東京多摩借地借家人組合

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賃貸人が代わり家賃の値上げを要求されています

2008年01月08日 | 地代家賃の増減
(Q)1年前から賃貸マンションに住んでおります。契約期間は2年間です。今月になって、不動産売買によって賃貸人が変わったという書類が届きました。そして、新しい管理業者から、「地価等の相場も考慮して家賃を1万円ほど上げる。急な話なので、今月は以前の家賃でよいが、10月からは新賃料での振り込みをお願いしたい。」と連絡がありました。

 契約から、まだ1年しか経過していないのですが、このような要求にどのように対処すればよいのか困っています。もちろん、不満だからといって退去という選択はとりたくありません。

 自分でも調べたのですが、契約期間が2年程度であれば、一方的に家賃の値上げをする合理的根拠は存在しづらい、と記載されてあったのを見ました。不当請求として、拒否または交渉することができるのでしょうか? ちなみに、地価が劇的に上がるような交通・建物等の工事は現状では見て取れません。よろしくお願い致します。

(東京都 20歳代 会社員 男性)




(A) 前の家主の地位を引き継ぐ

 家主が変わったからといって、以前の家主との契約をいきなり白紙にするのは、法的にも根拠がありません。なぜなら、新しい賃貸人は、前の賃貸人の地位をそのまま引き継ぐのが原則だからです。したがって、少なくとも次の更新時までは、従前の家賃を踏襲すべきだと思います。まずは、そのように主張してみましょう。

 それでも、値上げを要求してくるのなら、賃借人が相当と考える家賃を供託する制度もあります。賃借人は、現在の家賃を納めて賃貸人に受領拒絶された場合は、従前の家賃を供託することができるのです。この供託により家賃不払いという債務不履行が回避できますし、家賃を増額するには、賃借人が和解を含めた訴えを提起しなければなりません。その場合、おそらく裁判所は次回更新時までの家賃増額は認めないと思われます。

 供託に関しての詳しいことは、地元の消費生活センターや司法書士会主催の相談会などで相談してみてください。

(住宅ねっと相談室カウンセラー NPO理事 石田 光曠)



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一人で悩まず  042(526)1094




[2007.12.20 掲載]

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