古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

トヨタ問題と経済成長率

2010-02-17 | 経済と世相
 トヨタのリコール問題について、15日中日夕刊に署名入り(古川雅和記者)記事が載っていました。

【“トヨタバッシング”が始まる前から米議会や米自動車メーカーには日本車への不満がくすぶっていた。オバマ政権が7870億ドル(約70兆円)に上る景気対策を打っても雇用に直結しなかったためだ。

 オバマ政権は昨年7月、燃費のよい新車に買い換えれば、最大4500ドルをユーザーに還元する制度を実施。消費拡大に加え、破綻したGMなど米ビッグスリーや販売店への側面支援を狙っていた。

 予想を上回る反響に、米議会は予算を30億ドルまで増やすことを認めた。だが、ふたを開けると、この制度で販売された約69万台のうち、日本車が約47%を占める圧勝。低燃費車で優位に立つ日本車メーカーが恩恵を受けた。

 日本車に敗れた米自動車メーカーは、その後、日本のエコカー減税が米国車には「不利」だと反発。米議会も対日圧力を強め、日本政府は米国車を減税対象に含めることを余儀なくされた。

 日本メーカーは現地生産を進めてきた。販売が低迷すれば、米国内の関連向上や販売店も打撃を受ける。リコール問題は誠意を尽くし、早急に解決すべきだが、米メデイアの「感情的な報道」は逆に日本企業を追い込み、米国の雇用を悪化させかねない。

 巨額な税金を投入しても改善しない約10%の失業率。公共事業に使う資材は安価な外国産であり、減税を受けた中間所得者層は新興国の安い商品を購入するという構図もある。・・米国が直面しているのは自らがリードしたグローバル経済の現実だ。】



 ところで、この日新聞のトップ記事は「GDP年率4.6%増」だった。10~12月期の実質GDPを押し上げた要因は輸出で、成長率を0.7ポイント引き上げた。国内需要も7期ぶりにプラスに転じたそうで、「二番底懸念は薄らいだ」と当局者はほっとしているようです。

 何故、懸念していたより良かったか?

 先ほどの米国の状況が説明していると、私は思います。米国でも、「巨額な税金を投入して」景気刺激を試みても、「海外の景気を刺激」してしまう。

 同様に、自国の景気刺激策が功を奏さなくても、海外の景気が良くなれば、自国内に景気が波及する。それがグローバル化した経済です。

 逆にいうと、政府が景気政策で自国の景気をコントロールすることがきわめて困難な状況になっているのです。

 だから、日本経済真っ暗闇という見方は間違いで、世界経済が沈みっぱなしということはないので、日本経済も沈みっぱなしはない。が、政府があせって景気を刺激すると財政赤字が積みあがるばかり。

 こういう時代、政府の経済政策は如何にあるべきか、政治家も経済学者も考え直すべきでは? 私の回答は2009年10月30日の本欄ですが・・・