山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘18年 北海道生誕150年の今めぐり旅 レポート <第45回>

2018-07-09 02:40:59 | くるま旅くらしの話

【今日(7/9)の予定】 

千望峠駐車場 →(D)→ 上富良野町土の館 →(D)→ 道の駅:ビルケの森白金 →(D)→ 美郷名水 →(D)→ その先未定

 

【昨日(7/8)のレポート】 天気:快晴

<行程>

道の駅:あさひかわ →(R237他)→ 美瑛町郷土学館美宙 →(R237他)→ 菅野ファーム →(R237他)→ ファーム富田 →(R237他)→ 上富良野町開拓記念館 →(D)→ フラヌイ温泉 →(D)→ 千望峠駐車場(泊) 

<レポート>

 昨夜は大雨が降るという予報だったので、いつ雨が降り出すのかと気になりながらの寝床の中だったが一向に雨音も無く、そのまま眠ってしまった。朝珍しく自分よりも早く目覚めた邦子どのが、窓を開けて「ピカピカだ!」というので、何か照明のようなものがあるのか、それとも自分の頭を見て声をあげたのかと、何だ、と言ったら、ピカピカなのは天気のことなのだった。外へ出て見ると、何とまあ、想像したことも無い快晴の空が広がっていたのである。これじゃあ思わず大声を上げるのも当然だなと思った。それにしても昨日までの天気予報とは一体何だったのだろう。いい天気になったのだが、文句を言う筋合いではないのだが、大雨の脅しに対しての心理的負担は大きかったので、予報者やマスコミには一言旭川向けのお詫びでも言って貰いたい気分だった。

 何と今日までここ旭川の道の駅に5泊もしてしまったのである。全てが天侯の所為だと思っている。今日はここを脱出しなければならない。そう心に決めたのだった。今日のような晴れの天気が続いてれば、富良野辺りの花たちも大いに香りを振り撒いているに違いないのだが、今日は未だ早いだろうと思いながら、それでもどんな状態なのか見に行くことにした。ということで、美瑛、富良野方面へ向けて出発することにする。

 9時前に出発して、先ずは美瑛の北西の丘公園へ。美瑛には幾つも展望所があるけど、この北西の丘公園は、丘の景観や大雪山系の山々を眺望するに優れた場所である。美瑛に来ると必ず寄る場所の一つである。久しぶりに展望所に上り大きな景観を堪能する。今日は本当によく晴れており、大雪山につながる十勝岳などの山々が雲を絡めて横たわっているのが見えた。この季節では滅多に見ることのできない景色なのだろうなと思った。邦子どのは近くにあるガラス工芸品を売る店へ出かけて行ってそこのご主人と4年ぶりの会話を楽しんでいたようである。もう十数年来の知り合いとなっているので、知らんぷりは出来ないのであろう。1時間半ほど景観を楽しんだ後は、美瑛町の郷土館である美瑛町郷土学館美宙へ向かう。美宙と書いてみそらと読むらしい。なかなかこった美瑛らしい名称だなと思った。5分もかからない内に到着する。

美瑛町北西の丘公園から見る十勝連峰の景観。中央で噴煙を上げているのが主峰の十勝岳。昨日までの陰鬱な天気からは想像もできないほどの大きな景観である。

 中に入って驚いたのは建物内部の立派さだった。全て地元の資材を使っての建物であり、その殆どは地元の用材であるカラマツが使われていたし、又壁の一部は地元で採取される軟石が使われていた。展示内容も解りやすくこの町の主な歴史の足取りを知ることが出来た。現在の美瑛町は農林業のみならず、観光が大きな力となっているようで、昨年は年間180万人もの観光客が訪れたという。如何にも北の大地らしい丘の畑の展望が多くの人たちの心を揺さぶるのだなと思った。

 その後は、花の様子を知ろうと先ずは菅野ファームへ立ち寄る。残念ながらここは未だ楽しめるほどのレベルには達していなかった。あと1週間から10日ほどが見ごろとなるのではないか。それでラベンダーの名所であるファーム富田の方も見ておこうとそのまま中富良野町へ。行って見たファーム富田も又同様の状態で、もう少しの辛抱だなと思った。ここの駐車場で昼食を済ませ、その後は上富良野町の開拓記念館へ。

中富良野町ファーム富田のラベンダー畑の開花状況。あと1週間から10日位が見ごろとなるようだ。

 上富良野の開拓記念館の傍を何度も通っているのに、そこを訪れるのは今回が初めてなのだ。今回の旅ではそのような場所が幾つかあって、反省することがきわめて多く大きい。記念館に入って、この町の歴史を知って、驚くことばかりだった。上富良野といえば、富良野と名のつく4つの自治体の中でも農林業の他にも自衛隊の駐屯地もあり、観光資源も豊かな町だと現在の状況は分かっていても、この町が大正15年の十勝岳の大爆発による泥流で壊滅状態となったこと。一時は廃村という所まで追いつめられた厳しい状況から這い上がった、いわば過去2度の開拓の歴史を持つ町であること。そしてこれには二人の先駆者(二人とも三重県出身の田中常次郎と吉田貞次郎である)の甚大な尽力があったこと。等々を知ったのだった。十勝岳は今日も二筋の噴煙をあげていて何とも不気味な姿を呈していた。この町の今後の平和に災いをもたらすことがないようにと願いつつ、改めて火山活動の怖さを思い知らされた。

 その後はフラヌイ温泉に行き、少し早目の入浴を楽しむ。この温泉は温度の低い源泉と普通の温度の、二つの浴槽などがあって、ゆっくりお湯を楽しむことが出来るので、この地に来た時はいつも利用させて貰っている。15時前の時間帯は入浴する人も少なくて、のんびりすることが出来て満足だった。

 今日の泊りは千望峠の公園駐車場にすることにして、入浴後そこに向かう。千望峠は、正面に十勝岳連峰が横たわり、左方の彼方には大雪山の山塊が遠望できる大展望所であり、かみふらの八景の一つになっている。ここが気に入っていて、このエリアに来た時は泊ることが多い場所なのだ。16時過ぎの時刻は夕暮れにはまだかなり余裕があり、しばらくの間、その雄大な景観を楽しんだ。邦子どのは、美瑛の北西の丘展望公園やこの千望峠を見ることが出来て、やっと北海道へ来たのを実感できたと、心が落ち着いたようだった。ここはやって来る人も少なく、昨日までいた旭川の市街地の窮屈さはなく、静かな夜を迎えることが出来た。明日から又天気は下り坂のようなのだが、今日の予報のように大番狂わせが続いて欲しいものだ。旅にはほどほどの天気の良さが必要なのだと思う。

 

コメント
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