ハイレゾが話題だ。High-Resolution Audioのことらしいが、要はCDを上回るデジタルデータ音源で、SONYあたりが新商品としてアピールしているのは聞いていたが、とうとう、ニュースにもなった。
SONYには騙されないぞと思っていたが、ニュースの解説を聞いてなるほどと思った。
ハイレゾはデジタルながら大情報量で、原音に近くなり、人の耳には聞こえない音まで含まれる。すると、聞こえない音を含む音楽を聞くことで、満足度の脳波が明らかに上がる。
これはまさに、持論、「会わなければ本当のことは解らない」の傍証ではなかろうか。
鑑定と実態
占い鑑定は、データだけに基づく方が正解が出る。しかし、占い相談は会って話さなければ答えが出ない。経験的にそう思っている。
鑑定は原則的なパターンを見抜くことだから、対面して、余計な情報を入れられたりすると、先入観や暗示に惑わされ、客観性を失い判断を誤る。
しかし、相談は依頼者のあらゆる情報を考慮し、実情に即して判断するのが目的だから、情報は多い方が良い。
占い相談は、鑑定を参考にしながら、依頼者の情報と比較し、実態を知って解決策を探る。鑑定にも情報にも偏ってはいけない。
本人が良いことだと思っていることが、鑑定では危険を示していることも多い。この矛盾の実態を知るには、本人の話だけではなく、その人が発するあらゆる情報を感じ取らなければならない。
実際に会えば、表面には現れない、その人の温度や臭い、その他諸々の情報を感じ取ることが出来る。ほとんどが、意識できないような情報だが、実際には存在する。
昔、関西一と言われた、実践鑑定家が、案内欄に「デンワキライ」と書いていた。
その後、自分も鑑定するようになって、この意味がよく解り、思い出すたびに笑った。
その鑑定所に電話はあっただろうが、当時はまだ、各戸に電話が無く、呼び出しも普通だった時代だから、電話の違和感は相当だったのだろう。
電話は基本的に信号音であり、人間の言葉ではない。極論すれば、モールス信号で恋愛は出来ない。今のネットはこれより遙かに高等だが、メールやチャットのトラブルは、常識になっている。
若い頃は電話もさほど苦にならなかったが、時間かまわず電話をしてきて、いきなり相談を始める人には、さすがに参った。電話はガチャポンやおみくじのような存在だったらしい。
デジタル人生
固定電話時代でもそうだから、携帯やネットの現代では、ほとんどすべての人が、信号だけでコミュニケーションが取れているつもりになっている。
人同士のコミュニケーションは、会って話しても、わかり合えることは難しいのに、信号で出会い信号で別れて、それを人生だと思っている。
ハイレゾといえども単に、デジタル情報が多いだけに過ぎない。信号はあくまで信号だ。「生」には信号では表せない膨大な情報が含まれている。
人を知り、人生を知るのは、情報を知ることではない。
「生」の実態を知り、そのすべてを「感じる」ことから始まる。