山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

西海道&西国の旅の記録から(その4)

2024-07-11 03:36:51 | くるま旅くらしの話

<若狭路の楽しみ>

 20年以上かけて全国各地を訪ねていると、それぞれの場所で何時かしら生まれて定着する楽しみがあります。私たちの楽しみの中で、5本指の中に入るのが、若狭路の旅です。初めの頃は、若狭というのは、京都の裏のエリアなので京都府なのだとばかり思っていたのですが、そうではなくて福井県なのでした。旅を重ねていると、福井県と京都や奈良が意外と近いことに気づきます。今頃は県境などというものがあって、何だか土地が区切られてしまっているような感覚にとらわれますが、旅をしていると、渡り鳥たちと同じように、県境だとか国境だとかいうものが暮らしの上では大した意味を持っていないことが良く分かるのです。

 若狭路の町や村は、かつて京都の裏で都を支えていたことが良く分かります。その代表的なのが鯖街道と呼ばれて、京の都の人たちの食を賄い支えて来た働きでしょう。若狭の中核都市の小浜市は御食(みけつ)国(くに)を名乗っていますが、これは古来より京の都を支えてきた食文化の基地であったことを物語っていると思います。

 そのような大きな話ではなく、私にとっての若狭路の旅の楽しみは、大きく3つあります。それは、①鯖の串焼きと新鮮な魚を食べること ②瓜割の水を汲むこと ③熊川宿の鯖寿司を食べることです。①は小浜市で、②と③は若狭町で満たされます。今回は、まっ先に①を目差しましたが、興奮して一ぺんに食べてしまったために、その他のものは食べられなくなってしまいました。老人にあるまじき行為でありました。

*人影の疎ら(まばら)な昼の若狭路を我は行くなり鯖を想いて

*焼き鯖を食らいて満ちる幸せは御食(みけつ)の国の証なるかな

*若狭路の五月(さつき)は山も海も青

まあ、何ということか、若狭路は鯖ばかりという感想になってしまいました。もう一つ、若狭は水の美味しい所でもあります。奈良東大寺のお水とりの水はここ若狭から送られているということです。

 

*幾度も訪ね来たりし若狭路の今日も瓜割の水をいただく

 

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