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てらまち・ねっと



 今日から2週間予定で名古屋大学病院に入院した。
 先ほど配布された入院診療計画書には念のためか「4週間」と記載されている。
 基本目的は、自分の「前立腺がん」、正確には「去勢抵抗性前立腺がん」に対する「抗がん剤」治療のため。

 一般に「抗がん剤」というととても悪い印象がある。私もその一人。
 だから、治療に「抗がん剤」を使わなくていいならそれに越したことはないけど、私の場合は、標準療法の一つの「抗がん剤」を「選択あるいは拒否」の意思決定することが必要になったから。
 理由は、一口に言えば、ガンの再燃、再発。

 2月に超ハイリスク状態で告知を受けて、広義の意味では「抗がん剤」の一つであるホルモン療法を開始、驚くほど腫瘍マーカーが低下していった。主治医も、いつも、良く下がってますねぇ、といっていた。がんを疑う腫瘍マーカーの標準めやすが「4」であるところ、7月には「2」台まで下がっていた。主治医の目標は、1年後に「1」だった。

 「前立腺がん」は根治できる、とされている。
 とはいえ、進行性や転移ガンの場合は、ほとんどの人がいずれガンが再燃、再発するのが前立腺がんで、それを「去勢抵抗性前立腺がん」といい、現在、その治療法はない、とされている。つまり時間延ばしの治療の感・・・

 しかも、私の場合、最短コース(期間)で「去勢抵抗性前立腺がん」が動き出した。つまり、8月から腫瘍マーカーの数値が上がり出した、という事実。がん由来と考えられる体調としての不快な自覚症状は4月以降、今でも全く何もないのに、ガンとは怖い病気だ、とは改めて思っている。

 もちろん、私は、現代医学の標準療法に全幅に頼るつもりはないから、いろいろと組み合わせて向き合う・・・ということになっていく(すでになっている)。

 ま、今日は入院して、いくつかの検査を済ませたので、このあたりにしておく。
 明日は、早速、昼前あたりに抗がん剤の点滴と関連する処置が始まる。
 明日は、抗がん剤の基本のあたりのことを整理してみようかと思う・・・・副作用がひどく宣伝されているから、そうなら、その実体験もまじえて・・(笑)

 夕食が配られてきたので、ここまでとしよう。
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 今日はトランプのその後をみてみた。
 選挙不正訴訟については、どんどん棄却・却下されている。もう先が見えているのは本人も覚悟しているのだろう。
 他方で、出てきたのが、関連人物の恩赦。
 これは、いずれはトランプ本人の大恩赦につなげる方向の印象もある。

 そんなこともあるから、今日は、次にリンクし、一部を記録などしておく。

●米ペンシルベニア州最高裁、選挙結果めぐる共和党側の訴え退ける/CNN 2020.11.29 13:41
●トランプ氏、元側近フリン氏に恩赦 ロシア疑惑で偽証の疑い/BBC 2020年11月26日

●トランプ大統領退任後に待ち受ける訴訟の数々。一族ビジネス巡り有罪の可能性も/BUSINESS INSIDER Nov. 17, 2020
●盟友、側近…トランプ大統領の恩赦乱用が目に余る 最後は将来の自分にまで?/東京 2020年11月26日 17時00分
●トランプ辞任、ペンス暫定大統領が「恩赦」という最後のシナリオ /WEDGE  2020年11月16日

●トランプ氏の自己恩赦は成功する、米教授/mashup NY 2020-11-07
●トランプ大統領、駆け込み恩赦も 数百件の減刑検討と報道/高知 2020.11.26 16:14

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●米ペンシルベニア州最高裁、選挙結果めぐる共和党側の訴え退ける
    CNN 2020.11.29 13:41
 共和党議員らが郵便投票の無効などを主張し 米ペンシルベニア州最高裁は28日夜、米大統領選をめぐって同州選出の共和党議員らが郵便投票の無効などを主張した訴えを退ける判断を下した。
トランプ大統領の陣営や支持者らが選挙に不正があったとして起こした訴訟は、すでにほとんどが失敗に終わっている。

共和党のマイク・ケリー下院議員らはペンシルベニア州の郵便投票を無効と主張し、結果認定の差し止めを求めていたが、州最高裁の判事7人は全員一致でこれを退けた。

判事5人による多数意見は、ケリー氏らが郵便投票の手続き確定から1年、投票日からも数週間が経過した時になって訴えを起こしたのはあまりにも遅すぎると指摘。同氏らが訴状を書き直して再度訴えることもできないとの判断を示した。

ペンシルベニア州の下級裁判所ではケリー氏の主張を認める判決が出ていたが、実際にはバイデン前副大統領がトランプ氏に8万票の差をつけて勝利したとの結果がすでに認定され、トランプ氏側がこれを覆す道はほぼ断たれていた。

トランプ陣営が連邦裁でペンシルベニア州の結果に異議を申し立てた訴訟も、21日に連邦地裁判事がつぎはぎだらけの「フランケンシュタインの怪物」と断じて棄却。27日には連邦高裁でも「根拠がない」として退けられた。

●トランプ氏、元側近フリン氏に恩赦 ロシア疑惑で偽証の疑い
     BBC 2020年11月26日
アメリカのドナルド・トランプ大統領は25日、側近だったマイケル・フリン元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に恩赦を与えると発表した。フリン氏はトランプ政権のロシア疑惑捜査で連邦捜査局(FBI)に偽証したことを2017年に認めたが、今年1月に有罪答弁の撤回を表明。米司法省が5月に起訴を取り下げると発表していた。

トランプ大統領は、広く見込まれていた恩赦について、「光栄」だとツイートした。

「マイケル・フリン中将に完全な恩赦を与えると発表できて光栄だ。フリンと彼の素晴らしい家族におめでとうと言いたい。きみは本当に素晴らしい感謝祭を過ごすことになる!」

ホワイトハウスは25日、この恩赦によって無実の男性に対するしつこい追求がようやく終わるとした。

フリン氏は星条旗の絵文字と、聖書のエレミヤ書1章19節「彼らはあなたと戦うが、あなたに勝つことはできない。わたしがあなたと共にいて、あなたを救うからである」を引用してツイートした。

フリン氏の支持者たちは同氏を、2016年大統領選で勝利したトランプ氏の新政権を非合法化するため、ロシアとの結託という根拠のない主張をしたバラク・オバマ政権による政治的復讐の犠牲者だとみなしている。

22カ月間におよぶ司法省の捜査は、2016年大統領選で勝利するためにトランプ氏や関係者がロシア政府と共謀していたことを立証する証拠が見つからず、2019年に終了した。

与野党の反応は
共和党員はフリン氏を、不当に訴追された英雄だとした。

●トランプ大統領退任後に待ち受ける訴訟の数々。一族ビジネス巡り有罪の可能性も
      BUSINESS INSIDER Nov. 17, 2020, 津山恵子 [ジャーナリスト]
アメリカ大統領選は11月13日、全ての州での勝敗が判明した。
民主党のバイデン前副大統領が選挙人の過半数270人を大きく超える306人を獲得し、共和党のトランプ大統領の232人に大差をつけた。敗北をいまだに認めていないトランプ氏だが、逆転勝利の道はいよいよ狭まりつつある。

トランプ氏が失うのは、再選のチャンスだけではない。現職大統領は、刑事訴追できないという司法省の指針に基づき「特別に」保護される。だが、再選できず、“一般人”となれば当然この特別扱いは適用されない。

トランプ氏が敗北し、大統領を退任した後には、数多くの訴訟や司法当局による捜査が待ち受けている。過去に明るみに出てきた数々のスキャンダルをめぐる長い係争が始まり、それがトランプ一家を苦しめるだろう。

「刑務所入り」という可能性も・・・(以下、略)・・・

●盟友、側近…トランプ大統領の恩赦乱用が目に余る 最後は将来の自分にまで?
        東京 2020年11月26日 17時00分
 感謝祭を控えて、ホワイトハウスで七面鳥に恩赦を与えたばかりのトランプ米大統領が25日、マイケル・フリン元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に恩赦を与えた。歴代大統領が退任前に恩赦を与えるのは恒例だが、トランプ氏の場合、その対象が2016年の米大統領選にロシアが介入した「ロシア疑惑」に関連した側近など、政治的な思惑が強く働いている。米メディアは今後、トランプ氏が同様の恩赦を乱発すると予想。批判が強まるのは必至だ。(ワシントン・岩田仲弘)

◆日米首脳会談直後に辞任したフリン氏
 「フリン中将とそのすてきな家族のみなさん、おめでとう。きっと素晴らしい感謝祭となるでしょう」。トランプ氏は25日、ツイッターで恩赦を発表した。
 フリン氏は元陸軍の中将で、国防総省の情報機関である国防情報局の局長を務めた。16年大統領選でトランプ陣営の安全保障政策顧問を務め、同年10月に来日した際は、当時官房長官だった菅義偉首相や与党幹部らと会談している。
 安保担当の大統領補佐官に就任後は、日本政府もパイプ役として期待したが、就任後わずか約3週間で辞任に追い込まれた。当時の安倍晋三首相が訪米して初の日米首脳会談を行った直後のタイミングだった。
 就任前にオバマ前政権の対ロ制裁について当時の駐米ロシア大使と電話で協議し、ペンス副大統領にその事実を隠していたことが発覚したほか、ロシアから脅迫メールを受けた疑惑も明らかになったからだ。その後、ロシア疑惑の捜査で連邦捜査局(FBI)に虚偽証言した罪などに問われていた。

◆訴追された6人 次の恩赦は誰?
 フリン氏の恩赦には、ロシア疑惑は、モラー特別検察官らによる「でっち上げ」「魔女狩り」であり、退任前に自分の身を無理やり「潔白」にしておきたいというトランプ氏の思惑が浮かび上がる。
 すでに7月には、同じロシア疑惑で議会に虚偽発言したなどとして禁錮3年4月の実刑が確定していた長年の盟友ロジャー・ストーン氏の刑を免除し、共和党内からも「前例のない歴史的な腐敗」(ロムニー上院議員)と批判を浴びていた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、今後さらにこの疑惑の関連でトランプ陣営の外交顧問だったジョージ・パパドプロス氏や選対副本部長だったリック・ゲイツ氏らも対象になるとの見通しを示している。仮に2人が恩赦された場合、モラー特別検察官により訴追された陣営関係者6人中4人が刑の免除や恩赦が与えられることになる。

◆大統領が自ら恩赦は可能か
 さらに同紙は「自らの家族や自分自身に対する恩赦にまで踏み切ってしまうのではないかという臆測が公然と語られている」とも指摘。恩赦は、今後予期される罪についても適用可能とされる。トランプ氏を巡っては、大統領の地位を利用して、家族が経営するホテル事業などに利益誘導したり、所得税を免れていた疑惑が次々と報道で明らかになっている。
 ただ大統領が自らを恩赦できるかどうかについては法律専門家の間でも意見が定まっていない。

◆数は歴代大統領よりも少ない
 米司法省によると、トランプ氏はこれまでフリン氏を除き計28人に恩赦を与え、16人の罪を減刑してきた。これは歴代大統領と恩赦や減刑の数を比べると、トランプ氏の場合、むしろ少ない。
 米調査機関ピュー・リサーチ・センターが24日に発表した調査結果によれば、恩赦と減刑を合わせた44人(23日段階の数)は、少なくともマッキンリー氏(1897~1901年在任)以来、最も少ない。1期で終わったフォード氏は409人、カーター氏は566人、ブッシュ(父)氏は77人だった。オバマ氏は1期目こそ、今のトランプ氏よりも少なかったが、2期8年間で1927人に上った。
 トランプ政権の場合、請願審査も厳しいようだ。これまで1万件以上の請願があったが、認めたのは44件。その割合は0・5%で、マッキンリー氏以来、一番厳しい。オバマ氏の場合、請願は3万6500件余りで認めた割合は5%だ。

◆100年前の女性運動家にも恩赦を与えたが…
 数が少ないだけに、その「政治利用」が目立つ。ピューの調査も「トランプ氏の恩赦は、その多くが大統領と個人的、政治的つながりがあり、恩赦に至る正式なプロセスをしばしば避けるため、物議を醸している」と指摘している。
 トランプ氏の恩赦の中には、19世紀末に女性が選挙で投票できないことに抗議し、あえて大統領選で投票したという容疑で逮捕、罰金を科された公民権運動家スーザン・アンソニー(1820~1906年)も含まれる。
 恩赦を与えたのは8月18日、憲法修正で女性参政権が認められた100年の節目だった。大統領選を前に女性蔑視批判を避ける狙いがあったとみられ、得意満面だったが、アンソニーの地元ニューヨーク州の女性副知事などから「アンソニーは逮捕を誇りにしていた」と撤回を求められ、もくろみは外れた。

リンジー・グレアム上院議員(共和党、サウスカロライナ州選出)は「フリン中将はロシアの工作員ではなかった。むしろ結果よければすべてよしという、政治的動機による捜査と訴追の犠牲者だ」と述べた。

ケヴィン・マッカーシー下院少数党院内総務(共和党)は、「フリン中将に起こった事は国辱だ。どんなアメリカ人も、特定の政党に属しているというだけで標的にされるべきではない」とツイートした。

一方で野党・民主党は即座に恩赦を与えるという判断を非難した。

民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長は声明で、「悲しいことに、この恩赦はトランプ氏が大統領職を維持できなくなったことをうけ、残りの任期で法の支配を弱体化させようとしていることをさらに示す証拠だ」と述べた。

下院司法委員会のジェロルド・ナドラー委員長(民主党)は声明で、「この恩赦は不当で不道徳なものであり、急速に損なわれているトランプ大統領のレガシーをさらに損なっている」とした。

●トランプ辞任、ペンス暫定大統領が「恩赦」という最後のシナリオ Washington Files 斎藤 彰 (ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長)
       WEDGE  2020年11月16日
 トランプ大統領が退任後の刑事訴追をかわすための最後の奇策として、1月20日バイデン次期民主党大統領の就任式直前に辞任、暫定大統領となるペンス副大統領が「恩赦」表明、というウルトラCのシナリオが米マスコミで話題に上ってきた。
・・・(以下、略)・・・

●トランプ氏の自己恩赦は成功する、米教授
    mashup NY 2020-11-07
アメリカン大学で米国政治を専門にするジェフリー・コーチ助教授は、The Hillに投稿した論説で、トランプ氏が選挙に敗北し、自分に恩赦を与えた場合、試みは成功する可能性があると語った。

コーチ氏は、合衆国憲法第2条の連邦犯罪に関する恩赦に関する文言は、広範で実質的に無制限だと説明。前例はないが、自分を恩赦することに関する記述はなく、この慣習を禁じていないため、許容されるべきだと述べた。
・・・(以下、略)・・・

●トランプ大統領、駆け込み恩赦も 数百件の減刑検討と報道
    高知 2020.11.26 16:14
 【ワシントン共同】米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は25日、米大統領選で敗北確実なトランプ大統領が来年1月の政権交代前に駆け込み的に恩赦を続ける可能性があるとの見方を伝えた。自身のロシア疑惑を巡り偽証罪などに問われたフリン元大統領補佐官への恩赦を同日表明。周辺は対象拡大へ働き掛けを強めており、ホワイトハウスは数百件の減刑を検討しているとされる。

 政権交代期は、恩赦実現に向けた動きが活発化するという。特にトランプ氏周辺には、ロシア疑惑などで違法行為に問われた人も多く、敗北宣言するまでは恩赦などの可能性があるとみてトランプ氏の判断に注目が集まっている。
・・・(以下、略)・・・

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 どんどん拡大するコロナ。止めることはできそうにない。自衛のみ・・・か。・・みんながその気(=「自衛のみ」)になれば・・・

 こちら、週明けから名古屋なので東海三県や名古屋の状況などを確認して置いてから、全国や関連の課題の一部を見て、次を記録しておくことにした。

●27日/7人感染…女子大生ら参加の食事会でクラスター 新規感染者は愛知で過去最多234人,岐阜29人,三重15人/東海テレビ 11月28日 10:15
●25日/【速報】愛知の新規感染者217人 新型コロナ 前日の234人に続く200人超 名古屋は110人/東海テレビ 11月28日 16:47

●国内感染、過去最多の2684人 重症440人、半月で倍増/共同 2020/11/28 21:01
●都内で新たに561人感染、2日連続で500人超…重症者6人増え67人/読売 2020/11/28 15:09

●「GoTo」除外 観光地は閑散 東京 新たに561人感染/fnn 2020年11月28日 午後5:54
●大学入試センター、来年度5億円赤字見込み 受験者減で/ヤフー 朝日 11/28 5:00
●大阪府の感染状況は「緊急事態宣言級」 専門家が憂う最悪の事態とは/毎日 2020年11月27日 19時00分

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●7人感染…女子大生ら参加の食事会でクラスター 新規感染者は愛知で過去最多234人,岐阜29人,三重15人
   東海テレビ 11月28日 10:15
 愛知県では27日、過去最多となる234人に新型コロナウイルスの感染が確認されました。
大村知事:
「本日11月27日金曜日の新型コロナの検査結果は234人で過去最多です。このような状況が続けばレッドゾーン『緊急事態宣言』も想定せざるを得ない」
 愛知県では27日、1日として過去最多の234人に感染が確認されました。

 名古屋市でも過去最多の117人に感染が確認されていて、愛知県の大村知事は東京などへの移動の自粛や感染防止対策の徹底を改めて呼び掛けました。

 また愛知県内ですでに感染が確認され入院していた名古屋市の40代女性など、2人の死亡が確認されました。愛知県内の新型コロナウイルスによる死者は115人となりました。
 岐阜県では29人の感染が確認され、既に感染が確認されていた80代の女性が死亡しました。
 三重県では15人の感染が確認されました。このうち、三重大学の20代の女子大生3人がこれまでに4人の感染が確認されている食事会に参加していて、県は新たなクラスターに認定しました。

●【速報】愛知の新規感染者217人 新型コロナ 前日の234人に続く200人超 名古屋は110人
      東海テレビ 11月28日 16:47
 愛知県では28日、新たに217人に新型コロナウイルスの感染が確認されました。27日に続き200人を超えました。
 県などによりますと、28日は217人に新型コロナウイルスの感染が確認され、名古屋市が110人、岡崎市が7人、豊田市が5人、豊橋市が2人、その他の市町が93人となっています。・・・(以下、略)・・・

●国内感染、過去最多の2684人 重症440人、半月で倍増
       共同 2020/11/28 21:01
 国内で28日、新たに2684人の新型コロナウイルス感染者が確認され、過去最多を更新した。

厚生労働省が発表した全国の重症者も、これまでで最も多い440人となった。

重症者は自治体から報告された前日までのデータをまとめており、ほぼ半月で倍増した。

 菅義偉首相が26日に「この3週間が極めて重要な時期だ」と述べ、政府は観光支援事業「Go To トラベル」の対象から札幌市と大阪市を除外する中、全国的に感染拡大に歯止めがかからない状況だ。

 東京都では28日、都内ほぼ全域を対象に、酒類を提供する飲食店などの営業を午後10時までに短縮する要請が始まった。

●新規感染2600人超、過去最多を更新 重症者も最多440人 新型コロナ
   日経 2020年11月28日 19:01
新型コロナウイルスの国内の新規感染者は28日午後8時時点で2670人となり、過去最多を更新した。2千人台は3日連続。東京都は561人で、最多だった前日の570人に次ぐ水準だった。全国の重症者も27日時点で440人と、これまでで最も多くなった。

厚生労働省によると、25日時点の病床使用率は15の都道府県で「感染急増」を示す25%以上となった。重症者も増え続けており、医療現場の逼迫度合いは一段と深刻になっている。

28日は大阪で463人、北海道で252人など感染拡大地域で引き続き多くの感染が確認されたほか、静岡81人、沖縄78人など大都市圏以外での拡大も目立った。

東京都では28日から、酒類を提供する飲食店などに対し営業を午後10時までとする時短要請が始まった。需要喚起策「Go To」事業でも、感染拡大地域を補助の対象から外すといった対応が進んでいる。

●都内で新たに561人感染、2日連続で500人超…重症者6人増え67人
        読売 2020/11/28 15:09
 東京都は28日、新型コロナウイルスの感染者を都内で新たに561人確認したと発表した。過去最多だった27日の570人から減少したものの、2日連続で500人を上回った。都内の累計感染者は4万人を超えて4万210人に達した。重症者は前日から6人増えて67人となり、5日連続で最多を更新した。

●「GoTo」除外 観光地は閑散 東京 新たに561人感染
   fnn 2020年11月28日 午後5:54
「GoToトラベル」の目的地として除外され、出発地としても自粛を求められている北海道・札幌や大阪の観光地では、先週に比べて人通りは減り、東京では28日夜から、一部の飲食店に営業自粛が求められる。

28日、東京都で新たに確認された新型コロナウイルス感染者は、561人。
2日連続で500人台後半となり、累計の感染者は4万人を超えた。
重症者の数は、27日から6人増え、67人となり、緊急事態宣言解除後最多となっている。
28日、重症者を受け入れている都内の医療機関を視察した東京都の小池知事は、「この20日間、2〜3週間集中して頑張っていこうと、意識を合わせることができたと思う」と述べた。

感染の急拡大を受けて、政府が「勝負の3週間」と呼びかけて迎えた、初めての週末。
GoToトラベルの目的地として対象外となった、大阪市の繁華街・ミナミ。
28日も食品会社の看板の前で写真を撮る観光客の姿があったが、人通りは、普段の週末と比べると、ずいぶん減っているという。
・・・(以下、略)・・・

●大学入試センター、来年度5億円赤字見込み 受験者減で
       ヤフー 朝日 11/28 5:00
 来年1月から始まる大学入学共通テストの実務を担う独立行政法人大学入試センター(東京都目黒区)が来年度以降、年間約5億円の赤字を試算していることが関係者への取材で分かった。18歳人口の減少による受験者減が理由。50万人以上が受験し、約9割の大学が利用する共通試験の運営基盤が揺らぐ事態になれば、将来的な検定料の値上げにつながりかねない。

 センターの収入(国の補助金を除く)は、志願者の検定料(3教科以上は1万8千円、2教科以下は1万2千円)が全体の約9割、利用大学が払う成績提供手数料が1割近くを占める。国からの運営費交付金(2010年度は約8千万円)は、民主党政権時代の「事業仕分け」により11年度から廃止され自己収入が大半だ。昨年度の経常収益は、大学入試改革のための国の補助金を含めると約130億円で、作問や印刷などの経常費用を引いた総利益は約4億5千万円だった。

 志願者数は2018年1月実施の大学入試センター試験の約58万人を境に減少し続け、今年10月8日に締め切った来年1月の共通テストの志願者数は約54万人(今年10月14日現在)と前年比約2万人減だった。関係者によると、これに伴い志願者から支払われた検定料は、昨年より4億円近く減ったという。

●大阪府の感染状況は「緊急事態宣言級」 専門家が憂う最悪の事態とは
    毎日 2020年11月27日 19時00分
 新型コロナウイルスの感染拡大が大阪府で勢いを増している。政府の分科会が定めた基準で緊急事態宣言が必要な流行状況とされる「ステージ4(感染爆発)」への突入が目前に迫り、医療崩壊も日増しに現実味を帯びる。府は27日から、西日本有数の繁華街がある大阪市北区と中央区の飲食店などへの時短営業の要請に踏み切ったが、専門家は「もはや次元が変わった。対策を抜本的に見直す時だ」と警鐘を鳴らしている。

 「ステージ3(感染急増)の指標を全て満たした。極めて危機的な状況だ」。24日開かれた府対策本部会議で、藤井睦子・健康医療部長は険しい表情でこう訴えた。
・・・(以下、略)・・・

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 コロナの拡大が連日、ニュースで大きくとりあげられている。
 こちら、2月から東京に出かけるようになって、3.4月はランダムに、5月からは週2回、出掛けていた。
 非常事態宣言など結構、緊張する中でも出かけた。
 ・・それが、10月からは行く必要がなくなった。(その関係のことは別に書く)
 11月からは、名古屋に出かけている。

 そんなこともあって、今日のブログでは、「昨日から今日」の全国や東京、愛知・名古屋のことなどを記録しておくことにした。
 身近なところの感染状況はやっぱり気になるから。
 もちろん、自分の岐阜県の数字も毎日、見ている。それなりに多い日、減る日、クラスターが認定される日、いろいろある。この近場のことは改めて見るとして、今日は次。

 ●【速報】全国感染14万人超に 5日間で1万人増加/FNN 2020年11月26日
 ●新型コロナ 全国で2505人感染 26日/毎日 2020年11月27日

 ●【速報】全国で2476人感染確認、東京・愛知で過去最多/tbs 27日 18時22分
 ●東京都で過去最多570人の感染確認 重症者も緊急事態宣言解除後最多の61人/東京 2020年11月27日 16時11分
 ●東京で570人が新たに感染 1日あたりも高齢者も最多/ヤフー 朝日 11/27 15:16

 ●愛知 新型コロナ 過去最多の234人感染確認 県内延べ9645人/NHK 2020年11月27日 16時24分
 ●愛知で最多の234人感染 うち名古屋市117人/中日 2020年11月27日 17時03分
 ●有識者「通常医療との両立困難」/東京 2020年11月27日 07時26分

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●【速報】全国感染14万人超に 5日間で1万人増加
  FNN 2020年11月26日
新型コロナウイルスの全国の感染者の累計が、14万人を超えた。

26日、感染が確認された新規感染者は、東京で481人、兵庫で過去最多の184人、北海道で256人などと、すでに1,500人を超えており、クルーズ船を含めた、これまでの全国の累計が14万人を超えた。

10万人から11万人へと、1万人増えるのには12日間かかったが、12万人から13万人、そして13万人から14万人には5日間で達していて、感染拡大のペースが速まっている。

●新型コロナ 全国で2505人感染 26日
       毎日 2020年11月27日
 新型コロナウイルスの感染者は26日、国内で新たに2505人が確認され、1日当たりの感染者は過去最多となった21日以来、2500人を超えた。クルーズ船の乗客乗員らを含めた国内の感染者は14万1086人。死者は大阪府で12人、北海道で7人など全国で計29人増えて2078人となった。
 東京都の感染者は481人で、2日連続で…

●【速報】全国で2476人感染確認、東京・愛知で過去最多
     tbs 27日 18時22分
 新型コロナウイルスの感染者数まとめです。27日午後6時半現在、全国で2476人の陽性が確認され、東京・愛知では過去最多となっています。

 27日、新たに新型コロナウイルスに感染しているのが確認された人の数はJNNのまとめで午後6時半現在、全国で2476人にのぼっており、2日連続の2000人超えです。

 都道府県別では東京で570人、大阪で383人、北海道で252人、愛知で234人、神奈川で219人、千葉で107人などとなっています。東京、愛知で過去最多を更新、千葉は過去2番目の多さです。このほか、埼玉で103人、兵庫で103人、静岡・福岡で58人など、多くの県で感染拡大傾向が続いています。

 厚生労働省の発表では全国の27日の重症者数は26日より25人増え435人、5日連続して過去最多となっています。

●東京都で過去最多570人の感染確認 重症者も緊急事態宣言解除後最多の61人
          東京 2020年11月27日 16時11分
 東京都は27日、新型コロナウイルスの感染者が新たに570人報告されたと発表した。新規感染者が500人を超えたのは今月21日以来。都内の累計の患者数は3万9649人で、このうち現在入院している重症患者は61人となった。前日の60人から1人増え、5月25日の緊急事態宣言解除後では最多となる水準が続いている。
 年代別では、20代が147人、30代が120人、40代が76人、50代が67人などとなっている。65歳以上の高齢者は86人だった。

●東京で570人が新たに感染 1日あたりも高齢者も最多
     ヤフー 朝日 11/27 15:16
 東京都は27日、新型コロナウイルスの感染者を新たに570人確認したと発表した。1日の感染者数としては21日の539人を上回り、過去最多を更新した。65歳以上の高齢者も86人で最多となった。
 また「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日より1人増えて61人となり、緊急事態宣言解除後の最多を更新した。感染者570人のうち、年代別では20代が147人と最も多かった。30代が120人、40代が76人、50代が67人だった。

●愛知 新型コロナ 過去最多の234人感染確認 県内延べ9645人
     NHK 2020年11月27日 16時24分
愛知県などは、県内で新たに234人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。愛知県内で1日に発表された感染者数としては今月19日の219人を上回って、これまでで最も多くなりました。これで、愛知県内で感染が確認された人は、延べ9645人となりました。

●愛知で最多の234人感染 うち名古屋市117人
    中日 2020年11月27日 17時03分
 愛知県は27日、県内で新たに234人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内の1日あたりの新規感染者としては過去最多。
 このうち名古屋市は117人。

●有識者「通常医療との両立困難」
   東京 2020年11月27日 07時26分
 東京都は26日、新たに481人の新型コロナウイルス感染者の報告があり、重症者は60人になったと発表した。重症者数は3日連続で緊急事態宣言解除後の最多を更新。感染状況を分析する都のモニタリング会議は同日、有識者が「今後は重症者数が増加し、通常の医療体制との両立が極めて困難になる」との懸念を示した。(小倉貞俊、松尾博史)

感染の警戒度は最も深刻なレベル維持
 会議では25日時点の7日間平均の新規陽性者数が399.6人と前週の325.7人から急増し、これまでの最高値となったことを報告。感染状況の警戒度は最も深刻な「感染が拡大している」を維持した。
 医療提供体制は、入院患者数が1500人台となり1週間前より約200人増加したものの、一定の病床数を確保していることから2番目に深刻な「体制強化が必要」に据え置いた。

 ただ重症者数は新規陽性者数の増加から遅れて増えるとされ、会議では「医療体制への影響に厳重な警戒が必要」と指摘。過去に新規陽性者の約1%が重症化するなどしたことを踏まえ「重症者病床の確保を進める必要がある」とした。都内の現在の重症病床は150床で、都は300床への増床を準備している。
 都医師会の猪口正孝副会長は「冬は脳卒中や心筋梗塞などの入院患者が増えるので、コロナ患者の病床確保も難しくなる」と危惧した。

コロナ専用医療施設、12月16日に開設
 また都は旧都立府中療育センター(府中市)で100病床の整備を予定する新型コロナ専用医療施設について、12月16日に開設し、当面は32病床で運用を始めると発表した。主に中等症の患者で、日本語や英語を話せない外国人や介護が必要な人などを入院対象にする。

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 地方自治体の議会のことで、議会を議論の場としたいという明確な方向をもっていろいろと勉強会をやってきた者としては、昨日の議員の懲罰に関する最高裁大法廷判決はとても嬉しい。
 多数派の議決権の乱用とでもいうべき現状を批判、否定するものだ。

 昨日のブログでは 「◆最高裁大法廷/議員出席停止「裁判の対象」 60年ぶり判例変更(時事)/議会出席停止は裁判対象 判例変更、地方議員の責務を重視(共同)」2020.11.25 ということで報道の幾つかを記録した。

 さて今日は、そのもとである最高裁大法廷判決の全文を記録しておく。
 例えば、次は面白い。

 ≪ 5(2) ウ このような出席停止の懲罰の性質や議員活動に対する制約の程 度に照らすと,これが議員の権利行使の一時的制限にすぎないものとして,その適 否が専ら議会の自主的,自律的な解決に委ねられるべきであるということはできな い。そうすると,出席停止の懲罰は,議会の自律的な権能に基づいてされたものとし て,議会に一定の裁量が認められるべきであるものの,裁判所は,常にその適否を 判断することができるというべきである。≫

 また、裁判官宇賀克也氏の補足意見には次がある。
 ≪法律上の争訟について裁判を行うことは,憲法76条1項により司 法権に課せられた義務であるから,本来,司法権を行使しないことは許されない≫ 

 と、このように過去判例にならって決断を避けたがる裁判所にタガをかけている。

≪もとより地方議会議員の活動は,議会に出席し,そこで発言し,投票すること に限られるわけではないが,それが地方議会議員の本質的責務であると理解されている≫ 

 まったく同感だ、というより当然のことだ。

 ≪議会議員に対する出席停止の懲罰の適否を司法審査の対象とした場合,濫用的な懲罰は抑止されることが期待できるが,過度に地方議会の自律性を阻害することにはならない≫ 

 とまあ、納得のいく判決だ。ただ、もっと他の事例に対する判例の積み重ねで、この判決の目指す方向が広がってほしい。
 ・・・それには、当事者の誰かが広げる努力をすることだ・・・
 なお、昨日11月26日の私のブログへのアクセスは「閲覧数3,317 訪問者数1,281」。

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●事件番号  平成30(行ヒ)417 事件名  出席停止処分取消等請求事件
 裁判年月日  令和2年11月25日 法廷名  最高裁判所大法廷
裁判種別  判決
結果  棄却
原審裁判所名  仙台高等裁判所
原審事件番号  平成30(行コ)10
原審裁判年月日  平成30年8月29日
判示事項   普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰の適否は,司法審査の対象となる

●最高裁判所大法廷  判決  棄却 平成30(行ヒ)417  出席停止処分取消等請求事件 令和2年11月25日   仙台高等裁判所/ 最近の最高裁判例のページから

       平成30年(行ヒ)第417号 出席停止処分取消等請求事件 令和2年11月25日 大法廷判決

平成30年(行ヒ)第417号 出席停止処分取消等請求事件 令和2年11月25日 大法廷判決 主 文 本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

理 由 上告代理人阿部長ほかの上告受理申立て理由について
1 本件は,岩沼市議会(以下「市議会」という。)の議員であった被上告人 が,市議会から科された23日間の出席停止の懲罰(以下「本件処分」という。) が違憲,違法であるとして,上告人を相手に,その取消しを求めるとともに,議会 議員の議員報酬,費用弁償及び期末手当に関する条例(平成20年岩沼市条例第23号。以下「本件条例」という。)に基づき,議員報酬のうち本件処分による減額 分の支払を求める事案である。

2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。
(1) 被上告人は,平成27年12月20日に行われた市議会の議員の任期満了 による一般選挙において当選し,本件処分当時,市議会の議員であった者である。

(2) 市議会の定例会の回数は,岩沼市議会定例会の回数に関する条例(昭和3 1年岩沼市条例第78号)により,毎年4回とされており,その会期は,岩沼市議 会会議規則(平成7年岩沼市議会規則第1号)により,毎会期の初めに議会の議決 で定めることとされている。市議会の平成28年6月に招集された定例会(以下 「6月定例会」という。)の会期は同月14日から同月23日までの10日間,同 年9月に招集された定例会(以下「9月定例会」という。)の会期は同月6日から 同月28日までの23日間とされた。

(3) 本件条例によると,市議会の議員の議員報酬は月額36万3000円とさ れ(2条),一定期間の出席停止の懲罰を受けた議員の議員報酬は,出席停止の日 数分を日割計算により減額するものとされている(6条の2,3条3項)。

(4) 被上告人と同一の会派に属するA議員は,海外渡航のため,平成28年4 月25日に行われた市議会の教育民生常任委員会を欠席した。市議会は,同年6月 14日,6月定例会において,A議員に対し,上記の欠席について,議決により公 開の議場における陳謝の懲罰を科した。これを受け,A議員は,市議会の議場にお いて,陳謝文を読み上げた。

(5) 被上告人は,平成28年6月21日,市議会の議会運営委員会において, 上記(4)のA議員が陳謝文を読み上げた行為に関し,「読み上げたのは,事実で す。しかし,読み上げられた中身に書いてあることは,事実とは限りません。それ から,仮に読み上げなければ,次の懲罰があります。こういうのを政治的妥協とい います。政治的に妥協したんです。」との発言(以下「本件発言」という。)をし た。

(6) 市議会は,6月定例会の最終日である平成28年6月23日,本件発言を 問題として同月22日に提出された被上告人に対する懲罰動議を閉会中の継続審査 とすることとし,懲罰特別委員会における審査を経た上,同年9月6日,同日招集 された9月定例会において,被上告人に対し,本件発言について,議決により23 日間の出席停止の懲罰を科する旨の本件処分をした。

(7) 上告人は,平成28年9月21日,被上告人に対し,本件条例に基づき, 本件処分により出席停止とされた23日間の分に相当する27万8300円を減額 して議員報酬を支給した。

3 原審は,普通地方公共団体の議会の議員に対する地方自治法135条1項3 号所定の出席停止の懲罰の適否は,議員報酬の減額を伴う場合には司法審査の対象 となり,本件処分の取消し及び議員報酬の支払を求める訴えは適法であるとして, これを不適法とした第1審判決を取り消し,本件を第1審に差し戻した。

4 所論は,原審の判断は,普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の 懲罰の適否は一律に司法審査の対象とならないとした最高裁昭和34年(オ)第1 - 3 - 0号同35年10月19日大法廷判決・民集14巻12号2633頁に反するとい うものである。

5(1) 普通地方公共団体の議会は,地方自治法並びに会議規則及び委員会に関 する条例に違反した議員に対し,議決により懲罰を科することができる(同法13 4条1項)ところ,懲罰の種類及び手続は法定されている(同法135条)。これ らの規定等に照らすと,出席停止の懲罰を科された議員がその取消しを求める訴え は,法令の規定に基づく処分の取消しを求めるものであって,その性質上,法令の 適用によって終局的に解決し得るものというべきである。

(2)ア 憲法は,地方公共団体の組織及び運営に関する基本原則として,その施 策を住民の意思に基づいて行うべきものとするいわゆる住民自治の原則を採用して おり,普通地方公共団体の議会は,憲法にその設置の根拠を有する議事機関とし て,住民の代表である議員により構成され,所定の重要事項について当該地方公共 団体の意思を決定するなどの権能を有する。そして,議会の運営に関する事項につ いては,議事機関としての自主的かつ円滑な運営を確保すべく,その性質上,議会 の自律的な権能が尊重されるべきであるところ,議員に対する懲罰は,会議体とし ての議会内の秩序を保持し,もってその運営を円滑にすることを目的として科され るものであり,その権能は上記の自律的な権能の一内容を構成する。

イ 他方,普通地方公共団体の議会の議員は,当該普通地方公共団体の区域内に 住所を有する者の投票により選挙され(憲法93条2項,地方自治法11条,17 条,18条),議会に議案を提出することができ(同法112条),議会の議事に ついては,特別の定めがある場合を除き,出席議員の過半数でこれを決することが できる(同法116条)。そして,議会は,条例を設け又は改廃すること,予算を 定めること,所定の契約を締結すること等の事件を議決しなければならない(同法 96条)ほか,当該普通地方公共団体の事務の管理,議決の執行及び出納を検査す ることができ,同事務に関する調査を行うことができる(同法98条,100 条)。議員は,憲法上の住民自治の原則を具現化するため,議会が行う上記の各事 項等について,議事に参与し,議決に加わるなどして,住民の代表としてその意思 を当該普通地方公共団体の意思決定に反映させるべく活動する責務を負うものであ る。

出席停止の懲罰は,上記の責務を負う公選の議員に対し,議会がその権能に おいて科する処分であり,これが科されると,当該議員はその期間,会議及び委員 会への出席が停止され,議事に参与して議決に加わるなどの議員としての中核的な 活動をすることができず,住民の負託を受けた議員としての責務を十分に果たすこ とができなくなるこのような出席停止の懲罰の性質や議員活動に対する制約の程 度に照らすと,これが議員の権利行使の一時的制限にすぎないものとして,その適 否が専ら議会の自主的,自律的な解決に委ねられるべきであるということはできな い。そうすると,出席停止の懲罰は,議会の自律的な権能に基づいてされたものとし て,議会に一定の裁量が認められるべきであるものの,裁判所は,常にその適否を 判断することができるというべきである。

(3) したがって,普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰の適否は,司法審査の対象となるというべきである。 これと異なる趣旨をいう所論引用の当裁判所大法廷昭和35年10月19日判決 その他の当裁判所の判例は,いずれも変更すべきである。

6 以上によれば,市議会の議員である被上告人に対する出席停止の懲罰である 本件処分の適否は司法審査の対象となるから,本件訴えのうち,本件処分の取消し を求める部分は適法であり,議員報酬の支払を求める部分も当然に適法である。

そ うすると,本件訴えが適法であるとした原審の判断は,結論において是認すること ができる。論旨は採用することができない。 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

なお,裁判官宇賀克 也の補足意見がある。 裁判官宇賀克也の補足意見は,次のとおりである。

私は,法廷意見に賛成するものであるが,地方議会の議員に対する出席停止の懲 罰の司法審査について,補足して意見を述べることとする。
1 法律上の争訟 法律上の争訟は,①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する 紛争であって,かつ,②それが法令の適用により終局的に解決することができるも のに限られるとする当審の判例(最高裁昭和51年(オ)第749号同昭和56年 4月7日第三小法廷判決・民集35巻3号443頁)に照らし,地方議会議員に対 する出席停止の懲罰の取消しを求める訴えが,①②の要件を満たす以上,法律上の 争訟に当たることは明らかであると思われる。 法律上の争訟については,憲法32条により国民に裁判を受ける権利が保障され ており,また,法律上の争訟について裁判を行うことは,憲法76条1項により司 法権に課せられた義務であるから,本来,司法権を行使しないことは許されないは ずであり,司法権に対する外在的制約があるとして司法審査の対象外とするのは, かかる例外を正当化する憲法上の根拠がある場合に厳格に限定される必要がある。

2 国会との相違 国会については,国権の最高機関(憲法41条)としての自律性を憲法が尊重し ていることは明確であり,憲法自身が議員の資格争訟の裁判権を議院に付与し(憲 法55条),議員が議院で行った演説,討論又は表決についての院外での免責規定 を設けている(憲法51条)。しかし,地方議会については,憲法55条や51条 のような規定は設けられておらず,憲法は,自律性の点において,国会と地方議会 を同視していないことは明らかである。

3 住民自治 地方議会について自律性の根拠を憲法に求めるとなると,憲法92条の「地方自 治の本旨」以外にないと思われる。「地方自治の本旨」の意味については,様々な 議論があるが,その核心部分が,団体自治と住民自治であることには異論はない。 また,団体自治は,それ自身が目的というよりも,住民自治を実現するための手段 として位置付けることができよう。 住民自治といっても,直接民主制を採用することは困難であり,我が国では,国 のみならず地方公共団体においても,間接民主制を基本としており,他方,地方公 共団体においては,条例の制定又は改廃を求める直接請求制度等,国以上に直接民 主制的要素が導入されており,住民自治の要請に配慮がされている。 この観点からすると,住民が選挙で地方議会議員を選出し,その議員が有権者の 意思を反映して,議会に出席して発言し,表決を行うことは,当該議員にとっての 権利であると同時に,住民自治の実現にとって必要不可欠であるということができ る。
もとより地方議会議員の活動は,議会に出席し,そこで発言し,投票すること に限られるわけではないが,それが地方議会議員の本質的責務であると理解されて いることは,正当な理由なく議会を欠席することが一般に懲罰事由とされているこ とからも明らかである。
したがって,地方議会議員を出席停止にすることは,地方議会議員の本質的責務 の履行を不可能にするものであり,それは,同時に当該議員に投票した有権者の意 思の反映を制約するものとなり,住民自治を阻害することになる。 「地方自治の本旨」としての住民自治により司法権に対する外在的制約を基礎付 けながら,住民自治を阻害する結果を招くことは背理であるので,これにより地方 議会議員に対する出席停止の懲罰の適否を司法審査の対象外とすることを根拠付け ることはできないと考える。

4 議会の裁量 地方議会議員に対する出席停止の懲罰の適否を司法審査の対象としても,地方議 会の自律性を全面的に否定することにはならない。懲罰の実体判断については,議 会に裁量が認められ,裁量権の行使が違法になるのは,それが逸脱又は濫用に当た る場合に限られ,地方議会の自律性は,裁量権の余地を大きくする方向に作用す る。したがって,地方議会議員に対する出席停止の懲罰の適否を司法審査の対象と した場合,濫用的な懲罰は抑止されることが期待できるが,過度に地方議会の自律 性を阻害することにはならないと考える。

(裁判長裁判官 大谷直人 裁判官 池上政幸 裁判官 小池 裕 裁判官 木澤克之 裁判官 菅野博之 裁判官 山口 厚 裁判官 戸倉三郎 裁判官 林 景一 裁判官 宮崎裕子 裁判官 深山卓也 裁判官 三浦 守 裁判官 草野耕一 裁判官 宇賀克也 裁判官 林 道晴 裁判官 岡村和美)


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 議会で、ある種のいじめとして行われることが多い「懲罰」処分。
 はるか昔に最高裁が「除名以外は裁判所での司法審査はできない」と決定していた。
 つまり、議会多数派のやりたい放題。
 
 近年、これを見直す方向の判決の書き方が下級審で出てきていた。ある人に、「最高裁判決を自分が書き直す」津ミリでおら沿ったら面白いよ、と話したことがある。・・ま、その人は別の解決をしてしまったけど・・・

 ともかく、今年、ある件で最高裁が大法廷で審理することを決めた。当然、亡霊のような過去の判決が覆されるはず。

 そして、今日、その判決があった。
 ということで、下記に、幾つかの速報をとどめておく。
 もちろん、改めて、しっかりと診るべきことだから、それは後日
 なお、昨日11月24日の私のブログへのアクセスは「閲覧数3,607 訪問者数1,336」。

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●地方議会の出席停止処分 裁判の対象になるか審理へ
      NHK 2020年3月4日
地方議会で出席停止の処分を受けた議員が不服だと訴えた場合に、裁判での審理の対象になるかどうかについて、最高裁判所は、15人の裁判官全員による大法廷で審理することを決めました。これまでの判例では、最も重い除名以外は裁判での司法審査ではなく、議会で自主的に解決すべきだとされてきましたが、見直される可能性が出てきました。

宮城県岩沼市の元市議会議員は、4年前に市議会から23日間、出席を停止されたのは違法だとして、処分の取り消しと議員報酬27万円余りの支払いを求める訴えを起こしました。

昭和35年の最高裁判所の判例によって、これまで多くの裁判で地方議員の「除名」は議員の身分に関わる重大な問題として司法審査の対象とする一方、「出席停止」の処分については議会の内部規律の問題で自主的に解決すべきだとして、司法審査の対象にはならないと判断されてきました。

しかし最近では、除名と出席停止との間で区別する理由はないとする学説もあり、2審の仙台高等裁判所は、「出席停止によって議員報酬が減額される場合には裁判所の司法審査の対象にすべきだ」という初めての判断を示していました。

この裁判について最高裁は4日、15人の裁判官全員による大法廷で審理することを決めました。大法廷は、判例の変更が必要な場合などに開かれるもので、司法審査の対象とはしないとした過去の判例が見直される可能性が出てきました。

●議員出席停止「裁判の対象」 60年ぶり判例変更―岩沼市の上告棄却・最高裁
       時事 2020年11月25日18時08分
 地方議会での議員出席停止処分の審査が裁判の対象となるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は25日、「司法審査の対象となる」と判示した。約60年ぶりに判例を変更

 原告は宮城県岩沼市の元市議。市議会から受けた出席停止処分の取り消しなどを求めていた。
 大法廷は、出席停止処分を受けると議決など議員としての中核的な活動ができなくなり、「住民の負託を受けた責務を十分に果たすことができなくなる」と指摘。議会に一定の裁量が認められるとしつつ、「裁判所は常にその適否を判断することができる」と述べ、市側の上告を棄却した。15人の裁判官全員一致の意見。

 審理は仙台地裁に差し戻され、改めて処分取り消しの適否などが判断される。
 最高裁は1960年、自律的な法規範を持つ団体では、法規範の実現は自治的措置に任せるべき場合があるとし、「地方議会の出席停止は裁判の対象から除く」とする判決を出した。

 原告の元市議は2016年6月の議会運営委員会で、陳謝処分となった議員をかばい、「(陳謝文で)読み上げられた中身は真実とは限らない」などと発言したことを理由に、9月定例会の全会期23日間の出席停止処分となった。この間の議員報酬約27万円も減額された。
 一審仙台地裁は、最高裁判例に基づき元市議の訴えを却下。二審仙台高裁は「出席停止でも議員報酬減額につながる場合は、裁判の対象となる」として一審判決を破棄し、審理を地裁に差し戻した。

●最高裁、議会出席停止は裁判対象 判例変更、地方議員の責務を重視
     共同 2020/11/25 19:12
 地方議会が科した議員の出席停止処分の適否は、裁判で争うことができるのか―。宮城県岩沼市議会の前市議が処分取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は25日、「司法審査の対象外」とした60年前の判例を変更し「常に裁判の対象となる」と判断した。対象にならないと主張した市側の上告を棄却した。15人の裁判官全員一致の結論。

 大法廷は「地方議員は住民の意思を自治体の決定に反映させるために活動する責務を負う」と指摘。出席停止により責務を果たせなくなるとした上で「適否が議会の自主的、自律的解決に委ねられるべきとは言えない」と結論付けた。

●最高裁「地方議会の出席停止処分審査は裁判対象」
    テレ朝 2020/11/25 20:18]
 地方議会での出席停止処分の審査が裁判の対象になるかどうか争われた裁判で、最高裁の大法廷は「司法審査の対象となる」と判断し、60年ぶりに判例を変更しました。

 裁判では宮城県岩沼市の元市議会議員が市議会から受けた出席停止処分の取り消しなどを求めていました。最高裁は1960年に「地方議会の出席停止の懲罰は裁判の対象とならない」とする判決を出していました。

一審の仙台地裁は判例に基づいて元市議の訴えを退けましたが、二審の仙台高裁は「議員報酬の減額につながる場合には裁判の対象となる」として審理を差し戻し、岩沼市側が判決を不服として上告していました

最高裁の大法廷は25日の判決で「出席停止の懲罰は議会に一定の裁量が認められるべきであるものの、裁判所は常にその適否を判断することができる」と述べ、上告を退けました。審理は仙台地裁に差し戻されることになります。

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 先日、名古屋の鶴舞公園の紅葉・黄葉を載せた。
 今日はうちの庭の紅葉・黄葉。(データはもらう)
 
 チシオモミジは 「千潮」「血潮」 とも書くように、葉の色の紅が鮮やか。
 しかも、春の芽吹きも鮮やかな赤を呈するので、新緑に映える樹木だ。
 ドウダンツツジも赤くなることでとても有名な木。ハナミズキも同様。

 黄葉するのはハクモクレン、サラサモクレン。
 ・・・と、そんな気分転換をした。
 なお、ガンとのお付き合いの方は、今日は養老(そういえば、ここも紅葉が有名な町)のクリニックで保険適用外の治療をしてきた。
 ・・・昨日11月23日の私のブログへのアクセスは「閲覧数3,819 訪問者数1,238」。

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●11.20
家の前のチシオモミジの紅葉

毎年大きくなり続けている。


●11.14

今年のハナミズキの紅葉は最高にきれい。



ドウダンツツジの葉も真っ赤に燃える。


★(左)ドウダンツツジ と ハクモクレン(右)

●ハクモクレンの葉も黄いろに色づきはじめる。



センダンの黄葉も始まり。


●11.17
ハクモクレンに一足遅れて、
サラサモクレンの黄葉も始まる。



黄色く染まった葉は、大きいので、
風がない日はハタハタと音をたてて落葉する。

道路に大きな葉が散りつもる。
毎日掃き集めるのがけっこう大変。




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 今日は、「甘くみていたら、実際はとても苦しかった『腰骨からの切開生検』のこと」(昨日のブログ)を書く。
 私のガンの原発巣は前立腺にあり、それが骨に90スポット(2月検査)と多数の転移をしているという診たて、それが私の身体の状況。
 ガンの性質や悪性度の特定には「組織を採取」して分析するのが現代医学。
 しかし原発巣のはずの前立腺の4月の針生検(4か所)では見つからなかった。理由は2月からホルモン療法という治療をすでに始めているから、という推測がされてきた。

●≪前立腺生検≫ 今回も、入院の3日目に前立腺の12か所に針を刺して組織をとった。
 それでも、医師らは、「今回も見つからないかもしれない」というスタンス。それが、もうすでに原発巣にはガンがないから、ならいいけど・・・
 ともかく、私のガンの対処には、「多数の骨転移」の悪化や発生しうる痛みや骨折を防ぐ、これが課題と位置付けられる「セカンドオピニオン」の時の医師の話(その医師は今の主治医)。

●≪骨生検の理由≫ それで、骨転移しているガンの性質や悪性度を知るために「骨からもガン組織を採りたい」ということ。今は、遺伝子レベルでの治療ができる場合もあるという話もあった。だから私の希望でもある。
 主治医が整形の医師に骨からの生検を依頼したら、断られたと2日目に話があった。どうも、針生検は困難、という評価だと推測する。
 そこで主治医も骨から採ること断念する、という。私は、再度、求めた。・・・・その2日目の夕方、しばらくの時間の経過後、主治医がまた病室に来て、腰から組織を採ることで再度依頼してみる、との提案をしてくれた。
 ともかく、やっと実現した骨生検。

●≪病院の施設≫ 入院5日目となる20日(金曜日)。前日夕方の整形の説明では、明日退院してもらっていい。ということなので「手術」は気楽に考えていた。
 手術のために自分の部屋を出たのは金曜日の15時45分。
 手術棟に入って、たくさんの部屋や設備、スペースがあり、しかも新しいのに驚いた。だいぶ先の方に歩いて行った時、「この辺りができたのはいつ頃?」と質問すると「3年前」とのこと。・・・最新の設備のようだ。

●≪手術台の上から一人称で≫ ・・手術台の上に乗って横になると、身体に測定具などをいろいろと取り付けられ、手や足も固定されていく。
 頭に浮かんだことのまず一番は、初めての当事者、一人称で手術の最後までを認識できるという、超レアなことなんだということに気づき、そのことへのワクワク感。
 実際、これまで全身麻酔で4時間の手術とか、2時間の手術は経験している。が、手術台の上で麻酔をかけられてからは何も認識していない。今回は、手術部だけの局所麻酔だから、良くも悪くも流れを記憶できるだろう。

 テレビや映画で、手術室や執刀医、上から眺めるスペースなど、手術室の様子が「2人称」「3人称」的に映像化された画面を「視聴者」「傍観者」としてみているのが私たちの常。全く違う世界、体感、雰囲気を肌で感じることができたことは幸せだった。同時に、なんと、痛い手術だったことか・・・・私でも、「いいから、もうやめて」と言いたくなるようなタイミングもあった。
 猛烈に痛かった。途中で「もうやめて」という人も少なくないだろうなぁと思いながら、「痛い、痛い」と叫びながらの時間だった。

●≪手術開始時(16時)≫ 手術台の いろんな準備の後、腰の腸骨からの「切開生検」は、手術開始時(16時)の手術台の上での関係者全員への確認説明で「1時間」とされた。「出血(の予測?) 100㏄」。
 しかし、実際には正味2時間近かった。
 自分の部屋を出て、部屋に戻ったのは18時半。予定「1時間」を大きく超える長い手術になった。

●≪カメラと画面≫ 私から左側大きい画面があって、自分のおなかが映っていた。カメラがあって「カメラで全部記録しています」という。が、メガネは外されているので、ほとんど、手術カバーの青色と自らの肌色部分しか判別がつかない。
 私が画面を見ていることにぎづぃたその場全体の監視役らしき年配の女性が「後で見ることもできるかも」と説明。
 私「個人情報で請求すれば出るでしょうね」。
 ・・その人は一瞬、固まったふう・・・「どうだったか、調べておきます・・」
 ・・・(その後。手術中に気が付いたが、画面が私に見えない向きである180度反転の状態にしてあった)

●≪ワクワク ドキドキ≫16時過ぎに手術が開始されて、右側の「時・分・秒」を数字で表す時計が「0」から動き出した。
 切開予定位置に麻酔の注射が打たれていく。おなかのそのあたり(骨盤の右端部分)であることはよくわかる。
 何本も続く。 
  医師「痛いですか?」   私「麻酔針を刺す痛さ」・・・
  医師「では切ります」
 しばらくして、ちょっとわずかに焦げたような匂いが漂ってきた。
 電気メスで切開しているのだろうか・・・
 そのうち、
   医師「では・・・」  
 と骨盤の厚い骨に穴をあける作業が始まった、らしき。

 ★≪私の基本姿勢≫ なお、この手術に臨む患者としての私の基本姿勢は、痛かったらすぐに「具体的に痛いと意思表示する」こと、と決めていた。なぜなら、前日の執刀医の同意書にかかる説明のとき、 「切開部の右腰あたりの痛みがしばらく続くこともあり得る・・」「2週間ぐらい、右足がしびれることがある」とのことだったので、生検で神経を損傷されて、そんな二次被害を受けてはたまらないから・・・痛みを素早く表現することと事前に決めていたわけ・・・

●≪強い痛みの連続≫ 始まって、最初の段階で、右足の前側上部にしびれが走った。
 私「痛っ!」  「右足上部にしびれが走ってます」
 医師「はい」  医師はその神経がどこにつながるかは熟知しているようだ。

 ドリルのようなビイーンという鈍い回転音。
 右のタイマーの数字を見ると7分ぐらいだった。

●≪イタイ イタイ≫ 骨が、削られていく振動が右の腰の端部分に入ってくる。
 どう考えても (考えなくても) とてつもなく気持ちの悪い音、身体への振動の伝わり・・・
  私「痛っ! 尾骨の方に響いてます」 
  医師 「そうですか」
 
 医師は、そのあとも、速やか、かつ、丁寧に私の痛みの申告・叫びに反応してくれる。
 つまり、すべて想定内の患者の痛み、なのだろう。

  私「痛っ! おなかに響く」    医師 「そうですか」
  私「痛った---! ドリルの先端が鋭く痛い」    医師 「そうですか」
  私「痛った! 骨盤が痛い」    医師 「そうですか」
  私「痛った、たった! 」    医師 「そうですか」

 いったい何度、声を挙げたろうか。
 声の大きさも変えて痛さを伝えたつもり。
 なぜなら、私が考えるに、執刀医には作業の先頭部が骨の中なので、神経などはほぼ見えていないだろうから、痛さ表現で、手術の後遺症の発生を防ぐしかない、それがベッドに固定された私に可能な唯一の表現、対処法だから。

 ともかく、ドリルのような回転音、続いて鈍く重く骨へ食い込んでくる圧迫・刺激。
 骨だから、痛みがないことも少なくはない。

●≪終わったと思ったら、まだ半ばだった≫
  私のおなか部分の上で作業している二人の医師、私から言って右手側の医師が執刀医。
  医師 「硬いね」  助手「そうですねえ」
 ガンが転移し、かついま悪さを発揮しているところは 軟らかい という 基本認識で進んでいることは私も認識している。その軟らかいところが、骨盤の腸骨の厚みのある中を削っても なかなか出くわさない、そんな雰囲気がこちらにも伝わってくる。
 医師 「ここは、ちょっとだけやらかいかなあ・・」 助手「そうですねえ」

 医師 「硬いね」  助手「そうですねえ」
 
 30分ほど過ぎて、執刀医が、来ていた泌尿器科の(若い医師に)
 「ホルマリン漬けの標本は何本にしますか・・・」 「どうしたらいいのか・・・(略)」
 「2本? 1本 ?」  「1本 で」 
    執刀医 「じゃあ1本 で」 手術のサポート看護師「はい、わかりました」  と(私には見えないけど)、調整して1本 を渡した模様。

 そうこうしているうちに、
 執刀医 「ぼぼ だね」   助手「そうですね」
という会話をしていたので、実質の骨採取作業はこれで終わりかと思った。タイマーを見たら「47分」ほどだった。
 たしかに、あとの縫いや整理を入れると手術は、「予定1時間」はピッタリのところ、と納得。

 医師 「出血は?」  手術の看護師「5㏄ から・・10㏄弱です」

●≪急遽、2か所目も 「腸骨稜」あたり≫
 「腸骨稜」を上から押すと足方向にビリビリと痛く響くポイントが2か所ある。
 私 「痛い!!」 というと
 医師 「そうでしょうね」 とお見通し、と感じた。ああ、ここからも骨をとるつもりなんだとすぐに理解した。

 ・・あと、「痛い」の悲鳴の繰り返しは同じなので  ・・・(略)・・・

 これでいいでしょう、の医師の声。タイマーの表示は1時間40分あたり。
 手術の看護師「出血 27㏄」

 縫合が終わって・・片付けが始まった。
 手術の看護師「検体は1本にしますか、2本にしますか?」
 医師 「ちょっと そのままにしといて」

 おおむね終わって医師は「検体は1本にしといて」

 私は医師に 「何針縫ったんですか?」 と尋ねた。
 医師 「5針位です」
 
●≪帰り道≫
 病棟からベッドが来ていて、手術台に横付けされた。
 医師が「自分でそちらに移って」というので、うん、うんと、身体を移動した。

 手術前、歩いていた廊下をベッドで天井を見ながら部屋へ移動する。
 右側には執刀医がいて、ベッドを押している。左は看護師が押している。
 手術棟から病棟に入るあたりで
 医師 「あっ、歩いてきてもらってよかったのに」
 私 「今、もう歩いていいんですか。そういえば最近は、何でも、早めに歩く、という考えですね」
 看護師 「いや、ベッド持ってきたんだから、ベッドで行ってください」
 医師 「明日からはいっぱい歩いて」

 ということで・・3人で病棟へ移動していく。
 私 「執刀医が、部屋まで運んでくれるんですか。名大はすごいですね。」
 医師 「女子医大は違うんですか?」
 私 「2回、手術したけど、執刀医が来たのは、次の日、その次の日・・」
 医師 「ここでは、みんなそうですよ」
 私 「ここはフレンドリーでいいですねぇ」

 そんな、いろいろと会話しているうちに10階の自室について、また、自分で、自分のベッドに移動。

●≪術後≫
 その日の夜も、次の日つまり土曜日に退院したけど患部の痛みは全くない。
 翌日の朝、痛み止めのロキソニンが3日分(1日3錠まで)を渡された。 
 退院時刻ごろにさらに、も30回分(1日3錠まで)が出された。執刀医が、あんなに痛がっていたから、術後の痛み日数が長引く可能性を心配してくれたのだろうと容易に想像できる。

 が、手術部の痛み止めは、手術以降、何も使っていない。手元に薬はあるけど、使わなくて済んでいる。
 72時間経過した今も、今までも、まったく痛みはない。
 あの苦痛はいったい何だったのか・・・と思えてくる。

 しいて言えば、2日目の公園散歩のときや帰宅したとき、両足と肩の筋肉が張っていたかったこと。これは、考えてみると、あの苦痛の声を挙げていたタイミングは、身体が当然の反応として「筋肉を突っ張らせていた」はずだから、その著しい筋肉疲労が翌日に残った、と理解すると納得できた。

 ということで、報告は今日はここまでにしておく。
 夕方になる先ほどは、10日ぶりにウォーキングしてきた。
 術後はシャワーは1週間止められている。考えてみると、水曜日の前立腺生検の前に点滴を付けられて以降はシャワーを浴びることもできなかったから、5日ぶりのシャワー。述部は保護してのんびり浴びた。
 
 なお、昨日11月22日の私のブログへのアクセスは「閲覧数4,369 訪問者数1,246」。

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 名大病院には11月16日(月)に入院して、5泊して6日目の昨日21日(土)の昼に退院した。そのあとは、病院の目の前の「鶴舞公園」の紅葉などを見て回って・・・今年初の紅葉見物・・・にということに替えた。
 そのまま、私が1時間運転して帰宅した。

 だから昨日21日のブログでは公園の紅葉の様子を載せた。
 冒頭には「昨日まで入院5日目のことを書いてきた」としたけれど、厳密には5日の腰の骨の「切開生検」に臨む前のことまでを断片的にかいた。
 なので、今日のブログでは、日時経過を整理しておくために、20日金曜日=病院5日目の午後までのことを書いておく。

 ●主治医はセカンドオピニオンのとき、「今後は骨転移対策が重要多だし、ガンの性質も見たいから背骨などからガン細胞をとる可能性もある」という話だった。
 今回入院して、各検査を進めている。入院2日目に私が主治医に「『骨転移しているガン』の細胞をとって調べてほしい」お願いした。
 そこは19日のブログに書いたので再掲。
  ★≪ 医師も私も、「転移ガン」であるはずの骨の疑わしき細胞をとって(骨生検)してほしいとの思い。
 しかし、昨日、整形は私の場合は生検はできない、と断ってきた、との返事。
 でもでも・・・・「場合によっては、骨転移のへの対処が大事だから遺伝子レベルで調べることもあり得る、とのことだった」と私が、「最初にそう言う説明もあった」しとの旨で粘った。・・それに対して、一度帰った医師が、また戻ってきて、腰からなら採れないか、もう一度頼んでみる、とのことだった。≫


  続けて、書いた。
 ★≪  入院も5日目。昨日は、15時ごろに「整形の先生が生検をしてくれることになった。明日の午後になる」との話があったと書いた。
 ブログを出した18時過ぎに整形の医師が来て、いろいろと説明をしてくれた。

(赤丸部から骨の細胞をとる)
  医師 「右の腰の腸骨の皮膚を少し開いて、骨に広い穴をあけて、骨を削って採る。切開生検という。」との旨。
   寺町 「どれくらいの広さ?」 
  医師 「1センチ弱」 
   寺町 「どれくらいの深さ?」
  医師 「浅いです」 
     「痛みがしばらく続くこともあり得る・・」
     「結果には2週間かかる。レアなことだが、診断がつくかはわかない」 

 医師としては、悪い時のことも説明した上で「同意書」にサインをもらわなければいけないから、・・それが説明責任とされている。
    (泌尿器) 「前立腺の生検は今日やったけど、出ないもしれない。4月に東京でも出なかった。だから、骨からということ」
    (整形) 「それで、ボリュームがということね。」≫


 さあ、これで入院5日目の午後に組まれた腰の骨からの、前立腺がんの細胞をとる目的の「切開生検」に至る経過が「筋道を通して整理できたかなぁ」・・・・
 実際に、手術のために自分の部屋を出たのは金曜日の15時45分。
 いろんな準備の後、腰の腸骨からの「切開生検」は、手術開始時(16時)の手術台の上での関係者全員への確認説明で「1時間」とされた。しかし、実際には正味2時間近かった。
 自分の部屋を出て、部屋に戻ったのは18時半。

 これまでに全身麻酔で4時間の手術とか、2時間の手術は経験している。が、手術台の上で麻酔をかけられてからは何も認識していない。
  今回は、手術部だけの局所麻酔だから、良くも悪くも流れを記憶している。
 予定「1時間」を大きく超える長い手術になった。
 猛烈に痛かった。途中で「もうやめて」という人も少なくないだろうなぁと思いながら、「痛い、痛い」と叫びながらの時間だった。

 このブログでは何ごとも、そんなようなことの具体的な部分は、あまり書かないようにしてきた。
 しかし、今回は、初の体験なので書こうと思う。が、今日はもう、書く時間が無くなったので、明日にする。
 なお、昨日11月21日の私のブログへのアクセスは「閲覧数4,183 訪問者数1,222」。

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 昨日まで入院5日目のことを書いてきた。
 ところで、病院の前には、「鶴舞(つるま)公園」(24.07ha)という市の施設がある。市内にこんなところがあるのだから大したもの。
 病院の泌尿器科の病室は10階。部屋やサロンからは、公園や紅葉を毎日、上から眺めていた。
 今日は、地上から紅葉をめでた。天気も素晴らしく、心から満足できた。その写真。

 明日は、甘く見ていたら、とても苦しかった「腰骨からの切開生検」のことを書こうかなと思っている。幾分、気分転換しないと書けないから・・・
 なお、昨日11月20日の私のブログへのアクセスは「閲覧数4,940 訪問者数1,469」。

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●鶴舞公園について   名古屋市 Web
 鶴舞(つるま)公園は、明治42(1909)年11月19日に、名古屋市が設置した最初の公園です。・・・

●病院の泌尿器科は10階
そこからは、公園や紅葉を毎日、上から眺めていた



●地上から病室を眺めると・・・
赤丸あたりが私の部屋のおおむねの位置


















市の公会堂と病院



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 入院も5日目。昨日は、15時ごろに「整形の先生が生検をしてくれることになった。明日の午後になる」との話があったと書いた。
 ブログを出した18時過ぎに整形の医師が来て、いろいろと説明をしてくれた。
  医師 「右の腰の腸骨の皮膚を少し開いて、骨に広い穴をあけて、骨を削って採る。切開生検という。」との旨。
   寺町 「どれくらいの広さ?」
  医師 「1センチ弱」 
   寺町 「どれくらいの深さ?」
  医師 「浅いです」 
     「痛みがしばらく続くこともあり得る・・」
     「結果には2週間かかる。レアなことだが、診断がつくかはわかない」 

 医師としては、悪い時のことも説明した上で「同意書」にサインをもらわなければいけないから、・・それが説明責任とされている。
 他にいろいろと説明があったけど、本人としては、自分に関わるところを質問した。
 例えば、「明日、退院でいいの?」
  医師 「整形としては、明日の朝でかまいません。あとは、こちらの泌尿器科がどうされるかです」

 そのあと、泌尿器科の医師も来て、私に聞こえないように話していたのかもしれないけど、聞こえた。そのごく一部は
    (整形)「針生検でいいと思うけど・・」
    (泌尿器) 「前立腺の生検は今日やったけど、出ないもしれない。4月に東京でも出なかった。だから、骨からということ」
    (整形) 「それで、ボリュームがということね。」

 ・・・そして、今日の朝7時過ぎ。チーフの医師が来た。
  「整形は一週間後に抜糸、といっている。木曜日。その間の消毒のことがあるから、休みの月曜日までここにいて、火曜日退院でどう? 」
 「私は、明日、とりあえず退院したいです」と伝えると、「じゃ、できるだけその方で相談してみる」との旨。
  あと、何点か相談した。今使っている薬などのことや、今後の日程のことなど。

 しばらくして、別の医師が来て、「整形がМRIの画像が1枚しかないので、もっと欲しいと言っている。なければこれで行くけど、と。それで、今、МRIが何とか入らないか手配を進めている。もし入れば、行ってきて」の旨。
 私は、たぶん午後のことだろうと思っていた。

 一般的に、「大きいと小回りが利かない」ということがあるけど、ここは大病院としスタッフや設備がそろっていることを駆使して、いろいろと小回りの利いた調整してくれていることに感謝している。
 そんなことを思いながら、朝食(8時過ぎに配膳されてくる)をとり終わって、パートナーに電話で状況報告などしていたら、看護師から「МRIが入ったから、すぐ行けますか」との旨。
 一人で地下1階の一番奥に行ったら、先日の、何台もあるМRI室、スペースとは違ったところを示してそちらに行くように指示された。
 尋ねると「ここは放射線治療でМRIがいるときに使う。向こうのМRIがいっぱいの時に使うこともあるんですよ」とのこと。
 腰部分だけのはずだけど、時間は、やっぱり正味30分かかった。

 ・・・というようなわけで、午後(基本は14時予定)の整形の「局所麻酔の手術」を待つ。
 13時から絶食(飲み物は自由)、という指示だそうで、昼は普通に食べて、夜も普通、と看護師。
 しかし、局所とはいえ麻酔がかかっていれば当然、そして麻酔がぬけていけば当然、痛みは来るのだろうから、立ち席でパソコンはきついだろうし、と言って座位でも同様だろうから、ブログは午前に出すことにして、ここまで書いてきた。
 
 ということで、今日は「生検」の解説の復習にといくつかにリンク、抜粋しておく。    
  (写真は、10階から眺めた鶴舞公園の紅葉など)
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 ●生検と細胞診
 総合御南東北病院 南東北第216号 3月号
 「生検」とは疑わしい病変の一部を切り取って、菌や腫瘍の存在を詳しく調べて病気の診断を行うものです。例えば胃カメラを飲んで潰瘍が見つかったら、がんかどうか確認するため組織の一部を採取して、見やすいように染色して顕微鏡で観察します。組織の形を見ることで潰瘍ががんであるかどうか、を診断することが出来るのです。〝組織を採取する〟というと怖そうなイメージがありますが、採取するのは1~5㎎程度ですので苦痛のあるものではありません。

 一方、「細胞診」は、ある組織の細胞をバラバラの状態で観察するものです。がん細胞の場合はいびつな形をしているため、採取した臓器にいびつな細胞があるかどうか、を見ます。例えば子宮頸がんの場合、子宮口や子宮頸管の一部をヘラや綿棒でこすり取って細胞を集めます。肺がんでは痰を取ります。集められた細胞を観察することで、がんの有無を検査することが出来ます。患者さんの苦痛が少ないため、人間ドックや集団検診などで広く行われている検査です。
 ただし、細胞診だけでは決定的な診断は難しく、さらに精密検査が必要になる場合も出てきます。

●4.生検  徳島大学病院 がん診療連携センター 
臨床経過と画像から悪性腫瘍が疑われる場合には生検を行います。生検とは腫瘍の一部の組織を採取して調べることです。
 生検は場合に応じて「針生検」と「切開生検」を使い分けています。

針生検 :腫瘍を針で刺して、組織を採取する方法です。外来において局所麻酔下でできますが、組織量が少なく十分な診断ができないことが有ります。

切開生検 :手術的に組織の一部を採取する方法です。ほとんどの場合、入院したうえで全身麻酔や腰椎麻酔が必要になりますが、針生検にくらべると確実な診断ができる可能性が高いと考えられます。

以上の手法により採取した組織は「病理部」に提出し、顕微鏡を用いて調べます。
診断は病理医によってなされ、確定診断には数日を要します。


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 入院して4日目にもなると「身体はすっかり病人」・・か。
 こころと頭は、自分の置かれた現実、「ガンという病気」が早期発見ならともかく、遅れた発見の場合にいかにたちの悪い病なのか、そんなことを数値や書物の記載、そこの事例などから感じている・・・

 ステージの3が2になるとか、2が1なるとかはあっても、4が3になるとこは見えてこない、少なくても2月から10か月では・・・ と事実を書くとこうなるのかなぁ。・・
 でも、これは現代医療の立場に立った考え方、区分けの仕方・・・ と思っている、今日も。

 ともかく、今日は、「前立腺がん」本体である原発巣のガンの生理検査のための細胞をとる生検。
 4月の東京女子医大での4か所からの検体の生検では、見つからなかった。
 今日は12か所から検体をとった。痛くないし、10時半からの生検のあとの13時半ごろの最初のトイレでの尿は、最初にほんのちょっと赤いモノが混ざっていた程度で、あとは、まったく赤いモノはつかない。痛みも全くない。若い医師だったけれど上手なんだろう・・・と当事者の結果の評価。

 もちろん、医師も言っているけど「生理検査で出なかったら、元のガンを誰も見ていないことなる。単に、状況証拠で寺町さんはガンだガンだと言っているだけになる」というような妙な話。

 とはいえ、骨シンチの検査では、概要の一部は(素人言葉に直した書き方をすると)、2月に岐阜大学の時には「びまん性骨転移 スポット90 骨に占める割合 骨に占める割合10%」という認定だったのが、昨日見せてくれた4日前16日のここ名大病院の検査データでは、「びまん性骨転移 スポット70 骨に占める割合6%」だった。
 減少しているのは夏の女子医大の骨シンチの結果と同じ方向。だけど、依然としてしつこく残り続けるガンと思しき姿。

 医師も私も、「転移ガン」であるはずの骨の疑わしき細胞をとって(骨生検)してほしいとの思い。
 しかし、昨日、整形は私の場合はできない、と断ってきた、との返事。
 でもでも・・・・「場合によっては、骨転移のへの対処が大事だから遺伝子レベルで調べることもあり得る、とのことだった」と私が、昨日、「最初にそう言う説明もあった」しとの旨で粘った。・・それに対して、一度帰った医師が、また戻ってきて、腰からなら採れないか、もう一度頼んでみる、とのことだった。

 そして、今日、整形に院内で受診との日程がはじめっから組まれていた。
 ・・・ともかく、15時ごろだったか、医師が小走りで「整形の先生が生検をしてくれることになった。明日の午後になる。そのための血液検査はあとでする・・・」との話。

 とりあえず、一つずつ、駒を前に進めていくしかない・・今。
 ということで、今日は、10時半からの生検の際の点滴がその整形の骨生検の終わるまでつけていることになったので、記念に写真を撮っておく。
 あと、当該名大のウエブから、検査や生検の関連部をリンク、抜粋しておく。当然ながら、数年もすれば新しいページにリニューアルされので、私のウエブにとどめておく意義はあろう。

 そろそろ夕ご飯の配膳される時間なのでここまでにしておく。
 なお、昨日11月18日の私のブログへのアクセスは「閲覧数4,312 訪問者数1,391」。

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 ●名古屋大学大学院医学系研究科 泌尿器科学教室
  泌尿器科の病気/前立腺がん 
 ・・・(略)・・・
検査と診断のポイント
前立腺がんの診断においてはPSAの測定が重要で、血液検査により血中のPSAを測定します。PSAは正常な前立腺上皮細胞で産生されますが、がん細胞ではPSAの産生が非常に亢進し、血液中のPSAも高くなります。血液中のPSA測定値が4ng/mlを超えると前立腺がんの存在を疑う必要があります。PSAはがんのみならず、前立腺肥大症や前立腺の炎症でも上昇することがありますが、4~10ng/mlはグレーゾーンとして考えられ、20~30%で前立腺がんが見つかります。10ng/ml以上では前立腺がんの発見率は50%以上と高くなり、20ng/ml以上では周囲に浸潤したり、転移したり、進行している可能性が高くなります。現在、市町村の老人健診において約70%がPSA測定を採用しており、PSA測定の普及により、早期前立腺がんの発見率が上昇しています。

PSAが4ng/ml以上の場合には、肛門から針を前立腺に刺して組織を採取する、いわゆる前立腺生検により組織検査を行い、前立腺がんの有無について確定診断を行います。前立腺がんが検出された場合には、種々のレントゲン検査などにより、前立腺周囲への浸潤の有無、リンパ節や他臓器への転移の有無を評価します。

MRI(核磁気共鳴画像)は、現在では一般的な検査となりましたが、人体に高周波の磁場を与え、人体内の水素原子に共鳴現象を起こさせる際に発生する電波を受信コイルで取得し、得られた信号データを画像に構成して、人体の断層写真を撮る検査法です。現在は、MRI画像を様々な信号を利用して加工することにより、前立腺癌の診断に非常に有用な検査となっています。従って、PSAが高値で、前立腺がんが疑われる場合には、上記の生検による組織検査の前に、MRI検査を行います。MRI検査により、より正確な組織採取ができたり、前立腺がんの局在や浸潤度などを評価することができます。

CT検査は、前立腺がんの診断には有用ではありませんが、前立腺がんと診断された場合には、リンパ節、骨、他臓器への転移の有無を検査するために行われます。また、骨の転移をチェックするためには、骨シンチグラフィーを行います。

前立腺針生検(経会陰的)(経直腸的に行うこともあります)
泌尿器Care & Cure Uro-Lo(メディカ出版)、22(2)、p57、2017(鈴木啓、前立腺生検の術前・術後管理)より転載


悪性度と進行度の診断
前立腺がんの悪性度は病理組織検査(前立腺生検組織あるいは手術で摘出した前立腺組織)により分類します。病理診断医が、前立腺のがん組織の部分について、Gleason score(グリーソン・スコア)によって、2~10点まで分類します。グリーソンスコア2~6点は悪性度が低い前立腺がん(転移や進行しにくい、おとなしいがん細胞)、7点は中程度、8~10点は悪性度が高い前立腺がん(転移や進行しやすい、横着いがん)となります。

進行度は治療前のMRIや手術により摘出した前立腺組織により診断します。前立腺は栗の渋皮のような被膜で包まれていますが、がんが被膜の中にとどまっている場合は限局性前立腺がんと言われ、早期の状態にあるといえます。しかし、前立腺がんがさらに広がって、被膜に浸潤したり、被膜を超えて前立腺の周囲まで浸潤すると局所進行がんとなります。

また、CT、MRI、骨シンチグラフィーなどで、リンパ腺・骨(前立腺は骨やリンパ節に転移しやすい)、あるいは他の臓器への転移があるかどうかを診断します。

以上のような悪性度、進行度、さらにPSAの値を組み合わせて、各患者さんの前立腺がんの状態を低リスク、中リスク、高リスクに分けて、治療選択や予後の予測を判断することもあります。
・・・(以下、略)・・・

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 今日は入院3日目。
 ブログは夏ごろからの経過を書くつもりだったけど、想定外といえることがあって、そちらする。

 朝、医師から、(前立腺の)生検をしたい、明日木曜日か火曜日が可能だが・・と話があった。
 当初から、生検には賛成しているので、同意した。

 それと、入院した一昨日月曜日にCTや骨シンチの画像検査は済んだけど、同日からМRIは日程が入らずに保留状態。
 昨日も、今日も、医師や看護師もまだМRIの検査のお呼びがきがせんね・・・という状態。

 他方で、昼前には、生検は明日「19日木曜日」と記した同意書の署名用紙や説明書がきた。
 とはいっても、「生検をすると出血するから、画像検査は3週間はしない」というのが大原則なので、МRIが明日19日の朝までに済まなきゃ、その日の生検は断るのが当然。なぜなら、МRIの結果なしで次の方向・治療に見切り発車されても困るから。
 だから、明日「19日木曜日」と記した同意書の署名用紙はサインはしたけど、持ってきた本や書類の下に潜めておいた。

 ・・・んんん・・15時半が過ぎてもМRIのお呼びが来ない。こちらは、午前から、放射線治療に関する3冊の本関係部分とても興味深く流し読みして、気分もすっきり。
 でも、私は明日朝になって、医師と「生検拒否」でトラブリたくなかったから、15時50分ごろに、МRIの検査の実施を促すべく、ナースステーションに行って、お願いした。

 寺町 「МRIの日程が入ってこない。(カウンターにあったメモ用紙を指さして)月曜日に医師から依頼されている日程かのメモが横に置かれていないか確認してください」。

 看護師 「ここは、紙のメモでなく、全部コンピュターでやってますから。МRIの機械も増えたし混んでいるだと思いますよ・・・」とのたもの。

 (寺町の内心) 「そんなことわかりきっているけど、そこを催促してみてということだよ」
 寺町 「明日、生検が決まっているけど、生検をすると出血するから、画像検査は3週間はしない、ということになっているので、どうしてもМRIを入れてほしい」。

 看護師はすぐにМRIの担当の方に電話して「寺町さんのМRI、どうなってますか?」
    「ハイ、ちゃんと、あるけど、まだ決まっていない、病状の重い人から優先なんですね」と受け答えなさっている。

 私は、クレーマーのつもりはないので部屋に戻った。
 10分ほどたった16時5分すぎ、ナースがお越しになられて、「今、МRIから来るように連絡がありました。すぐに行ってください」とのたもう。

 ・・ま、・・・申し出ろ督促しなかったらコンピュターに放っとかれたのだろうと思いつつ、検査室へ。
 16時15分ごろ。そこは、「4、5、6番」の3つのМRIにいずれもあと一人ずつ待ち、との表示がされている。
 何もかも、すすっと流れた。
 「30分かかります」との説明の後、16時30分にМRIに身体が固定されて、動き始めた。
  静かな検査。終わったら、ちょうど17時だった。
 機械室から待合室に出たら、二人の職員が床掃除をしていた・・・どこがどうしたかは問わないけれど、「状況からは、やっぱり、滑り込ませてくれたんだろう」と推測する私。
 
 クレーマーだったらどうなっていたろう、控えめな人・気の弱い人だったらどうなっていたろう、・・・なんてことは考えず、部屋への帰りに1階のコンビニによって、ギリギリのタイミングで対処した自分へのご褒美においしいコーヒーを一杯買って、部屋って戻った・・・

 月曜日以来、どこもかしこも新しくて大きくて、対応も患者本位で素晴らしい病院と感じていた。
 しかし、原発だってそうだけど、トラブルはほぼ人為的なことに起因するわけで、こんな最新の大大病院でも、人為的にコンピュターに調整をかければ・・・想定外に進むというのが私の今日の体感、実感だ。

 以上、名古屋市の真ん中の鶴舞公園のタイミングとしても素晴らしい紅葉を一日中、毎日、10階から見降ろしている爽快感に浸りながら、検査や治療の流れが少しずつ進んでいく中の想定外の事象に対する想定外のお願いの報告でした。

 ちょうど、その後は、医師が現在までの検査結果や他科との協議の結果などの報告に来てくれた。
 いろいろと話、こちらの希望も伝えた。それらのこと、結果などはまた改めて書くことにする。
 
 さて、夕食が配膳されてきたし、今日はここまで。
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 昨日は、名古屋大学附属病院に入院したことを書いた。
 今日は、まず2日目のまとめ。

 ①≪検査≫ 今日は「骨シンチ」の検査があった。骨の各所の転移がAIの力も借りして、極めて分かりやすくとらえられる。
 昨日の造影剤CTとは違ったとらえ方。
 あと、昨日から予約がなかなか通らない、МRI。こちらは、今日もキャンセル待ちだで待機状態で居てと、医師から午前に伝えられた。
 
 ②≪本読み≫ 持ってきた専門の本の中で、告知日前に読んだ「前立腺がんのすべて」という本、ある程度病気を理解してから読んだ「前立腺癌 診療マニュアル」という本、この中の私のようなハイリスク患者にかかる部分などや、さらにその後のことを復習的に、(昨日に続き)読んでおいた。

 さて、今日のブログは17時前ごろからネットにつないで始めた。
 昨日は、「しばらく一日中病室に居るのだから、そのあたりの事情や経過を整理」として「次のような観点、組み立てで記」旨の予測もメモ書きした。
 1日経って今考えると、前立腺がんという病気(がんの進行)の基本の流れだけは、最初に置いた方がよさそう。それで、今日は次にしよう。

★≪「去勢抵抗性前立腺がん」を治す薬は無いとされている≫
 基本として、「前立腺がん」は、いずれは「去勢抵抗性前立腺がん」になる。それを治す薬、というか治療法は無いとされている(現代医療の「標準療法」の考え)。
 
 では、個別事実として、私の今はということ、「去勢抵抗性前立腺がん」の段階と認定されるようになった。いずれそうなることはあり得ることと思っていたので、自分としては驚くことではないけれど、最短コースで行ってしまったな、という感想は持っている。
 
 ここ名大の医師は、先日、PSA(前立腺がんの腫瘍マーカー)の減少や増加はともかく、「誰も、寺町さんの前立腺がんを見てはいない」ということで、入院して、いろいろと調べて、できれば組織も見て、検討しようという。「抗がん剤」を使う方向で
はあるけど、いろいろと検討しようということ。

 ということで、今日は「前立腺がん」や「去勢抵抗性前立腺がん」のことを分かりやすくまとめたウェブなどにリンク、抜粋しておくことにする。

 例えば、前提の理解としては次がいる。
 ★(慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室)ホルモン療法が効かなくなった前立腺がんのことを、以前はホルモン不応性前立腺がんと言っていました。ホルモン療法が効かなくなったがんは、ホルモンに依存することなく増殖できるようになったのだと考えられていたのです。しかし近年の研究から、実際には副腎や前立腺癌そのものから分泌される微量のホルモンを利用していることがわかってきました。そこで、去勢レベルの微量のホルモンでも増殖するがんということで、去勢抵抗性前立腺がんと呼ぶようになったわけです。

●男性ホルモンの種類/大東製薬工/このような前立腺がんの性質の変化には、「がんの成長に男性ホルモンを必要としているにもかかわらず、現在行われているホルモン療法では効果が得られにくくなりつつあるタイプ」と、「男性ホルモンとは関係なくがんが成長するタイプ」の2つの段階があります。

★海外がん医療情報リファレンス  日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT) / 去勢抵抗性前立腺がんは前立腺がんと比べて、アンドロゲン濃度(男性ホルモン)が非常に低くても増殖できます。・・・アンドロゲン(男性ホルモン)は、男性性徴の発現・維持を制御するホルモンです。テストステロンとジヒドロテストステロン(DHT)は、男性で最も多いアンドロゲンです。ほとんどのテストステロンは精巣で産生されますが、少量が副腎で産生されます。また一部の前立腺がん細胞はコレステロールからのテストステロン産生能を獲得します。

●去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)とは | 患者さん・ご家族の方向け/ ザイティガ.jp 最終更新日:2020年3月3日

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●男性ホルモンの種類
      大東製薬工
男性ホルモンは、アンドロゲン(androgen)とも呼ばれるステロイド・ホルモンで、その中にはテストステロンのほか、ジヒドロテストステロン(DHT)、デヒドロエピアンドロストロン(DHEA)、アンドロステロン、アンドロステンジオン(androstenedione)、エピアンドロステロンなどがあります

●去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)とは | 患者さん・ご家族の方向け
    ザイティガ.jp 最終更新日:2020年3月3日
ホルモン療法により、男性ホルモンの分泌が抑えられているにもかかわらず悪化する前立腺がんのことを「去勢抵抗性前立腺がん(きょせいていこうせいぜんりつせんがん)」または「CRPC(シー・アール・ピー・シー)」と呼ぶことがあります。CRPCは、専門的には「外科的去勢、薬物による去勢状態で、かつ血清テストステロンが50ng/dL未満であるにもかかわらず病勢の増悪、PSAの上昇をみた場合、抗アンドロゲン剤の投与の有無にかかわらず、CRPCとする」すなわち

「男性ホルモンが出ないような処置がされていて、血液中の男性ホルモンの濃度も非常に低いにもかかわらずがんが進行したり、腫瘍マーカーのPSAの値が上昇している状態」と定義されています。

前立腺がんとその治療
前立腺がんは男性ホルモンによって成長する、男性特有のがんです。そのため、男性ホルモンを抑えるホルモン療法によって、高い治療効果を得ることができます。しかし、だんだんとホルモン療法の効き目が悪くなり、ホルモン療法を行っているにもかかわらずPSAが上昇したり、がんが成長してしまうということも起こります。
それは、ホルモン療法を続けている間に前立腺がんの性質が変わり、現在行われているホルモン療法だけではがんの成長を抑えきれない状態になっていくためです。このような前立腺がんの性質の変化には、「がんの成長に男性ホルモンを必要としているにもかかわらず、現在行われているホルモン療法では効果が得られにくくなりつつあるタイプ」と、「男性ホルモンとは関係なくがんが成長するタイプ」の2つの段階があります。
本サイトでは、このようなホルモン療法の効き目が悪くなった前立腺がんの性質について、動画を交えて解説しています。ホルモン療法の効き目が悪くなってきた理由を良く理解し、主治医から説明を受けた次の治療を選択する際の参考にしてみましょう。

前立腺がんは男性ホルモンによって成長します
前立腺がんは男性だけにある「前立腺」というところにできるがんです。前立腺は膀胱のすぐ下にあり、その真ん中を尿道(おしっこの通り道)が通っています。前立腺の働きについては解明されていない部分もありますが、主に射精と排尿に関与していると考えられています。
前立腺がんはゆっくり進行し、何十年もかけて成長していくことがあるため、中には、がんによる症状が現れることなく天寿をまっとうすることもあります。
前立腺がんは、男性ホルモンによる刺激で成長、増殖することが知られています。男性ホルモンは主に精巣で作り出され、血液によって運ばれていき、前立腺がんに届きます。前立腺がんはこの男性ホルモンを受け取るための受け皿として、「男性ホルモン受容体」というものを持っています。この男性ホルモン受容体は男性ホルモンを受け取ると、がん細胞に対して成長、増殖を呼び起こすための信号を送ります。こうして、前立腺がんの細胞は男性ホルモンによる刺激を受けて進行します。

前立腺がんには『ホルモン療法』が有効です
前立腺がんの治療には、手術、放射線治療、薬物治療などが広く行われており、薬物治療には大きくホルモン療法と化学療法があります。ホルモン療法には男性ホルモンが作られるのを抑える治療法と、男性ホルモン受容体の働きを抑える治療法とがあり、いずれも男性ホルモンが前立腺がんに作用しないようにする治療法です。男性ホルモンが作られるのを抑える治療法としては、現在、LH-RHアナログというお薬が広く使われています。このお薬は、脳の中のホルモンをコントロールする司令塔部分に働きかけ、男性ホルモンの分泌を促す刺激が精巣に伝えられるのをブロックします。その結果、精巣からの男性ホルモン分泌が止まり、前立腺がんに届けられる男性ホルモンが枯渇してがんの成長が抑えられます。
また、男性ホルモン受容体の働きを抑えるお薬としては、直接、男性ホルモン受容体と結合して働きを抑えてしまうお薬が使用されています。このタイプのお薬は、男性ホルモンが本来、結合する受容体の受け皿部分に入り込むことで、ホルモンと受容体が結合できないようにブロックして働きを抑えます。

LH-RHアナログについて
LHとは黄体形成ホルモンのことで、男性ホルモンや女性ホルモンの分泌をコントロールしています。LH-RHアナログとは、そのLHが分泌されないようにして、精巣からの男性ホルモンの分泌を抑えます。

PSAとは
PSA(ピー・エス・エー)は『前立腺特異抗原(ぜんりつせんとくいこうげん)』と呼ばれるたんぱく質の一種です。PSAは前立腺でのみ作られ、正常な前立腺から血液中に流れ出すことはないため、健康な人では血液中からPSAが検出されることはほとんどありません。
しかし、前立腺がん細胞ではPSAがたくさん作り出される上、細胞自体が壊れやすいため、簡単に血液中に漏れ出してしまいます。つまり、PSAの値が高いほど、活発に活動している前立腺がん細胞が多いことを意味します。
なお、PSAは前立腺がんの腫瘍マーカーとして調べられたりしますが、前立腺がんだけではなく、前立腺肥大などの一部の病気でも上昇する可能性があるため、検査結果については医療従事者からの説明をきちんと受けてください。

●前立腺癌薬物療法
      慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
前立腺がんはアンドロゲン(男性ホルモン)を利用して増殖するので、手術後、放射線療法後の再発や、初期発見時に転移がある患者様には、ホルモン療法が施行されます。

前立腺がんはアンドロゲン(男性ホルモン)を利用して増殖するので、そのホルモンの作用を抑制することで治療効果を期待する方法です。前立腺がんにおけるホルモン療法とは、アンドロゲンの作用を抑制することの総称で、アンドロゲン遮断療法とも呼ばれます。
 ホルモン療法で使われる薬剤には、注射剤と内服薬があり。注射剤は、脳の視床下部・下垂体に働きかけることで精巣からのアンドロゲン分泌を抑える薬で、LH-RHアゴニスト製剤とLH-RHアンタゴニスト製剤が使用されています。
 内服薬は、がん細胞にアンドロゲンが作用するのをブロックする抗アンドロゲン薬です。ホルモン療法は、治療を開始した当初は効果を発揮するが、多くの場合、いずれ効かなくなってしまいます。ホルモン療法が効かなくなった前立腺がんのことを、以前はホルモン不応性前立腺がんと言っていました。ホルモン療法が効かなくなったがんは、ホルモンに依存することなく増殖できるようになったのだと考えられていたのです。しかし近年の研究から、実際には副腎や前立腺癌そのものから分泌される微量のホルモンを利用していることがわかってきました。そこで、去勢レベルの微量のホルモンでも増殖するがんということで、去勢抵抗性前立腺がんと呼ぶようになったわけです。

去勢抵抗性前立腺がんの治療は、2014年に新しい薬が承認されたことで大きく変化しました。2014年までは、ホルモン療法以外に有効な治療法がなかったので女性ホルモン製剤を使用したりしていました。それでもがんの進行を抑えられなければ、化学療法としてタキソテールによる治療を行い、それが効かなくなると、もう有効な治療法はありませんでした。しかし、2014年に、患者の新たな治療選択肢として、3種類の新しい薬が登場しました。ホルモン療法薬であるイクスタンジとザイティガ、抗がん薬のジェブタナです。

イクスタンジは新規抗アンドロゲン薬で、がん細胞にアンドロゲンが作用するのをブロックする。従来の抗アンドロゲン薬に比べ、より強力にアンドロゲンの作用を抑え込む働きを持っている。ザイティガは新規アンドロゲン合成阻害薬で、アンドロゲンの合成に関わる酵素の働きを抑え込む。それにより、アンドロゲンをさらに減らすことができる。ジェブタナは、タキソテールと同じタキサン系の抗がん薬である。白血球の減少という副作用は強いが、効果も高いことが明らかになっている。さらにこれまでの臨床試験の結果から、病勢の進行が顕著でない段階で、前倒しして抗がん剤であるタキソテールを使用したほうが、より治療効果が期待できることを示唆する結果も出ています。本邦の患者様において、どのようなタイミング、どのような順番で使用するのがよいのかということについて議論されているのが、去勢抵抗性前立腺がん治療の現状です。さらに、今後も新薬の登場が期待されています。

前立腺がんの転移で多くみられるのが骨への転移です。骨転移をきっかけにして万一骨折が起きると、生活の質(QOL)が低下するばかりか、結果的に生存期間を縮めることになりかねません。そのため現在、前立腺がんでは骨転移に備えて骨量を維持する治療を併行するようになってきています。一般的に加齢とともに骨量は減りますが、ホルモン療法などで骨量の減少から骨粗しょう症になるリスクはさらに高まります。

前立腺がんの骨転移は、骨盤、脊椎、大腿骨、肋骨などに多くみられます。骨転移の部位によっては、痛みなどの自覚症状を伴わない場合もありますが、痛みを伴う場合は、転移した骨自体や、転移巣の近くにある神経を刺激して痛みが生じます。 例えば、脊椎の骨転移が進むと、骨が押しつぶされ圧迫骨折を起こすこともあります。神経を損傷し車椅子生活になることもあるので、十分に注意しなくてはいけません。このように骨折が起きると生活の質(QOL)を損なうことになりかねません。そのため、当院ではホルモン療法の開始と同時に、骨密度を補う薬剤としてデノスマブなどによる予防や治療を行います。また骨転移を有する場合にも、骨転移によって生じる骨折や痛み、機能障害を予防する治療を並行して開始します。

2016年には、骨転移に対する新しい治療薬であるゾフィーゴが、生存期間も延長するとして登場してきました。骨転移のある部位に取り込まれ、そこで放射線を出すことで治療効果を発揮する薬で、ゾフィーゴはアルファ線を放出する放射性物質を含み、カルシウムに似た性質があるため 、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれます。ゾフィーゴが放出するアルファ線によって骨に転移したがん細胞のDNAを切断し、がん細胞を死滅させることが期待できます。投与方法は静脈注射で、1か月に1回、合計6回投与します。放射線治療の専門家と治療を進めます。

癌の転移はかつて、原発巣から転移するものと考えられていました。しかし現在は、転移巣からも転移していくと考えられるようになっています。がんの性質も細胞ごとに異なり、性質のより悪い細胞が転移を繰り返すと考えられています。そうしたがんの性質を考えると、前立腺がんの骨転移に関しても、ゾフィーゴだけ、あるいはランマークだけといった特定の治療法で対応するのではなく、放射線療法や手術なども含めて、複合的、集学的に治療法を考える必要があります。そのために、泌尿器科医と放射線科医や整形外科医、口腔外科医、緩和ケア医などと連携し、チーム医療が行われています。

当院では、去勢抵抗性前立腺がんに対する最新の薬物療法の知見を多く有しております。たくさんの薬物療法の選択肢の中で、どの薬剤を選択したらよいか?患者様の生活の質を保つにはどうすればよいか?どんな副作用があるのか?など、最新の情報を交えて、提供しております。

●前立腺癌に対するホルモン療法
    海外がん医療情報リファレンス 日本癌医療一般社団法人 日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT) 2014年5月9日 更新 2019年2月28日
医療者・研究者・患者その他の泌尿器がん前立腺がん公的機関NCI(米国国立がん研究所)化学療法(薬物療法)・抗がん剤外科治療治療の副作用・安全性 NCIファクトシート  原文日付:2013年12月12日
男性ホルモンとはどのようなものでしょうか?
ホルモンは、体内の腺によって産生され、化学シグナルとして作用する物質です。しばしば血流を介して体内をめぐり、さまざまな場所の細胞や組織にたどりついて、その活動に作用します。

アンドロゲン(男性ホルモン)は、男性性徴の発現・維持を制御するホルモンです。テストステロンとジヒドロテストステロン(DHT)は、男性で最も多いアンドロゲンです。ほとんどのテストステロンは精巣で産生されますが、少量が副腎で産生されます。また一部の前立腺がん細胞はコレステロールからのテストステロン産生能を獲得します。(1)

ホルモンはどのようにして前立腺がんの増殖を促しますか?
アンドロゲンは、精液の産生を促す男性生殖器系の腺である前立腺の正常な成長と機能に欠かせないものです。アンドロゲンはまた、前立腺がんの増殖にも欠かせません。アンドロゲンは前立腺細胞内で発現しているタンパク質(2)であるアンドロゲン受容体に結合し活性化させることで、前立腺の正常細胞とがん細胞両方の増殖を促します。アンドロゲン受容体は活性化されると、前立腺細胞の増殖を引き起こす特定の遺伝子の発現を促します(3)。

前立腺がんの発生早期では、比較的高濃度のアンドロゲンが増殖に必要です。このような前立腺がんは、アンドロゲン濃度を低下させる治療やアンドロゲン活性を阻害する治療によってその増殖が抑制されることから、去勢感受性、アンドロゲン依存性またはアンドロゲン感受性と言われます。

アンドロゲンを阻害する薬剤や外科手術で治療された前立腺がんは最終的には「去勢抵抗性」になります。それは、体内のアンドロゲン濃度が極度に低いか検出されないレベルであっても、前立腺がんが増殖し続けることを意味します。かつて、こうしたホルモン抵抗性、アンドロゲン非依存性、またはホルモン不応性とも言われましたが、こうした言葉は現在ほとんど使用されません。その理由は、去勢抵抗性がんが1種類以上の新規の抗アンドロゲン薬に反応するためです。

どのような種類のホルモン療法が前立腺がん治療に使用されますか?
前立腺がんに対するホルモン療法は、アンドロゲンの産生やその作用を抑制することができます(4)。現在使用されている治療法は、以下に示すように幾通りかの機序でそれを達成します。

精巣でのアンドロゲン産生の抑制。
体内でのアンドロゲンの作用の阻害。
体内でのアンドロゲン産生(合成)の阻害。

図.男性におけるアンドロゲン産生。テストステロン産生は、黄体形成ホルモン(luteinizing hormone;LH)と黄体形成ホルモン放出ホルモン(luteinizing hormone-releasing hormone;LHRH)により調節されていることを示しています。視床下部はLHRHを分泌し、LHRHは下垂体からのLHの分泌を促します。LHは精巣内の特定の細胞に作用し、体内のテストステロンのほとんどの産生を促します。その他のアンドロゲンのほとんどは、副腎により産生されます。アンドロゲンは前立腺細胞により取り込まれ、そこで直接アンドロゲン受容体に結合するか、テストステロンよりも強いアンドロゲン受容体への親和性をもつジヒドロテストステロン(dihydrotestosterone;DHT)に変換されます。

精巣でのアンドロゲン産生を抑制する治療法は、前立腺がんに対して最も一般的に使用されるホルモン療法、かつ、前立腺がん男性患者の大多数が受ける最初のホルモン療法です。こうしたホルモン療法(アンドロゲン遮断療法(androgen deprivation therapy;ADT)とも言われます)は以下に示す通りです。

精巣摘除術:精巣を1つあるいは両方摘出する外科手術。 両方の精巣を摘出することで、 血中テストステロン濃度を90%~95%減少させることができます(5)。この治療法は外科的去勢術と言われますが、永続的で不可逆的です。被膜下精巣摘除術と言われる精巣摘除術では、精巣全体ではなく、アンドロゲンを産生する精巣内の組織のみを摘出します。
黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト:黄体形成ホルモンの分泌を抑制。LHRHアゴニストはLHRHアナログと言われることもありますが、LHRHと構造が類似している合成タンパク質で、下垂体内のLHRH受容体に結合します。(LHRHはゴナドトロピン放出ホルモン(gonadotropin-releasing hormone;GnRH)としても知られているので、LHRHアゴニストはGnRHアゴニストとも言われます。)

通常、体内のアンドロゲン濃度が低いときは、LHRHが下垂体を刺激して黄体形成ホルモン産生を促し、次に黄体形成ホルモンが精巣によるアンドロゲン産生を促します。LHRHアゴニストは、体内のLHRHと同様に、最初は黄体形成ホルモン産生を促しますが、そのLHRHアゴニストの高レベル状態が続くと、実際には下垂体の黄体形成ホルモン産生が停止することになります。その結果、精巣はアンドロゲン産生を促進する刺激を受けなくなります。

LHRHアゴニストによる治療は、外科的去勢術(精巣摘除術)と同程度のことができる薬剤が使用されるため、内科的去勢術 や化学的去勢術と言われます。しかし、精巣摘除術と異なり、アンドロゲン産生に対するこれらの薬剤の効果は可逆的です。治療が中断されると、アンドロゲン産生は通常回復します。

LHRHアゴニストは皮下に注射あるいは皮下に埋め込まれます。リュープロリド、 ゴセレリン、トリプトレリンおよびヒストレリンの4剤が米国で前立腺がんの治療薬として承認されています。

前立腺がん患者が初めてLHRHアゴニストを投与される際、「テストステロン・フレア現象」と言われる症状が生じることがあります。このようにテストステロン濃度が一時的に上昇するのは、LHRHアゴニストにより下垂体による黄体形成ホルモンの分泌が抑制される前に、一時的に亢進させるためです。フレア現象により、臨床症状(例.骨痛、尿管や膀胱出口の閉塞、脊髄圧迫)が悪化することがあり、進行前立腺がん患者にとっては特に問題となることがあります。このテストステロン濃度上昇は通常、治療最初の数週間にLHRHアゴニスト投与と共に抗アンドロゲン療法(以下を参照)という別種のホルモン療法を行うことで対処されます。

LHRHアンタゴニスト:別種の内科的去勢術。LHRHアンタゴニスト(GnRHアンタゴニストとも称される)は、LHRHが下垂体内のLHRH受容体と結合するのを阻害します。次に下垂体による黄体形成ホルモンの分泌を抑制し、、精巣によるアンドロゲン産生を抑制します。LHRHアンタゴニストはLHRHアゴニストと異なり、テストステロン・フレアを引き起こしません。
唯一のLHRHアンタゴニストであるデガレリクスは現在、米国で進行前立腺がんの治療薬として承認されています。なお、デガレリクスは注射剤です。

エストロゲン(女性の性徴の発現を促すホルモン)。 エストロゲンも精巣でのアンドロゲン産生を抑制することができますが、副作用により現在ではほとんど前立腺癌の治療に使用されません。

体内のアンドロゲンの作用を抑制する薬剤(抗アンドロゲン療法とも言います)は通常、ADTが有効でなくなったときに、使用されます。こうした治療薬には以下のようなものがあります。

アンドロゲン受容体阻害薬(アンドロゲン受容体アンタゴニストとも言われます):アンドロゲン受容体との結合の際に、アンドロゲンと拮抗する薬剤。アンドロゲン受容体阻害薬は、アンドロゲン受容体との結合の際にアンドロゲンと拮抗して、前立腺がんの増殖を促すアンドロゲンの作用を抑制します。

アンドロゲン受容体阻害薬はアンドロゲン産生を阻害しないため、前立腺がん治療において単剤投与は稀ですが、ADT(精巣摘除術またはLHRHアゴニスト)と併用されます。精巣摘除術や LHRHアゴニストと併用する抗アンドロゲン薬療法は、複合アンドロゲン遮断療法、完全アンドロゲン遮断療法、または完全アンドロゲン遮断療法と言われます。

米国で前立腺癌治療薬として承認されている抗アンドロゲン薬には、フルタミド、エンザルタミド、アパルタミド、ビカルタミド、およびニルタミドがあります。いずれも経口錠剤です。

体内のアンドロゲン産生を抑制する薬剤は以下のとおりです。
アンドロゲン合成阻害薬:副腎、前立腺がん細胞自身、および精巣でのアンドロゲン産生を抑制する薬剤。内科的去勢術も外科的去勢術も副腎や前立腺癌細胞によるアンドロゲン産生を抑制しません。副腎や前立腺がん細胞が産生するアンドロゲンの量は、少量ですが、一部の前立腺がんの増殖を支えるには十分な量です。

アンドロゲン合成阻害薬は他の治療法と比べて大幅に体内のテストステロン濃度を低下させることができます。これらの薬剤はCYP17と言う酵素を阻害することでテストステロン産生を抑制します。CYP17は精巣、副腎、および前立腺がんの組織内に存在し、人体によるコレステロールからのテストステロン産生に欠かせません。

アビラテロン酢酸エステル、ケトコナゾール、およびアミノグルテチミドのアンドロゲン合成阻害薬3剤が米国で承認されており、いずれも経口錠剤です。

アビラテロン酢酸エステルはプレドニゾンとの併用で転移性高リスク去勢感受性前立腺がんの治療薬として、また、転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として承認されています。アビラテロン酢酸エステルとエンザルタミドの承認以前は、前立腺がん以外の適応症に対して承認されている2種の薬剤であるケトコナゾールとアミノグルテチミドは去勢抵抗性前立腺がんに対する二次治療として適応外使用されることがありました。

ホルモン療法は、どのように前立腺がんの治療に使用されますか?
ホルモン療法は以下に示す方法で、前立腺がんの治療に使用されることがあります。
中程度または高い再発リスクがある早期前立腺がん。中程度または高い再発リスクがある早期前立腺がん患者はしばしば、放射線治療の前、最中、およびもしくはまたは後にホルモン療法を受けます。または、前立腺全摘除術(前立腺を切除する手術)の後にホルモン療法を受けることがあります(6)。前立腺がん再発リスクの判断に使用される要因には、腫瘍のグレード(グリソン・スコアにより評価)、腫瘍が周囲の組織に浸潤した程度、および手術中における周辺リンパ節内の腫瘍細胞の存在の有無などがあります。
早期前立腺がんに対するホルモン療法を使用する治療の期間は、患者の再発リスクによって変わります。ホルモン療法は、中リスク前立腺がん患者では一般に6カ月間実施されます。一方、高リスク患者では一般に18~24カ月間実施されます。

前立腺摘除術の後にホルモン療法を受けた患者では、前立腺全摘除術のみを受けた患者と比べて、無再発生存期間は延長しますが、全生存期間は延長しません(6)。中または高リスク前立腺がんに対する体外照射の後にホルモン療法を受けた患者では、体外照射のみを受けた患者と比べて、全生存期間と無再発生存期間の両者が延長します(6,7)。 ホルモン療法と放射線治療を併用して受けた患者でも、放射線治療のみを受けた患者と比べて、全生存期間は延長します(8)。とはいえ、放射線治療前後のADTにおける最適な時期と期間は確立されていません(9,10)。

前立腺全摘除術の前に(単独または化学療法と併用で)施行されるホルモン療法は生存期間の延長が示されず、標準的治療法ではありません。前立腺全摘除術前に、さらに強化したアンドロゲン遮断療法が臨床試験で検討されているところです。

再発前立腺がん。放射線治療や前立腺全摘除術による治療の後に前立腺がんの再発がCT、MRI、または骨シンチグラフィーにより示された患者に対しては、ホルモン単独療法が標準的治療法になります。ホルモン療法は、「生化学的」再発—外科手術や放射線治療による一次局所治療後に前立腺特異抗原(prostate-specific antigen;PSA)濃度の上昇—が認められる患者、特に3カ月以内にPSA濃度が倍加し、がんが未転移の患者に対して推奨されることもあります。
前立腺全摘除術後に生化学的再発した患者を対象にしたランダム化臨床試験から、抗アンドロゲン療法+放射線治療を受けた患者はプラセボ+放射線治療を受けた患者と比べて、前立腺がんの転移や、前立腺がん死亡、全死亡の可能性が低くなることが分かりました(11)。 しかし、PSA値が低い患者に対して放射線治療へのホルモン療法の追加は有効ではありませんでした。他の最近実施された臨床試験から、一次局所治療後にPSA値が上昇し、また、転移リスクが高いとはいえ、前立腺がん転移の所見が無い患者にとって、ドセタキセルによる化学療法をADTに追加することは生存期間の各種評価に関してADT単独よりも優越性を示さないことが分かりました(12)。

進行または転移性前立腺がん。前立腺がんと初めて診断された時に転移性がん(体の他の部位に転移したがん)であった患者に対しては、ホルモン単独療法が標準的治療法になります(13)。臨床試験から、こうした患者で、ADT+アビラテロン酢酸エステル/プレドニゾン、エンザルタミド、もしくはアパルタミド療法がADT単独療法と比べて、生存期間が延長することが示されています(14~17)。しかし、ホルモン療法には相応の副作用が生じる可能性があるため、症状が出現する前にホルモン療法を受けないことを望む患者もいます。

2つのがん研究共同グループ―米国東部協同腫瘍学グループ(ECOG)と米国放射線学会画像診断ネットワーク(the American College of Radiology Imaging Network;ACRIN)―が実施した米国国立がん研究所(NCI)助成の臨床試験の初期報告により、標準ホルモン療法開始時に化学療法剤ドセタキセル投与を受けたホルモン感受性転移前立腺がん患者は、ホルモン療法のみを受けた患者と比べて、全生存期間が延長したことが示唆されました。転移範囲が最大の患者はドセタキセルの早期追加投与により最大の利益を得たようです。こうした結果は最近長期追跡調査で確認されました(18)。

症状緩和。ホルモン療法は、手術や放射線治療の対象でない限局性前立腺がん患者における局所症状の緩和や予防の目的で、単独で使用されることもあります(19)。このような前立腺がん患者には、期待余命が短い患者、局所進行腫瘍を有する患者、他の重篤な健康状態の患者などがいます。。

ホルモン療法の効果をどのようにして知ることになりますか?
医師は、ホルモン療法がどのくらいの期間、各患者の前立腺がん増殖を抑制する効果があるかを予測することはできません。それゆえ、2~3カ月以上ホルモン療法を受けている患者は定期的に血中PSA 濃度の検査を受けることになります。 PSA濃度上昇は、患者の癌の再増殖が始まったことを示す可能性があります。ホルモン療法が奏効して非常に低いアンドロゲン濃度を維持しているにもかかわらずPSA濃度が上昇し続けていることは、患者の前立腺癌が現在使用されているホルモン療法に対して抵抗性を示しているということを示しています。

去勢抵抗性前立腺がんはどのようなものですか?
最初はADT(LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、または精巣摘除術によるホルモン療法)に反応する前立腺がんの多くは、最終的にはADTに反応しなくなります。こうしたがんは去勢抵抗性前立腺がんと言われます。去勢抵抗性前立腺がんは去勢感受性前立腺がんと比べて、アンドロゲン濃度が非常に低くても増殖できます。

いくつかの機序により、アンドロゲン濃度が非常に低い場合でも前立腺がん細胞が増殖できるようになる可能性があります。具体的には、腫瘍細胞内のアンドロゲン受容体分子産生量の増加(これは、アンドロゲン受容体遺伝子発現量の増加または細胞1個当たりのアンドロゲン受容体遺伝子のコピー数の増加を介する)、より高活性の受容体タンパク質を作るアンドロゲン受容体遺伝子の変化、アンドロゲン受容体の機能制御に働くタンパク質の活性の変化、およびアンドロゲン受容体が関与しない機序によるがん増殖などです(20~22)。

去勢抵抗性前立腺がんに対する治療選択肢はどのようなものでしょうか?

完全アンドロゲン遮断療法:アンドロゲン受容体阻害薬(フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、アパルタミド、またはエンザルタミド+ADT
アビラテロン酢酸エステルによるアンドロゲン合成阻害+ADT
細胞を用いたワクチンであるシプロイセルTを使用する免疫療法:このワクチンは、ほとんど症状を示さないもしくは無症候性かつホルモン療法抵抗性の転移前立腺がんに対抗するために患者由来の免疫細胞を使用します。
化学療法:通常、抗がん剤ドセタキセルが使用されます。もう1つの抗がん剤カバジタキセルは、ドセタキセル治療歴のある転移性去勢抵抗性前立腺がん治療薬として承認されています。

塩化ラジウム223:骨転移を有し症状を引き起こしているが、その他の臓器転移のない去勢抵抗性前立腺がん患者の治療薬として承認されている放射性医薬品。塩化ラジウム223は骨転移が生じている部位などの代謝速度が増加している骨の部位に集積し、放射線を放出してがん細胞を殺傷します。
これらの治療を受ける去勢抵抗性前立腺がん患者はテストステロン濃度上昇(一部の患者では腫瘍進行を引き起こすことがある)を予防するために、ADT(例.LHRH アゴニスト)を受け続けることになります(23)。

ランダム化臨床試験から、化学療法歴の有無を問わず、アビラテロン酢酸エステルやエンザルタミド療法が転移性去勢抵抗性前立腺がん患者の生存期間を延長することが示されています(16,17,24, 25)。SPARTAN試験から、アパルタミドが非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者で無転移生存期間(患者ががん転移や死亡することなく生存できる治療中や治療後の期間)を延長することが示されました(26)。同様に、PROSPER試験から、エンザルタミドがこうした患者で無転移生存期間を延長することが示されました(27)。

ARAMIS試験の中間解析から、ADT+ダロルタミド(治験対象アンドロゲン受容体阻害薬)はADT+プラセボと比較して、非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者の無転移生存期間を延長したことが示唆されました(28)。アパルタミドやエンザルタミドと異なり、ダロルタミドは血液脳関門を通過せず、中枢神経系副作用がより少ない可能性があります。

間欠的ADTはどのようなものですか?
研究者らは、間欠的ADTと言われる治療法が前立腺がんに対するホルモン療法の効果を改善できるか、即ち、ホルモン抵抗性の発生を遅延できるかを研究しています。間欠的ADTでは、ホルモン療法用薬剤は投与期間の間に休薬期間が設けられ、連続投与されずに周期的に投与されます。間欠的ADTの更なる利益の可能性は、ホルモン療法の副作用から一時的に回復することで患者の生活の質が改善する可能性があることです。

局所治療後にPSA濃度が上昇した患者における間欠的ADTを連続的ADTと比較するランダム化臨床試験から、間欠的ADTは全生存期間に関して連続的ADTと比較して「非劣性」で、副作用が少ないことが分かりました(29)。一方、転移性ホルモン感受性前立腺がん患者における間欠的ADTを連続的ADTと比較するランダム化臨床試験は、間欠的ADTで死亡リスクが 20%上昇することを排除できませんでした(即ち、間欠的ADTは「非劣性」ではありませんでした)(30)。転移または再発前立腺がん患者における間欠的ADTを連続的ADTと比較する臨床試験のメタ解析から、全体的に見て、間欠的ADTは一部の身体や性的機能への副作用を改善し、全生存期間に関して連続的ADTと比較して非劣性であることが分かりました(31)。

前立腺がんに対するホルモン療法の副作用はどのようなものでしょうか?
アンドロゲンは前立腺以外の他の多くの臓器により使われますので、ADTにより以下の様々な副作用が生じる可能性があります・・・(以下、略)・・・

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 最近、このブログでは米国大統領選のことを中心に見てきた。なぜなら、世界中の今後に影響することで、気になるから。
 それは、おおむねの確定あるいは決着方向にあると映る。
 それで今日は、違うことにする。

 今年の2月からこのブログには自分の身体のこと、今年分かったガンの治療の経過などを載せている。
 カテゴリーは ●前立腺ガン告知(2020年2月) 腫瘍マーカー2392 骨転移91 リンパ転移

 今確認すると、8月22日から状況などを載せていなかった。
 その22日のブログは 「昨日21日の朝一の新幹線で東京に行き、東京女子医大で各種の検査などを行い、15時半からは主治医の月一の定例の診察と相談。・・・」 とあった。

 実は、今日は、名古屋大学附属病院にいる。今朝、10時にこちらに来て入院手続きを済ませて、10階の病室に入った。
 ・・・つまり入院。
 しばらく一日中病室に居るのだから、そのあたりの事情や経過を整理して書くことにする。

 どんな観点、組み立てで記していくかについて想像するに次のようだろうか(今、こう書き出しておくと明日から書きやすいから・・・)

 ★3月から通い続けた東京から、岐阜ないし中部地区などに治療の拠点を移すこと
   ・マイクロ治療の拠点の変更と理由
   ・標準療法の拠点の変更と理由
 
 ★肝心のガンの私の身体の中での動きの変化
   ・腫瘍マーカーが超高値から一気にさがったこと
   ・続いて、マーカーに逆方向があらわれたこと
 
 ★セカンドオピニオンを3病院で受けてみたこと
   ・A病院 
   ・B病院
   ・C病院

 ★新しい治療も始めてます 

 ★今回の入院の状況と進める内容の予定ないし見込み
   ・・・・・

 というようなことだろうか。
 
 ともかく、今日は、造影CTなどの検査を済ませた。予定にあったМRIは、18時まで可能来があるとのことだったが、明日に延びた模様。
 別に、明日、骨シンチを行う日程が夕方に案内されてきた。

 「造影CT」ということで昼ごはんは抜きになっている。
 まだ、18時半の定時まで時間があるので、その間に、ノートパソコンとWi-Fiルーターやスマホを設定して、日のブログを書き始めたわけ。
 病院では、立ちテーブルでキーボードが打てる。これがまたちょうどいい高さ。もちろん、高さは自由に調節できるし、位置移動も自在にできるから優れものの器具だ。7月に東京女子医大で知ったことで、今回は最初からその態勢にしたので、とても楽に早く打てる。

 ・・・間もなく18時半になるし、今日はこの辺りまでの報告にしておこう。ちょうど、夕ご飯が配膳されてきたし・・

 なお、昨日11月15日の私のブログへのアクセスは「閲覧数3,674 訪問者数1,314」。

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