古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

小説家の発想

2005-03-17 | 読書
 高樹のぶ子「妖しい風景」というエッセイ集が文庫で出ていましたので、読んでみたら、
 女性作家というのは、こういう発想をするのか!驚くような文章に出会いました。

 たとえば、「バイアグラ」について、
【それまでは夫の肉体的老化と諦めていた妻が、私を愛しているならバイアグラを飲
んでよ、と言い出しかねない。飲んでもいいけど妻のためならいやだ、などと本音を
吐こうものなら、お家騒動間違いなく、静かにそれなりに落ち着いていた中高年の家
庭が、波立つかもしれない。】
 ううん、そんなこと考えてみたことなかったけど、言われてみれば・・・
【いや、夫が突然目覚めて妻が逃げ出すケースの方が多いかもしれない。何しろ男で
なくなった夫だからこそ、旨く付き合っていられる女房は山ほど存在するのであ
る。】
 本当に「山ほど存在する」の?

 息子との関係について 
【たとえば母親と娘のかかわりは私などには理解が楽だが、父親と息子となると、異
星人同志が愛し合ったり憎みあったりしているかのよう。「この男のDNAが母を介
して自分に入り込んでいる」という息子の実感は、どうやら母親への娘の気持ちとは
まるで違う・・】

 この男のDNAが母を介して自分に入り込んでいる?言われてみれば、そのとおり
に違いないけど、今時の息子って、そんなこと感じているのかなーー
 作家の思い過ごしだと思うけど、小説家って、凄い発想をするんだと、感じ入りま
した。


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