花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

忖度してほしいこと

2018-06-10 13:35:16 | Weblog
 「新しい法律ができたとします。それはどんな社会情勢の中で、どんな議論を経てできたのか。国民がその時々の政治や行政を評価するためには、後々まで残る正確な記録が必要になる。それが選挙では投票行動につながり、政治家が選ばれ、政策が決まっていく。正しい情報なくして正しい民主主義は行われない。」土曜日の朝日新聞朝刊には、公文書改ざん問題に対する福田元首相のコメントが掲載されていました。改ざんに至るには官僚の忖度があったのではないかと言われていることについて、元首相は「官邸の力があまりに強すぎ、政官のバランスが少し悪くなっているのではないでしょうか。加計学園をめぐる総理秘書官らの言動も、いまの官邸の雰囲気を表している」としています。併せて、「秘書官というのは総理が何を考えているかわからないまま勝手に動くなどということはできない。でも意向さえ把握できれば、細かい確認はしなくてもその方向に合わせて動くことになる」と述べています。
 意向を把握するとは相手の気持ちを思いやることです。気持ちを思いやること自体は悪いことでも何でもなく、逆に思いやりに欠けると人間関係や社会がぎくしゃくしてしまいます。今、批判を受けている忖度の場合で言えば、忖度した後の行為が本来の職務とかけ離れていたことが問題とされているわけです。
 さて、最近、父親から虐待を受けた女児が亡くなったことがニュースになりました。ひらがなの練習といってノートに書かれた「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」の言葉を読むと、胸が締め付けられる思いがします。この女児が可哀そうなことはもちろんですが、「可哀そうな事件があったね」で終わらせてはなりません。ニュースになった虐待のほかに、世の中ではたくさんの虐待が行われていることを思いやって頂きたいと思います。虐待を受けている幼児の気持ちへの忖度が広がり、適切な施策が行われてほしいものです。