村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

仁清の良心と自信 

2014-12-20 23:10:10 | 美術館・博物館
武蔵野を
横に降る也
冬の雨 
漱石


昨晩から何やら具合の悪い
わが身の重いのなんの
ちらとも動く気がしない
何だろうと思ったが
低気圧の影響だった
雨が降り始めると現金なもので
急に楽ちん元気回復 
今日は出光美術館へ いざ



出光美術館の展覧会は
仁清・乾山
風雅のうつわ

行こうと思いつ明日はもう最終日
きっと混むだろうから
今日 行く

まずは有楽町のイトシアで食事をし
お腹を満たしてからの
芸術の鑑賞

仁清も乾山も展覧会で見る事は多い
ガラス越しに見ているだけでは
たとえ100回1000回見たとしても
見たという事実だけ わかるとは違う
焼物はじかに手に取って見ること
土をよく見ること
できれば比べると良くわかる

焼物を知りたければ
本物を自分のものにし
よく見ること だが難しい
でなければ
本物が登場する質のよい茶事や茶会へ行く
茶事はそうそう多くないから
これぞという機会があれば
何をおいても参加する
茶会は少々高いかもしれないが
三回行く分を一回にしても
内容がよければ勉強になる


先日茶入を買った
無印だが
もしかしたら「仁清」かもと
厚かましくも思っていた

仁清の茶入は
案外お持ちの方もいらして
茶事や茶会で拝見する機会が何度かあった
稽古の時にそのお話すると
では比べましょうと
本物の仁清と比べて頂いた

仁清は 
いずれも野暮ったくない
又この辺でいいかという
いい加減さが微塵もない
これぞ「仁清」という
良心と自信の作品だ
なにより仁清はろくろの名人
薄作である
また土を見せるが為に釉掛けも慎重で
どれも釉際が美しい



いざ比べると
まず私のには印がない
無印仁清もあるが
先生のものには 仁清 と
俗に言う 小印が押してある
そして何より本物は土が細かく
釉際も驚くほど美しい
結果 私の方は
ありありと仁清でないこと判明
納得した

でもこれは
贋物というわけではない
印さえないのに
勝手に自分がそう思ったのだ
仁清の偽物は山ほどある
茶会にも堂々と贋物が登場するから
気をつけよう



写真は出光美術館で買った
竺仙の羊の手拭い






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