(→photo)だったので絶対ムリ~と思ってたのですがラッキーなことに10分間だけ見ることができました。

月齢1.0(新月から24時間0分後の月)輝面比0.01、撮影時高度7°
2024/3/11 18h00m06s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f400mm ISO640 F6 1/20sec(トリミング)

 3月11日の二日月は〈2024年新月の翌日に見える細い月ランキング〉の4位で、〈2024年撮影条件良い順ランキング〉は2位なので条件良く細い月が見られる日でしたが、高度6°以下に層状の雲があって-1.3等の水星もまったく見えなかったのでかなり厳しい条件だったといえます。

 日没時刻は17時41分…月齢1.0が確実に見えるのは経験則で日没30分後です。はやる気持ちを抑えられず日没10分後から双眼鏡で探すもまったく見えず…。

 月の位置はプラネタリウム・アプリで確かめているので目をこらして双眼鏡の視野をくまなく探してもどこにも見当たりません。やはりだめか~と思った次の瞬間… わぉ、見えました! なんかいつもの月齢1.0とはちがって、やけに弧が短く見えます。見たことのない不思議な感じの月です。

 この細さでは当然肉眼では見えませんがカメラの望遠レンズでも月がどこにあるのかまったく分からなかったのでとりあえず400mm望遠で当てずっぽうに撮ったらラッキーなことに写っていました。

本日のファーストショット(新月から23時間58分後の月)

2024/3/11 17h58m05s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f400mm ISO640 F6.1 1/60sec


 発見したのは雲の層に沈む直前です。双眼鏡では左上の拡大写真のように見えました。

2024/3/11 18h00m40s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO640 F5 1/30sec

 高度が7°を切りました。この時もカメラのファインダーでは月は見えていません。

2024/3/11 18h02m17s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f175mm ISO640 F5 1/25sec


本日のベストフォト! 月齢1.0(新月から24時間4分後の月)撮影時高度6.4°(photo

2024/3/11 18h04m34s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f360mm ISO640 F5.6 1/8sec(トリミング)


本日のラストフォト。この直後に双眼鏡の視野から消えて、カメラにも写らなくなりました。

2024/3/11 18h07m44s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f370mm ISO4000 F6 1/25sec(トリミング)

 見えていた時間はわずかに10分ほどでしたが、集中していたせいかもっと長い時間見ていたような感じがしました。薄雲越しですが今日見た月はこれまで見た中ではいちばん細くて一番キレイな月でした。


こうのとり9号機 暴露パレット まもなく大気圏再突入!

2024年03月09日 | 宇宙開発
こうのとり9号機 暴露パレット (EP BATTERY)がまもなく大気圏に再突入するようです。

 こうのとり9号機(HTV-9)の暴露パレットは本来HTV-9に載せて大気圏に突入させるものですが、2018年10月11日のソユーズMS-10打ち上げ失敗でクルーがISSに到着しなかったため、その影響を受けてHTV-7号機が暴露パレットを積まないまま(photo)大気圏に突入。そこからズレが生じてこうのとり8号機がHTV-7暴露パレットを搭載して大気圏に再突入することになり…

〈HTV-7暴露パレットを搭載したこうのとり8号機を放出する様子〉

 こうのとりの最終号機である9号機がHTV-8の暴露パレットを搭載して大気圏へ突入したためHTV-9暴露パレットはISSに取り残されてしまいました。

 こうして母船である「こうのとり」に戻ることのできなかったHTV-9暴露パレットは2021年3月12日に単独でリリースされましたが、制御用のスラスターを搭載してないので大気圏突入は自然まかせとなり、カテゴリー上はISSデブリとなりました。そのHTV-9暴露パレットが本日大気圏へ再突入します。

〈ISSからリリースされるHTV-9暴露パレット〉


〈リリース7日後に地上から撮影したHTV-9暴露パレット〉


〈HTV-9暴露パレットの大きさ比較写真〉*大きさを比較するため同サイズで切り出した画像を合成した写真です。


 
最新情報によるとHTV-9暴露パレットは遅くとも3月9日17:30(JST)までには落下するようです。

 
好条件通過があれば見たいところですが、直近の日本上空通過は14時39分頃のみのようです。



 HTV-9暴露パレット(EP BATTERY)は大きさはそれほどではないのですが、重量があるので数個の破片が地上に到達するのでは…という予測があります。海上で大気圏突入が行われることを願うばかりですね。