古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

原発事故対応の調査委員会が必要!

2013-02-27 | 経済と世相
 福島原発事故について、政府や国会の事故調査委員会が、昨年、報告を提出しています。
しかし、事故そのものの調査も大事ですが、事故が起きた後の政府や官僚の対応、
「あの対応でよかったのか」についても調査委員会が必要なのでは?と思っています。
「ただちには健康に影響はない」とか、「事故直後の住民の避難」、「SPEEDIはなぜ国民にしらされなかった?」
「原子力安全委員会や保安院はどうして責任を取らないのか?」
それに加えて「がれきの広域処理」問題があります。
13日の中日にこの問題が解説されていました。以下、その要点です。

『がれき問題』を13日の中日朝刊が取り上げていました。「がれき広域処理もう不要」と題する記事です。
【「多額の費用をかけて遠方まで運ぶ必要などなかった。受け入れ先の住民が放射能汚染を心配するのも無理はない。もともと国のトップダウンで決まった政策だ。宮城県も本音では早くやめたかったのではないか」
 自民党の相沢光哉県議は、広域処理に固執してきた環境省や県の姿勢をこう批判した。県議会では最長老の相沢県議を筆頭に広域処理に異を唱える議員が党派を超えて少なくなかった。
 環境省は先月25日に公表した震災がれき処理計画の見直し版で、広域処理の必要量を69万トンに下方修正した。昨年11月末時点の136万トンから半減。当初の推計の401万トンと比べると、実に6分の1にまで落ち込んだ。
 広域処理のうち、主な対象である宮城県の可燃物と岩手県の木くずは3月末、残る岩手県の可燃物なども12月末にそれぞれ終了する。当初予定の来年3月末から約1年の前倒しになった。
 東日本大震災直後、環境省は「がれきの量は宮城県では通常の19年分、岩手県は11年分、被災地の処理能力には限界がある」と主張した。
 ところが、がれき総量と広域処理の必要量は、昨年5月以降の見直しのたびに「相当量のがれきが津波で海に流失していた」「想定以上の土砂があった」などの理由で圧縮されてきた。
 それでも環境省は「広域処理は必要」と譲らなかった。今回の下方修正については「仮設焼却炉の本格稼働で、現地の処理能力が向上した」と説明するが、それは当初から織り込み済み。がれきの量が減り続けた結果、前倒しする以外に手がなくなったのが真相だ。
 「震災から半年後、県の執行部は広域処理について初めて議会側に説明した。だが、量や経費、受け入れ先を聞いても答えることはできなかった。最初からアバウトな話だった」(相沢県議)
 がれき問題の解決方法として、相沢県議は広域処理ではなく、「森の防潮堤」構想を提唱した。がれきで沿岸部に丘を築き、その上に広葉樹を植林するという内容だ。
 59人の宮城県議全員による推進議員連盟を結成し、国会や環境省、国土交通省にも働きかけた。しかし、環境省は地番沈下やガス発生の懸念を盾に認めなかった。
 相沢県議は「生活の一部であったがれきを1000年先まで生かすのが森の防潮堤だ。実現していれば、広域処理で余計な迷惑をかけずに済んだ」と、今も怒りがおさまらない。
 「国や県の頭には、コンクリート製の防潮堤しかなかった。どこかで津波災害が起きれば、同じ過ちが繰り返される」
 一方、広域処理に協力した自治体は、はしごを外された格好だ。(以下、中略)
 「がれき処理・除染はこれでよいのか」などの著書がある明治学院大の熊本一規教授=環境経済学=は「広域処理では、ゼネコンが利権に群がった」と断ずる。
 「原子力ムラの住人たちは福島原発事故の責任をとらないばかりか、ゼネコンと原発関連業者が事故の後始末で儲ける仕組みをつくった。放射能に汚染されたがれきは東京電力の負担で、福島原発周辺に集中・隔離されるべきだ。しかし、実際には広域処理と除染、避難者の帰還がワンセットで推進されている」