yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

柴五郎陸軍大将

2007-06-16 19:29:43 | 歴史

 「ある明治人の記録」會津人柴五郎の遺書 石光真人編著 中公新書 を読みました。

これは柴五郎の遺稿であり、思わず襟を正さざるを得ない内容でした。<o:p></o:p>

柴五郎は會津藩上級藩士の五男として1859年に會津若松に生まれました。會津戦争の際、祖母、母、姉妹が自刃、同時に一族に多くの犠牲者を出しています。落城後、俘虜として江戸に収容され、後に下北半島の火山灰の不毛の斗南に移封され、公表を憚るほどの悲惨な飢餓生活を続けました。薩長藩閥政府が華やかに維新を飾りたてた歴史から全く抹殺された暗黒の一節を著しています。脱走、下僕、流浪の生活を経て軍界に入り、藩閥の外にありながら、陸軍大将、軍事参議官の栄誉を得た逸材であり、中国問題の権威として軍界に重きをなした人です。<o:p></o:p>

東京を流浪中には一時、山川浩(元會津藩家老)の家に寄偶しました。浩の母堂と四女常磐の世話になり、米国留学中の咲子の古着の袖を短くして借り着をして寒さをしのいだというエピソードが感謝をこめて記してあります。この事からも山川家の温かい家風が偲ばれます。<o:p></o:p>

また義和団事件では、柴隊は北京に籠城し、その規律ある進退で世界各国の賞賛を得ました。後にこうした数々の功を誇ることは微塵も無く、「軍の一員として働いたまで」の一言あるのみでした。陸軍部内で尊敬を集めたのは生来の実直さと私心のない正確な判断力を維持し続けた「誠実の人」であったからです。<o:p></o:p>

柴五郎は昭和201213日、祖国の最も惨めな姿を見るのを拒むかのように87才の生涯を閉じました。写真は軍装の柴五郎大将です。

       

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1 コメント

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Unknown (芳賀勝義)
2008-09-12 13:47:36
櫻井よしこ氏の講演を聞き歴史のことを勉強しなさいとの由、芝五郎の歴史を書いた本読んで勉強し、涙なしては語れない素晴らしい本ですと。題名、出版社等を知りたいです。

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