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てらまち・ねっと



 先日のNHKの番組、原発の廃炉の問題を扱った。
 原子炉自体が「放射化」するということで、解体がより困難を極めることも採り上げていた。
◆原発解体~世界の現場は警告する~/廃炉問題/NHK 10月11日(日)

 ところで、プルサーマルという発電方法がある。
 動きがあった。

 「原発の使用済み燃料に含まれるプルトニウムを再処理工場で取り出し、
  ウランと混ぜてMOX燃料を作り、原発(軽水炉)で燃やす発電方法。
  玄海原発3号機では、193体の燃料のうち最大48体のMOX燃料を装荷する。
  玄海原発で使うMOX燃料はこれまでフランスで製造されている。
  国内のMOX燃料加工工場は2015年度に稼働予定とされる。」
        (9月19日毎日新聞)

 このとおり、プルサーマルについて、今日15日から、九州電力が佐賀県の玄海原子力発電所3号機で発電用のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を装てんすると発表した。
 九電は12月上旬ごろに通常運転に復帰し、国内初の本格的なプルサーマル発電を始めるという。

 もちろん、市民団体の反発は強い。

 この関係、毎日新聞の報道がまとまっているので後半に引用し、業界の推進宣言と市民団体の動きのひとつを最後に載せる。
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●MOX燃料きょう装てん
     2009年10月15日 読売新聞

●玄海原発3号機がMOX装てん 15日から、九電
          2009/10/14 18:33 【共同通信】
 九州電力は14日、定期検査中の佐賀県玄海町の玄海原発3号機(加圧水型軽水炉、118万キロワット)で、15日午前からプルサーマル発電用のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を装てんすると発表した。

 九電は当初予定より約半月遅れの11月上旬から段階的に発電を開始。12月上旬に通常運転に復帰し、国内初の本格的なプルサーマル発電を始める見通し。

 九電は先月末、10月3日から装てんする作業日程を公表したが、佐賀県議会の反発を受けて白紙撤回。あらためて日程を設定し、県や玄海町に事前に説明した。MOX燃料の装てん期間は5日間。16日夜に報道陣に作業の模様を公開する。

 一方、関西電力が自主検査の結果、九電も製造を委託したフランスのメロックス社製MOX燃料の一部について、基準を満たさないため不合格とした問題に関連し、九電は「メロックス社に確認したところ当社の燃料には問題がなかったとの回答を得た」と説明した。

 九電は8月末から玄海3号機の定期検査に入り、検査中に燃料集合体193体のうち約3分の1を交換。交換する燃料集合体の一部、16体にMOX燃料を使用する予定。

 佐賀県議会は、今月1日、開会中の定例議会でプルサーマルに関する審議をしているさなか、九電が装てん日程を公表したことを「地元軽視だ」と非難。九電は翌日議会に陳謝し、公開を含む日程を一時撤回していた。

●MOX延期 県議会、推進派も怒り
        朝日 2009年10月02日
 九州電力玄海原子力発電所に、国内初のプルサーマル発電に使うプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を装填(そう・てん)する作業の日程が発表された翌1日、開会中の9月定例県議会で事の是非を議論している各会派は、プルサーマル推進派の自民党も含め、「九電は議会を無視している」と怒りの声を上げた。

 県議会は06年、プルサーマル受け入れにあたって県民の不安を解消するため、「原子力安全にかかわる情報の透明性を確保する」ことを古川康知事に求める決議をしていた。「九電も決議を知っているはずなのに、慎重さに欠ける振る舞いだ」と篠塚周城議員(自民)。

 9月定例会では、反原発団体が提出した、MOX燃料装填作業の延期を九電に働きかけるよう県に求める請願が審議中で、採決が2日に予定されていた。徳光清孝議員(県民ネット)は「採決を待たずに日程を決めるとは、議会軽視だ」と九電を批判した。

 県は九電から作業計画をは9月30日午前に伝えられていながら、県議らに伝えたのは同日夜だったことも、県議会全体の不興を囲った。

 古川知事が県議会の求めで九電側に申し入れた作業着手の延期が決まるまで、1日午前10時の予定だった本会議の開会は午後3時40分までずれ込んだ。古川知事は取材に対し「議会でこれだけの反応があるとは予想外だった。真摯(しん・し)に受け止めたい」と語った。

●玄海原発プルサーマル計画:自民県議団、MOX装荷を容認 /佐賀
       毎日新聞 2009年10月14日
 ◇検査問題と切り離しで一致

●プルサーマル発電:「利点少ない」 科学者ら、県などに反対申し入れ /佐賀
        毎日新聞 2009年10月10日
 九州電力玄海原発を皮切りに全国で計画されているプルサーマル発電について、さまざまな分野の科学者約500人でつくる日本科学者会議(東京)は9日、経済産業省、民主党、佐賀県に反対の申し入れを行った。

 申し入れ書ではプルサーマルについて「プルトニウムを大量に社会に流通させる一方、資源の有効活用の点からもメリットはきわめて小さい」などと指摘。また県への申し入れ書では、玄海原発で使うMOX燃料について、同じ工場で作られた燃料の一部が関西電力の自主検査基準に合わなかった問題に触れ、「関電から情報を入手して独自に調査し、県民に公開するよう」要請した。【関谷俊介】

●「原発の町」不安交錯 交付金は?原子力政策は? / 玄海町-新政権の方針見えず
        佐賀 2009年09月23日
 民主新政権が発足し、九州電力玄海原子力発電所が立地する東松浦郡玄海町が不安を募らせている。原発立地関連交付金に町財政の2割を頼るが、その出どころは新政権がメスを入れようとしている国の特別会計。連立相手の社民は「脱原発」を掲げ、原子力政策推進にも不透明感がぬぐえない。岸本英雄町長は「国策として政策の一貫性は必要」と訴える。

 「原発立地地域の振興が無駄と判断されれば厳しくなる」。町幹部は、新政権が掲げる国の特別会計見直しに不安を隠さない。町には毎年、国のエネルギー対策特別会計から原発関連交付金が約15億円入る。本年度一般会計当初予算72億円のうち約20%を占める額だ。

 町は交付金の有効活用を予算編成の柱に掲げ、学校の耐震補強や道路整備などを実施。今後も下水道整備や新小学校建設などに交付金を当て込む。ただ、交付金頼みの財政に不安はあり、50億円台まで財政規模を縮小したい考えだが「一度膨らんだ財政を見直すのは難しい」と本音も漏れる。

 財政問題に加え、新政権の原子力政策も気になるところだ。10月下旬にはプルサーマルの実質的なスタートを控えるうえ、中間貯蔵施設計画や使用済み核燃料プールの容量を増やす「リラッキング」、1、2号機の老朽化に伴う廃炉、定期検査の延長など、町は、今後もさまざまな対応を迫られる。

 民主党は原子力について、マニフェスト(政権公約)で「国民の理解を得ながら着実に取り組む」と推進を明言。だが、連立相手の社民党は「脱原発」が党是だ。六ケ所村の再処理工場稼働が遅れ、核燃料サイクルの見通しが立たない現状は、原子力推進派には不利。国内初のプルサーマルを間近に控える原発の町にとって不安材料だ。

 岸本町長は、「政策が急激に大きく変わることはないと思う」としつつ、「原子力を含むエネルギー問題は国の根幹。原子力政策は100%順調ではなく、地元への一定の配慮は今後も必要」とくぎを刺す。

 ●玄海原発:プルサーマルの足音/1 エネルギー政策 /佐賀
       毎日新聞 2009年9月19日
  全国で初めてプルサーマルを実施する九州電力玄海原発3号機の定期検査が8月から行われている。計画通り進めば、検査期間中の10月上旬に燃料を装荷し、同下旬には発電が始まる。着々と足音が近づく中、実施延期を求めて約42万人の署名が県に提出されるなど、安全性や経済性への疑問の声は日増しに強まっている。核燃料サイクルが足踏みする今、一歩を踏み出す意味は何か。パンフレットには書かれない実情を報告する。【関谷俊介】

 ◇クリーンな電気生むか
 「県環境サポーター兼地球温暖化防止活動推進員」の委嘱式が2月7日、佐賀市内で開かれた。

 サポーターは知事が委嘱し、環境に関する県民の意識高揚と実践活動の促進を図るため、助言や指導を行うのが役割とされる。

 この日出席したのは、新規や継続中のサポーターら約50人。県地球温暖化対策課の吉岡克己課長(51)があいさつし、活動内容の説明が終わると、一人の男性が手を挙げた。

 「国や県はプルサーマルを推進しているが、本当に原発は環境に優しいのか。検討して、課としては県と意見を変えてもいいのではないか」

 質問に立ったのは、サポーター歴約5年の古賀和年さん(58)=鳥栖市。日ごろ、市民から投げかけられる疑問をぶつけたという。「国の政策に従い、事故時のリスクがある原子力に偏るのではなく、県は普及率全国1位の太陽光発電をもっと進めてほしい」という思いからだった。

 一瞬、会場が静まり返った。吉岡課長は「原発に不安があるのは分かるが、火力に比べてもCO2の排出量は少ない」と述べ、その場を収めた。

 ◆  ◆  ◆
 「原子力に関しては、合理性を欠いた情報が唯一なものとして垂れ流されている」。80年代に放射性廃棄物などを研究し、現在は持続可能なエネルギーに関する提言をしているNPO環境エネルギー政策研究所(東京都)の飯田哲也所長(50)はそう指摘する。

 原発は運転中にCO2を出さないが、使用済み燃料を全国で年間約1000トン生み出し、万一の事故時には放射線放出の危険性もある。

 09年度当初の特別会計の原子力関連予算は経済産業省、文部科学省で計約3300億円。一方、太陽光発電関連予算は、最大に見積もっても約700億円止まり。04年まで世界1位だった太陽光発電の累積導入量も、08年には3位まで後退した。

 「エネルギー政策全体が原子力のために著しくゆがんでいる」と飯田所長。かつてメーカーと研究機関に勤務し、原子力と共に歩んだ元研究者の実感だ。=つづく

(連載の途中は略、リンク先を)

●玄海原発:プルサーマルの足音/7止 プルトニウム /佐賀
       毎日新聞 2009年9月25日
 ◇「大量利用時代」の幕開け
 「NO MOX」。5月10日、佐賀市内の公園に、市民約1500人が作った縦20メートル、横80メートルの人文字が浮かび上がった。ボランティアとして参加した佐賀市の主婦、溝西由宇子さん(63)は広島市で胎内被爆した。放射線被ばくを体験した立場から「再処理はやめてプルトニウムを取り出さないでほしい」と訴える。MOX燃料は使用済み燃料から取り出したプルトニウムで作られる。

 08年末現在、日本の電力各社が保有する核分裂性(燃えやすい)プルトニウムは27・4トン=表。九州電力はプルサーマルを進める理由の一つに「必要以上のプルトニウムを持たないこと」を挙げる。

 ◆  ◆  ◆
 九州大大学院の吉岡斉教授(56)=科学史=によると、国は1960年代、将来的なウラン資源不足の予測もあり、プルサーマルにも着目したが、計画が本格化したのはその30年ほど後。影響を与えたとされるのが、90年代初頭の世界情勢だ。

 当時は冷戦終結直後。旧ソ連の崩壊に伴う核拡散の危機を感じ取った米国が、プルトニウム管理に乗り出した。

 米国は原発用プルトニウムも兵器用核物質であるとの見解を示し、核不拡散に動いた。

 日本もこうした動きに呼応し、「余剰プルトニウムは持たない」との国際公約を掲げ、英仏に預けていたプルトニウム削減が急務となった。

 核・エネルギー問題情報センターの舘野淳事務局長(73)は、外交問題が科学技術政策に持ち込まれている、と感じている。「再処理技術の保持は『潜在的な核保有能力』ととらえられかねない。だから、プルサーマルでプルトニウム利用を形だけでも示そうとしている」。また、吉岡教授は「プルサーマルの主目的は資源の有効利用でなく、プルトニウムの削減だ」と断じる。

 ◆  ◆  ◆
 プルトニウムをプルサーマルで使う一方、青森県の六ケ所再処理工場がフル稼働すれば、年間4トン強のプルトニウムが取り出される。電事連の計画が順調に進めば、フランスに次ぐプルサーマル大国となり、年間5・5~6・5トンのプルトニウムを使うようになる。

 同時に、輸送時のテロ攻撃、工場での作業員の被ばくの懸念も増える。

 舘野事務局長は「これからはトン単位で扱い、リスクは非常に高くなる」と、国内状況の変質を予測する。

 放射性物質が半減するまで約2万4000年かかるプルトニウムを社会に取り込むことに、どれだけ理解が得られているのか。反対する専門家や市民団体が抱く疑問や不安を積み残したまま始まるプルサーマル。それは、一度踏み出せば簡単に後戻りできない「プルトニウム大量利用時代」の幕開けでもある。=おわり(この企画は関谷俊介が担当しました)

 ◇核分裂性プルトニウム保有量
関西電力     8.9
東京電力     7.9
日本原子力発電  3.3
中部電力     2.5
九州電力     2.1
四国電力     1.4
中国電力     0.8
東北電力     0.3
北海道電力    0.1
北陸電力     0.1
合計      27.4
 ※単位トン(08年末)


(推進する業界)
●プルサーマル計画の見直しについて
      2009年6月12日 電気事業連合会
 電力9社(除く沖縄電力)と日本原子力発電、電源開発の11社は、プルサーマル計画実現を経営の重要課題と位置づけ、2010年度までに全国で16~18基の原子炉への導入を目指し、鋭意取り組んでおります。

その結果、本年5月に中部電力・四国電力・九州電力3社がMOX 燃料輸送を完了したほか、他の電力各社においても地元への申し入れや燃料加工契約を締結するなど着実に進展いたしております。一方、本年4月には、日本原燃がMOX燃料加工工場の操業開始時期を変更いたしております。
そうしたなかで、本年6月に原子力委員会委員長から、プルトニウム利用の透明性を確保する観点から、計画の見直しについてご意見もいただきました。
・・・
私ども電力11社は、利用目的のないプルトニウムを持たないという国策のもと、国内外で回収されるプルトニウムを利用するために、引き続きプルサーマルをできるだけ早く導入することとし、遅くともMOX燃料加工工場が操業開始する2015年度までに、全国の16~18基の原子炉でプルサーマルの導入を目指してまいります。




美浜の会/九電は明日(15日)、MOX燃料の装荷を開始しようとしている から

国のMOX燃料検査(輸入燃料体検査)は極めてずさん
国の検査に合格したから「安全」とはいえない


◆MOXペレットの「不純物」検査では、ウラン燃料と同じ4元素のみ
◆4元素以外に「不純物」検査でどの元素を取り上げるかは電力会社まかせ

佐賀県は、九電の自主検査に関する調査結果を公表し説明せよ
少なくともそれまでは、MOX装荷を認めるな

 九州電力は、明日15日に玄海原発3号機にMOX燃料を装荷しようとしている。本日14日に九電から県知事に連絡が入り、県知事は県議会議長にその旨を伝えた。県議会の最大会派自民党は、12日に総会を開き、「九電の自主検査結果の検討とMOX装荷は切り離して対応する」と決めた。

その根拠は、「国の検査に合格しているから大丈夫」というものだ。しかし、以下で述べるように、国の検査がいかにずさんなものであるのかが明らかになった。佐賀県は、九電の自主検査に関する調査結果を公表し説明することを約束している。少なくともそれまでは、MOX装荷を認めるべきではない。

 10月7日の保安院と市民との交渉で、保安院検査課の職員は、「自主検査に合格する方がかえって安全性を損なう」という見解を披露し、「国の輸入燃料体検査で安全を確認している」として、自主検査の意義・役割を否定した。

交渉で問題になったのは、関電が自主検査で4体分のMOX燃料を不合格にした件だが、自主検査のどの項目で不合格としたのかは「企業機密、守秘義務」で言えないとした上で、保安院は検査項目の一つである「不純物」の項目に即して説明した。関電が不合格にした自主検査の項目が明らかになっていないため、ここでは、保安院が説明した「不純物」検査に関して取り上げる。

 保安院の説明は以下のようなものだった。国の検査では、不純物濃度について、不純物の種類ごとに上限値が設定されている。他方、電力会社は、この国の検査項目に加えて、自主検査で「不純物総量」という検査項目を設けて、総量規制も行っている。保安院は、「自主検査で不純物総量を少なく規制すれば、燃焼が進みやすく、燃料中心温度が上がり、かえって安全性を損なう」と述べ、自主検査に合格した関電のMOX燃料はかえって危険で、不合格にしたものの方が安全サイドに働くという。

これは実に驚くべき見解だ。そして、国の検査で不純物濃度の検査を行っているのだから、輸入燃料体検査に合格していれば安全上問題ないとした。
 このような見解は支離滅裂だが、それ以前に、実は、国の不純物濃度検査そのものが極めてずさんなものであることが明らかになった。
 ・・(略)


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