もう、あれこれ気を揉んでも仕方がない。
政治も、経済も、何もかも星の通りに進んでいく。
世の喧噪を載せたまま、今日も列車はひた走る。
頭に来た時ほど、戦をせまられた時ほど、
相手の立場に立って考えてみる必要がある。
自分の立場からの、怒りにまかせた言動は、何一つプラスにならない。
相手の立場に立つと言っても、自分が見た相手の立場では、なお悪い。
日中双方とも、自分の価値観から推し量る論調に被われている。
日本は、中国の覇権主義だけに着目し、
中国は、日米が、中国台頭を邪魔しようとしていると見る。
つまり、どちらも悪意はないのに、双方とも相手の悪意だと受け止める。これが、諍(イサカ)いの始まりだ。
読み違い
流出ビデオを見て、「船長は、やっぱり政府の回し者だ」と思う人が多いようだが、先のハノイの日中首脳会談ドタキャンの前に、前原外相と会談した中国外相・楊潔チー氏の表情をどう見ただろう。
あの時のTV報道を見た瞬間、「あれっ!」と、思った。
ほんの一瞬だったが、前原外相と向かい合う楊潔チー氏の表情が、いつものぶっきらぼうではなく、異常に愛想が良いのだ。
にもかかわらず、その直後の前原外相は、大成功かのごとき記者会見をした。・・・そして、ドタキャンだ。
人の表情を読む専門家でなくても、多少世慣れた人なら、『おかしいぞ。要警戒だ』と思うはずだが、現場の前原外相を筆頭に、誰も相手の腹を読めず、ドタキャンに、ただ驚き、アレコレと妄想する。
これが、人間力の欠如というものであり、今の日本を被っている。
疑心暗鬼の時代だからこそ、たとえどのように編集された映像からでも、個々が実体を見抜く力を持たなければならない時が来ている。
(真実は嘘の中にある)
漁船は陰謀的なものではない。ただし、これを利用しようという意志はある。この違いをハッキリ区別しなければ、対応を誤るし、間違った世論が形成されていく。
そして、実際そうなっていくだろうから、もう、何も言う気にもならないのだ。