yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

夜坐  藤田東湖

2013-12-06 06:48:49 | 文学
藤田東湖(1806~1855)水戸藩の儒臣、幕末の尊皇攘夷論者、行動は激烈でした。安政の地震の際に小石川の藩邸で遭難しました。ここでは、七言絶句を紹介します。

夜坐

金風颯々醸群陰
玉露溥溥滴万林
独坐三更天地静
一輪明月照丹心

  夜坐

金風颯々群陰ヲ醸シ
玉露溥溥(たんたん)万林ニ滴ル
独坐三更天地静カナリ
一輪ノ明月丹心ヲ照ラス

「訳」

秋風があたりをざわめかして通り過ぎると、そのたびに昼のように明るい地上に黒い葉影が重なりゆれ、いっぱいに置いている玉をもあざむく白露がぽたぽたと、あたり一面の木立からしたたり落ちる。夜はいよいよ更け、いよいよ静かである。ただ月のみが、この幽居に独り坐している私を訪い、一点の曇りもないこの真心を照らし慰めてくれることである。

吟剣詩舞振興会 「吟剣詩舞道漢詩集 絶句編」
コメント
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