どこまでも続くオリーブ畑の中を、ラ・マンチャ地方へ。雨の少ないこの地方は、オリーブの生育にぴったりで、しかも雑草が生えにくいという特異な風土とか。絵に描いたような整然とした美しい畑です。赤茶けた土は、壷や鉢のテラコッタに使われるそうです。
コンスエグラ村の小高い丘に、ドン・キホーテの舞台にもなった白い風車が点在しています。
色と形がかわいい風車なのに、キホーテが戦いを挑んだというのがユーモラス。そんな愛すべきキホーテゆかりの像が街のあちこちに見られました。
耕作面積が世界一というブドウ畑の中を、さらに走って走って、世界遺産コルドバ歴史地区へ。コルドバは10世紀に全盛を迎えた、かつてのイスラム世界の中心都市。旧市街はイスラムの栄華が残る美しい街でした。
メスキータは、8世紀後半に建てられたイスラム教寺院です。見事な850本の馬蹄形アーチ。アラベスク模様やモザイクで装飾された天井の壮麗さ。
13世紀になり、キリスト教が支配するようになると、内部にカテドラルが造られ(メスキータの巨大さが伺われます)、イスラム教とキリスト教が共存するという珍しい建物になっています。
ここで、ムデハル様式ということばを知りました。キリスト教徒たちが、イスラム建築を自分たちの生活空間として利用することだそうです。レコンキスタはイスラム勢力から国土を奪回する運動のことで、1492年に完了。
メスキータをでると、迷路のような石畳の小道。「花の小径」と呼ばれているほど、花がし っくりと合う旧ユダヤ人街の美しい家並みです。
さらにひた走って、セビリアへ。着いたときにはもう暗くなっており、レストランへ直行。
その後は本場フラメンコショーへ。歌、踊り、ギターが一体になった民俗芸能。その情念と哀愁は、民族が違ってもよく伝わってきます。サンガリアを飲みながら、手拍子とカスタネットのリズムに酔いました。
宿に着いたのは10時。500キロも走ったのに、それほどの疲れを感じないのは、どこか他のヨーロッパの国々とは違う特異な歴史風土への興味深さのせいだと思います。そういえば、ナポレオンが「ピレネーを越えたらヨーロッパではない」と言ったとか言わないとか。明日の出発は少し遅めでラッキー!
この夜に、日本から娘の携帯メールが入りました。「荒川選手金、村主選手4位」の簡単メールでしたが、それだけで十分!
氷上の初めての金に信じられない位です。せっかくのニュースも、夜遅かったために、同行のメンバーへは明日知らせることにしまう。