山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

新しいくるま旅向けの築港を期待する(1)

2007-09-30 09:14:29 | くるま旅くらしの話

珍しく雨降りの時間が長くなって、今朝も泣き出しそうな空模様である。秋霖雨という奴なのかも知れない。つい先日までの暑さがウソのようだ。北海道はもう直ぐそばまで冬が迫っていて、朝夕寒さに脅されていると、未だ旅から戻らない知人のブログを見て、チョッピリ羨ましくなったりしている。

昨日のブログが300人を超す方の目に留まったのを知り、驚いている。連日堅い話ばかりを書いているので、それほど読んで頂けるとは思っていなかった。やはりくるま旅への関心をお持ちの方は多いのではないかと、改めて思った次第である。そして、今日は休んではいけないのかも知れないと思い、再度先日シンポジウムでも提案したモーターホームポート(=MHP)のことについて述べて見たい。

最初に同じことの繰り返しとなるが、MHPの概要を説明したい。くるま旅の宿(=停泊地)の要件として、次のようなものが必要と考える。

①駐車スペース(幅4m×長さ7mくらいが標準か オーニング使用可)

②給排水設備(共同使用・簡易炊事場があればベター)

③トイレ施設(共同使用)

④電源設備(コイン式有料)

⑤ゴミ処理施設(有料) 

この他にも入浴施設、簡易売店、のようなものが備わっておれば更にありがたいことだと思う。

発想を変えれば、斬新なくるま旅用の施設は幾らでも造ることが出来ると思うが、最大のポイントは、このMHPのユーザーが1夜に幾らまでの支払い可能判断力を示すかということであろう。過剰設備を設けてユーザーを誘うのは逆効果となるに違いない。予想されるユーザーの大半は、年金暮らしの質素な旅くらしをしたいと考えている人が殆どだからである。1週間を超えるようなくるま旅は、現役の世代では無理と考えるのが普通だと思う。そして本当にリッチな高齢者は、車などに頼った旅など決してしないのではないか。となれば、支払い判断力の基準は恐らく現状では千円を超えないのではないかと私は思っている。

実際、北海道には1泊千五百円~2千円で泊れるオートサイトを持つキャンプ場が幾つもあるけど、くるま旅の9割以上の人は1200円程度で済むフリーサイトを利用している。立派な格安の施設があるのに、混み合うフリーサイトにざわめく人たちを見れば、何だ、この連中は!と思う人は多いのかもしれない。しかしそこにうごめく人の大半は、オートサイトに行きたくないのではなく、先々のことを考えて二の足を踏んでいるのである。フリーサイトとオートサイトの差は、オートサイトに電源と個別の水道がありトイレや炊事場も別棟になっているというだけで、その他はフリーサイトとあまり変わらない。だとすれば、電源の不安は抱えていても日中に走って充電しておけば、1200円で我慢した方が助かるし、仲間意識も大勢の中にいた方が確実なものとなると考えるのは、庶民の普通の感覚ではないだろうか。

日本人は、特に団塊の世代などといわれて、戦争の二次的影響を受けながら経済競争を生き抜いてきた人たちには、くらしの豊かさを味わう余裕など殆ど無かったに違いない。そしてそのくらしの習いは、くるま旅の中でも変わっていないように思う。旅車は思い切って手に入れたけど、リッチな暮らしまで同時に手に入れたわけでもなく、せめて心の世界の中ではリッチな旅をしたいと願っているに違いないと私は思っている。

その様な現実・実態を見ながら、自分自身もその中に身を置いて思うようになったのが、MHPのことなのだ。特に北海道や東北の旅で気づくのは、都市部と農漁村部の圧倒的な差だ。都市部の外観は大都市のそれと殆ど変わっていない。しかし農漁村のそれは一塊(ひとかたまり)の居住エリア(例えば町役場等があるエリア)を除けば人影を探すのは難しい。自由経済競争原理がこのような都市への集中化現象をもたらしていることは明らかだが、それを徒に批判しても始まらない。地方が活性化を渇望し、交流なるものを熱望していることは、例えば北海道を旅しているとどのような町村を訪れても必ず「交流」とか「ふれあい」と名の付く立派な建物や公園施設などが存在することでわかるのである。

その様な状況の中で、所々に立派なオートキャンプサイトを備えたキャンプ場が点在している。ある町に、出来立てのピカピカのオートキャンプ場があったので寄ってみたのだが、料金案内を見ると14000円とある。東京近郊ならば超安値のオートキャンプ場となるのであろうが、その立派な施設に泊っているキャンピングカーやワンボックス車は1台も無い。その日は平日だったから休日になれば何台かの愛好者がやって来るのだろうとは思ったが、果たして大丈夫なのだろうか。もしかしたら、年間の利用者は500台にも満たないのではないか。多分、その理由は設備に問題があるのではなく、利用料に問題があるに違いない。オートキャンプ場が利用者で埋まるのは、限られたエリアの限られた期間(例えばお盆など)に過ぎない。殆どはガラガラなのだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 年金くるま旅くらしに思う | トップ | 新しいくるま旅向けの築港を... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

くるま旅くらしの話」カテゴリの最新記事