【昨日（８月５日）のレポート】
≪行程≫
終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在（日中徒歩にて町中まで買物に往復） ＜０ｋｍ＞
≪レポート≫
予報通り昨夜の遅くから雨が降り出し、日中は時々激しく降ったりして、夕方近くになってようやく降り止んだ。勿論こんな日が暖かいはずがなく、町中への買い物も夏とは思えぬ服装を余儀なくされたのだった。今日は日曜日。本来ならば近くにあるスポーツセンターはもっと賑わうはずなのに、この雨では体育館とプールを除いては、すべてがキャンセルされてしまったようで、静かな一日となったのが気の毒である。
さて、今日は別海町の名称などについて書いてみたい。北海道はアイヌの人たちの住む世界だったので、その地名の殆どは彼らが呼んでいたものに日本の言葉を当てたものである。従って漢字での地名は、音訓的には音の方の意味しかなく、訓の持つ要素など全く入っていないと言っていい。このことに気付くまでに少し時間がかかったのだったが、この頃はそのような理解を得て妙なこだわりが少なくなってきている。北海道の地名の意味するものを理解するためには、アイヌ語というものを身に着けなければならないのだと思うけど、もはや時既に遅しであり、又この言葉を学ぶのは英語などよりもはるかに難しいような気がする。元々アイヌの人たちは文字を持たないし、同じ発音の一言が多様な意味を持つ言葉となっているようで、それは彼らの祖先の暮らしや歴史などをある程度経験的に理解しない限りはとても身に着くようなものではない。そう思っている。
さて、その別海という町名だが、勿論これもアイヌ語に由来するものであり、単純にその発音を漢字で当てはめて表現したということだ。だからなぜ別海なのだというのを漢字の意味から探っても全く不明なのである。別海というのは、アイヌ語のベツ‐カ‐イという発音から来ているということで、その意味はベツ（＝川）カ‐イ（＝曲がっている所）と地名辞典に書かれていた。ここでいう川とは西別川のことであり、つまり別海というのは、西別川が曲がっている場所ということになる。この曲がっているというのは、何処のことを行っているのだろうかと疑問を持っていた。どこかに大きく川がカーブしているような場所があるのかと思ったのだが、地図を見るとそのような場所は見当たらない。しかしよく地図を見てみると、曲がっているのは１か所ではなく、かなりくねくねと幾つも曲がってこの川の流れが記されていた。それで、改めて現地を歩いてみると、これは地図以上に曲りの数が多いことに気付いたのだった。アイヌの人たちはそれを実感してベツ‐カ‐イと呼んだに違いないなと思った。
西別川の景観。両岸は森の樹木たちに囲まれており、川原というものがほとんどない。北海道の中小河川に多い流れのスタイルである。川の流れに出くわすまでは、そこに川があるということに気付かないことが多いようだ。今、この川にサケがどれくらい遡上して来ているのか、さっぱりわからない。
ところで、西別川というのは、これもアイヌ語のヌ‐ウシ‐ベツから来ているとのこと。ヌ‐ウシというのは、魚（＝鮭）がたくさん獲れるという意味であり、豊漁の川ということなのだと、これは北海道の河川管理事務所らしき役所が建てた案内板に書かれていた。この川のことは、江戸時代の頃から献上鮭の獲れる川として有名だったと聞いている。
西別川の川の名の由来を記した案内板が、橋の袂に建てられていた。このような案内板は土地のことを理解する上で、大いに役立つありがたい対応である。
現在の別海町の役場は内陸にあるけど、町の歴史資料等を見ると、現在地に移ったのは１９３３年（昭和８年）で、それまではここは西別という地名で呼ばれていたとのこと。元々は海側の方が先に鮭漁等で発展しており、今そこは本別海と呼ばれるエリアとなっている。北海道の開発は、海側の方から始まったケースが多いようで、現在の様な町の形態が確立するまでには、想像を絶するような数々の出来事があったに違いない。それらのことについては、これから調べてみたいと思っている。今日は地名のことを紹介しただけである。
とにかく涼しさを通り過ぎた気候であり、台風の来訪に不安いっぱいの沖縄や九州地方、熱中症に要注意の日が続いている内地の各地のニュースを見るたび、今日も日本列島の長さを実感したのだった。
【今日（8/6）の予定】
終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在
