松口月城(1887~1981)は、医師、作詩家。名は栄太、月城は号。福岡県有田に生まれ熊本
医専を卒業、医師のかたわら詩作にふけり、多くの漢詩を残しました。
黒田藩の母里太兵衛(もりたへい)が福島正則所有の名槍日本号を賭けて大杯を飲み干した故事と、当時の武士の心情を賦した七言絶句を紹介します。
名槍日本号
美酒元来吾所好
斗杯傾盡人驚倒
古謡一曲芸城中
呑取名槍日本号
名槍日本号
美酒元来吾ガ好ム所
斗杯傾ケ盡クシテ人驚倒
古謡一曲芸城ノ中
呑ミ取ル名槍日本号
「訳」
美酒はもともと自分の好むところである。すすめられるままに、大杯になみなみと注いだ酒
を呑み尽すと、座に居る者どもは皆倒れんばかりに驚いた。黒田節の歌われているこの城の陣屋で、見事斗杯を呑み尽して、約束の名槍日本号をわが物にしてみせようぞ。
「黒田節」は、元来筑前黒田藩の武士が歌った祝い歌です。名称の「黒田節」は黒田武士のあて字。
黒田武士(黒田節)
酒は飲め飲め 飲むならば
日の本一のこの槍を
飲みとるほどに 飲むならば
これぞまことの黒田武士
峰のあらしか 松風か
たづぬる人の 琴の音か
駒引きとめて 立ち寄れば
爪音たかき想夫恋
さて、来年のNHKの大河ドラマは、筑前藩の藩祖、黒田官兵衛の話です。
吟剣詩舞振興会 「吟剣詩舞道漢詩集 続・絶句編」
医専を卒業、医師のかたわら詩作にふけり、多くの漢詩を残しました。
黒田藩の母里太兵衛(もりたへい)が福島正則所有の名槍日本号を賭けて大杯を飲み干した故事と、当時の武士の心情を賦した七言絶句を紹介します。
名槍日本号
美酒元来吾所好
斗杯傾盡人驚倒
古謡一曲芸城中
呑取名槍日本号
名槍日本号
美酒元来吾ガ好ム所
斗杯傾ケ盡クシテ人驚倒
古謡一曲芸城ノ中
呑ミ取ル名槍日本号
「訳」
美酒はもともと自分の好むところである。すすめられるままに、大杯になみなみと注いだ酒
を呑み尽すと、座に居る者どもは皆倒れんばかりに驚いた。黒田節の歌われているこの城の陣屋で、見事斗杯を呑み尽して、約束の名槍日本号をわが物にしてみせようぞ。
「黒田節」は、元来筑前黒田藩の武士が歌った祝い歌です。名称の「黒田節」は黒田武士のあて字。
黒田武士(黒田節)
酒は飲め飲め 飲むならば
日の本一のこの槍を
飲みとるほどに 飲むならば
これぞまことの黒田武士
峰のあらしか 松風か
たづぬる人の 琴の音か
駒引きとめて 立ち寄れば
爪音たかき想夫恋
さて、来年のNHKの大河ドラマは、筑前藩の藩祖、黒田官兵衛の話です。
吟剣詩舞振興会 「吟剣詩舞道漢詩集 続・絶句編」