山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘12年 北海道くるま旅くらしレポート <42回>

2012-08-12 04:35:59 | くるま旅くらしの話

【昨日(8月11日)のレポート】    

≪行程≫                                                                 

別海町ふれあいキャンプ場に滞在   <0km>

≪レポート≫

 別海町のこのキャンプ場に入ってから今日で1ヶ月が経過することになる。避暑の目的は十二分に達せられていて、超満足しているのだけど、少し季節感がなくなり出しており、もう少し暖かい所に行ってみたい気持ちが膨らんでいる。このような冷夏の場所であっても、野草たちは着実に花を咲かせてくれている。ここへ来てから随分たくさんの野の花たちの写真を撮ったけど、まだ一度だけしかそれを紹介していない。ありふれた花が多いので、騒いで紹介するほどでもないと思ってのことだった。今日はこの地に目立つものを三つほど紹介したい。

<トリカブト>

この野草の名は恐ろしき毒草をイメージさせる。アイヌの人たちが熊などを仕留めるために矢の先に塗り込んで射たという。3メートル近い巨大な熊も、この毒矢に当たればたちまち意識を失って倒れるというのだから、その毒性は凄いものらしい。現代では、推理小説の殺人事件の中などでその毒が取り扱われたりしていることが多い。そのような恐ろしさを持った野草なので、その花はどんなものなのか興味があった。そのトリカブトの花を、今日の散歩で見つけた。牧場の側溝のような場所に、クサフジに混ざって紫の花を咲かせていた。最初は気付かなかったのだけど、少し離れた場所にも咲いていたのを見つけて、ああ、もうこれが咲く季節になったのだなと、夏が終わり始めたのを感じたのだった。北海道には野生のトリカブトが結構多く咲いている。道端に何事もなく咲いているのを見かけて、思わず車を停めて写真を撮ったことが何度かある。トリカブトの毒は根の方にあるということだが、この草を引っこ抜いて見てみようという気は起らない。花を見るだけで十分である。花は気高く美しい。毒草という偏見が無ければ、人の鑑賞には十二分に耐えられる花だと思う。

   

トリカブトの花。牧場の側溝の笹薮の中に無造作に花を咲かせていた。花が咲くまではヨモギと同じような姿をしているので、なかなかそれとは気づかない。

<クサレダマ>

クサレダマは草連玉と書く。腐れ玉ではない。黄色い花を玉の様に連なって咲かせるので、この名がついたのだとものの本にあった。その通りだなと思った。花の名を誰が名づけたのか知らないけど、皆夫々の特徴を巧みにとらえて名づけられていることが多く、感心させられる。この花の名もその一つである。ここへ来た1か月前は、この花はつぼみも付けていなかったのだが、ここ2週間ほど前からつぼみが膨らんで、今ようやく開花の最盛期を迎えようとしている。別海町の町の花はセンダイハギなのだが、これの開花はここへ来たころはもう終わりかけていて、殆ど見ることはできなかった。また咲いている場所も野付半島の原生花園などに多く、市街地付近にはあまり見かけない。自分的には、別海の町の花はクサレダマの方が相応しいように思っている。名前が誤解を受けやすいのが玉に傷(?)だけど、同じ黄色の花ならば、クサレダマの方がより野性的でこの地に相応しいように思えるのである。

   

クサレダマの花。フキや熊笹などの入り交ざった藪の中に生えていることが多く、花が咲くまでは目立たない存在である。黄色い玉のような花が連なりあって咲いている姿には、生命の喜びを目いっぱい表現しているのを感じる。

<ヤマヒヨドリ>

ヒヨドリ草にも何種類かがある様だけど、その区分や特徴は良く判らない。皆まとめてヤマヒヨドリと呼ぶことにしている。別海のこの地では、この赤紫の花と白花との二種が多くみられる。牧場の側溝の藪の中や、山裾などに大株を繁らせて賑やかに咲いている。秋の七草のフジバカマによく似た花で、ざっと見た目には花の美しさは解りにくいのだが、虫眼鏡を近づけて覗くと、その印象はかなり違ったものとなる。大自然の造形力の不思議さを覚えさせてくれるはずである。野の花たちの姿かたちは千変万化であり、よくもまあここまでの不思議を働かせたものだと、感嘆することが多い。目立たない花ほど工夫が施されていることが多いのも不思議を一層深いものとしてくれている。

   

ヤマヒヨドリの花。藪の中から大株が一斉に花を盛り上げて咲かせている。これは赤紫色の花の方。白花も多い。

【今日(8/12)の予定】 

終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在

コメント
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