yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

艱難汝を玉にす

2014-07-21 06:01:46 | 文化
人は困難や苦労を乗り越えることによって初めて立派な人間に成長する。「若い時の苦労は買ってでもせよ」ということわざと同じ意味です。
元・横綱審議委員会委員である内舘牧子氏は次のように言っています。

相撲界には、「チャンコの味がしみた力士」という言葉がある。これは相撲界の隠語のようなものだが、良くできた言葉だ。
力士たちは入門以来、部屋住みの間はずっとチャンコを食べて生活する。チャンコという言葉は、力士生活とイコールだ。チャンコ生活の間には、心も体も鍛えられ、理不尽な目にも遭い、後輩に追い抜かれて悩んだりもするだろう。怪我に苦しみ、また立ち上がりということもあろう。「チャンコの味がしみる」とは、そういう歳月の中で、心技体が磨かれ、人間としても力士としても大きく、豊かになっていく過程をさす。(中略)チャンコの味がしみる前に偉くなった場合、人として力士として、何かが欠けている場合が時にある。他人の痛みも理解できず、薄っぺらな「俺様」になる場合がある。(中略)最近では、引退した大関魁皇は、チャンコの味がよくしみて、それはいい力士だった。横綱にはなれなかったが、コメントや佇まいからも、大切な子供を託せる師匠だと、親たちはわかるだろう。
チャンコの味がしみた人というのは、つまりは熟成した人なのである。これは強い。ちょっとのことでは倒れない。

芸能界でも下積みの時代を苦労してきた人は、寿命が長いことが多いのではないでしょうか。
将棋界では、以前、師匠の家に住みこんで修行をする内弟子制度がありましたが、中原誠・
米長邦雄元名人などの世代を最後に、この制度は無くなっています。現役の高崎一生六段が一時期、米長元名人の所で内弟子をしたのが最後と言われています。

      内舘牧子 「将棋世界 7月号」 日本将棋連盟

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