山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

08北海道行: 第13日

2008-07-30 06:39:16 | くるま旅くらしの話
今日は、早くも別海に別れを告げる日である。今朝キャンプ場に残っている長期滞在者は6組ほど。その中で、遠藤さんも今日出発されるという。別れというのは、例えそれが短い出会いであっても、名残惜しいものである。別れ間際になって、急に親近感をます人もあって、人との関わり合いは、不思議なものである。和田さんの「より多くの人たちに見送られて別れるのが華だよ。私らは、いつも見送ったてくれるのは管理人さんだけだよ」との言葉には、実感がある。和田さんご夫妻は9月の涼しくなるまでここに滞在され、多くの知り合いを見送られるのである。出発の準備は誰しも思わず遅くなって、早い出発予定だった遠藤さんは別れ際の話が弾まれたらしく、9時半過ぎ、結局は我々が一番早い出発となった。
キャンプを出て、一路釧路湿原の塘路を目指す。今日は釧路湿原を歩きたいと思っている。いつも釧路市の湿原展望台のある鶴居村に向かう途中にあるビジターセンターの所しか歩いたことがないので、今日は塘路側の方も歩いてみたいと思っている。別海を出て標茶から釧路町に向かうのだが、途中の景観はいかにも北海道らしく牧歌的だ。広大な牧場が幾つもの連続して広がり、その中を緩いカーブを描きながら、なだらかな高低差の道がどこまでも続いている。この辺の牧場には圧倒的に牛が多く、馬を見かけるのは希である。別海町は日本一の乳牛の飼育を誇ると聞くけど、外国との競争で、この先大丈夫なのだろうか。この美しい景観が、荒れた風景になど決してならないように、農政当局をはじめ、関係者の皆さんには頑張って頂きたい。
11時過ぎ塘路駅に到着。小さいけど印象に残る駅舎である。何年か前、ノロッコ列車に乗りたいという相棒は、ここから釧路駅まで乗って、その間此方は観光バスの運転手よろしく、車を釧路駅まで運んだのだった。そのような恩恵に与るのは、運転をしない相棒だけである。
駅前の情報センターの店で、釧路湿原全体の様子がわかる地図を求めたのだが、在庫がないという。この辺で、木道などのある湿原の散策路はないかと尋ねたのだが、短いものしか無いらしい。どうやらこのエリアは、歩くよりもカヌーで行くのがフィットしているらしい。来年はチャレンジしてみたいなと思った。
この辺を歩くことは諦めて、近くにある達古武(たつこぶ)湖にあるキャンプ場を覗いて見ることにした。名前は知っているがまだ一度も行ったことがない、有料のキャンプ場である。時々は参考に訪ねることも大切である。行ってみると、なかなか立派なきれいな施設だった。AC電源無しで1500円近い料金は、内地なら別格の安さだと思うが、北海道では必ずしも安くはない。何しろ電源無しなら無料のキャンプ場が幾つもあるのだから。カヌーにトライする時には、ここに泊まるのがいいなと思った。来年の課題である。
もう12時近くになっている。朝、キャベツとバナナのジュースだけでは、昼間で持たせるには我慢がいる。お昼は白糠ね道の駅まで行って、名物の豚丼を食べることにする。その途中で若干の買い物と給油を済ます。油は一度の給油金額が一万円に迫って来た。今回はリッター当たり8km以上走ってくれているけど、これからは幾つかの山越えも待っており、先が思いやられる。
道の駅:白糠恋問に到着。既に13時半になっており、腹ぺこだ。早速豚丼を注文。「この豚丼」という妙な名のメニューには、豚肉の枚数によって価格が少し違うようになっているのだが、我々はいつも最大枚数の6枚をオーダーすることにしている。初めからとても全部一度に食べきれないのは分かっているので、その分を持参したタッパーに入れて持ち帰ることにしている。最初は恥ずかしがっていた相棒も、もう大丈夫になったようだ。自分は肉類にはあまり興味関心を持たないのだが、ここのこの豚丼だけは別で、近くを通る時には必ず寄るようになってしまった。今日も十二分に満足した。
14時半になっている。さてどうするか。中途半端な時刻である。少し早いけど今日の宿を阿寒町の道の駅:丹頂の里にして、ゆっくり過ごすかと、釧路空港方面に向かう。天気は次第に回復して、ソーラーも活躍出来る状況となり出した。ここで気が変わり、明日の天気は保証されてはいないのだから、今日の内にひとまず恩根内のビジターセンターの湿原観察木道コースを歩いておこう、ということにした。この種の突然の思いつきの変更は、我々の旅では、ごく日常的なことである。
15時半ビジターセンター到着。まだ光は天に充分である。駐車場には結構車があり、観光バスも1台停まっていた。早速カメラを手に木道の散策開始。その後は1時間半ほど湿原の散策を堪能した。概して目立つ花が少ない時期のようで、地味な花が多かった。草を雑草としか認識できない人には、湿原の草には何の興味も関心も起きないと思うけど、自分にとっては、久しぶりに懐かしい植物に会えて、感動の連続なのである。一番期待していたサワギキヨウは、ほんの少し開花期より早かったようで、殆どが蕾の状態だった。目立ったのは、ギボウシとツリフネソウ、それにホザキシモツケとくさふじくらいだった。去年見たエゾトリカブトはどうかなと、気をつけて見ていたら、一つだけ目につきにくい場所にひっそりとーしかし豪華な紫の花を咲かせていた。途中マタタビの実も採取出来て、相棒に国立公園内のものは採ってはいけないと注意されたが、実の数個くらいは良いだろうと無視した。触りも撫でもせず、遠くから眺めているだけでは、植物に対する本物の親近感は生まれないの
ではないかと思っている。
湿原の観察を終えた後は、鶴居村のキャンプ場にお世話になることにして、20分ほど走って到着。このキャンプ場に泊まるのは初めてである。以前お盆近い頃、ここに泊まりかけていたのだが、続々と押し寄せるキャンパーの車に恐れをなして、急ぎ移動したことがあった。今日はそれほどの混みようではなく、落ち着いた一夜が過ごせそうである。
その後、期待通りの夜を過ごす。と言っても、ただ良く眠っただけ。
コメント
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