地域、国家の兄弟関係について書いた時、関係国らしき人から、色々とご意見を頂いた。
朝鮮半島を東アジアの末っ子と見たら、日本が末っ子だろうと言われたので、日本は大陸一家から離れた一人っ子であることを追記した。
ちなみに、大陸兄弟の長子は中国、中間児はロシア、朝鮮半島は末っ子。
この時、日本が、兄弟関係において、朝鮮半島より上だと言ったつもりは全く無いが、コメントを入れた人は、気質の違いよりも、とにかく上下が気になったようだ。
何事においても、物事は多様であり、形の違いはあっても、上下は無いと考えている。
なお、東南アジアの国は、大陸とやや隔たりがあり、インド、太平洋の一家と考えた方が良さそうでもあり、良く解らないので、兄弟関係観察では除外するが、縄文以前の日本のルーツは、むしろ東南アジア・環太平洋の方が近いのかも知れない。
東アジアの中で、島国日本は歴史的に隔絶されてきた。縄文人の地に流れ込んできた大陸難民との融合で、独特の文化を育んできたが、少なくとも7世紀以後、大陸に蹂躙されることなく、独立国として歩んでくることができた。これは、島国の幸運だ。
この結果、日本文化は、大陸兄弟とは住まいを異にする、隣家の一人っ子となった。
一人っ子の特長は、
独りよがり。お人好し。付き合い下手。空気が読めない。怖い物知らず。自立自尊。好奇心の探求。夢とアイデアの宝庫。等々だが、まさにそういう民族性が育まれたようだ。
一人っ子は、人とはそれぞれ自分のことしか関心がないと思っている。だから、他人からあれこれ干渉されることが理解できず、誹謗中傷が最も苦手で、対処法など考えたこともない。イジメに対して、極めて脇が甘い。
しかし兄弟でもまれてきた人は、習性として競争を好み、人と争い、上下を決めようとする。中間児は黙って様子を見ているが、チャンスとみれば総取りを狙っている。
日本の大陸進出は、国家「関係」を知らない独りよがりからで、これが大失敗だった。
大陸に手を出したことで、兄弟関係の葛藤に巻き込まれ、今も悩まされている。兄弟は、もめることが日常で、むしろそれによって活力を得ているが、一人っ子には、もめ事は激しい消耗となる。攻撃が続くと、終いには、閉じこもるか爆発する。南蛮の風を恐れて鎖国し、列強の圧力には無謀な戦争を起こした。
一人っ子の生きる道
一人っ子が他人と付き合う場合、絶対に競争や争いは避けるべきだ。競争のセンスも概念も持ち合わせていない。
他人の争いには、一切関係せず、自分の家に皆を招き、常に楽しいことだけ提供するように心掛けた方が得策だ。
島の領土問題のような争いの種は、所有権を叫ぶより、歴史的経緯をさりげなくしっかりと宣伝しておけば、サロンに集う人々が勝手に牽制し合ってくれる。ただし、ハリネズミ的自己防衛は前提だ。ハリネズミは、怖い針山を持ちながら可愛がられている。自己防衛は、するかしないかの二者択一だ。ハムスターやウサギ、中にはナマケモノのような生き方もある。
南シナ海問題にアメリカが関心を寄せるのも、ベトナムやフィリピンに頼まれたからではない。米中間のパワーバランス、自己目的からだ。
中国やロシアを相手に、どんなにがんばっても力で奪うことはできないが、もし、日本が世界中の人気者であれば、それぞれの大国が、日本と親しい顔をするため、家の外で勝手に牽制し合う。美人は自ら喧嘩して勝たなくても、周囲からプレゼント攻勢に合うものだ。