詩聖 杜甫の五言絶句 を紹介します。
絶句
江碧鳥愈白
山青花欲然
今春看又過
何日是帰年
「読み方」
江碧(みどり)ニシテ鳥愈(いよいよ)白ク
山青クシテ花然(も)エント欲ツス
今春看(みすみす)又過グ
何(いず)レノ日カ 是レ帰年ナラン
錦江の水は深い碧色に澄み、そこに遊ぶ水鳥はますます白く見える。
山の木は緑に映え、花は燃えださんばかりに真っ赤である。
今年の春もみるみるうちに去ってしまおうとしている。
いったい、いつになったら故郷に帰れる時がやってくるのであろうか。
「鑑賞」
杜甫、成都での作です。成都の自然の美しさに打たれつつ、故郷に思いをはせ 帰郷を願いました。
なお、島崎藤村は名歌「椰子の実」の中で「いずれの日にか国に帰らん」と歌っています。
漢詩界の重鎮、石川忠久先生は、昨年7月12日に90歳でご逝去されました。
謹んで哀悼の意を表します。
石川忠久「ビジュアル漢詩 心の旅」世界文化社
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