東京多摩借地借家人組合

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底地の買取り請求され、拒否したら、地主と投資会社との土地売買が白紙に

2020年05月18日 | 底地の売買 地上げ
足立区内で宅地30数坪を賃借する山田さん(仮名)は一昨年、地主から月額坪当り100円以上の地代の増額請求通知書を受取る。
組合と相談して土地評価証明書を都税事務所で発給してもらい税額を計算。現行地代額でも税額の4・7と高く、地代を値上げする理由に当たらないので現行地代をお支払いする旨を通知する。

 現行地代を持参すると地主は了解し、受領した。その際、できれば底地を言い値でもよいので買い取ってもらえないかとも打診される。底地の買取りには隣接する奥の住人のための通路部分を含めての条件があり、山田さんにとっては必要としない敷地との抱き合わせでは負担も重いので即答を避けた。

昨年になり地主の妻から、区内の法律事務所の弁護士に夫の成年後見を依頼したので、今後は弁護士と賃貸借契約に関するやり取りをお願いしたので、よろしくと伝えられる。しかし、弁護士からはその後、何も連絡はなかった。

すると今年になって不動産仲介会社の社員が訪ねてきて、地主が底地を投資会社に売却したと通告。組合に連絡し、仲介業者に土地の所有権移転登記の謄本を開示してもらうよう助言される。山田さんは思案したが、今回の底地買取り話はきっぱり断り、仲介業者には従前通りの契約でお願いしたい旨を通知した。1週間ほどして仲介業者から連絡があり、投資会社と地主の売買契約は解除され、今まで通り山田さんと地主の賃貸借契約に戻すことになった。

(東京借地借家人新聞より)
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「相当の更新料を支払う」特約有効

2020年05月18日 | 契約更新と更新料
 北区の組合員の更新料支払請求事件で、東京地裁の佐野倫久裁判官は2月27日に原告である地主の更新料請求を認め、更新料215万円2000円を認める判決を下しました。

 本件は、昭和31年に借地人の祖父の代から借地を借り、父親が相続した昭和51年に合意更新して更新料として32万2000円(坪当り1万4000円)を支払っています。平成8年にも契約を更新して父親は更新料として173万円(坪当り8万円)を支払っています。借地に隣接した水路地(国有地)が地主が所有権を取得し、借地の面積は2坪弱増えて、新地籍を23・04坪にすることで合意しました。その際、地主と交わした合意書に、平成28年9月の契約満了時に契約の更新を希望する場合、新地籍で『相当の更新料を支払うものとする』との合意をしていました。

地代については、平成22年から毎月1万3720円(坪510円)を支払っています。

地代が安いことを理由に更新料容認

 裁判では、「相当の更新料」を支払う旨の合意をもって被告が更新料を支払う義務を負うのか、本件更新の場合に上記合意が適用されるのか、適用されるとして更新料の額がいくらか等が大きな争点になりました。

「相当な更新料」とは金額がいくらなのか明確ではなく、更新料請求が認められた事例の「一義的で具体的な特約」とは到底いえません。

 しかし、地裁の判決では「被告が平成28年9月の本契約更新時に更新料の支払い義務を負うこと自体は明確に規定されていること、『相当の更新料』と記載されたのは、本件合意がなされた平成22年9月から平成28年9月までの間に社会情勢や近隣相場の変動等によって更新料額が変動する可能性がある点が考慮されたためであることが認められる。そして、本件合意の時点で次回更新が約6年も先のことであったことを併せ考慮すれば、上記可能性を考慮して『相当の更新料』と記載したことには相当の合理性、相当性が認められるというべきであって、当該文言をもって第3項が一義的かつ具体的な合意ではないとか、特定に欠けるということはできない。よって、被告は、本件合意書第3項に基づき、原告に対し、更新料支払義務を負う」、その上判決では「更新料は一般的に賃料の補充なおし前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的性質を有するものであるところ」、賃料が1坪510円と安価で、月額1万3000円程度にとどまる、更新料÷20年÷12ヵ月で月換算8966円程度であり、1坪8万円の更新料額は「相当」な金額であると認めるのが相当であると断じています。

 更新料に関するこれまでの判例を覆す非常に不当な判決であり、東借連の弁護団では控訴して、高裁では担当した種田弁護士と協力して弁護団を組んで争う方針です。組合員も最高裁まで闘いたいと強い決意で頑張っています。
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コロナで困窮 家賃滞納 住まい保障 国に要望 住宅問題3団体

2020年05月18日 | 新型コロナ被害と家賃 住宅支援
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-05-15/2020051512_03_1.html

 弁護士らでつくる「全国追い出し屋対策会議」など住宅問題3団体は13日、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済困窮で、家
賃滞納を理由とした賃貸住宅からの追い出しが発生する恐れがあるとして、賃借人の住まいを保障する要望書を政府に提出しました。

 要望書では、コロナ禍で3カ月程度の家賃滞納があっても賃貸借契約の解除権は「発生しない」と指摘。法的手続きによらない追い
出し行為も「禁止されている」として、賃貸事業者は「法に従った対応が求められて」いると述べています。

 また住宅確保給付金の適用要件緩和や、家賃減免に応じた場合に全額損金処理するなどの特例措置もとられているとして、賃借人と
賃貸事業者へのさらなる支援を求めています。

 そのうえで、賃貸事業者へ▽家賃滞納を理由とした契約解除をしない▽家賃の不当な取り立てをしない―ことなどを要求。国・自治
体に対し、家賃補助あるいは猶予措置などの支援制度を創設するよう求めています。

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