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てらまち・ねっと



 政権交代でのダム関係、八ツ場ダムの中止の次に話題になっているのが川辺川ダム。
 五木の子守唄のところ。
 ここも、八ツ場ダム地元と同様に、最初は猛烈に抵抗・反対、その後、仕方無しに同意、次の姿を描いていたところに「事業中止」。
 翻弄された人々。

 ちょうど、今年の春に共同通信の依頼で、新聞の書評を書いた。
   「川辺川ダムはいらない」(著者・高橋ユリカ/岩波書店)

 だからか、なおいっそう、いろんなことが感じられる。
 
(関連)2009年4月9日
    ⇒ ◆新聞の「書評」を書いた。初めて/岩波書店の「川辺川ダムはいらない」著者・高橋ユリカさん

2009年9月24日
    ⇒ ◆八ツ場ダムの中止/個別ダムの収支でも/日本のダム計画の全体の収支としてみれば

 ところで、大型台風18号、案外、近づかないのでは・・と期待していた。
 でも、微妙な予測範囲を描いている。

 昨日は夜暗くなるまで、畑で仕事。
 台風がきたら面倒なことだと思いながら・・・

 今朝、畑や水田を見て回った。
 稲の田の一箇所だけ、株が倒れかかっていた・・・
 このまま台風が直撃すると、稲の倒伏は避けられそうに無い。

 台風には、日本の南岸を通過してほしいと願うばかり。
 近づかなければ、北の山に紅葉をみに行けるし・・・

 ともかく、今日は、夕方、岐阜県庁裏金事件の弁護団会議。


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●川辺川ダム、地元・五木村長「中止やむなし」
     2009年9月11日 読売新聞
 高台の造成地(左方)へ移転した五木村の住宅。右は川辺川(9日、熊本県で、本社ヘリから)

 国土交通省が熊本県南部の球磨川水系に計画する川辺川ダム事業について、推進の立場をとってきた同県五木村の和田拓也村長は10日、読売新聞の取材に対し、「民主党政権が中止するなら、やむを得ない。治水代替策と村の生活再建策を早急に示してほしい」と述べ、中止を受け入れざるを得ないとの考えを示した。

 ダムを前提に村づくりを進めてきたが、和田村長はダム建設にこだわらず、地域振興を訴えていく考えだ。

 和田村長は「国がダムを中止するなら、その根拠を説明するよう国に求めたい」とも話した。

 国は「ダムは必要」との立場を崩していないが、民主党政権の誕生で中止に追い込まれるのはほぼ確実な情勢になった。

 ダム中止を掲げる民主党は、地域再建策として特別措置法の制定を目指している。水没予定地とその周辺を特定地域に指定し、〈1〉公共施設の整備〈2〉住民生活の利便性の向上〈3〉産業の振興――などを国の支援で行う方針だ。

 法案作りを進める同党公共事業検討小委員会の松野信夫座長代理は「ダム中止と生活再建はセットで行わなければならない。振興策を作り、これを実施するための特別措置法を成立させ、地域の不安を解消したい」と語った。

 ただ具体的中身は今後検討することになっており、和田村長は「どこまで国の財政支援があるのか不透明な部分が多い」と懸念している。

●「翻弄」五木村 思い噴出
      朝日 2009年09月27日
  国策のダム建設計画に翻弄(ほん・ろう)されてきた五木村。これから村はどうなるのか。26日、川辺川ダム建設予定地を視察した前原誠司国交相に村人たちは思いをぶつけた。主なやり取りを紹介する。

  和田拓也村長 水没移転で約370世帯が村外へ出ていった。その人たちの心情を思うと、何と言えばいいのか。可能な生活基盤整備事業はすべて実施してほしい。10年も待てない。すぐにやってほしい。国交省は村全体の振興を全力でやり、大臣はトップとして責任を持ってほしい。

  前原国交相 約束した(頭地大橋などの)4事業が遅れているのはその通りだし、代替農地も約束の半分もできていない。ダム本体を中止させていただくとともに、できるだけ早く4事業を完成させたい。新たな立法措置で個別の要望をうかがいながらできるものは取り組みたい。

  照山哲栄村議 私たちが国や県から受けてきた苦労と翻弄の連続を考えると、国も県も信頼できない。43年前の国と県がダム計画を進めた時のことを忘れることはできない。国は百年の大計でダムを計画した。選挙で代わる市町村長が反対したからと知事が反対し、知事が反対したからと大臣が反対する。私たちはどうすればいいのか。限界集落が増え、高齢化率は40%を超えた。村は本当に重症だ。血の通った行政をしてほしい。善良な村民をこれ以上苦しめないでほしい。

  前原国交相 国や県を信頼できないとのお話に謙虚に耳を傾けねばならない。ただ、生活関連事業は約束した通りにやる。信頼していただき、やらせていただく。大型公共事業を止めた場合の補償措置がないので、それを作ったうえで要望に応えたい。

  松永泰男さん(住民) 私は水没地でない山間部で花栽培をしている。八ツ場ダムの地元、群馬県長野原町の住民は大臣との意見交換を拒否した。ある種、うらやましい。長野原町には国や大臣に抵抗しうる住民パワーがある。だが、五木村はすっかり疲れ、ふるさと再生のパワーも乏しくなりつつある。村自らが私利私欲のためにダムを造ってくれと要求したものではない。最初は真っ向から反対してきた。しかし、当時の世論は誰も五木村に味方せず、国と県の圧力に屈した。それが生きるための方策だった。下流の人がダムをいらないというのなら、それはそれでけっこうだが、43年間振り回された私たちはいったい何だったのか。前原さんは2000年に村に来た時、ダムで不利益を被ったことへの何らかの方策を検討すると言っていたが、もう9年たった。大臣の力で弱い立場の私たちのために活躍してほしい。

  前原国交相 2000年の方針と変わっていない。公共事業を止めた時の法案の骨子はできている。政権交代の機会をいただいたので、止めたときの措置をできるだけ早く出したい。皆様の苦労は筆舌に尽くしがたい。法案をできるだけ早く出したい。そのためにも意見交換をさせていただきたい。

  北原束さん(住民) 頭地に住んでいる。大臣はダムについてどの程度の認識があるのか。五木村再建にどう取り組むのか。水没者団体で編集したダム問題の経緯をつづった冊子が3冊ある。43年間の水没者と村民の願いがこもっている。大臣も冊子を読んで村の生活再建を含め十分に認識してほしい。

  前原国交相 ダムがすべて悪いとは思っていない。ダムでなければできない治水もある。全国のダム事業はそれぞれ違う状況下でなされており、一様に決めるわけにはいかない。冊子は必ず読ませていただき、立法や財政措置を通じて要望に応えたい。私たちの方から村はこうすべきだと言うつもりはない。地方自治なので皆さんの要望に耳を傾ける。

  田山種彦さん(住民) 八ツ場ダムでは地元の理解を得られない限り、中止の法的手続きに入らないと言っていたが、川辺川ダムも同じ対応をしていただけるのか。わずか50分の意見交換。43年間に比していかがなものか。再訪をお願いしたい。大臣の言葉を聞いて人情派の大臣と思ったが、43年間で私たちの気持ちには紆余曲折(う・よ・きょく・せつ)があり、今の気持ちは早くダムを建設し、この問題から解放されたいということだ。もし中止したら、今の五木村の姿が永遠に残り、永遠にダムに翻弄される。亡くなった先人にどう今の状況を申し開きできるのか。

  前原国交相 中止の法的手続きに入れば、生活関連事業も止まってしまう。皆さんの同意をいただけるまで、法的手続きには入りません。43年間苦労された皆さんとの意見交換が50分。おっしゃるとおりだ。今回が1回目。今後のこの地域のあり方、ダム中止を受け入れていただければ、ご要望について法整備や財政整備をしっかりやり遂げたい。皆さんに来いと言われれば、喜んで来る。それが苦渋の選択でダムを受け入れて亡くなった先人のお気持ちに応えることだと思う。

  和田村長 2回、3回とひざを交えていただきたい。

●ダム以外の治水、国も議論参加へ 川辺川で国交相方針
        朝日 2009年9月27日0時1分
 川辺川ダムをめぐり、前原国交相は26日、同県の蒲島郁夫知事の反対表明を受けて県と国、流域12市町村が設けた「ダムによらない治水の検討の場」に、新たに専門家によるチームを発足させ、議論に参加させる方針を明らかにした。国交省はダムを前提にした治水という原則を掲げてきたが、ダム以外の代替案づくりに積極的に関与させていく方針。

 26日の周辺の首長らとの意見交換で、専門家の参画を求める意見に回答した。前原国交相は、河川整備に関する国交省の従来の専門家の選定方法を、「同省の考えに反する人間は外されるケースが野党の立場から見ていてありありとわかった」と指摘した。

 ダムは中止しても、現在、蒲島知事や流域市町村らで進めている「検討の場」は尊重するとし、「非常に素晴らしいケースを川辺川・球磨川流域では作っていただいている」と評価した。

●中止ダム住民に補償新法 前原国交相が表明
         j-cast 2009/9/27 14:02
前原誠司国交相は2009年9月26日、熊本県の川辺川ダム建設予定地を視察した際、ダム建設中止後も水没予定地住民に補償措置を行うための新法を、翌10年の通常国会に提出する考えを明らかにした。現行では公共事業を中止した際に、補償を裏付ける規定が整っていないため。当面は中止が表明されている川辺川ダムと八ッ場ダム(群馬県)に適用すると見られている。

また前原国交相は27日午前、テレビ朝日の討論番組「サンデープロジェクト」に出演し、八ッ場ダム建設中止の決意が固いことを強調した。「地元のみなさんには申し訳ないと思う」と述べながらも、国全体の公共事業の見直しという大きな視点から建設を中止すべきだと説いた。

司会の田原総一朗さんが、事業を推進してきた国交省官僚の抵抗が予想されることを指摘して、「八ッ場ダム、やっぱりやりますということはない?」とたずねたが、前原国交相は「ありません」ときっぱり答えた。


●ダム事業:事業費2兆円増大 48カ所、調査不足で--国交省
           毎日新聞 2009年10月2日
 国土交通省が計画・建設中の全国48のダム事業で、事業費が建設決定時の想定から軒並み膨らみ、合計2兆円以上増加して、総経費が約6兆5000億円に上っていることが、同省や各地方整備局への取材でわかった。工期の延長や追加工事、物価上昇などが主な理由で、さらに増える可能性もある。費用に見合う効果があるのかどうかが、今後のダム事業見直しの目安となりそうだ。【野田武】

 48のダム事業は72年以降、順次建設が決定され、完成までにかかると見込まれた予算総額は約4兆4000億円だった。ところがその後、新たな地盤対策工事が必要になったり、工期延長のために人件費が増えたりして約2兆1000億円増の約6兆5100億円になっている。

 最も増加割合が大きいのは大滝ダム(奈良県、建設決定は72年)で、当初見込みの230億円が15・8倍の3640億円になった。政府が建設中止を打ち出す八ッ場(やんば)ダム(群馬県、同86年)は2110億円が4600億円(2・2倍)、川辺川ダム(熊本県、建設決定は76年)も350億円が3330億円(9・5倍)と増加している。

 大滝ダムでは、着工後に、地滑り対策などが新たに必要とわかり、追加工事が相次いだことが主な要因。ダム本体の工事は終了しているが、追加工事が続いている。八ッ場ダムでは、建設決定後の詳細な地質調査で弱い部分があることが分かり、取り付け道路のルート変更や新たな橋が必要になった。

 増加の大きなダムは、八ッ場ダムのように詳細な調査の結果、工事変更や追加工事が必要になったりしたケースが多い。当初の1・8倍の2440億円となった胆沢(いさわ)ダム(岩手県、建設決定は90年)を管轄する東北地方整備局は「詳細に事前に調べられれば、工事に入ってからの事業費もそれほど変わることはない。しかし事前の調査費用が少ない中で見積もりを出さないといけないので、実際には事前に100%の調査はできない」と事情を説明している。

 前原誠司国交相は今年1月、名古屋市であった市民団体主催のシンポジウムで、「誤謬(ごびゅう)だらけの金の使い方」の一例として、ダム事業費増加問題を挙げ、「政権交代で金の使い方を変える必要がある」と述べている。

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 ◆事業費が大きく増えた主な国のダム事業◆

             当初事業費      現在の事業費  建設決定時期

沙流川総合開発(北海道)   540  1313( 2.4倍)    83年

湯西川ダム(栃木県)     880  1840( 2.1倍)    86年

八ッ場ダム(群馬県)    2110  4600( 2.2倍)    86年

滝沢ダム(埼玉県)      610  2320( 3.8倍)    76年

大滝ダム(奈良県)      230  3640(15.8倍)    72年

志津見ダム(島根県)     660  1450( 2.2倍)    88年

大山ダム(大分県)      625  1400( 2.2倍)    92年

川辺川ダム(熊本県)     350  3330( 9.5倍)    76年

 ※金額は億円


●ダム建設中止 次の手を休まず打てれば
           2009/09/28付 西日本新聞=
 ■政権交代■
 まさに前原誠司国土交通相の独り舞台だった。そんな印象が強く残った。

 就任早々の前原国交相は八(や)ツ(ん)場(ば)ダム建設予定地の群馬県長野原町に続き、熊本県の川辺川ダム建設予定地を視察した。

 九州地方整備局長など国交省職員を従えた国交相はまず、川辺川ダム建設計画の水没予定地を抱える五木村を訪れ、住民との意見交換会を開いた。続いて人吉市に会場を移して、蒲島郁夫知事や流域の市町村長らと意見を交わした。

 国交相は冒頭、政権交代に伴う政策変更で一方的に建設中止を表明するかたちとなったことを陳謝した。

 そのうえで、ダム本体工事は行わないと中止の考えが変わらないことを繰り返し、新たな治水対策の検討でも「もうダムに戻ることはない」と強調した。

 40年も50年もたつのに完成の目途はおろかダムの本体工事にも着手できない。事業の進め方が悪いでは済まされない。事業自体に無理があるのではないか。

 こう考えるのは、ごく自然である。

 だから、昨年9月、蒲島知事が川辺川ダム建設計画について白紙撤回を求め、建設反対の考えを示したとき、私たちはここで仕切り直しをすべきだと思い、その決断に賛意を表明した。

 だが、いったん動きだした大規模プロジェクトを止めるのは困難を極める。とにもかくにも「建設」で進んできた役所が急に方向転換できるのだろうか。

 知事の白紙撤回の際も懸念した。前原国交相の明快な語り口を聞きながら、その後ろに控える職員、役所全体に、その意思が浸透しているのか疑問も残った。

 ダム建設のための反対派切り崩し、積極的に協力する自治体と、そうでない自治体で公共事業に差をつける。計画推進のために、こんなことが行われてきたとしても別に不思議ではなかろう。

 「五木村がダム計画に反対したとき、世間は誰も味方してくれなかった」。住民の一人は国交相に語りかけた。

 そして、建設推進の圧力に耐え切れなくなり、疲れ切った末に宗旨変えを余儀なくされた。苦々しい過去がある。

 それが、大臣の一言ですべて変わってしまうのだろうか。これには地元はまだ半信半疑ではないかと思えた。

 公共事業の中止は想定されず、その後の補償などを定めた法制度はなかった。だから、国交相は新たに中止後の補償を行うための新法をつくるという。五木村の再生にも全面的に協力するという。

 約束したことはどんどん実行に移す。休むことなく次々に手が打たれている、と実感できれば地元も変わってくる。

 失われた時は取り戻せない。だが、未来に向けた力は結集できる。事業官庁の国交省だけでなく、政府全体で地域再生に協力する仕組みを考えるべきだ。

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