★ 朝食
このホテルの朝食は、口コミでも人気が高かっただけあり、毎朝が楽しみでした。「今日は何を食べようかしら?」と欲張りになり、つい食べ過ぎてしまい昼食時にもなかなかお腹がすきません。
街でもホテルでも、日本人を全く見かけなかったのですが、最後の日にJAL「ロマンティック街道の旅」の紙が貼られたバスが止まっていて懐かしく思いました。
ツアーは朝から大忙し、食事を終えて部屋に帰るときにはもう出発していました。
★ 今日は、ミュンヘンの歴史の街歩きです。
ミュンヘンはマリエン広場を中心として発達した街なので、そこへ向かいます。まず、カールス門をくぐって、歩行者天国のノイハウザー通りに出ます。
両側にはデパート、レストラン、カフェ、ブティックが並び、ミュンヘンきってのショッピングエリアです。
ネオゴシック様式の新市庁舎。この85メートルの塔に仕掛け時計グロッケンシュピールがあります。11時と12時に10分間だけ等身大の人形が動きます。広場は人でいっぱい!
16世紀の大公の結婚式を再現したもので、馬上槍試合ではバイエルンの騎士が勝ち、その時に観客からどっと歓声が上がりました。そのあとは下段のビールの樽を作る職人たちのダンスが始まります。ストーリー性のある動きなので人気も高いのでしょう。なんとも幸せな仕掛け時計です。
★ レジデンツ
バイエルン王家であるヴィッテルスバッハ家の本宮殿。14世紀に建設が始まり増改築が行われて華麗な宮廷になっています。かつての王宮内部がそのまま見られるようになっていて、見学順の矢印がうまく付けてあり見落とすことなく回れました。かなり広いので相当に疲れます。
右手がバイエルン州立歌劇場、左手が工事中のネットが張られたレジデンツ。
● レジデンツ宝物館
10世紀からの王家の宝物が集められています。
目の前にいきなりグロテスクなものが・・・。洞窟(グロット)です。金色の彫像のほかは全部貝殻でできています。「グロテスク」の語源でもあるそうな。そういえば、10年前に訪れた、ルートヴィッヒ2世が建てたノイシュバンシュタイン城にも室内に洞窟が作られていて、奇妙な違和感がありました。
お土産の顔写真に美青年ルートヴィッヒ2世をよく見かけ、人気が高いようです。でもドライバーさんは「クレイジー!」と言って、あまり評価していないようでした。こうして観光していると、近代都市の建設に力を注ぎ、芸術にを盛んにした点からいってもルートヴィッヒ1世の方が活躍したと思われます。
★ ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団 ( ガスタイク文化センター )
マリエン広場で仕掛け時計が始まるのを待っている間に、夫がコンサートのチケットを入手してきました。19時開演。
ガイド本の情報が間違っていたので、トラムの路線を探すのにひと苦労。
コンサートの前に軽めの夕食。だんだんさっぱりしたものが恋しくなります。「寿司」の看板を見つけて入ってみたものの、内陸の土地で魚は大丈夫???と、結局はラーメンを注文しました。
テイクアウトもしていて、巻きずしを買いに来る青年や若い女性が印象的でした。ミュンヘンでは寿司が人気があるのが実感でき、日本の食文化の広がりを誇らしく思いました。店内でも「寿司」「味噌スープ」「ラーメン」が人気があり、上手にお箸も使っています。でも奇妙な味でラーメンとはいいがたいものでした。オーナーは日本人かと思いましたが、中国語を話していました。
ホールは2387席で巨大です。ステージから緩やかに広がる放射状の客席はほとんど満席。観客はきれいなドレスや宝飾を競い合うというのではなく、心から音楽を愛し楽しむのがよーく伝わってきました。堅実なドイツの一面を見たような気がします。子供の頃からいつも音楽が傍にあったということでしょうか。若い人よりも年配の夫婦が多かったように思います。
ブラームスをこんなに大きい音で演奏するのかと思いましたが、ホールの違いもあるのかもしれません。日本では演奏中は照明を落としますが、ここはずっと同じ明るさ。暗めの方が雰囲気が出ますが。
指揮者は若いフィリップ・ジョーダン。帰国してから調べるとウィーンフィルでも指揮をとるほどの精鋭のようです。どうりでミュンヘン市民のハートをとらえるはずです。
私のほうは、一日中歩きづくめ、立ちづくめでぐったり疲れていました。残り5席の時にやっと入手した当日券。せっかくのチャンスなのに睡魔は意地悪です。きっと愚かな東洋人と思われたかも・・・。
クロークで一番最後だったせいか、トラムの乗り場に行ったときは数名しかいません。タクシーもそんなに通っていないし。
巨大な席を埋めた市民のはやわざに意表を突かれた思いでした。