山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

Ⅰさんのための北海道くるま旅ガイド(その8)

2011-05-30 04:58:22 | くるま旅くらしの話

【第8日】

 

道の駅:うとろシリエトク→(知床観光~知床自然センターなど)→(知床峠経由)→道の駅:知床らうす→野付半島半島ネイチャーセンター→別海町ふれあいキャンプ場(泊)

 

 今日は知床観光と、その半島を横切って羅臼の町を通り、その後は少し欲張って野付半島まで足を延ばして、今回の旅では最後となるであろう原生花園を味わってみたい。そして泊りは別海町の中心部にあるふれあいキャンプ場にしたいと思う。

 まずは知床観光だけど、世界自然遺産に登録されて以降、私の場合は足が向かなくなったのはどうしようもない。どうしてかというと、来訪者がやたらに増えたことと、その一方で規制が厳しくなり、大自然をそのままの姿で観ることが難しくなり出したことである。例えば知床五湖というのがあるが、以前は車で近くまで行くことができたのだが、今はバスなどに乗り換えなければならず、その必要性は解るけど何だか面倒になってしまった。初めからネガティブな話ばかりではガイドにはならないか。まずは知床自然センターまで行って、そこで知床の自然に関する情報を調べるのがいいと思う。そのあとで、知床五湖の方へ行くのも良いし、ウトロから観光船に乗り、岬の方まで行って船上から世界自然遺産の景観を楽しむのも良いと思う。一昨年の来訪の時には、自然センターの脇の道をフレぺの滝まで往復した。途中エゾシカ君たちやキタキツネ君たちにも出会って、それなりに自然の中にいることを味わったのを覚えている。未だ観光船には乗ったことはない。私的には、本当に残すべき自然は、そっとしておいた方が良いように思う。

知床観光が済んだらR334を羅臼に向かうことにする。途中の知床峠の景観もなかなかのものだ。目前に羅臼岳が聳え立ち、恰も大自然を守ろうとする神の番人ような存在である。山を下り羅臼の町に入って、道の駅:知床らうすで一息入れることにしたい。港などを覗けば何か獲物があるかもしれない。旅では、どこへ行っても好奇心を大いに発揮して獲物を探すのが大事に思う。受け身では旅の獲物は少ないといえよう。羅臼にはキャンプ場や無料の温泉などもあるけど、今回は先があるのでパスすることにする。

羅臼からはR335を一路標津(しべつ)方面へ。標津からR244となった道を少し走ると、左手に野付半島に向かう道道950号線がある。フラワーロードと呼ばれるこの道は、花の季節はまるで天国の楽園に向かう感じがする。野付半島は、海にエビの髯のように突き出た日本最大の砂嘴(さし)であり、その長さは28kmにも及ぶ。砂嘴というのは、沿岸流によって運ばれた砂が静水域で堆積してつくられた嘴(くちばし)のような地形のことだとものの本に書いてある。かの有名な天橋立も同じ砂嘴であるが、こちらの方は4kmにも満たない。

野付半島ではまずはネイチャーセンターを目指す。ここに車を止めて、原生花園の中の道をトドワラの方まで歩いてみたい。往復1時間くらいかかるけど、疲れていれば馬車も通っているので、利用することができる。トドワラというのは、海の作用で元々そこに育っていたトドマツの木が枯れて白骨化している感じの不気味さを覚える原野の一部である。花園の向こうには枯死した樹木の残骸が残っているというのは、ちょっぴり気味がわるく、内田康夫先生の推理小説の場面に活用できるような感じのする場所でもある。しかし、私がお勧めしたいのは、小清水とは違った原生花園の散策の方である。花期を終えた野草ばかりかも知れないけど、ここは野草の天国であることに気づくはずである。原生花園の反対側の海の向こうには国後島が目前だ。これがソ連の領土だなんて、納得がゆかない。真に忌々しい話である。

花を楽しんだ後は、日本一の砂嘴のドライブを楽しみながら、再びR244に戻り、尾岱沼(おだいとう)方面へ向かうことにする。尾岱沼の港は、別海町の漁港でもある。野付湾ではホタテの養殖や北海シマエビが有名だ。これらをゲットするには時期の問題があるので、8月下旬では一寸無理かもしれない。特大の帆立て貝が1個100円程度で手に入るのには興奮する。もしあったならば、少し買い求めて、キャンプ場で焼いて食せば最高だと思う。とにかく、港にはちょいと顔を出してみたいものだ。

尾岱沼の後は、今日の宿泊予定の別海町のふれあいキャンプ場に向かうことにする。別海の中心街(役場のある所)に行くには、R244を根室方向に向かい、床丹という所で床丹橋を渡った先の信号を右折してそのまま直進し10kmほど走ると道道8号線に出るので、これを左折すれば直ぐに別海町の中心街に到着する。ふれあいキャンプ場は、中心街の十字路を右折して弟子屈の方に向かってR243を1kmほど行った先の道を左折すると、小高い丘の上に郊楽苑というホテル風の温泉施設があり、その麓がキャンプ場となっている。

このキャンプ場は有料だけど1泊800円ほどでAC電源も使えるようになっている。この時期は夏休みなので、子供連れのキャンパーも多い。水も美味いし、キャンプ場としての一通りの設備は揃っているので、安心して泊ることができると思う。尾岱沼の方にもキャンプ場があるけど、こちらは海のすぐそばでAC電源もない。釣りでもするのには好都合だけど、くるま旅の宿としてはふれあいキャンプ場の方が条件が良いように思う。入浴には200mほど丘を登ると郊楽苑がある。

 

 

【第9日】

 

別海町ふれあいキャンプ場→道の駅:摩周温泉→(摩周湖観光)→JR川湯温泉駅→硫黄山→川湯温泉駐車場(泊)又は和琴半島キャンプ場駐車場(泊)

 

 別海町は何といっても牧場の町といえると思う。人口が約1万6千人に対して飼育されている牛の数は11万頭というから、日本有数の牧畜の町といっていいと思う。山というようなものは殆どなく、なだらかな丘陵と平地が殆どの町である。面積は平成の合併が始まる前までは、全国で2番目の面積を誇る町でもあった。その広さは私の住んでいる守谷市の36倍もある。何しろ町を横切るには70kmも走らなければならない。守谷市の場合はたった7km足らずなのに。昨日の尾岱沼も別海町の一部であり、水産業も盛んである。別海町は又町の中にスポーツ施設が幾つもあり、夏場には実業団や学生たちの合宿なども盛んのようだ。立派なグランドや競技場やプールなどは、町の人たちだけではとても使い切れないということなのかもしれない。

 朝は、ほんの少し早く起きて、隣接するふるさとの森というのを歩いてみたい。ここは森の中に散策路が作られており、森林浴をしながら歩きを楽しむことができる。この季節にはサビタの花(=ノリウツギ)や赤い車ユリの花、それに淡いピンクのホサキシモツケの花などが目立つのではないか。ただ、気をつけないといけないのは、この頃は熊が出没するという話も聞いているので、管理人さんに予め確認しておいた方が良いと思う。熊は話しても解ってはもらえない動物なので、一発かまされたらたまったものではない。

 さて、今日は少し西の方へ行って、屈斜路湖畔の川湯温泉辺りに泊ることにしたい。それから天気が良ければ摩周湖も覗いてみたい。霧の摩周湖は歌の文句では有名だけど、実際霧の中では一寸先も見えないほどなので、摩周湖がどんなものかを知るのは不可能である。晴れていなくても、せめて曇りの天気であって欲しいものだ。

 キャンプ所に別れを告げた後では、まず弟子屈町を目指す。R243をどこまでも行けば弟子屈町で阿寒湖に向かうR241との交差点にぶつかる。もし天気が良ければ、弟子屈の10kmほど手前に多和平という展望の利く場所があるので、案内板に従って左折して行ってみたい。ここは360度のパノラマ展望が広がる、北海道の大地を実感できる有数な場所の一つである。是非立ち寄られることをお勧めしたい。

 弟子屈では左折してR241を少し行くと道の駅:摩周温泉がある。休憩するならここかあるいは釧路川を挟んだ向かい側にある親水公園がいいと思う。元気があれば、休憩なしでそのまま摩周湖へ直行するのも良いと思う。摩周湖へは、元に戻ってR243を少し行くと道道52号線の案内板がある。この道が摩周湖への道である。5kmほど急な坂道を登ってゆくと、摩周湖の畔に第1展望台がある。ここが一番人気の展望台で、観光客も多い。確か駐車料もとられたと思う。土産物店などもあって、賑やかだ。でも私的にはその先の第3展望台の方が気に入っている。こちらは店も何もないぶっきらぼうの展望所という感じだが、摩周湖の景観は第1展望所のそれに劣るものではない。摩周湖は水の入り口も出口もない神秘的な湖である。水辺にたどり着くなどという芸当は、普通の人にはできるものではない。恐る恐る蒼い湖を上から覗きこむだけである。

 摩周湖の見物が終わったら、そのまま道道を下れば川湯温泉近くに出ることができる。九十九(つづら)折りの急な坂道の脇には、巨大な葉の蕗(ふき)が群生している。以前これを採って来て調理して食べて見たら、結構美味かった。ラワン蕗で有名な足寄町の螺湾エリアはここからさほど遠くもないから、この辺りの蕗はラワン蕗と同じようなものなのかもしれない。尚、蕗を採るときは、茎が緑色したのを選んだほうが良い。赤紫っぽいのは固いので食べられないと思う。それから、蕗を採る時は車の通行の邪魔にならないような場所を選んで駐車するようにしたい。

 川湯温泉へ行く道へ出たら、まずはJRの川湯温泉駅に行くことにしたい。この駅にはしゃれたレストランがあり、ソフトクリームなども人気がある。足湯もあって疲れを取るにも好都合だ。それに摩周の伏流水を利用した水道の水もある。多少消毒をしているのだとは思うが、ここの水は美味しいので、私などはいつもお世話になっている。昼時なら、駅舎の中のレストランで、何か気に入ったメニューを探すのも楽しみとなるかもしれない。

 次は近くにある現役の活火山である硫黄岳に寄ることにしよう。その前に駅から出た道のR391の向かい側にホテルパークウエイというのがある。ここは名湯の誉れ高い温泉宿でもある。入らなくても記憶しておいた方が良いと思う。内風呂のほかに混浴の露天風呂もあり、入浴料はたったの300円である。機会があれば是非試されることをお勧めしたい。(別にここの経営者に歓待してもらっているわけではない。いい湯はいい湯なのである)

 硫黄山は川湯温泉街に行く途中の道を左折すれば直ぐである。その名の通り山麓から噴き上がる湯煙は硫黄の臭いがする。黄色い塊は硫黄の結晶なのであろう。不気味なのであまり近づきたい気にはなれないけど、一見しておくのも旅の楽しみであろう。何故かここのソフトクリームが有名だと聞き、以前それを食べて見たけど、普段あまりそのようなものを食べていない自分には、何の感動もなかった。どうせ甘いのならウイスキーのたっぷり入ったボンボンの方がよほどいい。

 次は屈斜路湖畔の入り口にある川湯温泉である。ここは昭和の名横綱の大鵬関の出身地としても有名だ。その記念館もある。(どうでもいいことだが、私は大鵬関と同い年である。私の記念館は永遠にない)川湯温泉も弟子屈町の一部である。北海道ではサロマ湖に次ぐ2番目の大きさのこの湖は、その全域が弟子屈町に属しているようだ。屈斜路湖の湖畔には砂を掘れば温泉ができるというような場所が幾つかある。冬でも生き残っているコオロギが居たり、夏にはミンミンゼミが鳴くというのもこの地ならではの地熱の力によるものなのであろう。不思議な場所の一つである。

 川湯温泉街には大型のホテルが幾つもあるが、その多くで立ち寄り湯がOKだと思う。しかし先ずお勧めしたいのは、温泉街の入り口近い場所にある、かけ流しの足湯である。JRの駅にも足湯があるけど、かけ流しではない。本物の足湯というのは、やはりかけ流しでなければならないのではないかと思っている。この川湯温泉の足湯は、足を入れるとピリッとするくらい熱いので、多くの人は直ぐに帰ってしまうのだけど、ほんの少し我慢して足を入れていると、やがて足だけではなく身体全体がホカホカと温まってくるのだ。身体全部をお湯に浸していなくても、温泉の効果を実感できる足湯なのである。

 この足湯の脇の道を50mほど入ると川湯温泉の駐車場がある。満車の時は遠慮すべきと思うが、そのような時に出会ったことはまだない。木立の中なので、日中日差しを避けて休むには絶好の場所でもある。ここに泊っても良いのではないかと思う。ただし、夜間はトイレが閉鎖となってしまうので、トイレに問題のある車は泊るのは避けた方が良いかもしれない。

 ここに泊りたくないときは、少し遠くなるけど、屈斜路湖畔を走る道をR243まで走って、右折して少し行くと和琴半島へ行く道がある。これをまっすぐ行くと和琴半島の先端に着く。和琴半島は屈斜路湖に突き出た小さな半島である。そこにキャンプ場があるのだが、国設キャンプ場の方はルールなどがやかましそうなので未だ泊ったことはない。その手前にある大きな駐車場が大抵は空いているので、ここに錨を下ろせばよい。泊りの旅車も結構多い。トイレもあるので大丈夫である。半島の先には小高い山があって、周遊道が作られているが、その付け根の所に無料の温泉が湧いている。しかし、更衣所もなく、普通と同じような入浴は出来ないと思う。車でなら、近くに三香温泉というのがあるので、ここに入りに行くのが至当だと思う。

 二つの宿泊候補地を挙げたけど、どちらを利用するかはその時の状況によって決めればいいと思う。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Ⅰさんのための北海道くるま旅... | トップ | Ⅰさんのための北海道くるま旅... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

くるま旅くらしの話」カテゴリの最新記事