未唯への手紙
未唯への手紙
人、国家、世界 三つの分析レベル
『国際政治学』より
70億人の人々が住む地球で200もの主権国家が織り成す現代国際政治は,極度に雑多な事象で溢れている。そこで,多種多様な事象を簡素な形に整理しなければ,人間の限られた能力ではとうていまとまった認識は得られない。とすれば私たちは,国際政治上の多種多様な現象のどこに注目して議論を組み立てればよいのだろうか。まず,社会現象は、社会の最小単位である個人から出発して、家族、地域共同体、国家、そして人類全体を含むグローバルな世界という順番で規模が大きくなる層(レベル)を成している、と見ることができる。そして社会科学理論は、大まかにいえば下の層から上の層を説明するアプローチと、逆に上から下を説明しようとするアプローチとに二分できる。言い換えれば、小さな単位に注目してそれを積み上げることで全体を説明する方法論的個人主義と、全体の構造から出発してそれが小さな単位のあり様をどのように決めるかを見ようとする全体論のアプローチである。国際政治も人間社会における現象であるから、その最小単位は個人と見ることができるが、たとえば戦争といった現象を理解するのに国家の存在は無視できない。したがって国際政治においては、個人と、それが構成するグローバルな世界の間にある国家という強力な単位の存在を無視できない。個人レペル、国家レペル、そして国際システム・レベルの三つが、分析レペルとして広く受け入れられているのは、そのためである。代表的な例として、ケネス・ウォルツによる戦争原因論の分析がある(第3章第1節参照)。ウォルツは戦争原因論を個人レベル、国家レペル、そして国際システム・レベルの三つに分類しているが、これは国際政治分析全般にも応用できるであろう。
70億人の人々が住む地球で200もの主権国家が織り成す現代国際政治は,極度に雑多な事象で溢れている。そこで,多種多様な事象を簡素な形に整理しなければ,人間の限られた能力ではとうていまとまった認識は得られない。とすれば私たちは,国際政治上の多種多様な現象のどこに注目して議論を組み立てればよいのだろうか。まず,社会現象は、社会の最小単位である個人から出発して、家族、地域共同体、国家、そして人類全体を含むグローバルな世界という順番で規模が大きくなる層(レベル)を成している、と見ることができる。そして社会科学理論は、大まかにいえば下の層から上の層を説明するアプローチと、逆に上から下を説明しようとするアプローチとに二分できる。言い換えれば、小さな単位に注目してそれを積み上げることで全体を説明する方法論的個人主義と、全体の構造から出発してそれが小さな単位のあり様をどのように決めるかを見ようとする全体論のアプローチである。国際政治も人間社会における現象であるから、その最小単位は個人と見ることができるが、たとえば戦争といった現象を理解するのに国家の存在は無視できない。したがって国際政治においては、個人と、それが構成するグローバルな世界の間にある国家という強力な単位の存在を無視できない。個人レペル、国家レペル、そして国際システム・レベルの三つが、分析レペルとして広く受け入れられているのは、そのためである。代表的な例として、ケネス・ウォルツによる戦争原因論の分析がある(第3章第1節参照)。ウォルツは戦争原因論を個人レベル、国家レペル、そして国際システム・レベルの三つに分類しているが、これは国際政治分析全般にも応用できるであろう。
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チェコスロヴァキアとフィンランドの選択
『国際政治学』より
第二次世界大戦の開戦にいたる前後,大国の脅威に晒されたチェコスロヴァキアとフィンランドの選択は対照的であった。民族問題を理由にナチス・ドイツから圧力をかけられていたチェコスロヅァキアはミュンヘン会談(1938年)で英仏からの支援も失い、1939年3月、ヒトラーによる併合要求を受け入れて主権を失った。その結果,ヨーロッパ中心部にあるにもかかわらず,大戦中のチェコスロヴァキアの人的被害は少数にとどまった。他方、フィンランドは1939年秋にソ連からの領土その他の要求に対して抵抗し,2度にわたる戦争を行ったが多数の犠牲とともに敗北し、ソ連側の条件の多くを受け入れざるをえなかった。第二次世界大戦後,チェコスロヴァキアの政治体制は事実上,ソ連の支配下に置かれる一方で、フィンランドはソ連に追従する外交路線をとったものの独立は維持し、一部の領土を取り戻すことにも成功した。
チェコスロヴァキアが国民の命を守ることを優先し、フィンランドが主権を守ることを優先した,とみなすのはやや単純化が過ぎよう。しかし、国家が何を安全保障の対象として追求するかについては,その国の置かれた環境や国民の価値判断など複数の諸要因が作用することの典型的な事例と言えよう。
第二次世界大戦の開戦にいたる前後,大国の脅威に晒されたチェコスロヴァキアとフィンランドの選択は対照的であった。民族問題を理由にナチス・ドイツから圧力をかけられていたチェコスロヅァキアはミュンヘン会談(1938年)で英仏からの支援も失い、1939年3月、ヒトラーによる併合要求を受け入れて主権を失った。その結果,ヨーロッパ中心部にあるにもかかわらず,大戦中のチェコスロヴァキアの人的被害は少数にとどまった。他方、フィンランドは1939年秋にソ連からの領土その他の要求に対して抵抗し,2度にわたる戦争を行ったが多数の犠牲とともに敗北し、ソ連側の条件の多くを受け入れざるをえなかった。第二次世界大戦後,チェコスロヴァキアの政治体制は事実上,ソ連の支配下に置かれる一方で、フィンランドはソ連に追従する外交路線をとったものの独立は維持し、一部の領土を取り戻すことにも成功した。
チェコスロヴァキアが国民の命を守ることを優先し、フィンランドが主権を守ることを優先した,とみなすのはやや単純化が過ぎよう。しかし、国家が何を安全保障の対象として追求するかについては,その国の置かれた環境や国民の価値判断など複数の諸要因が作用することの典型的な事例と言えよう。
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ノルウェーにおける図書館とコミュニティー
コミュニティー内で確固たる役割を担う図書館 マヨールストゥーエン図書館
ガウスロー館長に図書館の課題を尋ねたところ、「とにかく大賑わいの図書館なので、空間が不足している」という点を真っ先に挙げた。混んでいる時間帯などは、床に座り込んで本を読んでいる利用者もいると言う。また、同じく利用者が多いことに関連する課題として、「職員が利用者の対応に追われ、図書館で行うプログラムをじっくりと企画する時間がもてないことも悩みの一つ」と言っていた。
そんな忙しい状況のなかでインタビューに応じてくれたガウスローさんをはじめとするマヨールストゥーエン図書館の職員が、利用者を信頼し、尊敬していることがインタビューを通してとてもよく伝わってきた。というのも、「いつも混雑してなかなか十分な対応ができないにもかかわらず、利用者はみんなお互いを尊重しあい、譲りあいの精神を発揮して図書館を使ってくれている」という主旨の発言が何回も出てきからである。
地域社会に開かれた図書館になるためにさまざまなグループと連携していきたいし、すでに実行に移していることを館長は力強く語ってくれた。これからやりたいことはいろいろあるが、プロジェクトはマヨールストゥーエン図書館だけで決めることはできない。オスロ・コミューン全体で図書館が成し遂げる目標があり、その目標の達成のための戦略が必要となる。マヨールストゥーエン図書館をはじめとする各分館は、コミューンとしての目標を視野に入れて、自らができることを考え実施していく時期に来ている。
そして館長には、コミューン全体のなかでの役割を担いつつ、地域の人びとに密着したサービスを提供していくというバランス感覚が求められている。若くて経営感覚に優れたガウスローさんと、マヨールストゥーエンでの経験が長いディゲルーさんのコンビネーションなら、この難しい舵取りをうまくやっていくことだろう。
図書館はコミュニティーの生涯学習の拠点 ドランメン図書館
インタビューが終盤に近づいたので、ヒッレスタさんに今後の目標を聞いたところ、ほとんど瞬間的に「ドランメン図書館が、コミュニティーの生涯学習の中心地となることです」という答えが返ってきた。
ヒッレスタさんにとっては、図書館が今行っていること、すなわち資料や情報の提供や地元の文化団体と連携した文化イペントの開催などのすべてが、住民に対する生涯学習の場の提供ということに結び付いている。だからこそ、今のサービスを続けていき、図書館が地域の生涯学習の拠点として位置づけられるようにしたいという強い思いがあるのだ。
ヒッレスタさんに広い館内を隅々まで案内していただき、お話をうかがうだけで午前中はあっという間にすぎていった。その後、館内でゆっくり過ごすことに決めて、まず学生で大にぎわいの学生食堂兼カフェで食事をした。外食の値段が高いことで世界でも有名なノルウェーだが、ここだとボリュームがあって温かい食事をそこそこの値段でとることができる。
何と言っても、ドランメン川を望むロケーションはほかに比べることができないほどすばらしい。浴々と流れる川の水を見ているだけで時間がすぎてゆく。ふと気付くと、学生は次の授業に行ったのか、あっという間に広いカフェは人がまばらになっていた。残っているのは、時間を気にしなくてもよい旅人の私と、少し歳のいった地元の人らしき数グループだけだった。
お腹がいっぱいになったところで再び図書館に戻り、もう一度、上階から順々に見て回った。説明を受けたあとなので図書館の設備がよく分かる。三階で脇目もふらず勉強に没頭する大学生と、二階でリラックスして読書を楽しむ一般利用者とのコントラストがいかにもこの図書館らしい。ここでだったら、猛勉強に疲れた学生がポップカルチャーコーナーに行って気分転換をしたり、一般市民が三階に上がって高度な専門書を読んで勉強することも可能だ。
古い建物のリノベーション、大学図書館と公共図書館の融合、ボッブカルチャーの積極的な導入、どれ一つをとっても図書館サービスの新しい可能性を見いだせる場所、それがドランメン図書館と言える。
ガウスロー館長に図書館の課題を尋ねたところ、「とにかく大賑わいの図書館なので、空間が不足している」という点を真っ先に挙げた。混んでいる時間帯などは、床に座り込んで本を読んでいる利用者もいると言う。また、同じく利用者が多いことに関連する課題として、「職員が利用者の対応に追われ、図書館で行うプログラムをじっくりと企画する時間がもてないことも悩みの一つ」と言っていた。
そんな忙しい状況のなかでインタビューに応じてくれたガウスローさんをはじめとするマヨールストゥーエン図書館の職員が、利用者を信頼し、尊敬していることがインタビューを通してとてもよく伝わってきた。というのも、「いつも混雑してなかなか十分な対応ができないにもかかわらず、利用者はみんなお互いを尊重しあい、譲りあいの精神を発揮して図書館を使ってくれている」という主旨の発言が何回も出てきからである。
地域社会に開かれた図書館になるためにさまざまなグループと連携していきたいし、すでに実行に移していることを館長は力強く語ってくれた。これからやりたいことはいろいろあるが、プロジェクトはマヨールストゥーエン図書館だけで決めることはできない。オスロ・コミューン全体で図書館が成し遂げる目標があり、その目標の達成のための戦略が必要となる。マヨールストゥーエン図書館をはじめとする各分館は、コミューンとしての目標を視野に入れて、自らができることを考え実施していく時期に来ている。
そして館長には、コミューン全体のなかでの役割を担いつつ、地域の人びとに密着したサービスを提供していくというバランス感覚が求められている。若くて経営感覚に優れたガウスローさんと、マヨールストゥーエンでの経験が長いディゲルーさんのコンビネーションなら、この難しい舵取りをうまくやっていくことだろう。
図書館はコミュニティーの生涯学習の拠点 ドランメン図書館
インタビューが終盤に近づいたので、ヒッレスタさんに今後の目標を聞いたところ、ほとんど瞬間的に「ドランメン図書館が、コミュニティーの生涯学習の中心地となることです」という答えが返ってきた。
ヒッレスタさんにとっては、図書館が今行っていること、すなわち資料や情報の提供や地元の文化団体と連携した文化イペントの開催などのすべてが、住民に対する生涯学習の場の提供ということに結び付いている。だからこそ、今のサービスを続けていき、図書館が地域の生涯学習の拠点として位置づけられるようにしたいという強い思いがあるのだ。
ヒッレスタさんに広い館内を隅々まで案内していただき、お話をうかがうだけで午前中はあっという間にすぎていった。その後、館内でゆっくり過ごすことに決めて、まず学生で大にぎわいの学生食堂兼カフェで食事をした。外食の値段が高いことで世界でも有名なノルウェーだが、ここだとボリュームがあって温かい食事をそこそこの値段でとることができる。
何と言っても、ドランメン川を望むロケーションはほかに比べることができないほどすばらしい。浴々と流れる川の水を見ているだけで時間がすぎてゆく。ふと気付くと、学生は次の授業に行ったのか、あっという間に広いカフェは人がまばらになっていた。残っているのは、時間を気にしなくてもよい旅人の私と、少し歳のいった地元の人らしき数グループだけだった。
お腹がいっぱいになったところで再び図書館に戻り、もう一度、上階から順々に見て回った。説明を受けたあとなので図書館の設備がよく分かる。三階で脇目もふらず勉強に没頭する大学生と、二階でリラックスして読書を楽しむ一般利用者とのコントラストがいかにもこの図書館らしい。ここでだったら、猛勉強に疲れた学生がポップカルチャーコーナーに行って気分転換をしたり、一般市民が三階に上がって高度な専門書を読んで勉強することも可能だ。
古い建物のリノベーション、大学図書館と公共図書館の融合、ボッブカルチャーの積極的な導入、どれ一つをとっても図書館サービスの新しい可能性を見いだせる場所、それがドランメン図書館と言える。
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ノルウェー社会における図書館の役割
ノルウェー社会について理解を深めていただけたであろうか。本章の最後に、本書のテーマである図書館について、その概略を説明しておこう。
ノルウェーの公共図書館法には、「公共図書館は図書およびほかの資料をすべての住民に無料で提供することによって啓発、教育、そのほかの文化活動を振興することを任務とする」と書かれている。文化活動の振興やノルウェーに暮らすすべての人びとへの平等な情報提供を示したこの文言は、社会における図書館の役割をもっとも適切に表現しているものと言ってよいだろう。
しかしながら、人口密度が低く、国土全体に人びとが分散して居住しているという状態にあって、「すべての住民に情報を提供する」ことは決してたやすいことではない。都市から遠く離れた町へ図書館サービスを提供することは、図書館界の永遠の課題となっている。それがゆえに、図書館へのアクセスが困難な人びとにサービスを届けるために「ブックモービル」や「ブックボート」が活躍しているわけだが、現在では、コンピュータにおけるネットワークの整備が情報アクセスの課題を克服するもっとも有力な手掛かりとなっている。
コンピュータ・ネットワークに対する期待は、世界のどの地域の図書館よりも高いと言ってよいだろう。現に、一九九〇年代半ばから一般家庭へのインターネットの接続がはじまり、交通環境の悪い地域にあってはインターネットが重要な情報源となってきた。とりわけ、小規模で十分にコレクションの整備ができない図書館は、電子的なネットワークにサービスの活路を見いだしている。文化とアートの拠点としての図書館
図書を中心としたメディアのアクセスにかかわる基本的なサービスに加えて、図書館に期待されているのは文化の拠点としての役割である。たとえば、ノルウェーには小さいコミューンがたくさんあるが、規模の小さい町では図書館が唯一の文化施設という所も少なくない。そのような場所にある図書館は、あるときは美術館としての役割を果たし、また別のときにはコンサートホールの役割を果たすといったように、町を代表する文化施設として複数の顔をもっている。司書は資料と情報の専門家であると同時に、小さな町では展示会を企画するキュレイターでもありコンサートの仕掛人、そしてイペントのプランナーでもあるのだ。
ある町の図書館を訪れたとき、司書が次のように言っていた。
「コンサートがあるときにはミキサー役(音量調整)までしています。そもそも、コンサートの企画をしているので、さまざまなアーティスト情報にとても詳しくなりました」
また図書館は、デジタル情報を介して文化の拠点となることが期待されている。デジタルデータを全国レペルで収集・提供する試みにおいて、ノルウェーは世界でもかなり先端を行っている国である。今でこそ美術館、博物館、図書館の連携が世界的に叫ばれるようになっているが、ほかの国々が文化機関の連携の重要性にやっと気付いたころ、ノルウェーではすでに美術館、博物館、図書館の協力を模索し、それを実現するための文化政策に着手していた。
人類のあらゆる知的財産を未来に継承していくという目的において、美術館、博物館、図書館は目的を共有している。三つの文化機関は、お互いに知恵を出し合って文化的な財産を保存し、人びとに公開していく義務を負っている。そのための仕組みづくりを、とりわけデータの電子化という面から主導してきた経験を図書館はもっている。地域に根ざすリアルな図書館と、バーチャル空間に存在するデジタルライブラリー、どちらかではなくこの両方の充実を図ることによって、図書館は文化の発信拠点としての存在意義を確立していくことになる。
ノルウェーの公共図書館法には、「公共図書館は図書およびほかの資料をすべての住民に無料で提供することによって啓発、教育、そのほかの文化活動を振興することを任務とする」と書かれている。文化活動の振興やノルウェーに暮らすすべての人びとへの平等な情報提供を示したこの文言は、社会における図書館の役割をもっとも適切に表現しているものと言ってよいだろう。
しかしながら、人口密度が低く、国土全体に人びとが分散して居住しているという状態にあって、「すべての住民に情報を提供する」ことは決してたやすいことではない。都市から遠く離れた町へ図書館サービスを提供することは、図書館界の永遠の課題となっている。それがゆえに、図書館へのアクセスが困難な人びとにサービスを届けるために「ブックモービル」や「ブックボート」が活躍しているわけだが、現在では、コンピュータにおけるネットワークの整備が情報アクセスの課題を克服するもっとも有力な手掛かりとなっている。
コンピュータ・ネットワークに対する期待は、世界のどの地域の図書館よりも高いと言ってよいだろう。現に、一九九〇年代半ばから一般家庭へのインターネットの接続がはじまり、交通環境の悪い地域にあってはインターネットが重要な情報源となってきた。とりわけ、小規模で十分にコレクションの整備ができない図書館は、電子的なネットワークにサービスの活路を見いだしている。文化とアートの拠点としての図書館
図書を中心としたメディアのアクセスにかかわる基本的なサービスに加えて、図書館に期待されているのは文化の拠点としての役割である。たとえば、ノルウェーには小さいコミューンがたくさんあるが、規模の小さい町では図書館が唯一の文化施設という所も少なくない。そのような場所にある図書館は、あるときは美術館としての役割を果たし、また別のときにはコンサートホールの役割を果たすといったように、町を代表する文化施設として複数の顔をもっている。司書は資料と情報の専門家であると同時に、小さな町では展示会を企画するキュレイターでもありコンサートの仕掛人、そしてイペントのプランナーでもあるのだ。
ある町の図書館を訪れたとき、司書が次のように言っていた。
「コンサートがあるときにはミキサー役(音量調整)までしています。そもそも、コンサートの企画をしているので、さまざまなアーティスト情報にとても詳しくなりました」
また図書館は、デジタル情報を介して文化の拠点となることが期待されている。デジタルデータを全国レペルで収集・提供する試みにおいて、ノルウェーは世界でもかなり先端を行っている国である。今でこそ美術館、博物館、図書館の連携が世界的に叫ばれるようになっているが、ほかの国々が文化機関の連携の重要性にやっと気付いたころ、ノルウェーではすでに美術館、博物館、図書館の協力を模索し、それを実現するための文化政策に着手していた。
人類のあらゆる知的財産を未来に継承していくという目的において、美術館、博物館、図書館は目的を共有している。三つの文化機関は、お互いに知恵を出し合って文化的な財産を保存し、人びとに公開していく義務を負っている。そのための仕組みづくりを、とりわけデータの電子化という面から主導してきた経験を図書館はもっている。地域に根ざすリアルな図書館と、バーチャル空間に存在するデジタルライブラリー、どちらかではなくこの両方の充実を図ることによって、図書館は文化の発信拠点としての存在意義を確立していくことになる。
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豊田市図書館の19冊
豊田市図書館の19冊
312.2『新大陸主義』21世紀のエネルギーパワーゲーム
498.3『医者知らず「冷えとり」で完全健康人生』病は「冷え」から! 万病に効く「冷えとり」の四原則 ○靴下の重ねばき ○半身浴 ○腹七分目 ○正しい生き方
914.6『意にかなう人生』心と懐を豊かにする16講
332.1『バブルの死角』日本人が損するカラクリ
244.14『マリ近現代史』
319『国際政治学』
326.2『刑法各論』
440『宇宙137億年の謎が2時間でわかる本』宇宙はこうして宇宙になった!
019『読書について』
361.45『メディア学小辞典』
159.4『行動格差の時代』心の勢いで壁を突破する8つの力
336.1『経営戦略論入門』経営学の誕生から新・日本型経営まで
391.2『戦闘技術の歴史 4』ナポレオンの時代編 AD1792-AD1815 ナポレオンの登場によって戦場は一変した 合理的な戦術と機動的な火砲の発展が圧倒的勝利を生む 近代戦争の始まりの全貌を伝える好評シリーズ第4巻
518.8『写真で巡る世界の街並・世界遺産』
010.23『文化を育むノルウェーの図書館』物語・ことば・知識が語る空間
007.35『最新インターネット業界のカラクリがよくわかる本』進化し続ける業界の最新事情とトレンドを解説!
564.09『最新鉄鋼業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』鉄鋼業界の仕組みと特徴、主要企業の動向を俯瞰する!
940.27『そのころスイスは』第二次世界大戦中のスイス人作家の青春
159.4『創造こそあなたと会社を成長させる』福島第一原子力発電所五号機の設計者として、第一線で活躍していたにもかかわらず、30年前に「原子力発電は早晩行きづまる」と予見し、再生可能エネルギー研究に転身した物理学者のもう一つの顔。
312.2『新大陸主義』21世紀のエネルギーパワーゲーム
498.3『医者知らず「冷えとり」で完全健康人生』病は「冷え」から! 万病に効く「冷えとり」の四原則 ○靴下の重ねばき ○半身浴 ○腹七分目 ○正しい生き方
914.6『意にかなう人生』心と懐を豊かにする16講
332.1『バブルの死角』日本人が損するカラクリ
244.14『マリ近現代史』
319『国際政治学』
326.2『刑法各論』
440『宇宙137億年の謎が2時間でわかる本』宇宙はこうして宇宙になった!
019『読書について』
361.45『メディア学小辞典』
159.4『行動格差の時代』心の勢いで壁を突破する8つの力
336.1『経営戦略論入門』経営学の誕生から新・日本型経営まで
391.2『戦闘技術の歴史 4』ナポレオンの時代編 AD1792-AD1815 ナポレオンの登場によって戦場は一変した 合理的な戦術と機動的な火砲の発展が圧倒的勝利を生む 近代戦争の始まりの全貌を伝える好評シリーズ第4巻
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940.27『そのころスイスは』第二次世界大戦中のスイス人作家の青春
159.4『創造こそあなたと会社を成長させる』福島第一原子力発電所五号機の設計者として、第一線で活躍していたにもかかわらず、30年前に「原子力発電は早晩行きづまる」と予見し、再生可能エネルギー研究に転身した物理学者のもう一つの顔。
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