あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

3度目の四国遍路(前半)・徳島その4

2010-03-26 16:31:24 | 3度目の四国遍路
 2月22日(月) 四国遍路前半第4日 
 =別格2番童学寺、13番大日寺~17番井戸寺=

 5時20分に起床し6時から朝食、ミカン2つをお接待いただき、植村旅館を6時
45分に出た。相部屋のお二人はすでに出発していた。

 遍路道は橋を渡って鮎喰川(あくいがわ)右岸を1㎞ほど行くのだが、おかみさん
のすすめで県道沿いにある人形の飾りを見ることにして、宿の前から県道20号を
進むことにする。

 なるほど、少し先から4か所ほど、「阿川梅まつり」ののぼりのところに、地元の
人の手作りらしい人形が幾つも並んでいる。

 いずれも昔の暮らしや、ふだんのさりげない生活の様子などを表現しているが、
とてもよくできたものばかりだった。

 県道の車の交通量は少ないが、それだけにスピードを上げて通過するので、注
意しなければならない。湧水が流れ落ちていて飲めるようにしたところもあった。


 さらに鮎喰川沿いを東に向かう。


 高瀬公衆便所のところに休憩用東屋(あずまや)があったので小休止する。

 神山町の東端近く、鮎喰川が右に大きくカーブする地点で川を離れる県道をその
まま進み、新童学寺トンネルを抜ける。トンネルの北側からの、石井町の眺め。


 信号のある交差点を戻るように左に入って行くと、別格2番の童学寺(どうがく
じ)がある。間もなく寺に着くところで、参拝を終えた昨夜同宿の横浜の男性と行
き交う。

 寺の前の池に、お堂や境内のりっぱなアカマツが影を落とす、山を背にした静か
なたたずまいの寺。

 本尊・木造薬師如来座像は藤原期のもので、国の重要文化財だという。本堂と
大師堂の間には、別格霊場20か寺や西国三十三観音霊場の本尊の石仏が祭ら
れていた。

 もとの道を鮎喰川左岸まで戻り、徳島市に入って川沿いの県道を先に向かう。


 民家の庭先の紅梅が見ごろで、畑にはナノハナが咲く。少し先では、この春初
のキジの鳴き声も聞こえた。

 暖かな南風が顔をなで、穏やかな山並みと田園風景が広がり、のどかな春を
満喫する気持ちよい遍路道。植木畑が増えてきて冠水橋の梁田橋を渡り、右岸
の県道21号に回ると車の交通量が増える。


 しかしそれもわずかの間、500m余りで13番大日寺に着いた。車で来た団体
の遍路がいたが、お参りしている間に去った。


 ちょうど正午になったので、隣接するうどん店に行ってみたが、日曜で休業日
だった。

 道路を挟んで南側にある一宮神社にも参拝する。本殿の前に、狛犬とあわせて
狛馬?も並んでいた。

 参道の大きな石灯ろうと半円形の石の太鼓橋も、ほかでは見られぬ独特のもの
だった。

 鮎喰川右岸に近い田んぼの間を進んで一の宮橋を渡り、冬鳥の泳ぐ池の先を上
がって14番常楽寺へ。

 寺は巨大な岩盤の上に立ち、本堂の前には太い針葉樹が枝を広げている。納経
所前のシダレ梅が花を見せ始めていた。

 温かくなったので境内で薄着となり、先に向かう。すぐ先の番外霊場慈眼寺は、
中国風の建物。


 その先、興善寺の前には六地蔵を線刻した板碑が立つ。次の国分寺までは常楽
寺から1㎞足らずで着いた。

 15番国分寺は、聖武天皇の勅旨(ちよくし)により天平13年(741)に全国に建
立された国分寺のひとつ。

 本堂は2層の独特の造り、大きな鐘楼や古い礎石が寺の歴史を今に伝える。

 さらに北に向かい、国道192号の信号の近くに、いのちのふるさと直営という、
さぬきうどんの店があったので入り、遅い昼食とする。そばに無料休憩所もあり、
食事後に中をのぞく。


 国府(こう)の町中にある16番観音寺は、新しい本堂になっていた。


 国府の町並みを東に進み、左折する角にある大御和神社に参拝する。鳥居のそば
にある2本のクスノキが、豊富な枝ぶりをを見せていた。


 JR徳島線国府駅の東側踏切を越えて北に向かう。京都からという若い男性歩き
遍路が追いつき、井戸寺への道を聞かれた。彼は、山と渓谷社発行のガイドブック
だけで、地図が分かりにくいというので、へんろみち保存協力会の地図のことを教
えてあげた。

 今日最後の霊場、17番井戸寺に入って参拝、境内には、弘法大師が一夜に掘っ
たという、おもかげの井戸がある。納経を終えたら16時近い。


 徳島市の中心街に向かい、鮎喰川の長い橋を渡ってJR蔵本駅の前に出る。

 市街の中心を貫く国道192号や東側の旧道、さらに並行する小さい流れに沿った
通りなどを進み、17時50分に東横イン徳島駅眉山口(びざんぐち)に入った。

 すぐ手前の、眉山ロープウェイの乗り場近くには、ヘンロ小屋12号眉山がある。

 屋根は、阿波踊りの菅笠を形取ったものである。

 【コースタイム】植村旅館6:45ー広野郵便局前7:50ー高瀬公衆便所8:25~32新童
 学寺トンネル入口9:00ー別格2番童学寺9:27~10:00ー県道20号戻り10:32ー入田
 春日橋北詰11:04ー13番大日寺11:39~12:00ー一宮神社12:01~08ー14番常楽
 寺12:41~13:06ー15番国分寺13:19~38ーさぬきうどん店(昼食)13:53~14:18ー
 16番観音寺14:32~47ー17番井戸寺15:27~55ー中鮎喰橋東の交差点16:19ー
 JR蔵本駅17:00ー東横イン徳島駅眉山口17:50

 (天気 晴一時曇、距離 30㎞、歩行地 神山町、石井町、徳島市、歩数 57,900、
  遍路地図 14-1、16-1、18-1図)
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