山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

'11北海道くるま旅( 第48日)

2011-07-31 07:28:55 | その他
《今日の予定》
終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在


《昨日のレポート》
別海町のキャンプ場に戻っての一夜は、快眠に恵まれたものだった。昨日の日中の暑さは嘘のように消え去り、寒さに近い涼感を味わいながらの眠りは、この季節では天からの恵みのように思える。日中も昨日までの暑さはどこへ行ったのか、昼寝にも毛布が必要な気温となった。道東の夏というのは、もしかしたらこれが普通なのかも知れないと思った。この頃は普通が何なのか分からないような気象が多いように思える。
午前中はお隣の車が去られたので、我が家も少し移動し、ついでにテントも移動するなどの作業に時間をとられた。テントの移動というのは、最初の設営と同じくらい手間の掛かるものである。今日は涼しいので作業するのは楽しい。基地を作っていると思えば苦にはならない。再設営を終えた後は町中へ買い物などに出かける。これから半月ほどは此処に腰を据えて暮らすつもりである。

さて、今日はその後、年に一度あるかないか、否、人生でも何度も味わえない嬉しい時間が待っていたのだった。実は昨日、先日塘路のカヌーのキャンプ場でご一緒したMさんから電話を頂き、中標津から別海に向かう途中の道で、なんと彼の運転するダンプ車とすれ違ったとのことだった。当方は全く気づかず驚いたのだが、偶然とは言え不思議な縁を感じたのだった。そのMさんから再度電話を頂き、今日ご実家でご両親共々ウエルカムパーティーをしてくださるとの招待のお話を頂戴したのだった。いやあ嬉しかった。Mさんは別海町の出身で、ご両親は別海町にお住まいとお聞きしている。Mさんのお心遣いを本当にありがたく嬉しく思った。
16時過ぎお迎えを頂き、ご両親のお住まいにご案内頂いた。なんとキャンプ場からは歩いてもさほど時間のかからない近さに驚いた。Mさんは我が愚息よりも年下の青年である。大へんパワフルで活動的な方で、又人を慮(おもんばか)る優しさに満ちた、滅多に出会えない青年である。今どき我が愚息をはじめ身近に見る青年の殆どは、個人主義というか自己中心的な考え方の人が多く、同世代を超えた人たちと自在に交流できる人物は少ない。Mさんをその様に見ている自分には、ご両親にお会いできるというのはとても嬉しく楽しみなことだった。何故かと言えば、この素晴らしい青年の生まれ育ちの秘密を覗けるからである。親子というのはお互いに育て合う存在だと思っているけど、なかなかそれがうまくはゆかない現実がある。Mさんは別格の親子関係を実現されているに違いないと思った。〔人は様々であり、親子関係も様々なのだから、それぞれの良さがあり、弱さも又あって、決して括って考えることはできないことは承知している〕
玄関に入り、ご両親と初めての挨拶を交わした。第一印象は予想通りのお二人だった。そして、そのあとの歓談の中でその素晴らしさをジワジワと実感したのだった。宴の始まる前に、ご両親が丹精を込めてお作りの菜園をご案内頂いた。二棟のハウスを初め手入れの行き届いた畑には、数々の野菜が実りの時を迎えようとしていた。短い期間しか活用できない北海道の自然条件の中で、心を籠めて育てられた野菜たちには、それを育てる人への感謝が溢れているように感じた。自分も在宅時には菜園に足を運ぶ毎日であり、野菜を作る人の気持ちも野菜の気持ちも良く解るつもりでいる。
家に戻って、いやあ、それからのご馳走の時間は、美味しいと言うよりも、驚きの連続だった。生まれて初めて食べたものがある。生まれて初めて知ったことがある。牛乳から豆腐が作れるというのは驚きだった。北海道の酪農の世界ならではの逸品である。中標津町で牧場を営むMさんの奥さんの実家からわざわざお持ち頂いたという、品評会で頂点を極めているという極上の生乳を惜しげもなく(失礼)使って、その作り方を目の当たりにして、驚きは更に膨らんだのだった。牛乳豆腐を作るのはお父さんが名人とのことで、大鍋に注がれた大量の牛乳が少しずつ固まってゆくのを息を呑みながら見つめたのだった。にがりを入れるなど大豆からの豆腐の製法とあまり変わらないのも驚きだった。出来上がったその豆腐は、まさに絶品の味わいだった。テレビで毎度マイウ~と言っている彼が食べたら、一体なんというのだろうか。マイウ~などでは表現しきれる筈がないと思う。幸せを感じた。
Mさんがわざわざ自宅から運ばれたサーバーでの生ビールを味わい、お母さん手づくりの数々の料理に舌鼓を打ちながらの歓談は、真に楽しくMさんの今日ある秘密もすべて解き明かされた感じだった。もうこれ以上書くと楽しさも嬉しさも霞んでしまいそうなので止めることにしよう。
気がつけば時は22時を回っており、お子さんお二人にはかわいそうなことをしてしまった。たくさんの野菜ととっておきの牛乳などのお土産を頂戴して、キャンプ場までお送り頂き恐縮の極みである。それにしても、なんと嬉しい、ありがたい日であったろう。出会いの大きな宝物を天から授かったという感動の中に居ながら眠りに就いたねだった。ありがとうございました。
コメント
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