山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘12年 北海道くるま旅くらしレポート <56回>

2012-08-26 04:50:10 | くるま旅くらしの話

【昨日(8月25日)のレポート】    

≪行程≫                                                                 

終日美深アイランドキャンプ場に滞在   <0km>

≪レポート≫

 今日は大ご馳走と大歓談の一日だった。旅の醍醐味を味わった一日だった。このような嬉しい出来事のあった日は、その内容などを詳しく書くのはどうも苦手である。そのような喜びは、全く個人のものであり、大仰に言いふらすようなことは礼を失するのではないかと思うからだ。だから、ほんの少しその醍醐味のことなどについて紹介することに止めたい。

 昨日は3家族の集まりだったけど、今日は新しくもう一家族が加わって、4家族での集まりとなった。そのメンバーといえば、四国は松山市からお出でのくるま旅の大御所、大先輩のWさん、鳥取県は米子市からお越しの自分と同年代のAさんご夫妻、それに地元旭川在住のSさん親子、茨城県は守谷市からの我々夫婦の計7名のメンバーである。皆さんそれぞれ大先輩のWさんとのご縁が広がって知り合った仲間であり、Sさん親子は自分には初めての出会いだった。Wさんのことは先日も書いたけど、奥様が病でご一緒できず今年は一人旅となっている。Aさんとは、今年の春の九州行の帰りにお宅に寄らせて頂いて大歓待を頂いている。Sさんは先日の別海のキャンプ場にもお越しになり、Wさんの体調のことなど細やかにまめまめしく心を配っておられたのだが、自分はそれを良く知らず、後で家内からその話を聞いていたのだけど、改めて再会が叶って、やはり会うべき人には会えるようにこの世は出来ているのだなと思った次第。今回は高校生の娘さんもご一緒で、娘さんのことは知らなかったのは私共だけで、皆さん既知の仲間だった。Sさんはご主人を亡くされており、いろいろとご苦労も多いのではないかと思われるのに、そのような気振りなど全く感じさせないエネルギッシュな方で、我々世代とは一世代以上下(50歳台)の若い力を以て、娘さんとご一緒に元気を頂ける存在だった。

 さて、その一日だったけど、朝はそれぞれマイペース。Sさんが加わって、お昼はAさんが用意されたそうめんを頂いたのだった。そうめんといえば、我が家ではタレに薬味を入れて食べるだけのものなのだけど、Aさん家のそうめんは超豪華で、薬味も具にも工夫が生かされていて、今まで食べたこともない美味しいものだった。冷たいそうめんを丼などに取り、これに何種類かの具を載せ、それに薬味とタレをかけて食べるのである。これだと大勢で食べてもお箸を伸ばしあうようなことをせず、味わうことができ、嬉しい食べ方の発見だった。薬味といえば、わさびなどが主役だけど、Aさんの所では、わさびに大葉などを刻んだものに明日葉が練り込まれており、これがなかなかのものだった。又このそうめんの外に、Sさんが今朝わざわざ何と紋別まで行かれて、アツアツの揚げたてのさつま揚げを買われ、断熱財の箱に入れて持参されたものを頂き、これはもうただ食べるだけではもったいないと、ビールの出番となったのだった。名古屋弁でいえば、「うみゃ~」である。こんなに食べてしまい、飲んでしまって、今夜は大丈夫なのかと、糖尿の病を管理する者としては、多少心配もあったけど、それよりもこの今のご馳走を頂けるチャンスの方を大事にしたいと思ったのは、いつもの通りである。

 その後、夕食のパーティまでは時間があるので、車に戻り午睡を貪る。と言っても今日は天気が良すぎて、気温は30℃を超えている。風は少しある様だけど、車の中では窓を開けてもそれほど通って行かないので、眠りにつくまでは少し時間がかかった。15時過ぎに目覚めた時は、皆さん晩餐の準備に取り掛かられていたようだった。今夕は、Wさんは3品の出品を宣言されておられた。84歳にして自らメニューを決め、レシピを明示してという活躍ぶりである。病のために腰が曲がり歩くのにも不自由されているというのに、車の運転といい、調理への意欲と言い、その頭の冴えぶりには敬服するのみである。人はやはりその半分以上はスピリットで生きているのだなと、この方の生きざまを見る度にそれを教えられるのである。自分は1品だけ、ジャガイモ料理(料理と言えるのか?)を作るだけなので、17時半の開催時間に合わせて調理に取り掛かった。AさんとSさんの取り掛かられているメニューは、自分には未知の世界のもので、これはもう丁寧で、アウトドアの技術と家庭料理の工夫を取り入れた手の込んだものだった。その内容を書くのは困難で、とても無理。食べることだけに専念することにした。

 そのようなプロセスを経て始まった晩餐会は、くるま旅の醍醐味そのものだった。乾杯から始まり、目前に並んだ様々な料理珍味を口に入れる度に「美味い」「うめえ」「うみゃー」のコメントが飛び交い、まあ、その賑やかなこと。一段落すると、それからは様々な思い出話や出来事を巡る様々な話題が広がり、流れ続いて、ただただその中にいることを嬉しく実感したのだった。住む場所も、育った環境も、経験した仕事も人生も、何もかもが異なる人間が出会って、ここに集まり、それらの過去の殆どを忘れてくるま旅での悲喜交々の話を共有できるというのは、何と素晴らしいことか。多くの人は世間に縛られ、自分に縛られ、不自由の中にわずかばかりの自由を見出したつもりになって生きているように思えるのだけど、こうやってくるま旅を通しての出会いの世界は、心底生きていることに開放感の喜びを感じることができるのである。自分はくるま旅というのは、出会いという宝物を探し、拾い、磨き。楽しむことなのだと思っているけど、今夜のこの時間はまさにその醍醐味を享受している時なのだと思った。

 まだまだ感じていることはたくさんあるけど、独りよがりとなってしまうので、今日の嬉しさや楽しさの披瀝はここまでにしておこうと思う。今年の旅の中での、とても心に残る一日だった。

今日(8/26)の予定】 

美深アイランドキャンプ場 →(R40・R275)→ クッチャロ湖畔キャンプ場

コメント
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