古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

納得できない話

2010-03-13 | 経済と世相
まったく納得できない話が報道されました。
 財務省が12日発表した、沖縄返還に絡む日米間の密約の調査結果です。
1972年から99年までの27年間、米国ニューヨーク連邦準備銀行に、日本政府と日銀が合わせて1億300万ドル規模の資金を無利子で預金していたというのです。
 戦争で取られた沖縄を返してもらうのですから、大金を取られるのはある程度止むを得ない。だから密約の存在自体は止むを得ない面があると思いますが、財務省官僚の説明がまったく納得できないのです。
 彼らの言う「無利子預金にした理由」がまったくおかしい!
 返還に伴い、「日本政府が沖縄で流通していたドルを日銀券(お札)の増発コストだけで入手したため、これを日本が運用すれば(利子を得れば)“棚ボタ的利益”を得ることになるから」というのです。
 沖縄で流通していたドルは、米国が無償で配布したものではありません。沖縄の人たちが米軍のために働いて米軍から得たドルです。それを運用して何が悪い?
 日銀券は印刷費用だけで増発したといいますが、それを言うなら、米ドルだって印刷費用だけで増発しているのです。
 それに実は、お札は印刷費用だけで発行できるものではありません。発行したとき、日銀のバランスシートの負債項目に日銀券発行高は記載されるはずです。つまり、日銀の借金になるのです。
 更に納得できないことがある。
 この問題、実は米国の公文書公開で明らかになったのに、日本側にはそれに対応する書類が見つからないというのです。
 米国に存在する書類に対応する書類が存在しない筈はない。もし本当に存在しないのなら、財務省の官僚が廃棄したのです。日本でも、公文書は30年経過後、国民に公開することになっていますが、官僚は自分たちに都合の悪い文書は公開する前に廃棄してしまうらしい。
 この財務省の発表の前に、外務省が沖縄返還に関する密約があったと発表しました。
 これも、外務省の文書に、米国で公開された文書に対応する書類は見つからず、調査委員会が、総合的に判断して「密約があった」と判断したものです。
 日本では、公文書公開制度がまったく機能していません。
 私は、密約があることを悪いと言うのではありません。一定期間が経過した後、公開しないことに憤慨しているのです。
 この意味で、90年代以降の首相、外相は責任を問われるべきです。マスコミも、この問題を大々的に報道して、責任を問うて欲しい。
 鳩山首相の贈与税問題や小沢幹事長の金脈問題とは比較にならない重大問題だと思います。それにしても、自民党政権が続いていたら、この問題今も闇の中。政権交代の価値はこれだけでもあった!