古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

2005-03-19 | 読書
 暇つぶしに読むには絶好の本を見つけました。
 『俄(にわか)――浪花遊侠伝――』という小説です。司馬遼太郎の作品は、ほと
んど目を通しているのですが、この小説だけは読んでいなかった。先日東図書館に
寄ったら新本の棚に並んでいたので、文庫本(講談社)だが、手に取って奥付を見た
ら04年8月刊81版とある。81版と言うのは、よほど面白くて売れたのだろう
と、借りて来ました。

 昭和40年に報知新聞に連載された小説ですが、明石屋万吉という幕末から明治・
大正にかけて生きた大阪の侠客の伝記です。これは、本当に「小説」です。司馬さん
の作品は、「坂の上の雲」にしても「翔ぶが如く」にしても、「小説」というよりも
「大説」の趣ですが、これは、まさに「小説」。司馬さんのストーリー・テラーとし
ての才能を遺憾なく発揮した物語です。800ページもの大作ですが、巻を置くあた
わず、ストーリーを楽しみました。

 歴史好きの方には、蛤御門の変後の桂小五郎の逃避行、維新直後の堺事件の顛末な
どが楽しめますが、圧巻は鳥羽伏見の戦い。兵力では圧倒していた幕府軍が何故負け
たかが、よく分かります。

 小説の主人公は晩年、小林佐兵衛と名乗って日本第一の侠客といわれるようになっ
た頃,自分の一生を振り返って「わが一生は、一場の俄(にわか)のようなものだ」
といったそうです。俄とは、路上などでやる即興喜劇の意味です。「ほなら、往てく
るでえ」と言うのが,万吉の死ぬ間際の言葉だった。

 『相場師の目は、片一方が近目で片一方が遠目やないといけまへん』――10年先
の世の中がどうなるかという巨視的な観測と、きょうあすの相場がどう動くかという
手近な観測と二つが必要である、という。ところが大文字屋(相場師)の言うところ
では、普通相場師というのは10年先を見ない。1年先すらみない。・・・というく
だりがありましたが、ふと、ホリエモンは、10年先を見ているのかな?と思いまし
た。


最新の画像もっと見る