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GSOMIA失効は出来なかった。

2019-11-26 04:05:04 | Peace Cafe


 韓国はGSOMIAは継続するという事になった。廃止されて日本が困るという事でもないので、どうでもいいのだが。この過程でアメリカの世界戦略というものが見えてきた。アメリカの圧力に負けた韓国という国の置かれた位置。文政権の動き方も見えてきた。

 この間日本が何かしたわけではなかったという事も印象に残った。何もしないというのも外交戦略の一つのようだ。アメリカに依頼をしていたのは確かだろう。日本からの情報は韓国は下手をすると、中国に接近するという話だろう。

  アメリカの圧力で韓国は出来ない我慢をする結果になった。GSOMIA問題は日本よりもアメリカの世界戦略にとって、大きなことだった。アメリカは韓国や日本を守ってあげていると都合よく主張しているが、本質的にはアメリカは韓国日本を防人として、中国、ロシアと対峙している。

 アメリカは韓国がこれ以上中国ロシアと接近することを望まない。文政権はアメリカと距離を置きたいと考えている。日本に対しても同じことである。安倍氏がいくらトランプとお友達でも、中国やロシアと親しくしようというアベ氏には相当警戒をしているはずだ。

   この問題は日本が勝ったとか、韓国が勝ったというようなことではまったくない。そういう分析が多いいのであきれてしまう。両国が仲良くなるには、まだまだ長い道のりがある。韓国と日本は似ている国である。似ていいるがゆえに感情的なもつれになりやすい。わずかでも譲ることが出来なくなる。両国が協力できるようになれば、大変な力を発揮できるに違いないので残念なことだ。

 文政権は南北統一を使命としている。安倍氏の憲法改定のようなものだ。南北統一を進める上では日米韓の軍事協定は邪魔なものである。ところがアメリカの圧力がなければ、北朝鮮は韓国と交渉すらしない。これが文政権の袋小路である。

 韓国はアメリカからGSOMIAを破棄するような態度であれば、米軍を引き上げると脅されたのだろう。アメリカは中国に接近する韓国を危険視し始めたようだ。アメリカの強い態度の背景にはあるのは、当然中国との経済戦争である。

 次に問題になるのは習近平氏を国賓として招待する日本をアメリカがどう考えるかである。どこかのタイミングで、日米安保の片務的条約という問題が出てくるのではないか。アメリカの手下でいたのならば、もっと金を出せと言うに違いない。金は出さないで、中国と接近するというのならば、米軍を引き上げると脅すことだろう。

 日本にとっても良い機会である。韓国はアメリカの圧力に屈した。アベ政権は中国との友好関係の回復をはかろうとしている。これは正しい考え方だ。中国と友好関係を築くにはアメリカの圧力を跳ね返す必要がある。

 中国は香港の問題をよほど深刻に受け止めているはずだ。都合のよい一国2制度のつもりが、中国本土に香港の自由の希求が及ぶ危険が生じてきた。それでも香港の中国経済での重要性は大きいから、香港を軽んずることはできない。

 人間には自由でありたいという本能的欲求がある。中国国内にある、民主化の圧力が目覚めないかの中国政府は不安である。天安門事件がまた再燃する可能性は高い。中国国内であれば弾圧することで済ますだろうが、香港の場合は政治状況が違う。

 香港に学べという思いが中国全土に広がっていっているはずだ。香港で行われたような民主的な選挙を中国でもやるべきだという事になるだろう。民主化の動きは止めることはできない。

 韓国はアメリカの軍事力と縁を切ることが先だろう。アメリカに軍事基地を提供したまま、北朝鮮と統一を模索するというのでは矛盾している。しかし、アメリカと関係を断つ決断はできない。韓国を見ていると、日本の少し先を見ているような気がしてならない。

 北朝鮮はアメリカに届く核ミサイルを作る以外に、自分たちの国家の生き残る道はないと考えている。韓国はアメリカとの同盟関係を持ち、共同軍事演習を行い、北朝鮮に圧力をかけている。にもかかわらず、南北統一では正義とは言えない。たぶん韓国内部にも核武装すべきという考え方が生まれているはずだ。南北統一は朝鮮半島の核武装化にもなりかねない。

 解決されたかに見えた、日本との従軍慰安婦問題も不可逆的解決策もいとも簡単になかったことになった。政権が変われば、国際的な約束も取り消せるというのが、韓国文政権の考え方のようだ。確かにどんな条約も一方的に取り消せるのだろう。国際的な約束を韓国と結ぶことは難しいことになる。

 次に韓国とかかわる際にはどんな取り決めも出来ないことになった。GSOMIA自体本当に情報が提供されているのかも怪しい。内部的に成立しているのだろうか。軍事情報の共有化など、喧嘩しながら可能とも思えない。あのジェット機の照射事件を見れば、GSOMIAは機能などしていないのだろう。

 日本から輸出された材料が、韓国で軍事転用されている疑いがある。その点が明白ならないのであれば、輸出する軍事転用可能な材料には審査してからしか輸出できないというのが日本の主張であり、実施したことだ。ホワイト国除外というらしい。

 軍事転用をしていないという事を韓国は証明しようとはしない。この理由がわからない。まず、この通り転用していないと示せば終わる話しだ。実は北朝鮮との関係でアメリカは何か掴んでいるのだろうか。日本の方もこういう証拠があるとまではまだ示さない。示した時は韓国が反アメリカになる時だろう。

 WTOへの提訴も取り下げたという。この展開だけを見ると韓国に弱みがあるようだ。軍事転用していない証拠があるのならば、提訴して明確にすればいいだろうにと思う。取り下げるという事は軍事転用していたという事があるのかもしれない。その点が調査されることになるのをさけたと思われても仕方がない。

 GSOMIAが本質的なものではなく、日米韓の連携を中国北朝鮮ロシアに示している象徴に過ぎない。最近のトランプは軍隊で商売をしようとしている。防衛をやってやる代わりに、幾らよこせという発想である。これではアメリカはまるで傭兵国家である。

 
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